愛犬が皮膚トラブルを抱えているとき、グルーミング🛒をどうすればいいのか悩む飼い主さんは多いでしょう。実は、皮膚トラブルがある犬にとってグルーミングは諸刃の剣です。正しい方法で行えば症状の改善につながりますが、間違った方法では症状を悪化させてしまう可能性があります。
犬の皮膚は人間よりもデリケートで、被毛に覆われているがゆえに通気性が悪くなり、皮膚トラブルを起こしやすい傾向にあります。この記事では、皮膚トラブルを抱えた愛犬のための安全なグルーミング方法を、獣医師推奨の情報に基づいて詳しく解説します。
皮膚トラブルがある犬のグルーミングが重要な理由
「皮膚トラブルがあるなら、グルーミングは控えた方がいいのでは?」と考える飼い主さんもいるかもしれません。しかし、適切なグルーミング🛒は皮膚の健康維持に不可欠です。犬のグルーミングの基本を押さえたうえで、皮膚トラブル時の注意点を理解することが大切です。

グルーミングが重要な理由は以下の通りです。
汚れとアレルゲンの除去 毎日の生活で皮膚には花粉、ホコリ、細菌などさまざまな汚れが付着します。これらを定期的に除去しないと、皮膚トラブルの悪化につながります。
皮膚の状態確認 グルーミング🛒の際に皮膚の状態をチェックすることで、赤みやかゆみ、腫れなどの変化を早期に発見できます。
血行促進効果 優しいブラッシングやマッサージは血行を促進し、皮膚の新陳代謝を助けます。これにより、皮膚の回復力が高まることが期待できます。

被毛の通気性改善 適切なブラッシングにより被毛のもつれを解消し、皮膚への通気性を改善することで、蒸れによる症状悪化を防ぎます。
知っておくべき犬の皮膚トラブルの種類
皮膚トラブルにはさまざまな種類があり、それぞれに適したケア方法が異なります。愛犬がどのタイプの皮膚トラブルを抱えているのか、獣医師に相談して正確に把握することが重要です。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は犬の10〜15%に影響する最も一般的な皮膚疾患の一つです。アトピー性皮膚炎の犬の皮膚は、表面の角質層に含まれるセラミドが不足しており、このことが皮膚のバリア機能の低下に関係しています。
主な症状は慢性的なかゆみで、顔、耳、足、脇の下、お腹などに赤みや炎症が見られます。遺伝的な要因が強く、完治は難しいものの、適切なスキンケア🛒で症状をコントロールすることが可能です。
マラセチア性皮膚炎
マラセチア性皮膚🛒炎は、酵母菌(マラセチア)が異常増殖することで起こる皮膚炎です。アトピー性皮膚炎と併発することが多く、皮脂の過剰分泌や皮膚のバリア機能低下が原因となります。
特徴的な症状として、皮膚がベタベタして脂っぽくなり、独特の発酵臭がすることがあります。愛犬の健康管理の観点からも、早めに獣医師に相談することをお勧めします。
グルーミング後皮膚炎(Post-grooming furunculosis)
グルーミング後皮膚炎は、バスやブラッシング🛒、トリミングの後24〜48時間で発症する皮膚炎です。過度なブラッシングや不適切なシャンプーの使用、クリッパーバーンなどが原因で起こります。
特に背中や首の後ろなど、シャンプーをしっかり塗布したり、強くブラッシングしがちな部位に症状が現れやすいのが特徴です。
皮膚トラブル時のブラッシング注意点
皮膚トラブルがあるときのブラッシングは、通常よりも慎重に行う必要があります。毛質別のブラッシングの基本を理解したうえで、以下の注意点を守りましょう。
適切なブラシの選び方
皮膚が敏感な犬には、皮膚への刺激が少ないブラシを選ぶことが重要です。グルーミングツールの中でも、以下のタイプがおすすめです。
ラバーブラシ🛒 柔らかいゴム素材でできているため、皮膚への刺激が最も少ないブラシです。マッサージ効果も期待でき、敏感肌の犬に最適です。
獣毛ブラシ 豚毛や猪毛でできたブラシは静電気が生じにくく、被毛についたホコリを取り除きます。猪毛のブラシは毛のつや出しだけでなく、保湿効果も期待でき、乾燥肌の犬にもおすすめです。
先端が丸いピンブラシ 金属製のピンブラシを使う場合は、必ず先端が丸く加工されているものを選びましょう。先端がシリコンで保護されているタイプはより安全です。
