はじめに
「愛犬が下痢をしている」「体を頻繁に掻いている」――これらの症状は、寄生虫感染のサインかもしれません。犬の寄生虫は、適切な予防と早期発見により防ぐことができますが、放置すると深刻な健康被害を引き起こします。

本記事では、犬種図鑑で重要な健康管理🛒の一環として、犬につく寄生虫の種類、症状、予防法まで徹底解説します。内部寄生虫(回虫、鉤虫、条虫、フィラリアなど)と外部寄生虫(ノミ、ダニ、マダニ)について、獣医師監修のもと正しい知識をお伝えします。
犬の寄生虫とは
犬の寄生虫とは、犬の体内や体表に寄生し、栄養を奪ったり病気を引き起こす生物のことです。寄生虫は大きく2種類に分けられます。
内部寄生虫と外部寄生虫の違い

内部寄生虫:
犬の体内(主に消化管や心臓)に寄生
目に見えないため発見が遅れやすい
下痢、嘔吐、体重減少などの症状
例: 回虫、鉤虫、鞭虫、条虫、フィラリア
外部寄生虫:
犬の皮膚や被毛に寄生
目視で確認できることが多い
かゆみ、脱毛、皮膚炎などの症状
例: ノミ、マダニ、シラミ
人獣共通感染症のリスク
犬の寄生虫は人間に感染🛒することもあります。特に回虫やエキノコックスは人間に深刻な健康被害をもたらすため、犬の駆虫は公衆衛生の観点からも非常に重要です。
内部寄生虫の種類
回虫(かいちゅう)
回虫は犬に最も多く見られる内部寄生虫で、4~18cm程度の長さがあります。
特徴:
白い糸状の虫
主に小腸に寄生
子犬の感染率が高い
母犬から胎盤や母乳を通じて感染
症状:
下痢、嘔吐
食欲不振
腹部の膨張
毛並みの悪化
発育不良(子犬の場合)
診断: 糞便検査で虫卵を確認
治療: 駆虫薬(錠剤またはシロップ)の投与
鉤虫(こうちゅう)
鉤虫は十二指腸に寄生し、牙で腸壁にくいついて盛んに吸血します。
特徴:
体長1~2cm
口腔に牙を備える
経口感染または経皮感染
多頭飼い🛒で感染拡大しやすい
症状:
血便、タール便
貧血(歯茎が白くなる)
元気消失
体重減少
子犬の場合は死亡することも
治療: 駆虫薬の投与、重度の場合は輸血
鞭虫(べんちゅう)
鞭虫は盲腸周辺に寄生し、頭部を腸の粘膜に突き刺して固着します。
特徴:
体長4~7cm
鞭のような形状
糞便を介して感染
環境中で数年生存可能
症状:
激しい水様下痢
血便
体重減少
脱水症状
特記事項: 虫卵が環境中で長期間生存するため、再感染しやすい
条虫(じょうちゅう)
条虫には瓜実条虫(サナダムシ)やマンソン裂頭条虫、エキノコックスなど複数の種類があります。
瓜実条虫:
最も一般的な条虫
ノミが中間宿主
体長50cm以上になることも
片節(米粒状)が便や肛門周囲に見られる
症状:
多くは無症状
肛門周辺のかゆみ(お尻を地面にこすりつける)
下痢、嘔吐(重度の場合)
エキノコックス:
人間に感染すると重篤な肝障害
北海道で特に注意が必要
予防が最重要
治療: プラジクアンテル製剤の投与
フィラリア(犬糸状虫)
フィラリアは蚊が媒介する寄生虫で、心臓や肺動脈に寄生します。
特徴:
成虫は体長15~30cm
蚊の吸血時に感染
心臓や肺動脈で成長
放置すると死に至る
症状:
初期: ほぼ無症状
進行期: 咳、運動不耐性
重症期: 腹水、呼吸困難、失神
予防:
4月~12月(地域により異なる)
月1回の予防薬投与が必須
予防率はほぼ100%
外部寄生虫の種類
ノミ
ノミは犬の血を吸う外部寄生虫で、激しいかゆみを引き起こします。
特徴:
体長2~3mm
暗褐色
ジャンプ力が非常に強い
13度以上で活動・繁殖
