愛犬の毛並みがパサパサして艶がない、皮膚が乾燥してフケが気になる🛒——そんな悩みを抱えていませんか?実は、こうした被毛トラブルの多くは、食事から摂取する脂肪酸のバランスが原因かもしれません。
近年、犬の健康管理においてオメガ3脂肪酸が注目を集めています。科学的研究により、オメガ3脂肪酸が犬の毛艶や皮膚の健康に大きな効果をもたらすことが明らかになってきました。この記事では、オメガ3脂肪酸の基礎知識から効果的な摂取方法まで、獣医学的な根拠に基づいて詳しく解説します。
オメガ3脂肪酸とは?基礎知識を押さえよう
オメガ3脂肪酸は、多価不飽和脂肪酸の一種で、体内で合成できない「必須脂肪酸」に分類されます。犬も人間と同様に、オメガ3脂肪酸を体内で生成することができないため、食事から摂取する必要があります。

オメガ3脂肪酸の主な種類
オメガ3脂肪酸には主に3つの種類があります:
| 種類 | 正式名称 | 主な供給源 |
|---|---|---|
| EPA | エイコサペンタエン酸 | 青魚、魚油 |
| DHA | ドコサヘキサエン酸 | 青魚、魚油 |
| ALA | α-リノレン酸 | 亜麻仁油、チアシード |
特に重要なのはEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)です。植物由来のALAから体内でEPAやDHAに変換することも可能ですが、犬ではこの変換効率が非常に低いことが分かっています。そのため、魚油など動物由来のオメガ3脂肪酸を直接摂取することが推奨されています。

オメガ6脂肪酸との関係
オメガ3脂肪酸と対になる存在としてオメガ6脂肪酸があります。オメガ6は皮膚や被毛の健康維持に必要ですが、「炎症を促進する」作用があります。一方、オメガ3は「炎症を抑える」効果があり、両者のバランスが健康維持に重要です。
愛犬に必要な栄養素についてより詳しく知りたい方は、犬に必要な5大栄養素と1日の摂取量もぜひご覧ください。
毛艶・被毛への効果【科学的根拠】
オメガ3脂肪酸が犬の毛艶を改善する効果は、複数の科学的研究で実証されています。
臨床研究の結果
前向き無作為二重盲検プラセボ対照試験では、毛並みが悪い犬を対象にオメガ3脂肪酸(EPA 160mg + DHA 100mg/日)を90日間投与した結果、投与開始から30日後には皮膚の状態が改善し始め、60日から120日にかけて顕著な改善が確認されました。
また、血中のEPAとDHA濃度の上昇に伴い、炎症を引き起こすアラキドン酸の濃度が低下することも確認されています。
被毛改善のメカニズム
オメガ3脂肪酸が毛艶を改善するメカニズムは以下の通りです:
皮膚のターンオーバー正常化 - 健康な皮膚細胞の生成を促進
毛幹への脂質供給 - 被毛に必要な脂質成分を供給
皮脂分泌の調整 - 適切な皮脂量で毛艶をキープ
炎症抑制 - 皮膚炎による被毛ダメージを防止
注意すべき点として、サプリメント🛒投与を中止すると効果は徐々に失われ、投与前の状態に戻ってしまうことが研究で示されています。継続的な摂取が重要です。
皮膚健康への効果
オメガ3脂肪酸は被毛だけでなく、皮膚の健康維持にも大きな効果を発揮します。
抗炎症作用のメカニズム
EPAとDHAは強力な抗炎症作用を持っています。これらは炎症性エイコサノイドの産生を減少させ、慢性的な炎症の悪循環を断ち切る働きがあります。
アトピー性皮膚炎への効果
特に効果が期待できるのがアトピー性皮膚炎です。獣医師による解説によると、オメガ3脂肪酸を12週間継続して摂取した犬では:
かゆみの軽減
被毛状態の改善
生活の質(QOL)の向上
ステロイド薬の使用量減少
という効果が報告されています。ステロイドは副作用が心配される薬ですが、オメガ3脂肪酸との併用でその使用量を減らせる可能性があるのは大きなメリットです。
皮膚トラブルでお悩みの方は、犬の皮膚と被毛:トラブル解消と美しい毛並みも参考にしてください。
その他の健康効果
オメガ3🛒脂肪酸の効果は皮膚・被毛だけにとどまりません。
心臓・血管の健康
EPAとDHAは血液をサラサラにし、心臓や血管の健康維持に貢献します。心臓病のリスクがある犬種では特に重要な栄養素です。
関節炎の改善
抗炎症作用により、関節炎の痛みや腫れを軽減する効果があります。シニア犬の栄養ニーズと最適なフード選びでも解説していますが、高齢犬では関節ケアとしてオメガ3脂肪酸の摂取が推奨されています。
