季節の変わり目になると、愛犬が体を掻いたり、皮膚が赤くなったりすることはありませんか?実は、犬の皮膚トラブルには明確な季節性があり、それぞれの季節に特有の問題が起こりやすくなります。本記事では、春・夏・秋・冬それぞれの季節に多い皮膚トラブルの種類、その原因、そして効果的な予防と対策方法について詳しく解説します。
季節ごとの皮膚トラブルの特徴
犬の皮膚は季節の影響を大きく受けます。温度、湿度、アレルゲンの種類など、環境要因が季節によって変化するためです。

季節別の主な皮膚トラブル一覧
| 季節 | 主なトラブル | 主な原因 | 発生しやすい部位 |
|---|---|---|---|
| 春(3~5月) | 花粉アレルギー性皮膚炎 | スギ、ヒノキなどの花粉 | 顔、足先、腹部 |
| 梅雨~夏(6~8月) | 膿皮症、マラセチア皮膚炎 | 高温多湿、細菌・カビ増殖 | 指間、耳、脇の下、股 |
| 秋(9~11月) | 季節性アレルギー、膿皮症 | 雑草花粉、ダニ、寒暖差 | 顔、足先、腹部 |
| 冬(12~2月) | 乾燥性皮膚炎、フケ | 低湿度、暖房による乾燥 | 背中、腰、四肢 |
春の皮膚トラブルと対策
春は植物が花粉を放出する季節であり、花粉アレルギーが最も多く発生します。

花粉アレルギー性皮膚炎
症状:
顔、目の周り、足先、腹部のかゆみ
皮膚の赤み
頻繁な体舐め、足舐め
目や鼻の周りを地面にこすりつける行動
原因: スギ、ヒノキ、ブタクサなどの花粉が皮膚に付着し、アレルギー反応を引き起こします。季節性アレルギーの症状は春(3~5月)に最も多く見られます(PetMD)。
対策:
散歩後のケア:外から帰ったら、足、脚、お腹を赤ちゃん用ウェットティッシュ🛒で拭き、皮膚からアレルゲンを除去(Scenthound)
散歩時間の調整:花粉の飛散が少ない早朝や雨上がりを選ぶ
室内環境:空気清浄機の使用、窓の開閉を控える
週1回の入浴:オートミールシャンプーとぬるま湯で花粉を洗い流す(Scenthound)
服の着用:花粉の付着を減らすため、散歩時に服を着せる
詳しいアレルギー対策は、敏感肌用スキンケア製品の選び方もご覧ください。
梅雨~夏の皮膚トラブルと対策
高温多湿の梅雨から夏にかけては、犬の皮膚トラブルが最も増える季節です。日本の梅雨と夏は高温多湿で、皮膚がベタつき細菌が繁殖しやすく、皮膚病の症状が激化しやすい時期です(アイペット損保)。
膿皮症(のうひしょう)
症状:
皮膚の赤い発疹、膿を持った発疹
円形の脱毛
かゆみ
悪臭
原因: 皮膚のバリア機能が低下すると、細菌(主に黄色ブドウ球菌)が侵入し増殖します。梅雨から夏にかけて温度と湿度が高い時期は、細菌が繁殖しやすいため注意が必要です(つだ動物病院)。
対策:
こまめなグルーミング:週2~3回のブラッシングで通気性を確保
定期的なシャンプー🛒:2週間に1回程度、抗菌シャンプーを使用
湿気対策:散歩後や水遊び後はしっかり乾かす
室温湿度管理:エアコンと除湿機で適切な環境を維持(温度25~28℃、湿度50~60%)
マラセチア皮膚炎
症状:
強いかゆみ
皮膚の赤み、べたつき
独特の悪臭(脂っぽい臭い)
フケの増加
黒ずんだ皮膚
原因: マラセチアという真菌(カビ)が原因です。梅雨から夏の高温多湿な時期に、皮脂分泌が過剰な犬種で多く発生します(アイペット損保)。
好発犬種: シーズー、ウエストハイランドホワイトテリア、アメリカンコッカースパニエル、ダックスフンドなど
対策:
抗真菌シャンプー🛒:週2回の薬用シャンプー
耳のケア:週1回の耳掃除(マラセチアは耳にも発生しやすい)
皮膚の乾燥:散歩後や入浴後は完全に乾かす
食事管理:脂質の過剰摂取を避ける
インナードライ(夏の乾燥肌)
夏はエアコンの冷風によって皮膚表面は乾燥し、内部の水分が失われる「インナードライ」状態になりやすいです(Docpal)。
対策:
保湿ケア:フォームやスプレータイプの保湿剤でベタつきを抑えながら保湿(Docpal)
エアコンの直風を避ける:風が直接当たらない場所を用意
水分補給:十分な水を飲めるようにする
秋の皮膚トラブルと対策
秋は雑草の花粉やダニの増殖、そして気温の変化により、皮膚トラブルが再び増加します。
季節性アレルギー(雑草花粉)
症状:
春と同様のかゆみ、皮膚の赤み
目や耳のトラブル
原因: ブタクサ、ヨモギなどの雑草花粉。9~11月に症状が出やすくなります(PetMD)。
対策: 春の花粉対策と同様のケアを行います。
換毛期の皮膚トラブル
秋は換毛期でもあり、抜け毛が増えます。適切にケアしないと、毛玉や蒸れが原因で皮膚トラブルが発生します。
対策:
毎日のブラッシング:アンダーコートをしっかり除去
定期的なシャンプー🛒:月2回程度で抜け毛と汚れを除去
換毛期のケアについては、換毛期の大量抜け毛:乗り切り方と対策をご覧ください。
冬の皮膚トラブルと対策
