夏の暑さは私たち人間だけでなく、愛犬にとっても大きなストレスとなります。特に被毛に覆われた犬は、体温調節が難しく、適切なグルーミング🛒ケアが欠かせません。
この記事では、夏特有の被毛ケア方法から、サマーカットの真実、熱中症対策まで、愛犬を夏の暑さから守るためのグルーミングの基本を徹底解説します。正しい知識を身につけて、愛犬と一緒に快適な夏を過ごしましょう。
夏の犬のグルーミングが重要な理由
犬は人間とは異なり、全身に汗腺がありません。みんなのブリーダーの解説によると、犬が汗をかく汗腺は足の裏の肉球部分にしか存在しないため、体温調節をするのが非常に難しいのです。

犬が体温を下げる主な方法は「パンティング」と呼ばれる激しい口呼吸です。舌を出してハァハァと呼吸することで、唾液を蒸発させて体温を下げています。しかし、この方法だけでは真夏の暑さに対応しきれません。
夏に被毛ケアが必要な理由
換毛期との重なり:春から夏にかけて、多くの犬種で冬毛から夏毛への生え変わりが起こります
熱のこもり:被毛内に熱がこもりやすく、体温上昇の原因になります
皮膚トラブル:蒸れや汚れにより、皮膚炎のリスクが高まります
虫刺され:ノミやダニなどの害虫が活発になる季節です
犬にとって快適な環境は、温度20〜25℃、湿度50%程度とされています。夏場はこの条件を維持することが難しいため、グルーミングによる被毛ケアがより重要になります。

犬の被毛タイプと夏のケア方法
犬の被毛には大きく分けて「ダブルコート🛒」と「シングルコート」の2種類があります。それぞれの特徴を理解し、適切なケアを行うことが大切です。
ダブルコート犬種の特徴と夏のケア
ダブルコートとは、オーバーコート(上毛)とアンダーコート(下毛)の2層構造になっている被毛のことです。ダブルコート犬種のケアでは、この特性を理解することが重要です。
ダブルコート🛒の代表的な犬種:
柴犬、秋田犬などの日本犬
ゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバー
シベリアン・ハスキー、サモエド
ポメラニアン、チワワ
コーギー、シェルティ
アンダーコートは保温性が高く、冬は体を温める役割を果たします。一方、夏はこのアンダーコートが熱をこもらせる原因になるため、換毛期にしっかりと抜け毛を除去することが重要です。
ダブルコート犬種の夏のケアポイント:
毎日のブラッシングでアンダーコートを除去
被毛を短くカットしすぎない(詳しくはサマーカットの項目で解説)
通気性を良くするため、毛玉を作らない
シングルコート犬種の特徴と夏のケア
シングルコート🛒は、アンダーコートがほとんどなく、オーバーコートのみで構成されている被毛です。シングルコート犬種の被毛ケアも参考にしてください。
シングルコートの代表的な犬種:
トイプードル、ミニチュアプードル
マルチーズ、シーズー
ヨークシャーテリア
パピヨン
シングルコート犬種は換毛期がなく、一年を通じて少しずつ毛が抜けます。しかし、被毛が薄いため、カットしすぎると皮膚を守るものがなくなり、紫外線や虫刺されのダメージを受けやすくなります。
シングルコート犬種の夏のケアポイント:
定期的なトリミングで清潔さを保つ
皮膚が見えるほど短くカットしない
紫外線対策として薄い色のウェアを着せる
換毛期のブラッシング:夏毛への切り替えをサポート
換毛期は犬の被毛ケアにおいて最も重要な時期です。ペテモの解説によると、換毛期とは春(〜7月頃)と秋(〜11月頃)の年2回、アンダーコートを持つ犬種の被毛が生え変わる時期のことです。
換毛期とは:夏毛と冬毛の違い
冬毛の特徴:
アンダーコート🛒が密に生えている
断熱効果が高く、体温を保持する
ふわふわとしたボリューム感がある
夏毛の特徴:
アンダーコートが薄くなる
通気性が良く、熱を逃がしやすい
冬毛に比べてスッキリとした見た目
冬毛から夏毛への生え変わり時期は、大量のアンダーコートが抜けるため、飼い主さんにとって「抜け毛地獄」とも呼ばれます。この時期こそ、こまめなブラッシングが欠かせません。
夏のブラッシングの頻度と方法
