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犬の食事と栄養:正しいフード選びの科学

うちの子は食べ過ぎ?適切な食事量の計算法

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愛犬に毎日ご飯をあげているけれど、「この量で本当に合っているのかな?」と不安に思ったことはありませんか?ドッグフード🛒のパッケージに書いてある給餌量を守っているのに、なぜか愛犬が太ってきた…そんな経験をお持ちの飼い主さんも多いのではないでしょうか。

実は、パッケージに記載されている給餌量はあくまで「目安」に過ぎません。犬種、年齢、活動量、去勢・避妊の有無など、個体差によって必要なカロリーは大きく異なります。この記事では、獣医師が推奨する計算式を使って、愛犬にぴったりの食事量を算出する方法を詳しく解説します。

パッケージ表示だけでは不十分な理由

ドッグフードのパッケージには、体重に応じた1日の給餌量が記載されています。しかし、獣医師監修の情報によると、これらの数値は犬全般の標準体重をもとに算出されたものであり、すべての犬に当てはまるわけではありません。

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パッケージの給餌量が合わない主な理由は以下の通りです。

個体差の影響 同じ体重でも、筋肉質な犬と脂肪が多い犬では必要カロリーが異なります。また、活発に動き回る犬と、室内でゆったり過ごす犬でも消費カロリーに大きな差があります。

日本の犬の特徴 特に日本では、海外に比べて犬の運動量が少ない傾向にあります。散歩の時間が短かったり、室内飼いが中心だったりするため、メーカーの推奨量では多すぎることも珍しくありません。

年齢による変化 子犬、成犬、シニア犬では代謝が大きく異なります。同じ体重でも、シニア犬は基礎代謝が低下しているため、成犬時と同じ量を与え続けると太りやすくなります。

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だからこそ、科学的な計算式を使って、愛犬に最適な食事量を把握することが大切なのです。

愛犬の理想体型を知る:BCS(ボディコンディションスコア)チェック

食事量を計算する前に、まず愛犬の現在の体型を正しく把握しましょう。そのために使われるのがBCS(ボディコンディションスコア)です。

BCSとは、犬の脂肪の付き具合を「見た目」と「触診」で判定する方法で、5段階(または9段階)で評価します。体重だけでは分からない「実際に太っているか、痩せているか」を客観的に判断できます。

5段階BCSの基準

BCS状態特徴
1痩せすぎ肋骨、腰骨、骨盤が外から見える。脂肪がほとんどない
2やや痩せ肋骨が容易に触れる。上から見てくびれが顕著
3理想体型肋骨が薄い脂肪に覆われ触れる。くびれがある
4やや肥満肋骨が触りにくい。くびれがわずか
5肥満厚い脂肪に覆われ肋骨が触れない。くびれがない

BCSチェックの方法

1. 肋骨チェック🛒 親指を背中側に置いて、両手で胸部を包み込むように触ってください。皮膚の下にわずかな脂肪を感じながら肋骨に触れることができれば、理想体型のBCS3です。脂肪の層なしに肋骨が直接感じられる場合は痩せ気味(BCS1〜2)、脂肪が厚くて肋骨が触りにくい場合は肥満気味(BCS4〜5)です。

2. 上から見たくびれチェック 愛犬を真上から見たとき、肋骨の後ろから腰にかけて「くびれ」が見えるか確認します。はっきりとしたくびれがあれば理想的です。ずんぐりとしてくびれが見えない場合は、体重管理が必要かもしれません。

3. 横から見た腹部ライン 横から見たとき、胸から腹部にかけて緩やかに上がっているラインが理想です。腹部が垂れ下がっている、または胸と同じ高さで平らな場合は要注意です。

長毛種の場合は見た目だけでは判断しにくいので、必ず触って確認しましょう。愛犬がBCS3以外に該当する場合は、肥満犬の減量フードと方法を参考に、食事の見直しを検討してください。

食事量計算の基本:RERとDERを理解しよう

愛犬に必要な食事量を正確に計算するには、RER(安静時エネルギー要求量)DER(1日のエネルギー要求量)という2つの数値を使います。日本動物医療センターAPOP(Association for Pet Obesity Prevention)でも推奨されている、世界的に認められた計算方法です。

