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犬のしつけ:信頼関係を築くトレーニング術

トレーニング効果を上げるおやつの使い方

トレーニング効果を上げるおやつの使い方の画像

愛犬のしつけでおやつ🛒を使っているのに、なかなか効果が出ない——そんな悩みを抱えていませんか?実は、おやつの与え方には「科学的に正しい方法」があります。この記事では、プロのトレーナーが推奨するおやつの使い方から、タイミング、量、種類の選び方まで、トレーニング効果を最大化するコツを徹底解説します。

なぜトレーニングにおやつが効果的なのか

犬のトレーニングでおやつが効果的な理由は、ポジティブ強化(正の強化)という学習理論に基づいています。VCA Animal Hospitalsの解説によると、犬が望ましい行動をした直後に報酬を与えることで、その行動が繰り返されやすくなります。

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おやつは「一次強化子」と呼ばれ、犬にとって本能的に価値のある報酬です。食べ物は生存に直結するため、言葉で褒めるだけよりも強力な動機づけになります。サカナのちからの記事でも、適度なおやつはストレス軽減や精神的安定にも効果があると紹介されています。

ポジティブ強化トレーニングの詳しい原理については、褒めて伸ばす!ポジティブ強化トレーニングの基本で詳しく解説しています。

おやつを与えるベストタイミング「2秒ルール」

おやつの効果を最大限に引き出すカギはタイミングです。All Aboutの専門家記事によると、犬のしつけでご褒美をあげるタイミングは「1、2」が最適とされています。

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犬の短期記憶は約10秒程度と言われており、良い行動をしてから2秒以内おやつ🛒を与えることで、犬は「この行動をしたらおやつがもらえた」と正確に学習できます。時間が経ってからおやつを与えても、犬はなぜ褒められたのか理解できません。

タイミングの精度を上げるコツ

より正確なタイミングでご褒美を与えるには、マーカーの使用が効果的です。クリッカーや「いい子!」などの言葉を、良い行動の瞬間に鳴らす(言う)ことで、犬は何が正解だったかを明確に理解できます。

マーカートレーニングの詳細はカチッ!クリッカートレーニング入門をご覧ください。

NGパターン:

  • おすわりした後、おやつを取りに行っている間に立ち上がってしまった

  • 「待て」の最中ではなく、動き出してからおやつをあげた

  • 吠えた後におやつを与えた(吠えることへのご褒美になる)

トレーニング向きおやつの選び方

POCHIのトレーニングトリーツ特集によると、トレーニングに適したおやつには以下の特徴があります。

理想的なトレーニング用おやつの条件:

  • サイズ:5mm角程度の一口サイズ(小指の先ほどで十分)

  • 食感:すぐに飲み込める柔らかいもの

  • 匂い:嗜好性が高く、犬の注意を引ける香り

  • 形状:手でちぎりやすいソフトタイプ

硬いガムや大きなビスケット🛒は、食べるのに時間がかかり、犬の集中力が途切れてしまいます。トレーニング中は「すぐ食べられて、もっと欲しくなる」おやつが最適です。

おやつの種類別メリット・デメリット

種類メリットデメリットおすすめ度
ソフトジャーキー嗜好性◎、ちぎりやすい、保存しやすいやや高カロリー★★★★★
ボーロ消化◎、小粒、子犬向き崩れやすい、手が汚れる★★★★☆
ささみ・鹿肉低カロリー高タンパク、ヘルシー保存に注意★★★★★
チーズ嗜好性◎、匂いが強い脂肪分が多い★★★☆☆
ドライフード手軽、低コスト嗜好性が低いことも★★★☆☆

子犬(生後3〜6ヶ月)は消化機能が未熟なため、柔らかめのボーロやソフトクッキーから始めましょう。

おやつの量とカロリー管理

AKCのトレーニングガイドでは、おやつの量は1日の総摂取カロリーの10%以下に抑えることが推奨されています。トレーニングを集中的に行う日でも15%以内に留めましょう。

重要なポイント:おやつの「量」より「回数」

犬にとって嬉しいのは「おやつをもらえた」という事実そのもの。大きなおやつを1回あげるより、小さなおやつを10回あげる方が、犬の喜びは10倍になります。

体重別おやつの目安量(1日あたり):

