「また吠えてる…」「近所迷惑になってないかな…」愛犬の無駄吠えに頭を悩ませている飼い主さんは多いのではないでしょうか。しかし、実は「無駄吠え」という言葉は人間の視点から見た表現であり、犬にとって吠えることには必ず理由があります。
この記事では、犬が吠える原因を6つのタイプに分類し、それぞれに効果的な対処法を獣医師監修の情報をもとに詳しく解説します。ポジティブ強化トレーニング🛒を中心とした、愛犬との信頼関係を築きながら問題を解決する方法をお伝えしますので、ぜひ最後までお読みください。
犬はなぜ吠えるのか?「無駄吠え」は犬にとって大切なコミュニケーション
私たち人間が言葉で気持ちを伝えるように、犬にとって「吠える」ことは最も基本的なコミュニケーション手段の一つです。嬉しいとき、不安なとき、何かを伝えたいとき、犬は吠えることで自分の気持ちを表現しています。

Cornell大学獣医学部の研究によると、犬の過度な吠えには必ず何らかの原因があり、その原因を特定することが解決への第一歩とされています。「無駄吠え」と一言で片付けてしまうのではなく、「なぜ愛犬は吠えているのか?」という視点で観察することが大切です。
吠えの原因を理解し、適切な対処法を実践することで、愛犬も飼い主さんも快適に暮らせるようになります。叱ったり罰を与えたりするのではなく、犬の気持ちに寄り添いながら解決していきましょう。
無駄吠えの6つの種類と見分け方
犬の吠えは、大きく6つのタイプに分類できます。ペテモの専門記事でも紹介されているように、それぞれ特徴が異なるため、愛犬がどのタイプに当てはまるか観察してみましょう。

要求吠え:「かまって!」「ごはんちょうだい!」
要求吠えは、人間に何かしてほしいときに発する吠えです。
特徴と見分け方:
飼い主さんの顔を見ながら吠える
ごはんや散歩の時間が近づくと始まる
要求が通るまで吠え続ける
比較的高い声でワンワンと繰り返す
このタイプは、過去に「吠えたら要求が通った」という経験から学習していることが多いです。
警戒吠え:「誰か来た!」「危ない!」
警戒吠えは、テリトリーを守ろうとする本能から発する吠えです。
特徴と見分け方:
玄関や窓に向かって吠える
チャイム音、来客、通行人がきっかけになる
短く鋭い声で「ワン!ワン!」と吠える
体を前に出して威嚇するような姿勢をとることも
縄張り意識が強い犬や、社会化が不十分な犬に多く見られます。
分離不安吠え:「ひとりは寂しい…」
分離不安による吠えは、飼い主さんと離れることへの強い不安から発生します。
特徴と見分け方:
飼い主さんが見えなくなると始まる
長時間にわたって吠え続ける
破壊行動や粗相を伴うことがある
悲しそうな遠吠えのような声になることも
ASPCA(米国動物虐待防止協会)によると、分離不安は単なる吠えの問題ではなく、犬が強い精神的苦痛を感じている状態です。軽度であれば家庭でのトレーニング🛒で改善できますが、重度の場合は専門家への相談が必要です。
興奮吠え:「嬉しい!楽しい!」
興奮吠えは、喜びや楽しさのあまり感情が高ぶったときに出る吠えです。
特徴と見分け方:
散歩の準備を始めると吠え出す
遊んでいるときにテンションが上がると吠える
高く弾むような声
尻尾を激しく振りながら吠える
ポジティブな感情からくる吠えですが、コントロールできないほど興奮してしまうのは問題です。
恐怖・不安吠え:「怖い!助けて!」
恐怖や不安を感じたときに発する吠えです。
特徴と見分け方:
体を低くして後ずさりしながら吠える
雷、花火、掃除機、見知らぬ人などがきっかけ
震えや逃げようとする行動を伴う
耳を後ろに倒し、尻尾を下げている
恐怖からくる吠えは、無理に慣れさせようとすると逆効果になることがあります。
体調不良吠え:「痛い…つらい…」
普段と違う吠え方をする場合、体の不調を訴えている可能性があります。