脳・神経系への効果
DHAは脳の主要な構成成分であり、認知機能の維持に重要です。また、子犬の視力や脳の発達にも良い影響を与えることが分かっています。
効果的な摂取方法
オメガ3脂肪酸を効率よく摂取するためのポイントを解説します。
魚由来 vs 植物由来
FANCLの解説によると、犬では植物性のALA(亜麻仁油🛒など)からEPA・DHAへの変換効率が低いため、魚由来のオメガ3脂肪酸を直接摂取することが理想的です。
| 摂取源 | EPA・DHA含有 | 吸収効率 | 推奨度 |
|---|---|---|---|
| 魚油(サーモン、イワシなど) | 豊富 | 高い | ◎ |
| 亜麻仁油 | なし(ALAのみ) | 低い | △ |
| チアシード | なし(ALAのみ) | 低い | △ |
サプリメントの選び方
PetMDでは、サプリメント選びの際に以下の点を確認することを推奨しています:
EPA・DHA含有量が明記されている
人工添加物が少ない
遮光・密閉容器で販売されている
製造元が信頼できる
酸化防止の重要性
オメガ3脂肪酸は非常に酸化しやすい性質があります。サーカス動物病院の説明によると、酸化した不飽和脂肪酸は効果が得られないだけでなく、腸内環境を乱すなどの悪影響を及ぼす可能性があります。
保存のポイント:
冷暗所で保管
開封後は早めに使い切る
カプセルタイプなら酸化リスクを軽減できる
適切な摂取量と注意点
体重別の目安量
WSAVA(世界小動物獣医師会)は、皮膚疾患がある犬に対して体重1kgあたりEPA+DHA合計40mgを推奨しています。
| 犬のサイズ | 体重目安 | EPA+DHA推奨量/日 |
|---|---|---|
| 小型犬 | 5kg | 200mg |
| 中型犬 | 15kg | 600mg |
| 大型犬 | 30kg | 1,200mg |
ただし、健康な犬の場合はもう少し控えめな量でも十分とされています。
オメガ6とのバランス
AAFCOの基準ではオメガ6:オメガ3の比率が30:1までとされていますが、皮膚に炎症がある場合はオメガ3の比率を高めて1:3〜1:10に設定するのが効果的です。
効果が出るまでの期間
オメガ3脂肪酸は即効性がありません。効果が現れるまでに最低2ヶ月以上かかることを理解しておきましょう。皮膚や被毛のターンオーバーには時間がかかるため、焦らず継続することが大切です。
過剰摂取のリスクと副作用
オメガ3脂肪酸も摂りすぎは禁物です。
主な副作用
下痢・軟便 - 最も一般的な副作用
肥満 - 脂肪である以上、カロリー過多に注意
黄色脂肪症 - 魚油の過剰摂取で稀に発生
NRC(米国国立科学アカデミー)では安全上限量として、体重1kgあたり370mg×体重の3/4乗という計算式を提示しています。サプリメント🛒を使用する場合は、必ず獣医師に相談してから始めましょう。
食物アレルギーがある場合は、食物アレルギーの犬に選ぶべきフードも確認することをおすすめします。
オメガ3を含むフード選び
サプリメント以外にも、フード🛒選びでオメガ3脂肪酸を効率的に摂取できます。
魚系ドッグフードの特徴
サーモン、イワシ、ニシンなどを主原料としたフードは、自然な形でEPA・DHAを摂取できます。
原材料表示の見方
フード選びの際は以下をチェック:
「サーモンオイル」「フィッシュオイル」の記載
オメガ3脂肪酸含有量の明記
酸化防止剤の種類(天然由来が望ましい)
良質なフードの選び方については、ドライフード徹底比較:本当に良いフードとはで詳しく解説しています。
まとめ:愛犬の毛艶を輝かせるために
オメガ3脂肪酸は、愛犬の毛艶アップと皮膚健康に科学的に証明された効果を持つ重要な栄養素です。
ポイントまとめ:
✅ 犬はオメガ3脂肪酸を体内で作れないため、食事からの摂取が必須
✅ EPA・DHAを含む魚油が最も効果的
✅ 効果が現れるまで2ヶ月以上継続が必要
✅ 過剰摂取は副作用のリスクがあるため適量を守る
✅ サプリメント使用前は獣医師に相談を
愛犬の毛艶や皮膚の状態が気になる場合は、まず獣医師に相談し、適切な量のオメガ3脂肪酸を継続的に摂取させることで、輝くような美しい被毛を手に入れることができるでしょう。
犬の栄養全般についてさらに学びたい方は、犬の食事と栄養:正しいフード選びの科学をご覧ください。






