愛犬のフード🛒選びで「国産だから安心」「輸入品は品質が良い」といった声をよく耳にします。しかし、本当に産地だけでフードの良し悪しを判断できるのでしょうか?
実際のところ、ドッグフードの品質を決めるのは産地ではなく、原材料の質、製造基準、品質管理体制です。この記事では、国産と輸入ドッグフードのメリット・デメリットを客観的に比較し、愛犬に最適なフード選びのポイントを解説します。
犬の食事と栄養の基本を理解した上で、産地にとらわれない賢い選択をしていきましょう。
日本のペットフード安全基準を理解する
日本では、2009年6月1日に「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律」、通称ペットフード安全法が施行されました。この法律は、犬猫用ペットフードの安全性を確保するために制定されたものです。

環境省のペットフード安全法基準規格によると、ペットフードには以下の表示が義務付けられています:
名称(ドッグフード、キャットフード等)
賞味期限
原材料名
原産国名
事業者名・住所
また、農林水産省のペットフード安全関係ページでは、製造業者・輸入業者の届出義務や、成分規格について詳しく説明されています。
知っておくべき重要な事実

ここで注意すべき重要なポイントがあります。日本ではペットフードは食品衛生法の対象外です。つまり、人間の食品と同レベルの厳格な規制が適用されているわけではありません。
ただし、ペットフード安全法では以下の成分規格が定められています:
| 添加物 | 規制値 |
|---|---|
| エトキシキン・BHA・BHT | 総量150ppm以下 |
| 亜硝酸ナトリウム | 100ppm以下 |
| メラミン・シアヌル酸 | 2.5ppm以下 |
これらの基準は、海外の規制と比較すると必ずしも厳しいとは言えない部分もあります。
国産ドッグフードのメリット・デメリット
国産フードのメリット
ココグルメの国産ドッグフード解説でも詳しく紹介されていますが、国産ドッグフードには以下のようなメリットがあります。
1. 流通時間が短く新鮮
国産ドッグフード🛒は、製造から手元に届くまでの時間が海外産に比べて大幅に短くなります。原材料に海外産のものが使われていたとしても、製品としての鮮度は国産品の方が優れていることが多いです。
2. 輸送コストが低い
国内配送で済むため、輸送にかかるコストが輸入品より安価です。同じ価格帯であれば、国産品の方が原材料や製造工程に多くのコストをかけられる可能性があります。
3. 小型犬向け商品が豊富
日本では小型犬の飼育頭数が多いため、小型犬の体格や特徴に合わせた国産ドッグフードが数多く開発されています。粒の大きさやカロリー設計など、きめ細かな対応が特徴です。
4. サポート体制の安心感
国内メーカーであれば、問い合わせ対応も日本語で、時差もなくスムーズです。万が一の問題発生時にも、迅速な対応が期待できます。
国産フードのデメリット
一方で、国産フードにも注意すべき点があります。
1. 法規制が欧米に比べ緩い場合がある
前述の通り、日本のペットフード規制は2009年に整備が始まったばかりです。欧米のペット先進国と比較すると、歴史も浅く、規制内容も緩い部分があります。
2. 原材料の品質が不明確な製品も存在
「国産」と表示されていても、原材料の産地が明確でない製品も少なくありません。「国内製造」であっても、原材料は海外産というケースもあります。
3. 「国産」表示の曖昧さ
ペットフード🛒安全法では、「原産国」は最終加工が行われた国を指します。つまり、海外から輸入した原材料を日本で加工すれば「国産」と表示できます。この点を理解しておくことが重要です。
輸入ドッグフードのメリット・デメリット
輸入フードのメリット
イオンペットのフード選び解説でも触れられているように、輸入ドッグフードには独自のメリットがあります。
1. ペット先進国の厳しい安全基準