毛質別ブラッシングの基本を押さえた上で、夏場は特に以下の頻度でブラッシングを行いましょう。
推奨頻度:
長毛種・ダブルコート:毎日(最低でも1日1回)
中毛種:2〜3日に1回
短毛種:週に2〜3回
ペティオの解説によると、被毛の長い犬種は、毛が抜けても他の毛と絡まって体表に残ったままになりがちです。そうなると通気性が悪くなり、熱が体にこもって熱中症のリスクが高まります。
効果的なブラッシングの手順:
毛並みに沿って軽くブラシをかける:まず全体の汚れを落とす
毛をかき分けて根元からブラッシング:アンダーコート🛒を効果的に除去
毛玉があれば毛先から少しずつほぐす:無理に引っ張らない
仕上げにコームで整える:毛並みを美しく
おすすめのブラシと使い分け
抜け毛対策に効果的なブラシの種類と使い方を紹介します。
| ブラシの種類 | 適した犬種 | 用途 |
|---|---|---|
| スリッカーブラシ | 長毛種、ダブルコート | アンダーコート除去、毛玉ほぐし |
| ラバーブラシ | 短毛種 | 抜け毛除去、マッサージ効果 |
| ピンブラシ | 中〜長毛種 | 毛並みを整える |
| コーム | 全犬種 | 仕上げ、耳周りなど細かい部分 |
| アンダーコートレーキ | ダブルコート | アンダーコート専用除去 |
ブラッシングの注意点:
力を入れすぎず、皮膚を傷つけないよう注意
愛犬がリラックスしているときに行う
嫌がる場合は無理せず、短時間で終わらせる
サマーカットは本当に涼しい?メリットとデメリット
「夏は暑いから被毛を短くカットしてあげよう」と考える飼い主さんは多いでしょう。しかし、サマーカット🛒には意外な落とし穴があります。Honda Dogの解説でも詳しく説明されている通り、サマーカットは慎重に検討すべきケアなのです。
サマーカットのメリット
サマーカットには確かにいくつかのメリットがあります。
お手入れが楽になる:被毛が短くなることで、ブラッシングやシャンプーの時間が短縮
毛玉ができにくい:毛同士の摩擦が減り、絡まりにくくなる
汚れが付きにくい:散歩後の汚れも少なく、清潔を保ちやすい
皮膚の状態を確認しやすい:皮膚トラブルの早期発見につながる
サマーカットのデメリットと危険性
PETOKOTOの解説によると、サマーカット🛒には以下のようなデメリットや危険性があります。
1. 紫外線ダメージ 被毛を短くカットしすぎると、紫外線が直接皮膚に当たり、日焼けや皮膚炎のリスクが高まります。特に白い被毛や薄い色の犬は注意が必要です。
2. 熱中症リスクの増加 意外に思われるかもしれませんが、被毛を短くしすぎると逆に暑くなることがあります。皮膚に直接太陽光が当たることで、体温が上昇しやすくなるのです。
3. 毛質の変化 一度短く刈り込むと、毛がゴワゴワになったり、毛周期が止まって毛が伸びてこなくなる「毛刈り後脱毛症」のリスクがあります。特にポメラニアンに多く見られます。
4. 虫刺されリスクの増加 被毛が短くなると、ノミやダニ、蚊などに刺されやすくなります。
5. 冷房での冷えすぎ 室内で過ごす時間が長い犬は、エアコンの冷気で体が冷えすぎてしまうこともあります。
サマーカットに向いている犬種・向かない犬種
サマーカットのメリット・デメリットについてさらに詳しく解説した記事も参考にしてください。
サマーカットに向いている犬種:
トイプードル、ミニチュアプードル
シーズー
マルチーズ🛒
ヨークシャーテリア
これらのシングルコート犬種は、毛が伸び続けるため定期的なカットが必要です。夏は少し短めにカットすることで快適に過ごせます。
サマーカットに向かない犬種:
柴犬、秋田犬などの日本犬
ゴールデン・レトリーバー、ラブラドール
シベリアン・ハスキー、サモエド
ポメラニアン、チワワ
これらのダブルコート犬種は、アンダーコートが天然の断熱材として機能しています。短くカットすると、この機能が失われてしまいます。
安全なサマーカットの長さと部位
VCA Hospitalsの解説によると、サマーカットを行う場合は、皮膚を保護するために少なくとも1インチ(約2.5cm)以上の被毛を残すことが推奨されています。