RER(安静時エネルギー要求量)の計算

RER(Resting Energy Requirement)は、犬が安静にしているときに最低限必要なエネルギー量です。

正式な計算式 ``` RER = 70 × (体重kg)^0.75 ```

この計算式では「0.75乗」を使いますが、電卓がないと計算しにくいですよね。そこで、2kg〜45kgの犬に使える簡易計算式があります。

簡易計算式 ``` RER = 体重(kg) × 30 + 70 ```

計算例:体重5kgの犬の場合

  • 正式な計算式:70 × (5)^0.75 = 70 × 3.34 ≒ 234kcal

  • 簡易計算式:5 × 30 + 70 = 220kcal

簡易式でも十分に近い値が出るので、日常的な管理には簡易式で問題ありません。

DER(1日のエネルギー要求量)の計算

DER(Daily Energy Requirement)は、RERに「活動係数」をかけて算出します。活動係数は、年齢や活動量、去勢・避妊の有無によって異なります。

計算式 ``` DER = RER × 活動係数 ```

活動係数一覧表

ライフステージ・状態活動係数
生後4ヶ月未満3.0
生後4〜9ヶ月2.5
生後10〜12ヶ月2.0
成犬(未去勢・未避妊)1.8
成犬(去勢・避妊済み)1.6
肥満傾向の成犬1.4
減量中1.0
シニア犬(未去勢・未避妊)1.4
シニア犬(去勢・避妊済み)1.2

計算例:体重5kg、去勢済みの成犬の場合

  • RER:220kcal(簡易式)

  • DER:220 × 1.6 = 352kcal/日

フード量への換算方法

DERが分かったら、実際に与えるフード🛒の量を計算します。使用しているドッグフードのパッケージに記載されている「代謝エネルギー(ME)○○kcal/100g」を確認してください。

計算式 ``` 1日のフード量(g) = DER ÷ (100gあたりのカロリー) × 100 ```

計算例:DER 352kcal、フードが350kcal/100gの場合

  • 1日のフード量:352 ÷ 350 × 100 ≒ 100g/日

1日2回の食事なら、1回あたり約50gが適量となります。犬の食事と栄養の基礎知識も併せて確認し、バランスの取れた食事を心がけましょう。

体重別・ライフステージ別の給餌量早見表

計算が面倒という方のために、体重別の目安表をまとめました。ただし、これはあくまで目安であり、個体差を考慮して調整が必要です。

成犬(去勢・避妊済み)の1日のカロリー目安

体重RER (kcal)DER (kcal)フード量目安*
2kg130208約60g
3kg160256約73g
5kg220352約100g
7kg276442約126g
10kg350560約160g
15kg460736約210g
20kg560896約256g
25kg6601,056約302g
30kg7501,200約343g

*フード量は350kcal/100gのドッグフードを想定

犬種別の目安

小型犬(~5kg)

  • チワワ:40〜60g/日

  • トイプードル:70〜120g/日

  • ポメラニアン:45〜50g/日

体重あたりの体表面積が大きいため、大型犬より体重あたりのカロリー必要量が多くなります。少量でしっかりエネルギーが取れる、栄養密度の高いフード🛒を選びましょう。

中型犬(5〜15kg)

  • 柴犬:128〜183g/日

  • ビーグル:約170g/日

  • コーギー:150〜200g/日

活動量による差が大きい体重帯です。よく動く犬と、のんびり過ごす犬では必要量が大きく異なります。

大型犬(15kg~)

  • ゴールデンレトリーバー:約750g/日

  • シベリアンハスキー:約600g/日

  • ラブラドールレトリーバー:約700g/日

大型犬は食事量が多くなりますが、急いで食べると胃拡張・胃捻転のリスクがあります。食事を複数回に分けて与えることが大切です。

ライフステージ別の注意点

子犬期 成長に多くのエネルギーが必要です。子犬用から成犬用フードへの切り替えの時期も重要で、小型犬は生後10ヶ月頃、大型犬は生後15〜18ヶ月頃が目安となります。

シニア期 基礎代謝が低下するため、成犬時より10〜20%程度カロリーを減らす必要があります。シニア犬の栄養ニーズと最適なフード選びを参考に、愛犬の年齢に合った食事管理をしましょう。

食べ過ぎのサイン:こんな症状に注意

愛犬が食べ過ぎているかどうかは、以下のサインで判断できます。

体重の変化

定期的に体重を測定し、増加傾向にないか確認しましょう。アニコム損保によると、適正体重の20%以上を超えると肥満と判断されます。例えば、適正体重5kgの犬が6kg以上になった場合は要注意です。