特徴と見分け方:
いつもと違う吠え声やトーン
特定の動作をしたときに吠える
食欲低下や元気がないなど他の症状を伴う
このタイプの吠えは、しつけの問題ではなく健康上の問題です。急に吠え方が変わった場合は、獣医師への相談をおすすめします。
【原因別】無駄吠えをやめさせる効果的なしつけ法
吠えのタイプが分かったら、それぞれに適した対処法を実践しましょう。みんなのブリーダーのトレーナー監修記事と小山レリーフ動物病院の獣医師監修情報を参考に、効果的なしつけ法をご紹介します。
要求吠えには「無視」が最強の薬
要求吠えの対処で最も効果的なのは、「吠えても要求は通らない」と学習させることです。
具体的な方法:
愛犬が吠え始めたら、目を合わせず、声もかけず、完全に無視する
別の部屋に移動するのも効果的
吠えるのをやめて静かになったら、すぐに褒めておやつ🛒を与える
「静かにしていると良いことがある」と学習させる
ポイント:
吠えている最中に「静かに!」と声をかけるのは逆効果(注目されたと思ってしまう)
最初は吠えがエスカレートすることもあるが、根気強く続ける
ごはんや散歩の時間を不規則にすると、「決まった時間に吠えれば…」という学習を防げる
警戒吠えは環境管理と脱感作で対応
警戒吠えには、①吠えるきっかけをなくす環境管理と、②きっかけに慣れさせる脱感作の2つのアプローチがあります。
環境管理の方法:
カーテンをしっかり閉めて外が見えないようにする
窓の下半分に目隠しシートを貼る
犬の行動範囲を制限して縄張りを狭める
脱感作トレーニング:
チャイム音など吠えるきっかけを小さな音量で流す
吠えずにいられたらすぐに褒めておやつを与える
徐々に音量を上げていく
実際の来客時にも、吠えずにいられたら褒める
分離不安は段階的なトレーニングが鍵
分離不安の改善には、学術研究でも推奨されている「系統的脱感作」と「カウンターコンディショニング」が効果的です。
段階的なトレーニング方法:
まず5分間だけ別の部屋に行く
静かに待てたら戻って褒める
徐々に時間を10分、20分、1時間と延ばしていく
実際の外出でも同様に短時間から始める
日常でできる予防策:
一人遊びの時間を日常的に設ける
外出前に過度に構わない(「いってきます」の儀式をなくす)
帰宅時も興奮させすぎない
知育玩具🛒やコングで一人の時間を楽しませる
興奮吠えは落ち着かせてから褒める
興奮吠えには、興奮が収まるまで待ってから行動することが大切です。
具体的な方法:
「興奮して吠えると楽しいことが中断される」「落ち着くと良いことがある」と学習させましょう。
ポジティブ強化で吠え癖を改善する基本テクニック
どのタイプの吠えにも共通して効果的なのが、ポジティブ強化トレーニングです。American Kennel Clubでも推奨されているこの方法は、正しい行動を褒めて強化することで、望ましくない行動を自然に減らしていきます。
「静かに」コマンドの教え方:
愛犬が吠えているときに、静かに待つ
吠えが止まった瞬間に「静かに」と言葉をかける
すぐにおやつ🛒を与えて褒める
これを繰り返し、「静かに」=良いことがある、と学習させる
フォーマットトレーニング: 吠え始めたら、「おすわり」「伏せ」など別の行動を指示します。吠えながら座ることは難しいため、別の行動に意識を向けることで吠えを中断させる方法です。
タイミングの重要性: 褒めるタイミングは「静かになった瞬間」が最も効果的です。数秒でも遅れると、何を褒められているのか犬が理解できなくなります。クリッカートレーニングを使うと、より正確なタイミングで褒めることができます。
十分な運動と精神的刺激が無駄吠え予防のカギ
「疲れた犬は吠えにくい」という言葉があるように、十分な運動と精神的な満足は無駄吠え予防の基本です。
毎日の運動習慣:
