愛犬と暮らしていると避けられないのが「抜け毛」の問題です。特に換毛期🛒になると、ソファや床が毛だらけになり、掃除しても掃除しても追いつかない…そんな「抜け毛地獄」に悩む飼い主さんは多いのではないでしょうか。
この記事では、犬の抜け毛のメカニズムから、毛質に合わせた正しいケア方法、効果的な掃除術、さらには病気のサインの見分け方まで、抜け毛対策を徹底解説します。正しい知識を身につけて、愛犬との快適な暮らしを取り戻しましょう。
なぜ犬はこんなに毛が抜けるの?抜け毛のメカニズム
犬の抜け毛を効果的に対策するためには、まず「なぜ毛が抜けるのか」を理解することが大切です。抜け毛のメカニズムを知ることで、適切なタイミングで適切なケアができるようになります。

換毛期の仕組み:年2回のサイクルを理解する
犬の抜け毛が最も増えるのが「換毛期」です。GREEN DOGの専門家によると、換毛期は年に2回、春(5〜7月)と秋(9〜11月)に訪れます。この時期は約1ヶ月間続きますが、個体によっては数ヶ月かかることもあります。
犬の被毛は大きく2種類に分けられます。
オーバーコート🛒(上毛): 硬くてしっかりした毛で、皮膚を外部刺激から保護する役割
アンダーコート(下毛): 柔らかくふわふわした毛で、保温・保湿の役割

ダブルコートの犬種(柴犬、ゴールデンレトリバー、ポメラニアンなど)は、この2層構造を持っています。換毛期にはアンダーコート🛒が大量に生え変わるため、抜け毛の量が一気に増えます。詳しいケア方法は「ダブルコート犬種のアンダーコートケア」をご覧ください。
一方、シングルコートの犬種(プードル、ヨークシャーテリア、マルチーズなど)はオーバーコートのみで、明確な換毛期がありません。一定のペースで少しずつ生え変わるため、抜け毛は比較的少なめです。シングルコートのケアについては「シングルコート犬種の被毛ケアのポイント」で詳しく解説しています。
室内犬は換毛が曖昧に?冷暖房の影響
最近は室内で飼育される犬が増えていますが、冷暖房の効いた環境では気温差を感じにくく、換毛のタイミングや量が曖昧になるケースが見られます。
本来、犬は季節の変化を感じ取って換毛を行います。しかし、一年中快適な室温で過ごしていると、体が季節を認識できず、ダラダラと毛が抜け続けたり、逆に十分な換毛が行われないこともあります。
健康的な換毛を促すためには、適度に外の気温を感じさせることが大切です。毎日の散歩で季節の変化を体験させることで、正常な換毛サイクルが維持されます。
毛質別!正しいブラッシングの方法
抜け毛対策の基本中の基本が「ブラッシング」です。しかし、犬の毛質によって適切なブラシ🛒や方法が異なります。間違ったブラッシングは皮膚を傷つけたり、かえって毛を傷める原因になることも。愛犬の毛質に合った正しいブラッシングを行いましょう。
ダブルコート犬種のアンダーコートケア
ダブルコート🛒の犬種は、換毛期に大量のアンダーコートが抜けます。このアンダーコートを効率よく取り除くことが、抜け毛対策のカギとなります。
おすすめの手順:
まずスリッカーブラシで毛をかき分けながら、根元から抜け毛を取り除く
コームで全体をとかし、残った抜け毛や毛玉をチェック
最後に獣毛ブラシで仕上げて艶を出す
中央動物専門学校の解説によると、通常は2〜3日に1回のブラッシングで十分ですが、換毛期は毎日行うことが望ましいとされています。
ブラッシングには抜け毛を取り除く以外にも、血行促進、皮膚の通気性向上、皮膚炎の予防といったメリットがあります。ただし、力を入れすぎると皮膚を傷つけてしまうので、優しく丁寧に行いましょう。
シングルコート犬種の優しいブラッシング
