「うちの犬はもう成犬だから、今さらしつけなんて無理…」と諦めていませんか?実は、これは大きな誤解です。犬は何歳になっても学習する能力を持っている動物であり、成犬はもちろん🛒、シニア犬になってからでもしつけは十分に可能です。
この記事では、成犬・老犬のしつけ方法について、科学的根拠に基づいた効果的なトレーニング法をご紹介します。無駄吠えや噛み癖といった問題行動への対処法から、老犬の脳を活性化させるトレーニングまで、愛犬との絆を深めるためのヒントをお伝えします。
成犬・老犬でもしつけはできる!科学的根拠
「老犬に新しい芸は教えられない」という古い諺がありますが、これは科学的には正しくありません。VCA Animal Hospitalsの解説によると、犬は年齢に関係なく新しいことを学ぶ能力を持っています。

実際、成犬には子犬にはないメリットがあります。成犬は落ち着きがあり、集中力が高いため、トレーニングに対する反応性が子犬より高い場合も多いのです。また、シニア犬(7歳以上)でも、適切なアプローチで80〜90%の成功率でトレーニングが可能だという報告もあります。
脳には「可塑性」という性質があり、これは新しい神経回路を形成する能力のことです。犬の脳もこの可塑性を持っており、何歳になっても新しいことを学び、習慣を変えることができます。大切なのは、正しい方法で根気強く続けることです。
ポジティブ強化を使ったトレーニングについて詳しく知りたい方は、褒めて伸ばす!ポジティブ強化トレーニングの基本もご覧ください。
成犬のしつけと子犬のしつけの違い

成犬のしつけには、子犬とは異なるアプローチが必要です。最大の違いは、成犬にはすでに身についた習慣や行動パターンがあるということです。
PETOKOTO(ペトコト)の記事でも解説されているように、成犬はこれまでの生活の中で身につけてきた行動や習性があり、それらを変えてもらうには飼い主側の心のゆとりと根気が必要です。しかし、時間はかかっても着実に成果は出ます。
「社会化期を逃してしまった」と心配される方もいますが、社会化は何歳からでも可能です。重要な社会化期(生後3〜12週齢頃)に適切な社会化ができていないと、それを取り戻すのは確かに難しい面がありますが、決して手遅れということはありません。
成犬のメリットを活かしたトレーニングを心がけましょう:
落ち着き:興奮しにくく、指示を聞きやすい
集中力:長い時間集中できる
体力のコントロール:自分の体をうまくコントロールできる
しつけの基本については、犬のしつけ:信頼関係を築くトレーニング術で詳しく解説しています。
成犬・老犬のしつけで大切な5つの基本原則
成犬・老犬のしつけを成功させるために、以下の5つの基本原則を守りましょう。
① ポジティブ強化(褒めるしつけ)を徹底する
しつけの基本は「褒めること」です。叱るのではなく、良い行動をしたときにすぐに褒めることで、犬はその行動を繰り返すようになります。
褒め方にはいくつかの方法があります:
おやつ🛒:小さくて美味しいご褒美
声かけ:「いい子!」「Good!」など明るい声で
撫でる:頭や体を優しく撫でる
叩く、怒鳴りつける、閉じ込めるなど、痛みや恐怖を与えるしつけは絶対にやめましょう。信頼を損ねるだけでなく、問題行動が悪化する原因になります。
② 短いセッションで毎日続ける
Purina(ピュリナ)の解説によると、トレーニング🛒セッションは10〜15分程度の短時間で行うのが効果的です。長すぎると犬も飼い主も疲れてしまい、集中力が切れてしまいます。
毎日の継続が重要です。1日おきや週に数回よりも、短くても毎日続ける方が効果的です。うまくできているうちに切り上げ、楽しい状態で終われるようにしましょう。
③ 一貫性を保つ
家族全員が同じルールを守り、同じコマンド(指示語)を使うことが大切です。ある人は「おすわり」、別の人は「座れ」と言っていては、犬は混乱してしまいます。