アメリカやヨーロッパ諸国は、日本よりも長い歴史の中でペットフードの安全基準を発展させてきました。特にヨーロッパではBHAの使用が禁止されているなど、日本より厳格な規制を持つ国もあります。
2. 高品質な原材料へのこだわり
アカナ・オリジン公式サイトによると、カナダ産のオリジンは原材料の90%が肉で構成され、その3分の2は新鮮または生の状態で使用されています。このような高品質な原材料へのこだわりは、輸入プレミアムフードの大きな特徴です。
具体的な比較を見てみましょう:
| 項目 | オリジン | アカナ |
|---|---|---|
| 肉含有量 | 75〜80% | 40〜65% |
| 新鮮肉の割合 | 50% | 9〜30% |
| 肉の種類 | 最低6種類 | 3種類 |
| タンパク質 | 38〜42% | 25〜35% |
3. 長年の研究開発に基づく栄養設計
世界的なペットフードメーカーは、何十年もの研究開発を経て製品を設計しています。科学的根拠に基づいた栄養バランスが期待できます。
輸入フードのデメリット
1. 輸送中の品質劣化リスク
海外からの輸送では、特に赤道付近を通るルートで問題が発生しやすくなります。コンテナ内の温度上昇により、袋の中に結露が発生し、カビの増殖や油の酸化などフードが劣化する原因となります。
2. 輸送コストによる価格上昇
輸入にかかる費用(輸送費、関税、検査費用など)が上乗せされるため、原産国での販売価格より高くなります。同じ品質のフードでも、国産品より割高になる傾向があります。
3. 並行輸入品のリスク
正規輸入品ではなく並行輸入品を購入した場合、品質保証が受けられない可能性があります。保管状態や賞味期限の管理が不透明なケースもあるため、注意が必要です。
安全基準の国際比較:日本・アメリカ・ヨーロッパ
世界各国のペットフード安全基準を比較すると、それぞれの特徴が見えてきます。
アメリカの基準(AAFCO)
アメリカではAAFCO(米国飼料検査官協会)がペットフードの栄養基準を定めています。AAFCOが推奨するドライフード🛒のタンパク質比率は:
成犬期:18%以上
成長期:22%以上
多くのプレミアムフードは、この基準を大きく上回るタンパク質含有量を実現しています。
ヨーロッパの基準
ヨーロッパ、特にドイツやイギリスなどは、ペットフードに関して非常に厳格な規制を持っています。
BHAの使用禁止
人間の食品に近い品質基準
添加物の厳格な制限
日本の位置づけ
日本のペットフード安全法は、欧米の基準を参考にしながらも、独自の発展段階にあります。2009年の施行以降、徐々に規制が強化されてきていますが、まだ発展途上と言えるでしょう。
添加物の安全性:BHA・BHTは危険?
ドッグフードの添加物、特に酸化防止剤について心配される飼い主さんも多いでしょう。
BHA・BHT・エトキシキンとは?
| 添加物 | 正式名称 | 用途 |
|---|---|---|
| BHA | ブチルヒドロキシアニソール | 酸化防止剤 |
| BHT | ジブチルヒドロキシトルエン | 酸化防止剤 |
| エトキシキン | 酸化防止剤 |
これらは元々、ガソリンの酸化防止剤として開発された合成添加物です。
発がん性の議論と実際のリスク
1982年の研究で、高濃度のBHAを与えたマウスに発がん性が認められました。しかし、これは2%という極めて高い濃度での実験結果であり、通常のフード🛒に含まれる量とは大きく異なります。
ペットフード安全法では、BHA・BHT・エトキシキンの総量を150ppm以下に規制しています。この基準内であれば、毒性や発がん性は報告されていません。
天然酸化防止剤という選択肢
不安な方には、天然由来の酸化防止剤を使用したフードがおすすめです:
ミックストコフェロール(ビタミンE)
ローズマリー抽出物
緑茶抽出物
これらは効力が弱いため、開封後1ヶ月以内に使い切ることが大切です。
添加物についてはグレインフリーの最新研究でも関連情報を紹介しています。
グレインフリーは国産・輸入どちらが良い?
最近注目されている「グレインフリー」についても触れておきましょう。
グレインフリーとは?