シングルコートの犬種は換毛期がないため、ダブルコートほど頻繁なブラッシングは必要ありません。ただし、毛の生え変わりは常に起こっているので、週に数回のお手入れが理想的です。
おすすめの手順:
ラバーブラシで優しくマッサージするようにブラッシング
獣毛ブラシで仕上げて艶を出す
ラバーブラシはゴム製で肌への刺激が少なく、ブラッシングが苦手な犬の入門用としてもおすすめです。毎日のコミュニケーションの一環として取り入れると、愛犬との絆も深まります。
毛質別のブラッシングについてさらに詳しく知りたい方は、「毛質別ブラッシング:正しい道具と頻度」をご覧ください。
ブラシの種類と正しい選び方
犬用ブラシ🛒にはさまざまな種類があります。愛犬に合ったものを選ぶことが大切です。
| ブラシの種類 | 特徴 | おすすめの犬種・用途 |
|---|---|---|
| スリッカーブラシ | 細い針金状のピンが密集 | ダブルコート、毛玉除去に |
| ラバーブラシ | ゴム製で肌に優しい | シングルコート、敏感肌の犬に |
| ピンブラシ | 先端が丸いピン | 全犬種、血行促進に |
| コーム | 金属製のくし | 仕上げ、毛玉チェックに |
| 獣毛ブラシ | 天然毛のブラシ | 艶出し仕上げに |
グルーミングに必要な道具については「必須グルーミングツール10選とその使い方」で詳しく紹介しています。
シャンプーで抜け毛を効率的に落とす
ブラッシングと併せて行いたいのがシャンプーです。シャンプーは抜け毛を一気に洗い流せる効果的な方法ですが、やりすぎは禁物。正しい頻度と方法を守ることが大切です。
シャンプーの適切な頻度と注意点
みんなのブリーダーの情報によると、犬のシャンプー🛒は月に3回程度が目安とされています。シャンプーのしすぎは皮脂を奪いすぎてしまい、かえって皮膚トラブルを引き起こす原因になります。
シャンプー時の注意点:
低刺激のシャンプーを選ぶ
皮膚に傷や炎症がないか事前にチェック
すすぎ残しがないよう十分に洗い流す
ドライヤーでしっかり乾かす(生乾きは皮膚病の原因に)
シャンプーの詳しい方法については「犬のシャンプーは月何回?正しい洗い方」で解説しています。
抜け毛が多い時期の洗い方のコツ
換毛期は通常より抜け毛が多くなるため、シャンプー前のブラッシングが特に重要です。
換毛期のシャンプー手順:
入念にブラッシングして、できるだけ抜け毛を取り除く
ぬるま湯(35〜38度)で全身を十分に濡らす
シャンプー🛒を手のひらで泡立ててから、マッサージするように洗う
特にアンダーコートが密集する部分(首回り、お尻周り)は丁寧に
しっかりすすいでタオルドライ
ドライヤーで乾かしながら、再度ブラッシング
ドライヤーで乾かす際にブラッシングすることで、さらに抜け毛を取り除けます。愛犬の肌タイプに合ったシャンプーの選び方は「肌タイプ別・犬用シャンプーの選び方」を参考にしてください。
食事で内側から被毛ケア:オメガ3脂肪酸の効果
外側からのケアだけでなく、食事による内側からのアプローチも効果的です。特に注目されているのが「オメガ3脂肪酸」の働きです。
オメガ3脂肪酸が被毛に与える効果
サーカス動物病院によると、オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)には皮膚や関節の炎症を抑制する働きがあり、被毛の健康にも良い影響を与えます。
子犬のへやの研究レビューでは、毛並みが悪い犬24頭を対象とした実験で、オメガ3🛒脂肪酸(1日にEPA 160mg + DHA 100mg)を90日間投与したところ、投与開始から30日以降に皮膚状態の改善が確認されたと報告されています。
また、アトピー性皮膚炎の犬にオメガ3脂肪酸を12週間補給することで、痒みや被毛の状態が改善し、ステロイドなどの治療薬を減量できたという報告もあります。
