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犬の寄生虫対策:予防が愛犬を守る

回虫感染の症状と駆虫治療

回虫感染の症状と駆虫治療の画像

子犬を迎えたら、まず気をつけたいのがお腹の寄生虫です。特に回虫(犬回虫)は、子犬に多く見られる寄生虫で、放置すると成長不良や深刻な健康問題を引き起こすことがあります。

この記事では、回虫症の感染経路から症状、駆虫方法まで詳しく解説します。犬の寄生虫対策の基本として、正しい知識を身につけましょう。

回虫(犬回虫)とは?

回虫は、犬に寄生する内部寄生虫の中で最も一般的な寄生虫の一つです。

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回虫の特徴

項目内容
学名Toxocara canis(トキソカラ・カニス)
大きさ成虫は5〜20cm
外見黄白色のそうめん状
寄生場所小腸
特徴メスは1日に約20万個の卵を産む

成虫は肉眼でも確認でき、嘔吐物や便の中に白いそうめんのような虫が見られることがあります。

回虫の感染経路:母子感染が最も重要

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回虫は複数の経路で感染しますが、特に子犬🛒では母子感染が最も重要です。

主な感染経路

感染経路説明特徴
胎盤感染妊娠中に母犬から胎児へ最も一般的
経乳感染母乳を通じて生後すぐに感染
経口感染虫卵を含む土や便を口にする環境からの感染
待機宿主感染したネズミなどを食べる狩猟本能のある犬に多い

AKC(アメリカンケネルクラブ)によると、子犬🛒の多くは生まれる前か、生まれてすぐに母親から回虫に感染しています。

なぜ母子感染が起こるのか

成犬に感染した回虫の幼虫は、腸で成虫にならず、筋肉や臓器で休眠状態になります。しかし、母犬が妊娠すると、ホルモンの変化により幼虫が活性化し、胎盤や乳腺を通じて子犬に移動します。

回虫症の症状:成犬と子犬で大きく異なる

回虫症の症状は、犬の年齢と感染数によって大きく異なります。

成犬の症状

成犬では、回虫に対する抵抗力が高まるため、幼虫は成虫に成長できず、無症状のことがほとんどです。ただし、免疫力が低下している場合は症状が出ることもあります。

子犬の症状

子犬🛒は免疫力が低いため、回虫が成虫まで成長し、以下のような症状を引き起こします:

症状詳細
太鼓腹(ぽっこりお腹)回虫が大量寄生すると腹部が膨らむ
嘔吐・下痢消化器症状、便や嘔吐物に虫が出ることも
発育不良・体重減少栄養を奪われるため
被毛不良毛艶が悪くなる
咳・呼吸困難幼虫が肺を通過する際に
元気消失重症例では衰弱

Merck Veterinary Manualによると、重症の子犬では肺炎、腹水、脂肪肝なども見られることがあります。治療しないと命に関わることもあります。

回虫症の診断方法

回虫症の診断は、主に便検査で行います。

診断方法

検査方法内容特徴
便検査(浮遊法)便中の虫卵を顕微鏡で確認最も一般的
抗原検査回虫の抗原を検出新しい検査法
肉眼での確認便や嘔吐物中の成虫重度感染時

注意点:

  • 1回の検査では検出できないことがある

  • 複数回の検査が推奨される

  • 母子感染の場合、生後3週目頃から虫卵が便中に排出される

便検査でわかることも参考にしてください。

回虫症の治療と駆虫方法

回虫症は、駆虫薬で治療できます。

駆虫薬の種類

薬剤名投与方法特徴
フェンベンダゾール内服幼虫にも効果あり
ピランテル内服安全性が高い
ミルベマイシン内服フィラリア予防と併用可
セラメクチンスポットオン外用で簡単

駆虫のポイント

  1. 複数回の投与が必要:成虫を駆虫しても、休眠中の幼虫が成長する可能性がある

  2. 定期的な便検査:駆虫後も再感染がないか確認

  3. 環境の清潔化:便は速やかに処理し、感染源を除去

詳しくは「予防薬の種類と選び方」をご覧ください。

子犬の回虫予防:いつから始める?

子犬の回虫予防は、できるだけ早く始めることが重要です。

推奨される駆虫スケジュール

時期対象内容
生後2〜3週間子犬初回駆虫
2週間ごと子犬生後12週まで繰り返し
月1回生後3ヶ月以降定期駆虫
妊娠前・妊娠中母犬子犬への感染予防

子犬の寄生虫予防:いつから始める?でさらに詳しく解説しています。

環境対策も重要

人への感染リスク:トキソカラ症

回虫は人獣共通感染症です。人間が感染すると「トキソカラ症」と呼ばれます。

人への感染経路

  • 虫卵に汚染された土や砂を触った後、手を口に入れる

  • 公園の砂場で遊んだ後の手洗い不足

  • 子犬に顔を舐められる

人の症状

CDC(アメリカ疾病予防管理センター)によると、トキソカラ症には主に2つのタイプがあります:

タイプ症状
内臓幼虫移行症発熱、咳、腹痛、肝臓障害
眼幼虫移行症視力低下、最悪の場合失明

特に小さなお子さんがいる家庭では、犬の定期駆虫と手洗いの徹底が重要です。

人にもうつる!人獣共通感染症のリスクも併せてご覧ください。

まとめ:早期駆虫と定期検査で愛犬を守る

回虫症は、特に子犬にとって深刻な病気ですが、適切な駆虫と予防で防ぐことができます。

重要なポイント:

  • 回虫は母子感染が最も一般的

  • 子犬は重症化しやすいため早期駆虫が重要

  • 生後2〜3週間から駆虫を開始

  • 定期的な便検査で感染をチェック🛒

  • 人にも感染するため、手洗いを徹底

鉤虫症条虫など、他の消化管寄生虫についても知識を深めておきましょう。

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