ヒルズのグレインフリー解説によると、グレインフリーとは小麦、トウモロコシ、米などの穀物を使用していないフードのことです。
グレインフリーのメリット
穀物アレルギーの犬に有効
消化器官が弱い犬の負担軽減
高タンパク質な傾向
知っておくべき注意点
PETOKOTOの獣医師執筆記事では、グレインフリーフード🛒に関する重要な指摘がなされています。
健康な犬には必須ではないという点です。穀物アレルギーがない犬にとって、グレインフリーを選ぶ特別なメリットはありません。
また、ドイツ・ミュンヘン大学の調査では、犬のアレルゲン食材として報告が多かったのは:
牛肉
乳製品
鶏肉
小麦(4位)
トウモロコシ(7位)
米(11位)
意外にも、穀物よりも肉類の方がアレルギーを起こしやすいという結果が出ています。
グレインフリーは国産・輸入どちらでも高品質な製品が存在します。産地よりも、原材料の品質と愛犬の体質で選ぶことが重要です。
食物アレルギーの犬のフード選びも参考にしてください。
正規輸入品と並行輸入品の違い
輸入ドッグフードを購入する際、「正規輸入品」と「並行輸入品」の違いを理解しておくことが重要です。
正規輸入品の特徴
メーカーと正式な契約を結んだ輸入代理店が取り扱い
適切な温度管理での輸送
日本語のパッケージ・説明書
万が一の際のメーカー保証あり
賞味期限の適切な管理
並行輸入品のリスク
メーカーとの契約なしで輸入
輸送・保管状態が不透明
品質保証が受けられない可能性
賞味期限が短い、または不明確な場合も
価格は安いが、リスクとのトレードオフ
見分け方
購入先が正規代理店かどうか確認
日本語表示があるか
価格が極端に安くないか
レビューや評判を確認
愛犬の健康を考えるなら、信頼できる正規輸入品を選ぶことをおすすめします。
愛犬に最適なフードの選び方:5つのチェックポイント
国産・輸入に関わらず、以下の5つのポイントをチェックしましょう。
1. 原材料の明確さ
主原料が肉であることを確認しましょう。原材料表示は含有量の多い順に記載されています。最初に「チキン」「ビーフ」など具体的な肉の名前が来ているフードを選びましょう。
「肉類」「家禽類」といった曖昧な表現には注意が必要です。
2. 添加物の種類と量
合成着色料は不要(犬は色を気にしません)
合成保存料より天然由来が望ましい
香料・調味料が多いものは避ける
3. 製造国と製造基準
製造国の規制基準を確認しましょう。ヨーロッパ産は一般的に厳しい基準で製造されています。
4. 正規輸入かどうか(輸入品の場合)
前述の通り、並行輸入品は避けることをおすすめします。
5. 愛犬の体質・年齢・サイズに合っているか
子犬には成長期用フード → 子犬から成犬へのフード切り替え
シニア犬には低カロリー・高消化性フード → シニア犬の栄養ニーズ
小型犬には小粒タイプ
アレルギー体質には限定原材料フード
ドライフードの比較も参考に、愛犬に合ったフードを見つけてください。
まとめ:産地より「品質」で選ぶ時代へ
「国産だから安心」「輸入品だから高品質」という単純な図式は、もはや当てはまりません。
重要なポイント
産地ではなく品質で判断する
- 原材料の透明性 - 製造基準の厳格さ - 添加物の使用状況
信頼できる情報源を確認する
- メーカーの公式サイト - 政府機関の基準情報 - 獣医師の見解
愛犬の個体差を考慮する
- アレルギー🛒の有無 - 年齢・サイズ - 活動量・健康状態
最終的には、愛犬が喜んで食べ、健康を維持できるフードが最適な選択です。国産・輸入という枠にとらわれず、品質を見極める目を持って選んでいきましょう。
犬の食事と栄養の科学で、フード選びの基本をさらに深く学ぶことができます。