精神的な刺激:
ノーズワーク(おやつを隠して探させる)
知育玩具🛒やパズルフィーダー
新しいコマンドを覚えるトレーニング
飼い主さんとの触れ合いの時間
運動不足や退屈は、欲求不満からくる吠えの大きな原因になります。特に活発な犬種は、十分なエネルギー発散の機会を設けましょう。
絶対にやってはいけないNG対処法
吠えを止めようとして、逆効果になってしまう対処法があります。以下の方法は避けてください。
大声で叱る: 犬には人間の言葉の意味は分かりません。飼い主さんが大声で「うるさい!」と叫ぶと、犬には「飼い主さんも一緒に吠えている」ように聞こえてしまいます。吠えを強化してしまう可能性があります。
電気ショック首輪や嫌な臭いスプレー: 一時的に吠えを止めることはできても、犬に強い恐怖やストレスを与えます。ASPCAも警告しているように、これらの道具は犬の心身の健康に悪影響を及ぼし、飼い主との信頼関係を壊してしまいます。
吠えたときに要求を通す: 「吠えたらごはんをもらえた」「吠えたら散歩に連れて行ってもらえた」という経験は、吠え癖を強化します。吠えている間は要求に応じず、静かになってから対応しましょう。
体罰: 叩いたり、マズルをつかんだりする体罰は、犬の不安を悪化させるだけでなく、攻撃性につながる危険があります。絶対にやめましょう。
子犬の社会化期を活用した無駄吠え予防
子犬を迎えた場合、早い段階から無駄吠え予防に取り組むことができます。
社会化期とは: 生後2〜3か月頃は「社会化期」と呼ばれ、好奇心が旺盛で新しい環境や刺激に適応しやすい時期です。この時期にさまざまな経験をさせることで、将来の警戒吠えや恐怖吠えを予防できます。
社会化で経験させたいこと:
さまざまな年齢・性別・服装の人
他の犬や動物
車、電車、自転車などの乗り物
チャイム、掃除機、雷などの音
公園、商店街など様々な場所
分離不安の予防: 研究によると、5〜10か月の間に家の外や他の人との幅広い経験を積ませることが、分離不安の予防に効果的とされています。子犬のうちから短時間の留守番を経験させ、「飼い主さんは必ず戻ってくる」という安心感を与えましょう。
獣医師や専門家に相談すべきケース
家庭でのトレーニング🛒だけでは改善が難しいケースもあります。以下のような場合は、獣医師やドッグトレーナーなどの専門家に相談することをおすすめします。
専門家への相談が必要なケース:
分離不安が重度で、破壊行動や粗相を伴う
吠え方が急に変わった(病気の可能性)
高齢犬が夜中に吠えるようになった(認知症の可能性)
数か月トレーニングを続けても改善しない
吠えに攻撃性が伴っている
専門家のサポート内容:
獣医師:健康上の問題の診断、必要に応じた投薬
獣医行動学専門医:重度の行動問題への専門的な行動療法
認定ドッグトレーナー:効果的なトレーニングプログラムの作成
重度の分離不安など、深刻なケースでは、行動療法と薬物療法を組み合わせることで大きな改善が見られることもあります。一人で抱え込まず、専門家の力を借りましょう。
まとめ:愛犬の気持ちに寄り添って無駄吠えを解決しよう
犬の「無駄吠え」は、犬にとっては大切なコミュニケーションです。吠えには必ず理由があり、その原因を理解することが解決への第一歩となります。
この記事のポイント:
吠えの種類(要求、警戒、分離不安、興奮、恐怖、体調不良)を見分ける
原因に合った対処法を選ぶ
ポジティブ強化で正しい行動を褒めて伸ばす
叱ったり罰を与えたりするのは逆効果
十分な運動と精神的刺激で予防する
改善しない場合は専門家に相談する
吠え癖の改善には時間がかかります。焦らず、根気強く、愛犬との信頼関係を築きながら取り組んでいきましょう。愛犬の気持ちに寄り添い、褒めて伸ばすしつけを実践することで、きっと快適な暮らしを取り戻せるはずです。