部分的なカットがおすすめ:
お腹周り:地面に近く、冷たい場所で寝転ぶと涼しさを感じやすい
脇の下:毛玉ができやすく、通気性を良くすると快適
耳の内側:蒸れやすいため、少し短くすると耳トラブルの予防に
カットを避けるべき部位:
背中や頭頂部:直射日光を受けやすい
鼻先:日焼けしやすい
夏のシャンプーと皮膚ケア
夏は汗や皮脂の分泌が増え、体臭が気になりやすい季節です。しかし、シャンプー🛒のしすぎには注意が必要です。
夏のシャンプー頻度
犬のシャンプー頻度の基本を踏まえた上で、夏場は以下を目安にしましょう。
推奨頻度:
短毛種:月1〜2回
長毛種:月2〜3回
皮膚トラブルがある場合:獣医師の指示に従う
頻繁にシャンプーをすると、皮膚に必要な油分まで洗い流してしまい、乾燥や皮膚トラブルの原因になります。
夏におすすめのシャンプーの選び方
肌タイプ別シャンプー選びを参考に、夏に適したシャンプー🛒を選びましょう。
夏向けシャンプーの特徴:
低刺激・弱酸性:皮膚への負担が少ない
保湿成分配合:洗い上がりの乾燥を防ぐ
抗菌・消臭効果:夏の体臭対策に
クールタイプ:メントール配合で清涼感(ただし刺激が強い場合も)
皮膚トラブルの予防
夏は皮膚トラブルが起きやすい季節です。皮膚トラブル時のグルーミングについても知っておきましょう。
夏に多い皮膚トラブル:
蒸れによる皮膚炎:脇の下、股の間など
ホットスポット:急性湿性皮膚炎、ジュクジュクした赤い炎症
虫刺されによるアレルギー:ノミ、ダニ、蚊
日焼け:鼻先や耳など被毛の薄い部分
予防のポイント:
こまめなブラッシング🛒で通気性を確保
濡れた被毛はしっかり乾かす
ノミ・ダニ予防薬を使用する
異常を見つけたら早めに獣医師に相談
熱中症から愛犬を守るグルーミング対策
熱中症は命に関わる緊急事態です。アニコムの解説によると、犬の平熱は38℃前後ですが、42〜43℃を超える高体温になると多臓器不全となり、命に関わることがあります。
熱中症になりやすい犬種
以下の特徴を持つ犬は、特に熱中症に注意が必要です。
1. 短頭種(鼻が短い犬種)
パグ、フレンチブルドッグ、ブルドッグ
シーズー、ペキニーズ
ボストンテリア
これらの犬種は呼吸効率が悪く、パンティングによる体温調節が難しいとされています。
2. 北方原産の犬種
シベリアン・ハスキー🛒
サモエド
アラスカン・マラミュート
寒冷地原産のため、厚い被毛で熱がこもりやすいです。
3. その他のリスク要因
肥満:皮下脂肪が熱を逃がすのを邪魔する
高齢犬・子犬:体温調節機能が低い
黒い被毛:太陽光を吸収しやすい
心臓病・呼吸器疾患:体への負担が大きい
熱中症の初期症状の見分け方
早期発見が命を救います。以下の症状が見られたら要注意です。
初期症状:
激しいパンティング(通常よりも速い口呼吸)
よだれが大量に出る
元気がなくなる、ぐったりする
舌や歯茎が赤くなる
心拍数の上昇
重症化した場合:
嘔吐、下痢(血が混じることも)
ふらつき、立てなくなる
舌や歯茎が紫色になる(チアノーゼ)
痙攣
意識がなくなる
万が一の応急処置
熱中症が疑われたら、すぐに応急処置を行いながら動物病院へ向かいましょう。
応急処置の3つのポイント:「日陰」「水」「風」
涼しい場所へ移動:エアコンの効いた室内や日陰へ
体を冷やす:
- 常温の水道水を全身にかける(冷水は逆効果!) - 太い血管のある部分(脇、股)に濡れタオル🛒や保冷剤を当てる - 濡れた体に扇風機やうちわで風を送る
水を飲ませる:意識があれば少量ずつ
注意:冷やしすぎに注意 急激に冷やすと末梢血管が収縮し、かえって熱が体内にこもってしまいます。氷水は使わず、常温の水を使いましょう。体温が38℃台まで下がったら冷却をやめます。
必ず動物病院を受診 応急処置で回復したように見えても、体内の臓器がダメージを受けている可能性があります。必ず獣医師の診察を受けてください。
夏のグルーミング実践テクニック
ここからは、夏を快適に過ごすための具体的なグルーミング🛒テクニックを紹介します。
お腹・脇の下・耳の内側のケア
全身をサマーカットにするよりも、部分的なケアが効果的です。