また、今日は許すけど明日は叱る、という対応もNGです。ルールは常に一貫させましょう。
④ 焦らず根気強く
成犬のしつけは子犬より時間がかかることを理解しておきましょう。長年の習慣を変えるには時間が必要です。
小さな進歩を喜び、できなくても責めないことが大切です。「また失敗した」ではなく「今日は昨日より少し良くなった」という視点を持ちましょう。
⑤ 信頼関係を築く
飼い主は「主人」というより、「理解者」や「頼りになる人」など「安心できる存在」になるべきです。
しつけがうまくいかないことで「犬になめられている」と考える人もいますが、そうではありません。「飼い主さんが愛犬のことを理解できていない」「信頼感や安心感を与えられていない」と考えるべきでしょう。犬が安心して飼い主についていける関係を築くことが、しつけ成功の土台になります。
成犬によくある問題行動と対処法
成犬でよく見られる問題行動とその対処法について解説します。
無駄吠えの直し方
一般的に「無駄吠え」といいますが、犬の吠えには必ず理由があります。まずは愛犬が吠える原因を見極めることが大切です。
吠える主な原因:
要求吠え:かまってほしい、遊びたい、ご飯が欲しい
恐怖による吠え:怖いものから身を守ろうとしている
縄張り意識:テリトリーに入ってきた人や犬への警戒
不安による吠え:分離不安など
要求吠えへの対処法: 「吠えれば思い通りになる」と犬が学習しているケースが多いため、「完全な無視」が効果的です。吠えている間は目も合わせず、声もかけません。犬が力を抜いて座ったり伏せたりするようになったタイミングで、冷静に褒めてあげましょう。
吠えていない瞬間を褒めることがポイントです。静かにしていることに価値があると教えましょう。
無駄吠え対策について詳しくは、ワンワンうるさい!無駄吠えをやめさせる技をご覧ください。
噛み癖の直し方
成犬の噛み癖は、子犬の頃からの習慣や新たなストレス要因によって引き起こされることがあります。
対処のポイント:
噛む状況を観察・特定する:足を触ると噛む、爪切り🛒で噛むなど、どんな状況で噛むのかを把握
噛む状況を作らない:愛犬が嫌がることを避け、噛む機会を減らす
手に慣れてもらう:恐怖から噛む場合は、手を怖いものではないと知ってもらうトレーニングを
人の手にゆっくり慣れてもらうには、最初は手で犬を触らないようにし、手を動かすときはゆっくり行います。時間をかけて「手は怖いものではない」と教えていきましょう。
飛びつき癖の直し方
来客に飛びついてしまう犬には、代替行動を教えるのが効果的です。
「玄関のチャイムが鳴ったらおすわりする」というルールを教えましょう。飛びつかずにおすわりできたら、たくさん褒めてご褒美をあげます。興奮を抑えるトレーニングを繰り返すことで、落ち着いて来客を迎えられるようになります。
飛びつき癖の詳しい対処法は、飛びつき癖を直して来客に好かれる犬にで解説しています。
老犬(シニア犬)のトレーニングで気をつけること
老犬のトレーニングでは、体力や健康状態への配慮が特に重要です。Hill's Pet(ヒルズペット)では、シニア犬のトレーニングにおける注意点が詳しく解説されています。
老犬トレーニングの注意点:
体力・体調への配慮:無理をさせず、犬の様子を見ながら進める
視力・聴力低下への対応:目が見えにくい場合は声で、耳が聞こえにくい場合はハンドシグナル(手の動き)で伝える
関節への負担を避ける:ジャンプなど関節に負担がかかる動きは避ける
休憩を多めに:疲れやすいので、こまめに休憩を入れる
老犬でも新しいことを学ぶ能力はあります。ただし、若い頃と同じペースは求めず、ゆっくりと進めることが大切です。
老犬の脳を活性化させるトレーニング