避けるべきブラシ 硬いスリッカーブラシ🛒や先端が尖ったコームは、皮膚トラブルがある犬には刺激が強すぎるため避けましょう。
ブラッシングの正しいやり方
皮膚トラブル時のブラッシングは、以下のポイントを守って行いましょう。
毛流れに沿って優しく:毛の流れに逆らわず、優しいストロークで行います
皮膚に直接当てない:ブラシは皮膚の手前で止め、被毛だけをとかすイメージで
短いストロークで:長くストロークを取ると力が入りやすいため、短く細かく動かします
頻度は控えめに:通常より頻度を下げ、週1〜2回程度に抑えます
避けるべきNG行為
皮膚トラブルを悪化させないために、以下の行為は絶対に避けてください。
強くブラシを押し当てる
炎症がある部位を直接ブラッシングする
長時間のブラッシング(5分以内に収める)
毛玉を無理に引っ張って取る
皮膚が赤くなっているのに続ける
皮膚トラブル時のシャンプーの選び方と使い方
シャンプー🛒は皮膚トラブルのケアにおいて非常に重要な役割を果たします。犬用シャンプーの選び方の基本を押さえつつ、皮膚トラブル時の特別な配慮が必要です。
皮膚タイプ別シャンプーの選び方
獣医師監修の情報によると、犬の薬用シャンプー🛒には抗菌性、保湿性、止痒性、角質溶解性などさまざまな種類があり、症状によって最適なものが異なります。
アトピー性皮膚炎の場合 低刺激で保湿成分(セラミド、ヒアルロン酸など)が配合されたシャンプーを選びましょう。
マラセチア性皮膚炎の場合 抗真菌成分が配合された薬用シャンプーが効果的です。
避けるべき成分 以下の成分は刺激が強いため、皮膚トラブルがある犬には避けましょう。
ラウリル硫酸ナトリウム
ラウレス硫酸ナトリウム
ラウレス硫酸アンモニウム
人工香料
着色料
正しいシャンプーの手順
皮膚トラブルがある犬のシャンプーは、正しい洗い方を守ることが特に重要です。Merck Veterinary Manualによると、以下の手順が推奨されています。
シャンプー🛒前のブラッシング
毛玉やもつれを解消し、シャンプーが皮膚まで浸透しやすくします。皮膚を傷つけないよう優しく行いましょう。
ぬるま湯で全身を濡らす
30度程度のぬるま湯を使用します。熱いお湯は皮膚を刺激し、かゆみを悪化させるため絶対に避けてください。
シャンプー🛒を希釈して使用
薬用シャンプーは原液のまま使うと刺激が強いため、バケツなどで希釈してから使用することが推奨されます。
優しく泡立てる
指の腹を使って全身を優しくマッサージするように洗います。爪を立てたり、強くこすったりしないでください。
5〜10分漬け置き
薬用シャンプーの有効成分を皮膚に浸透させるため、泡立てた後は5〜10分そのまま置きます。
十分にすすぐ
シャンプー剤が残ると皮膚トラブルの原因になります。特に内股、脇、足の裏、指の間は念入りにすすぎましょう。
シャンプーの頻度
皮膚トラブルがある犬のシャンプー頻度は、症状によって異なります。獣医師の指導を受けながら、以下を目安にしてください。
感染を伴う場合:週に1〜2回
感染がない場合:週に1回程度
脂っぽい(脂漏症)の場合:週に2回から始め、改善したら週1回に
ただし、これはあくまで目安です。必ずかかりつけの獣医師と相談して、愛犬に最適な頻度を決めてください。
シャンプー後の乾燥とスキンケア
シャンプー🛒後のケアは、皮膚トラブルの改善において非常に重要です。冬の乾燥対策と同様に、年間を通じて保湿に気を配る必要があります。
タオルドライのポイント
こすらず、タオルで水分を吸い取るように優しく押し当てる
複数枚のタオルを使ってしっかり水分を取る
ドライヤー🛒の注意点
必ず温度設定を確認し、低温または冷風を使用
送風口を30cm以上離して当てる
高温の風は皮膚の乾燥やかゆみの悪化を招く
一箇所に長時間当て続けない
保湿剤の使用 シャンプー後は皮膚が柔らかくなり、保湿剤や外用薬が浸透しやすくなります。獣医師に処方された保湿剤やクリームがある場合は、このタイミングで塗布すると効果的です。
注意:人間用の保湿剤やクリームは犬には使用しないでください。成分が犬の皮膚に合わず、症状を悪化させる可能性があります。