お腹周り: 犬は暑いときにお腹を冷たい床につけて体温を下げます。お腹の毛を少し短くすると、より効率的に涼しさを感じられます。
脇の下: 毛玉ができやすく、蒸れやすい部分です。少し短めにカットして通気性を良くしましょう。
耳の内側: 特に垂れ耳の犬種は耳の中が蒸れやすいです。耳の内側の毛をスッキリさせると、外耳炎などの予防になります。
肉球ケア:やけど防止と保湿
夏のアスファルトは非常に高温になります。肉球ケアは夏場特に重要です。
アスファルトの温度目安:
気温30℃のとき:アスファルト表面は50℃以上
気温35℃のとき:アスファルト表面は60℃以上
肉球ケアのポイント:
散歩前に肉球保護クリームを塗る
手の甲でアスファルトの温度を確認してから散歩
散歩後は肉球をチェックし、保湿クリームでケア
やけどの症状(赤み、水ぶくれ)があれば獣医師へ
クールグッズとグルーミングの併用
グルーミングと併せて、クールグッズを活用すると効果的です。
おすすめクールグッズ:
| グッズ | 効果 | 使い方のポイント |
|---|---|---|
| クールバンダナ | 首元を冷やす | 首の前側(頸動脈)に当てると効果的 |
| クールウェア | 全身を冷やす | 白や薄い色を選ぶ、黒い被毛の犬に特におすすめ |
| 冷感マット | 体全体を冷やす | 室内での休息時に |
| 冷却タオル | 体を拭いて冷やす | 散歩後のクールダウンに |
クールグッズ使用の注意点:
冷たすぎるものは逆効果(凍らせた保冷剤を直接当てない)
濡れたままにしない(蒸れの原因に)
室内でエアコンと併用する場合は冷えすぎに注意
夏の散歩前後のお手入れ
夏の散歩は時間帯と事前準備が重要です。
最適な散歩時間帯
おすすめの時間帯:
早朝:日の出前〜日の出直後(5時〜7時頃)
夕方以降:日没後1〜2時間経ってから(19時〜20時以降)
日中のアスファルトは犬にとって危険な温度になります。「5秒ルール」として、手の甲をアスファルトに5秒間当てて熱いと感じたら散歩は控えましょう。
散歩時の注意点:
水分補給用の水を持参する
日陰を選んで歩く
無理に長距離歩かない
体調に異変があればすぐに帰宅
散歩後のブラッシングと体チェック
散歩から帰ったら、必ず以下のケアを行いましょう。
散歩後のチェックリスト:
肉球のチェック:やけど、傷、異物がないか
全身のブラッシング🛒:汚れや抜け毛を除去
虫のチェック:ダニやノミがついていないか
皮膚のチェック:赤みや炎症がないか
水分補給:新鮮な水を与える
クールダウン:涼しい場所で休ませる
特に草むらを歩いた後は、ダニがついていないか入念にチェックしましょう。耳の中、脇の下、股の間など、温かく湿った部分に潜り込んでいることがあります。
まとめ:夏を快適に過ごすためのグルーミングチェックリスト
夏のグルーミングは、愛犬の健康と快適さを守るために欠かせないケアです。最後に、この記事の内容をチェックリストとしてまとめます。
夏のグルーミングチェックリスト
毎日のケア:
[ ] ブラッシングで抜け毛を除去(特にダブルコート犬種)
[ ] 水分補給の確認
[ ] 体調チェック(元気、食欲、呼吸)
週1〜2回のケア:
[ ] 肉球の状態確認とクリームでの保湿
[ ] 耳の中のチェック
[ ] 全身の皮膚チェック
月1〜2回のケア:
[ ] シャンプー🛒(頻度は犬種による)
[ ] 必要に応じて部分的なカット
[ ] 爪切り
環境管理:
[ ] 室温20〜25℃、湿度50%程度を維持
[ ] 散歩は早朝か日没後
[ ] クールグッズの活用
注意すべきサイン:
[ ] 激しいパンティング
[ ] ぐったりしている
[ ] 食欲がない
[ ] 皮膚に異常がある
夏のグルーミングは、サマーカットだけが答えではありません。むしろ、毎日のブラッシングで換毛期の抜け毛をしっかり除去し、被毛の通気性を良くすることが最も効果的な暑さ対策です。
愛犬の犬種や被毛タイプに合わせた適切なケアを行い、この夏も元気に過ごしましょう。グルーミング全般についてより詳しく知りたい方は、犬のグルーミング:自宅でできるプロのケアもぜひ参考にしてください。