オメガ3脂肪酸の主な効果:
皮膚の炎症を抑える
被毛の艶と保湿力を向上させる
アレルギー症状の緩和
皮膚のバリア機能を強化
サプリメント使用の注意点と適切な摂取量
オメガ3脂肪酸はサプリメント🛒で補給することもできますが、使用には注意が必要です。
摂取量の目安(NRC推奨):
推奨値:30mg × 体重^0.75 kg(EPA+DHA)
上限値:370mg × 体重^0.75 kg
例えば体重10kgの犬なら、推奨値は約170mg、上限値は約2,080mgとなります。
注意点:
過剰摂取は下痢や肥満の原因になる
サプリメント使用前に獣医師に相談を
魚由来のオメガ3(EPA・DHA)が効果的
亜麻仁油などの植物性より魚油がおすすめ
栄養バランスの取れた食事は被毛の健康に直結します。詳しくは「犬の食事と栄養:正しいフード選びの科学」をご参照ください。
散らばる抜け毛を最小限に!日常の工夫
ブラッシングやシャンプー🛒で抜け毛を減らしても、完全にゼロにはできません。そこで、抜け毛が部屋中に散らばるのを最小限に抑える工夫も大切です。
犬に服を着せるメリットと注意点
意外かもしれませんが、犬に服を着せることは抜け毛対策として有効です。服が毛をキャッチしてくれるため、部屋中に毛が散らばるのを防げます。
メリット:
抜け毛の飛散を防ぐ
散歩時のケガ予防
紫外線対策にもなる
注意点:
蒸れやすい素材は皮膚炎の原因に
通気性の良い素材を選ぶ
着せっぱなしにしない
定期的に服も洗濯する
季節に合わせた被毛ケアについては、「夏のグルーミング:暑さ対策と被毛ケア」や「冬のグルーミング:乾燥対策と静電気防止」も参考にしてください。
室内環境の整え方:湿度管理がカギ
実は、室内🛒の湿度管理も抜け毛対策に効果があります。湿度45〜55%の環境では、抜け毛が約30%減少する傾向が確認されているというデータもあります。
効果的な室内環境づくり:
加湿器で適切な湿度(45〜55%)を維持
空気清浄機で浮遊する毛をキャッチ
定期的な換気で空気を入れ替え
エアコンのフィルターはこまめに掃除
乾燥した環境は静電気を発生させやすく、抜け毛が衣類や家具に付着しやすくなります。適度な湿度を保つことで、掃除の手間も軽減できます。
抜け毛掃除を楽にする便利グッズ&テクニック
どんなに対策をしても、ある程度の抜け毛は避けられません。そこで重要になるのが効率的な掃除です。便利なグッズと掃除のコツを押さえて、抜け毛掃除の負担を軽減しましょう。
場所別おすすめ掃除アイテム
場所に応じて適切な掃除アイテムを使い分けることで、効率がグンとアップします。
| 場所 | おすすめアイテム | ポイント |
|---|---|---|
| フローリング | ペーパーモップ | 毛を舞い上げずに集められる |
| カーペット・ラグ | 粘着ローラー、掃除機 | ゴム製ほうきも効果的 |
| ソファ・布製家具 | 粘着ローラー、ゴム手袋 | 撫でるように毛を集める |
| 衣類 | 粘着ローラー | 外出前の必需品 |
| 狭い場所 | ハンディ掃除機 | 家具の下や隙間に |
パナソニックの調査によると、ペットを飼っている家庭の58.6%が毎日〜1日数回掃除機をかけており、85.8%が「掃除機のブラシ🛒に毛が絡まる」と回答しています。
最近は「からまないブラシ」搭載の掃除機や、ペットの毛専用の「Cat & Dog」モデルなど、ペット向け掃除機も増えています。毛が絡みにくい掃除機を選ぶと、お手入れの手間も省けます。
粘着ローラー活用のコツ:
各部屋に1つずつ常備
カーペット用とフローリング用で使い分け
愛犬がよくいる場所を重点的に
効率的な掃除の順番とコツ