部位別・皮膚トラブル時のケア方法
皮膚トラブルは特定の部位に起こりやすい傾向があります。部位ごとの注意点を把握しておきましょう。
肉球・足裏のケア
指の間は湿気がこもりやすく、細菌や酵母菌が繁殖しやすい場所です。肉球ケアの基本を押さえつつ、以下に注意してください。
シャンプー後は指の間までしっかり乾かす
散歩後は足を洗い、必ず乾燥させる
赤みやかゆみがある場合は舐めさせないよう注意
獣医師処方の外用薬がある場合は、指の間にも塗布
耳周りのケア
垂れ耳の犬は特に耳の中の湿気に注意が必要です。耳掃除と合わせて、以下のケアを行いましょう。
シャンプー時に耳の中に水が入らないよう注意
耳の周りの被毛は清潔に保つ
外耳炎の兆候(耳をかゆがる、頭を振る)があれば獣医師に相談
顔周りのケア
目元や口周りはデリケートな部位です。目元ケアの知識も活用しながら、以下に注意してください。
シャンプー🛒が目に入らないよう注意
涙やけがある場合は、専用のクリーナーで清潔に
口周りの汚れは食後に優しく拭き取る
顔周りのブラッシングは特に優しく
皮膚トラブル時に避けるべきグルーミング
皮膚が敏感になっているときは、一部のグルーミングを控えた方がよい場合があります。
サマーカット・バリカン
サマーカットのリスクでも解説されていますが、皮膚トラブルがあるときのバリカン🛒使用は特に注意が必要です。
バリカンの刃が皮膚に直接当たると炎症を起こす「バリカン負け」のリスク
被毛を短くしすぎると紫外線から皮膚を守れなくなる
炎症部位へのバリカン使用は厳禁
皮膚トラブルがある場合は、獣医師やトリマーに相談のうえ、カットの可否を判断してもらいましょう。
過度なトリミング
長時間のトリミングはストレスの原因となり、ストレスは皮膚トラブルを悪化させる要因の一つです。
トリミングは必要最低限に抑える
複数回に分けて行うことも検討
愛犬がリラックスできる環境を整える
獣医師に相談すべきサイン
自宅でのケアには限界があります。以下の症状が見られた場合は、すぐに獣医師に相談してください。
すぐに受診すべき症状
広範囲で毛が抜けている
皮膚の色が明らかに変わっている
強いかゆみや痛みで愛犬が苦しんでいる
膿が出ている、または出血している
元気がなく、食欲も低下している
症状が短期間で急に悪化した
グルーミング🛒はあくまで補助的なケアです。早期発見の重要性を忘れず、必ず獣医師の診察と指示に従いながらケアを進めてください。自己判断で市販の薬を使用したり、ケアを中断したりすることは避けましょう。
プロのグルーマーに伝えるべきこと
皮膚トラブルがあっても、グルーミングサロンの利用を完全に諦める必要はありません。ただし、事前に適切な情報を伝えることが重要です。
サロン予約時に伝えるべきこと
皮膚トラブルの種類と症状
現在使用中の薬やシャンプー
獣医師から指示されているケア方法
避けてほしいケア(バリカン、特定のシャンプーなど)
症状が出やすい部位
プロに任せるケアと自宅ケアを上手に使い分けることで、愛犬への負担を軽減しながら適切なケアを継続できます。皮膚トラブルに対応できるサロンかどうか、事前に確認することも大切です。
まとめ:皮膚トラブルを悪化させないグルーミングのポイント
皮膚トラブルがある犬のグルーミング🛒で最も重要なのは、「優しく、慎重に」を心がけることです。
ブラッシングのポイント
ラバーブラシや獣毛ブラシなど刺激の少ないものを選ぶ
毛流れに沿って優しく、短いストロークで
炎症部位は避け、週1〜2回程度に抑える
シャンプーのポイント
獣医師に相談して適切な薬用シャンプーを選ぶ
30度のぬるま湯で、5〜10分漬け置き
しっかりすすいで、低温のドライヤー🛒で乾かす
その他の注意点
症状の変化を見逃さない
自己判断せず、獣医師と連携してケアを進める
プロに任せる際は事前に情報を共有
皮膚トラブルのケアは根気が必要ですが、適切なグルーミングを続けることで症状の改善が期待できます。愛犬の快適な生活のために、グルーミングの基本を大切にしながら、皮膚トラブルに配慮したケアを実践してください。