便の状態

給餌量が適切かどうかは便でも判断できます。

  • 理想的な便:適度な硬さで、つまんでも形が崩れない

  • 食べ過ぎのサイン:軟便、下痢気味

  • 食べ足りないサイン:コロコロと硬い便

体型の変化

  • 肋骨が以前より触りにくくなった

  • 上から見たときのくびれがなくなってきた

  • お腹が垂れ下がってきた

これらの変化に気づいたら、食事量の見直しが必要です。

消化器症状

食後の嘔吐や下痢が続く場合は、食べ過ぎの可能性があります。特に大型犬では、一度に大量の食事を摂ることで胃拡張・胃捻転症候群を引き起こすリスクがあります。これは数時間で命を落とす危険性がある緊急疾患です。

食べ過ぎによる肥満は、心臓病、膵炎、関節疾患など様々な病気のリスクを高めます。愛犬の健康を守る病気予防と早期発見も参考に、日頃から健康管理に気を配りましょう。

適切な食事量を維持するコツ

計算で適正量が分かったら、それを維持するためのコツをご紹介します。

定期的な体重測定

最低でも月に1回は体重を測定しましょう。小型犬なら家庭用の体重計🛒で抱っこして測り、自分の体重を引けば簡単に測れます。体重の推移を記録しておくと、増減のパターンが把握しやすくなります。

おやつは総カロリーの10%以内

おやつを与える場合は、1日の総カロリーの10%以内に抑えましょう。例えばDERが350kcalの犬なら、おやつは35kcal以内です。おやつを与えた分は、フードの量を減らして調整することが大切です。健康的で美味しいおやつの選び方も参考にしてください。

食事回数の調整

成犬は1日2回が基本ですが、以下の場合は回数を増やすことを検討しましょう。

  • 大型犬(胃捻転予防のため)

  • 肥満傾向の犬(空腹感を減らすため)

  • シニア犬(消化負担を減らすため)

1回の量を減らして3〜4回に分けることで、消化吸収が穏やかになり、血糖値の急上昇を防げます。

早食い防止

早食いは消化不良や嘔吐の原因になります。早食いを防ぐ食器と食べさせ方を参考に、スローフィーダーやパズルフィーダーの導入を検討してみてください。

季節・運動量による調整

  • 冬場:寒さで体温維持にエネルギーを使うため、5〜10%増量

  • 夏場:活動量が減りがちなので、5〜10%減量

  • 運動量が増えた時期:アジリティトレーニングなど、運動量が増えた場合は適宜増量

固定的に考えず、愛犬の状態に合わせて柔軟に調整することが大切です。

よくある質問(FAQ)

Q. パッケージ通りの量なのに太ってしまいます

A. パッケージ🛒の給餌量は「平均的な犬」を想定した目安です。去勢・避妊済みの犬や、運動量の少ない犬は、表示量より10〜20%少なくする必要があることも珍しくありません。本記事の計算式で愛犬に合った量を算出し、BCSをチェックしながら調整してください。

Q. 手作りご飯の場合はどう計算すればいいですか?

A. DERの計算方法は同じです。手作りご飯の場合は、使用する食材ごとのカロリーを計算して合計し、DERに合わせて量を調整します。愛情たっぷり手作りごはんのレシピと注意点で詳しく解説していますが、栄養バランスの管理が難しいため、獣医師への相談をおすすめします。

Q. ダイエットフードに切り替えるタイミングは?

A. BCSが4以上(やや肥満〜肥満)の状態が1ヶ月以上続く場合は、低カロリーのダイエットフードへの切り替えを検討しましょう。ただし、急激な食事制限は体に負担がかかるため、2週間程度かけて徐々に切り替えることが大切です。

Q. 急に食事量を変えても大丈夫ですか?

A. 急激な変更は避けましょう。増量・減量ともに、1週間で10%程度の変更を目安にします。急に量を減らすと空腹でストレスを感じたり、急に増やすと消化不良を起こしたりする可能性があります。

まとめ:愛犬に合った食事量で健康長寿を

愛犬の適切な食事量は、パッケージ表示だけでなく、科学的な計算式を使って個体に合わせて決めることが大切です。

ポイントをおさらい

  1. RER(安静時エネルギー要求量)を計算:体重(kg) × 30 + 70

  2. DER(1日のエネルギー要求量)を計算:RER × 活動係数

  3. フード量に換算:DER ÷ (100gあたりのカロリー) × 100

  4. BCSで定期的に体型チェック:BCS3(理想体型)を維持

  5. 便と体重の変化を観察:必要に応じて調整

計算はあくまでスタート地点です。実際の体重変化やBCSを見ながら、愛犬に最適な量を見つけていきましょう。迷ったときは、かかりつけの獣医師に相談することをおすすめします。

愛犬の健康は、毎日の食事から始まります。適切な食事量を維持して、愛犬と一緒に健康で幸せな毎日を過ごしてくださいね。

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