抜け毛掃除を効率的に行うには、順番が大切です。
おすすめの掃除手順:
高い場所から下へ: 棚の上→家具の上→床の順で
ペーパーモップで集める: まずは静かに毛を集める
掃除機で吸い取る: 集めた毛と細かい毛を吸引
仕上げに拭き掃除: ウェット🛒シートで残った毛を除去
やってはいけないこと:
❌ 掃き掃除から始める(毛が舞い上がる)
❌ いきなり掃除機をかける(毛を散らばらせる)
❌ 乾いた雑巾で拭く(静電気で毛が付着)
ちょっとした工夫で、掃除の効率は大きく変わります。
要注意!病気が原因の脱毛を見分けるサイン
抜け毛は自然な現象ですが、中には病気が原因のケースもあります。正常な換毛と病的な脱毛の違いを知っておくことで、早期発見・早期治療につなげましょう。
正常な換毛と病的脱毛の違い
乙訓どうぶつ病院の獣医師によると、正常な換毛期の抜け毛には以下の特徴があります。
正常な換毛の特徴:
全身の毛が均一に抜ける
皮膚が丸見えになるほどは抜けない🛒
皮膚の色は健康的なピンク色
かゆみや炎症がない
換毛期(春・秋)に一致している
病的な脱毛を疑うサイン:
左右非対称に抜けている
部分的に皮膚が見えるほど抜けている
円形に毛が抜けている
皮膚に赤みや発疹がある
強いかゆみで掻きむしっている
毛並みがゴワゴワして艶がない
PS保険の解説でも、円形に毛が抜けるのは換毛期には見られない異常症状であり、自己免疫性疾患やホルモン異常、真菌感染などが疑われると説明されています。パスカル動物病院も同様に、脱毛の原因となる皮膚病について詳しく解説しています。
すぐに病院へ行くべき症状
以下のような症状がある場合は、早めに動物病院を受診しましょう。
受診すべき症状:
換毛期以外での急激な抜け毛増加
皮膚の赤み、湿疹、かさぶた
強いかゆみや執拗に舐める行動
脱毛部分の皮膚が黒ずんでいる
元気や食欲の低下を伴う
考えられる病気:
| 分類 | 主な病気 | 特徴 |
|---|---|---|
| 感染症 | 膿皮症、マラセチア皮膚炎、皮膚糸状菌症 | 細菌・真菌・ダニが原因 |
| アレルギー | 食物アレルギー、アトピー性皮膚炎 | 左右対称に症状が出やすい |
| 内分泌疾患 | 甲状腺機能低下症、副腎皮質機能亢進症 | 全身的な脱毛、皮膚の変色 |
| 心因性 | 心因性脱毛症 | ストレスで舐め続けることが原因 |
皮膚にトラブルがある時のグルーミング🛒については「皮膚トラブルがある時のグルーミング注意点」で詳しく解説しています。また、皮膚と被毛の健康について総合的に学びたい方は「犬の皮膚と被毛:トラブル解消と美しい毛並み」もご覧ください。
まとめ:抜け毛と上手に付き合うために
犬の抜け毛は自然な生理現象であり、完全になくすことはできません。しかし、正しい知識と適切なケアで、その量を減らし、掃除の負担を軽減することは十分に可能です。
抜け毛対策のポイント:
毎日のブラッシングが最重要 - 愛犬の毛質に合ったブラシで、換毛期は毎日、通常でも2〜3日に1回
適切なシャンプー🛒 - 月3回程度、低刺激のシャンプーで
食事からのアプローチ - オメガ3脂肪酸で内側から被毛をケア
室内環境を整える - 湿度45〜55%を維持して抜け毛を軽減
効率的な掃除 - 場所に合った道具で、上から下へ
異常を見逃さない - 病的な脱毛のサインに注意
抜け毛対策は、愛犬の健康管理の一環でもあります。日々のブラッシングは皮膚の状態チェックにもなりますし、愛犬とのコミュニケーションの大切な時間にもなります。
抜け毛と上手に付き合いながら、愛犬との快適な暮らしを楽しんでください。グルーミング全般について詳しく知りたい方は、「犬のグルーミング:自宅でできるプロのケア」をご覧ください。