1日20~50個の卵を産む
症状:
激しいかゆみ
皮膚の赤み、発疹
脱毛
ノミアレルギー🛒性皮膚炎
貧血(大量寄生の場合)
ライフサイクル:
成虫が犬に寄生し産卵
卵が環境中に落ちる
幼虫→蛹→成虫
再び犬に寄生
環境中のノミ(卵、幼虫、蛹)は全体の95%を占めるため、環境対策も重要です。
マダニ
マダニは犬に深刻な病気を媒介する危険な外部寄生虫です。
特徴:
体長3~8mm(吸血後は10mm以上)
春と秋に活動が活発
草むらや山林に生息
人間にも吸血する
媒介する病気:
SFTS(重症熱性血小板減少症候群): 人にも感染し致死率が高い
バベシア症: 赤血球を破壊、貧血を引き起こす
ライム病: 関節炎、発熱
エーリキア症: 発熱、元気消失
症状:
吸血部位の炎症
貧血
発熱、元気消失
食欲不振
注意: マダニを見つけても無理に引き抜かない(口器が残り炎症を起こす)。動物病院🛒で除去してもらいましょう。
その他の外部寄生虫
シラミ:
頭部や耳周辺に寄生
かゆみ、フケ
直接接触で感染
疥癬(ヒゼンダニ):
皮膚に穴を掘って寄生
激しいかゆみ
脱毛、かさぶた
人にも感染
ニキビダニ:
毛包に寄生
免疫力低下時に増殖
脱毛(特に顔周辺)
寄生虫の症状まとめ
内部寄生虫の一般的症状
下痢、軟便
嘔吐
食欲不振
体重減少
腹部膨満
毛並みの悪化
元気消失
血便、タール便
貧血
咳、呼吸困難(フィラリア)
外部寄生虫の一般的症状
激しいかゆみ
頻繁に体を掻く、噛む
皮膚の赤み、発疹
脱毛
フケ
元気消失
食欲不振
発熱(マダニ媒介疾患の場合)
診断と治療
診断方法
糞便検査:
回虫、鉤虫、鞭虫、条虫の虫卵を顕微鏡で確認
定期的な検査が推奨(年1~2回)
血液検査:
フィラリア抗原検査
貧血の有無
炎症反応
視診:
条虫の片節の確認
ノミ、マダニの目視確認
ノミの糞(黒い点)の確認
治療方法
駆虫薬の種類:
錠剤タイプ
チュアブル(おやつ🛒)タイプ
スポットオンタイプ(滴下)
注射タイプ
オールインワン駆虫薬: 現在では、複数の寄生虫に効果のあるオールインワンタイプが主流です。
ネクスガードスペクトラ: フィラリア予防+ノミ・マダニ駆除+消化管内寄生虫駆除
シンパリカトリオ: フィラリア予防+ノミ・マダニ駆除+回虫・鉤虫・鞭虫駆除
インターセプターS: フィラリア予防+回虫・鉤虫・鞭虫・条虫駆除
予防方法
内部寄生虫の予防
月1回の予防薬投与
- フィラリア予防薬(4月~12月) - 多くはオールインワンタイプで消化管内寄生虫も予防
定期的な糞便検査
- 年1~2回の検査
環境の清潔保持
- 糞便はすぐに処理 - 散歩中の拾い食いを防ぐ
子犬の駆虫
- 生後2週齢から定期的に駆虫
外部寄生虫の予防
月1回の予防薬投与
- スポットオンタイプまたはチュアブルタイプ - 通年投与が理想(特に3月~11月は必須)
環境対策
- こまめな掃除機がけ - 寝具の定期的な洗濯 - 屋外飼育環境の清潔保持
散歩時の注意
- 草むらを避ける - 散歩後に体をチェック - マダニがいたら動物病院へ
定期的なシャンプー🛒
- 月1~2回 - ノミ取りシャンプーの使用
予防のポイント
重要: 予防薬は獣医師の処方を受けましょう。市販品より動物病院処方の予防薬が効果的で安全です。
予防費用の目安:
フィラリア予防薬: 月1,000~2,000円
ノミ・ダニ予防薬: 月1,500~3,000円
オールインワンタイプ: 月2,500~4,000円
よくある質問(FAQ)
犬の寄生虫にはどんな種類がありますか?