老犬にとってトレーニングは、しつけだけでなく脳の活性化にも効果があります。
認知症予防にもなる脳トレ
わんちゃんホンポの記事によると、脳にいい刺激を与えることが認知症予防に有効です。高齢になって寝ている時間が長くなった愛犬を「好きなだけ寝かせておく」のではなく、無理のない範囲でいい刺激を与えてあげることが大切です。
効果的な脳トレ方法:
コマンドトレーニング:「お手」「おすわり」などの指示を日常的に使うことで脳を刺激。新しいコマンドを時間をかけて覚えさせるのも効果的
ノーズワーク:おやつを隠して嗅覚を使って探させる。嗅覚は最後まで残ると言われており、シニア犬にぴったり
知育玩具🛒:おやつが中に入ったパズル型のおもちゃで、考えながら遊ぶ
散歩ルートを変えて刺激を与える
いつもと同じ散歩ルートではなく、時々違う道を歩いてみましょう。違う景色を見たり、新しい匂いを嗅いだりすることは、脳にとって良い刺激になります。
犬との暮らし大百科(アニコム)では、犬の認知症について詳しく解説されています。認知症は進行を遅らせることはできますが、発症すると劇的な改善は難しくなるため、予防が大切です。
成犬・老犬におすすめの簡単トレーニング
何歳からでも始められる、簡単なトレーニングをご紹介します。
アイコンタクト
すべてのトレーニングの基本となるのがアイコンタクトです。
やり方:
おやつ🛒を握った手を犬の鼻先に近づける
手を自分のあごの近くまで持ち上げる
犬がおやつを目で追い、顔を上げたタイミングで名前を呼ぶ
犬と目が合ったら、すぐにおやつをあげながら褒める
名前を呼んで目が合う習慣ができると、その後のトレーニングがスムーズになります。
おすわり・待て・伏せ
基本コマンドは何歳からでも覚えられます。成犬でも、根気強く教えれば必ず身につきます。
シェイク(お手)
お手は簡単で達成感があるトリックです。シニア犬でも楽しく覚えられます。
やり方:
手を差し出して「お手」と言う
最初は犬の足を軽く持ち上げて手に乗せる
足が手に乗ったらすぐに褒めておやつ🛒
繰り返すうちに自分から足を出すようになる
スピン(回転)
体を回転させる楽しいトリックです。関節に大きな負担をかけず、体を動かせます。
やり方:
おやつを握った手を犬の鼻先に近づける
「スピン」と言いながら、手を円を描くように動かす
犬が手を追って回転したら、褒めておやつ
プロに相談すべきケースとは
成犬のしつけは飼い主さんだけでは対処できないケースもあります。以下のような場合は、専門家への相談をおすすめします。
専門家に相談すべきケース:
攻撃的な噛みつきがあり、怪我のリスクがある
深刻な恐怖反応を示す
長期間取り組んでも改善が見られない
飼い主自身が不安やストレスを感じている
盲導犬総合支援センターの解説でも述べられているように、プロのドッグトレーナーに客観的に愛犬と飼い主さんの関係を見てもらうことで、問題点や愛犬の傾向を知ることができます。
獣医師やドッグトレーナーは、あなたと愛犬の味方です。困ったときは遠慮せずに相談しましょう。
まとめ:愛犬との絆を深めるしつけを
成犬・老犬のしつけについて解説してきました。ポイントをまとめると:
何歳からでもしつけは可能:犬の学習能力は年齢で失われない
ポジティブ強化が基本:褒めて伸ばすトレーニングが最も効果的
信頼関係がカギ:飼い主は安心できる存在になることが大切
焦らず楽しみながら:小さな進歩を喜び、継続することが成功の秘訣
困ったときは専門家に:一人で抱え込まず相談を
しつけは愛犬との大切なコミュニケーションの時間です。「何かを教え込む」というより、「一緒に楽しむ」という気持ちで取り組んでみてください。
犬のしつけの基本については、犬のしつけ:信頼関係を築くトレーニング術で詳しく解説しています。愛犬との素敵な関係づくりのヒントにしていただければ幸いです。