冬は空気が乾燥し、暖房の使用によってさらに湿度が低下します。これにより、犬の皮膚も乾燥しやすくなります。
乾燥性皮膚炎とフケ
症状:
皮膚の乾燥、カサカサ
大量のフケ
かゆみ
皮膚のひび割れ(重度の場合)
原因: 冬は犬が乾燥肌になりやすく、セントラルヒーティングが主な暖房源の地域では問題が悪化する可能性があります(Lake Cross Veterinary)。乾燥により皮膚のバリア機能が低下します(アイペット損保)。
対策:
保湿ケア:毎日の保湿スプレーやローション、クリームの使用
加湿器の使用:室内湿度を40~60%に保つ(Lake Cross Veterinary)
シャンプー頻度の調整:月1回程度に減らし、保湿効果の高いシャンプーを使用
室温管理:暖房を使いすぎない
栄養補給:オメガ3脂肪酸のサプリメント🛒を追加
保湿ケアの詳細は、乾燥対策:保湿ケアとクリームの使い方で詳しく解説しています。
静電気による皮膚刺激
冬は静電気が発生しやすく、ブラッシング時に犬が嫌がることがあります。
対策:
ブラッシング前に保湿スプレーを使用
静電気防止スプレーの使用
加湿器で室内湿度を上げる
予防的スキンケアの重要性
季節性の皮膚トラブルは、症状が出る前から予防的にケアすることが効果的です。
年間スケジュール
愛犬の年間サイクルに注意を払い、皮膚トラブルの症状が出る前から、予防的なスキンケアやサプリメントを計画します(Docpal)。
推奨スケジュール:
| 時期 | 予防ケア | 開始時期 |
|---|---|---|
| 春の花粉対策 | アレルギーサプリ、抗ヒスタミン薬 | 2月下旬~ |
| 梅雨~夏対策 | 抗菌シャンプー、除湿、グルーミング強化 | 5月中旬~ |
| 秋の花粉対策 | アレルギーサプリ | 8月下旬~ |
| 冬の乾燥対策 | 保湿ケア、加湿器準備 | 11月中旬~ |
日常的な予防ケア
基本のスキンケアルーティン:
毎日のブラッシング:皮膚の血行促進、異常の早期発見
定期的なシャンプー🛒:季節に応じて頻度を調整
適切な保湿:特に乾燥する季節は毎日
栄養管理:オメガ3脂肪酸、ビタミンE、亜鉛などを含むフード
環境管理:温度と湿度を適切に保つ
獣医師に相談すべきタイミング
家庭でのケアで改善しない場合や、以下の症状が見られる場合は、すぐに獣医師に相談してください。
緊急度の高い症状
激しいかゆみ:夜も眠れないほど掻き続ける
広範囲の脱毛:円形脱毛や全身性の脱毛
皮膚の出血や膿:化膿している
悪臭:強い異臭がする
食欲不振や元気消失:全身症状を伴う
急速な悪化:数日で急激に症状が悪化
慢性的な症状
季節ごとに同じ症状が繰り返される
市販薬で一時的に改善するが、すぐに再発する
かゆみが数週間続いている
皮膚トラブルの見分け方については、犬の皮膚トラブルの見分け方と対処法で詳しく解説しています。
犬種別の季節性皮膚トラブルリスク
犬種によっても、季節性皮膚トラブルの起こりやすさは異なります。
高リスク犬種
| 犬種 | リスクの高いトラブル | 理由 |
|---|---|---|
| ブルドッグ、パグ、フレンチブルドッグ | 夏の皮膚炎、シワの間の感染 | 顔のシワ、短頭種 |
| シーズー、コッカースパニエル | マラセチア皮膚炎 | 皮脂分泌が多い |
| ゴールデンレトリバー、ラブラドール | 季節性アレルギー | アトピー体質が多い |
| ウエストハイランドホワイトテリア | アトピー性皮膚炎 | 遺伝的素因 |
| 柴犬 | 夏の膿皮症、冬の乾燥肌 | ダブルコート、敏感肌 |
リスクに応じた対策
高リスク犬種を飼っている場合は、より積極的な予防ケアが推奨されます:
月1回の獣医師による皮膚チェック
季節の変わり目の予防的薬物療法
専門的なスキンケア製品の使用
アレルギー検査の実施
まとめ
季節ごとの皮膚トラブルとその対策をまとめます:
春:花粉アレルギー → 散歩後の拭き取り、週1回の入浴、室内環境整備
梅雨~夏:膿皮症、マラセチア皮膚炎 → 温度湿度管理、こまめなグルーミング、抗菌シャンプー🛒
秋:雑草花粉アレルギー、換毛期 → 花粉対策、毎日のブラッシング
冬:乾燥性皮膚炎 → 保湿ケア、加湿器使用、シャンプー頻度調整
年間予防:症状出現の1~2ヶ月前から予防的ケア開始
日常ケア:毎日のブラッシング、適切なシャンプー、栄養管理、環境管理
獣医師相談:激しいかゆみ、脱毛、化膿、悪臭がある場合は早めに受診
季節性の皮膚トラブルは、それぞれの季節の特性を理解し、適切なタイミングで予防ケアを始めることで、症状を軽減または予防できます。愛犬の年間サイクルを把握し、季節の変化に合わせたスキンケアを実践することで、1年を通じて健康な皮膚を維持しましょう。
症状が出てから対処するのではなく、予防的アプローチを取ることが、愛犬の快適さと健康維持の鍵となります。