体重1日のカロリー目安おやつ上限(10%)小型おやつ換算
3kg約200kcal20kcal約10個
5kg約300kcal30kcal約15個
10kg約500kcal50kcal約25個
20kg約900kcal90kcal約45個

※小型おやつ1個を約2kcalとして計算

トレーニングでおやつを多く使った日は、その分メインのフードを減らして調整しましょう。

おやつのランク分けで効果倍増

すべてのおやつを同じように使っていませんか?実は、おやつに「ランク」をつけて使い分けることで、トレーニング効果が格段にアップします。

おやつのランク分け例:

ランク使用場面おやつ例
低価値(日常用)簡単なコマンド、復習ドライフード、普通のボーロ
中価値(やや特別)新しいコマンドの練習ソフトジャーキー、ささみ
高価値(特別用)難しい課題、外出先チーズ、レバー、大好物

外出先や気が散りやすい環境では、普段使わない「とっておき」のおやつを使うことで、飼い主への注目を維持できます。また、同じおやつばかり使っていると飽きてしまうため、定期的にローテーションすることも大切です。

しつけ全般の基本については犬のしつけ:信頼関係を築くトレーニング術で体系的に学べます。

おやつを減らして声だけで動ける犬に

おやつを使ったトレーニングの最終目標は、「おやつがなくても指示に従える犬」を育てることです。Preventive Vetの解説では、これを「変動強化スケジュール」への移行と呼んでいます。

段階的におやつ🛒を減らすステップ:

  1. 学習初期:毎回おやつを与える(連続強化)

  2. 定着期:4回に3回おやつを与える

  3. 強化期:2回に1回おやつを与える

  4. 維持期:不定期(3〜5回に1回)におやつを与える

  5. 完成期:たまに「ボーナス」としておやつを与える

急におやつをやめると犬が混乱するため、徐々に減らすことが重要です。おやつを減らす代わりに、言葉で褒める・撫でる・遊ぶなどの「二次強化子」を増やしていきましょう。

研究によると、実は間欠的(不定期)なご褒美の方が、毎回のご褒美よりも強い動機づけになります。犬は「もしかしたらもらえるかも」という期待で、より熱心に指示に従うようになるのです。

問題行動の改善に応用する方法は問題行動を直すカウンタートレーニングで解説しています。

おやつを使ったトレーニングの落とし穴

おやつは強力なツールですが、使い方を間違えると逆効果になることも。よくある失敗パターンを知っておきましょう。

落とし穴1:おやつを先に見せてしまう

コマンドを出す前におやつを見せると、犬は「おやつに釣られて」行動するだけになります。これでは「指示に従う」のではなく「おやつ🛒を追いかける」だけ。おやつはポケットに隠しておき、できた後に取り出すのが正解です。

落とし穴2:もらえて当たり前になる

何もしなくてもおやつをもらえる状況が続くと、おやつの価値が下がります。トレーニング用のおやつは「頑張ったご褒美」としてのみ使い、普段のおやつとは別にしましょう。

落とし穴3:おやつ依存

おやつがないと一切言うことを聞かない——これはおやつへの依存状態です。前章で説明した「段階的に減らす」プロセスを必ず取り入れましょう。

しつけでやりがちな他の失敗についてはこれは逆効果!やってはいけないしつけ5選もチェックしてください。

まとめ:おやつ上手は飼い主上手

トレーニングでおやつを効果的に使うポイントをおさらいしましょう。

おやつ活用の4つのルール:

  1. タイミング:良い行動から2秒以内に与える

  2. :1日のカロリーの10%以下、少量×複数回

  3. 種類:小さく柔らかく、匂いが強いものを選ぶ

  4. 段階:徐々に減らし、最終的には声だけでも動けるように

おやつはあくまでトレーニングの「ツール」であり、目的ではありません。最終的に目指すのは、おやつがなくても飼い主の言葉だけで動ける、信頼関係で結ばれた愛犬との暮らしです。

まずは基本のコマンドから始めてみましょう。最初に覚えさせたい「おすわり」の教え方で、今日学んだおやつの使い方を実践してみてください。

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