犬の寄生虫は大きく内部寄生虫と外部寄生虫に分けられます。
内部寄生虫:
回虫: 最も多い、4~18cmの白い虫
鉤虫: 吸血性、貧血を引き起こす
鞭虫: 激しい水様下痢
条虫: ノミが媒介、米粒状の片節
フィラリア: 蚊が媒介、心臓に寄生
外部寄生虫:
ノミ: かゆみ、アレルギー
マダニ: 病気を媒介、SFTSなど
シラミ、疥癬、ニキビダニ
犬の寄生虫は人間にうつりますか?
はい、一部の寄生虫は人間に感染🛒します(人獣共通感染症)。
人に感染する寄生虫:
回虫: 体内移行症を引き起こす
エキノコックス: 重篤な肝障害
マダニ: SFTS(致死率が高い)
ノミ: かゆみ、アレルギー🛒
疥癬: かゆみ、皮膚炎
予防対策:
犬の定期的な駆虫
排泄物の適切な処理
犬を触った後の手洗い
犬と過度に濃密な接触を避ける
フィラリア予防はいつからいつまで必要ですか?
フィラリア予防は地域により異なりますが、一般的に4月~12月が推奨されます。
予防期間の考え方:
蚊が出始めた1ヶ月後から開始
蚊がいなくなった1ヶ月後まで継続
関東以西: 4月~12月
北海道: 5月~11月
沖縄: 通年
予防薬の種類:
月1回の経口薬(錠剤、チュアブル)
月1回のスポットオン(滴下)
年1回の注射(1年間効果持続)
ノミとダニの違いは何ですか?
ノミとダニ(マダニ)は異なる寄生虫です。
ノミ:
昆虫(6本足)
体長2~3mm
暗褐色
ジャンプする
かゆみが主症状
条虫を媒介
マダニ:
クモ類(8本足)
体長3~8mm(吸血後10mm以上)
茶色~灰色
ジャンプしない(草の先端で待ち伏せ)
重篤な病気を媒介(SFTS、バベシア症など)
人間にも危険
両方の予防が必要で、オールインワンタイプの予防薬が便利です。
寄生虫の予防薬はどこで買えますか?
寄生虫予防薬は動物病院で処方を受けるのが最も安全で効果的です。
動物病院処方のメリット:
犬の体重・健康状態に合わせた処方
効果が確実
副作用への対応が迅速
フィラリア検査も実施
市販品との違い:
動物病院🛒: 医薬品(高い効果)
市販品: 医薬部外品(効果が限定的)
通販サイトでも購入できますが、必ず動物病院で健康チェックを受けてから使用しましょう。
まとめ
犬の寄生虫は、内部寄生虫(回虫、鉤虫、鞭虫、条虫、フィラリア)と外部寄生虫(ノミ、マダニなど)に分けられ、それぞれ異なる症状と健康被害を引き起こします。
寄生虫予防の重要ポイント
月1回の予防薬投与: オールインワンタイプが便利
定期的な健康チェック: 年1~2回の糞便検査・血液検査
環境の清潔保持: 掃除、寝具の洗濯
散歩時の注意: 草むら回避、拾い食い防止
人獣共通感染症の認識: 家族の健康も守る
次のステップ
[ ] かかりつけの動物病院で寄生虫予防プランを相談
[ ] 月1回の予防薬投与スケジュールを設定
[ ] 年1回の糞便検査を予約
[ ] フィラリア予防(4月~12月)の継続
[ ] 愛犬の体調変化に注意
寄生虫予防は愛犬の健康を守るだけでなく、家族全員の安全を守ることにもつながります。正しい知識と予防で、愛犬との快適な生活を送りましょう。






