愛犬の健康を維持するために、毎日の食事管理は欠かせません。「1日に何回ご飯をあげればいいの?」「食事の時間は決めた方がいいの?」といった疑問を持つ飼い主さんは多いのではないでしょうか。
実は、犬の食事回数や時間は年齢や体質によって最適なパターンが異なります。この記事では、子犬からシニア犬🛒まで、ライフステージ別の最適な食事スケジュールと、空腹時の嘔吐や胃捻転を防ぐための注意点を詳しく解説します。
犬の食事回数の基本:なぜ「1日2回」が推奨されるのか
成犬の食事回数として最も一般的に推奨されているのは「1日2回」です。これには、犬の消化システムに基づいた科学的な理由があります。

VCA Animal Hospitalsによると、犬の胃は空腹状態が8〜10時間続くと、脳に空腹信号を送り始めます。このため、少なくとも1日2回の食事が推奨されています。
犬は食べ物を消化するのに約8〜10時間かかるため、12時間間隔で朝と晩に食事を与えることで、消化サイクルが安定します。例えば、朝7時と夜7時に食事を与えると、次の食事までに前の食事がしっかり消化されます。
1日1回食のリスク
「1日1回でも大丈夫では?」と思う方もいるかもしれませんが、1日1回の食事にはいくつかのリスクがあります。

空腹時間が長すぎる:16時間以上の空腹は胃酸過多を引き起こし、黄色い泡を吐く原因になります
一度に大量摂取:胃への負担が大きく、特に大型犬では胃捻転のリスクが高まります
低血糖のリスク:特に小型犬や子犬では、長時間の空腹で低血糖を起こす可能性があります
規則正しい食事時間を設定することで、愛犬の体内リズムが整い、消化器官への負担も軽減されます。犬の食事と栄養についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
ライフステージ別・最適な食事回数ガイド
犬の食事回数は、年齢によって大きく変わります。ピースワンコ・ジャパンの解説を参考に、ライフステージ別の最適な食事回数を見ていきましょう。
子犬期(生後〜1歳):成長に合わせた回数調整
子犬は成長のために🛒多くの栄養を必要としますが、消化機能が未熟なため、一度に大量の食事をとることができません。そのため、1回の食事量を少なくし、回数を増やすことが重要です。
| 月齢 | 食事回数 | ポイント |
|---|---|---|
| 生後〜1ヶ月 | 母乳中心(4〜5時間おき) | 離乳の準備期間 |
| 1〜4ヶ月 | 1日4回 | 消化機能が未発達 |
| 4〜6ヶ月 | 1日3回 | 徐々に減らす |
| 6ヶ月〜1歳 | 1日2回 | 成犬への移行期 |
Dogsterによると、生後6〜12週の子犬は1日4回の食事が必要で、成長に必要な栄養を確保しながら胃腸への負担を軽減できます。
子犬は絶食時間が長くなると低血糖を起こしやすいため、特に小型犬の子犬は注意が必要です。食事の間隔を空けすぎないよう、こまめに様子を見てあげましょう。
フードの切り替えについては、子犬用から成犬用へ:フード切り替えのタイミングで詳しく解説しています。
成犬期(1〜7歳):安定した食事リズム
成長が落ち着いた成犬期は、1日2回(朝・晩)の食事が基本です。和漢・みらいのドッグフード公式ブログによると、成犬の食事回数は1日2回が基本ですが、犬の体質や健康状態によっては1日3〜4回に分けることも推奨されています。
以下のような場合は、食事回数を増やすことを検討してください:
食事の間隔が長くなると空腹で嘔吐しやすい犬
一度に大量に食べると消化不良を起こしやすい犬
胃捻転のリスクがある大型犬
仕事などで昼間に家を空けることが多い場合は、自動給餌機を活用するのも一つの方法です。決まった時間にフード🛒を出してくれるため、飼い主がいなくても規則正しい食事リズムを維持できます。
愛犬の適切な食事量については、うちの子は食べ過ぎ?適切な食事量の計算法を参考にしてください。
シニア期(7歳〜):消化機能に配慮した食事
PETOKOTOの獣医師監修記事によると、シニア犬は消化機能が低下するため、1日3〜4回に食事を分けることが推奨されています。
シニア期の目安は、小型犬・中型犬で8歳以降、大型犬で7歳以降です。ただし、シニア期に入っても愛犬の様子がこれまでと変わらないようであれば、特に食事回数を変える必要はありません。
シニア犬の食事で注意すべきポイント:
食事の質・量・時間帯を突然変更しない
消化しやすいシニア用フードへの切り替えを検討
食欲や体重の変化に注意を払う
硬いフードが食べにくくなったらふやかす
シニア犬の食事管理については、シニア犬の栄養ニーズと最適なフード選びでより詳しく解説しています。
食事時間を固定するメリットと設定のコツ
vetzpetzの獣医師による解説によると、犬の食事時間は適度に固定することが健康管理の面で望ましいとされています。
食事時間を固定するメリット
体内リズムの安定:毎日同じ時間に食事をとることで、消化器官が効率的に働きます
消化器官への負担軽減:規則正しい食事は胃腸の健康維持に役立ちます
食欲の変化に気づきやすい:いつもと違う様子にすぐ気づけます
排泄のタイミングが安定:トイレトレー🛒ニングにも効果的です
愛犬の安心感:決まったルーティンは犬に安心感を与えます
理想的な食事スケジュールの例
1日2回の場合:
朝:7:00
夜:19:00
間隔:約12時間
1日3回の場合:
朝:6:00
昼:14:00
夜:22:00
間隔:約8時間
多少の時間のズレは問題ありませんが、毎日1〜2時間以上ズレることが続くと、犬の体内リズムが乱れる可能性があります。
自動給餌機の活用
飼い主のスケジュールによっては、毎日決まった時間にごはんを与えることが難しい場合があります。そのような場合に役立つのが自動給餌機です。タイマー機能で決まった時間に食事を与えられるため、犬の食事リズムを一定に保つことができます。
空腹時の嘔吐(黄色い泡)の原因と対策
愛犬が朝起きたときや食事の前に、黄色い泡や液体を吐くことはありませんか?これは多くの犬に見られる症状で、「胆汁嘔吐症候群」と呼ばれています。
黄色い泡・液体の正体
黄色い泡の正体は、胃酸と胆汁が混ざり合ったものです。胆汁は肝臓で生成されるアルカリ性の消化液で、通常は十二指腸に分泌されて消化を助けます。
しかし、空腹時間が長くなると、この胆汁が胃に逆流して胃を刺激し、嘔吐を引き起こします。酸性の胃酸とアルカリ性の胆汁が混ざることで起こる反応のため、吐いた後は何事もなかったかのようにご飯を食べられることが多いです。
空腹時嘔吐の予防法
空腹時の嘔吐を予防するポイントは、空腹時間をなるべく短縮することです:
食事回数を増やす:1日2回で嘔吐が起きるなら1日3回に
夜食を与える:朝方に吐くなら、寝る前に少量のフードを与える
おやつを挟む:食事の間に軽いおやつを与える
ただし、1日のトータル摂取カロリーをあらかじめ決め、それを分割しないと肥満になってしまうので注意が必要です。
病院を受診すべきサイン
以下のような症状がある場合は、単なる空腹嘔吐ではなく病気の可能性があるため、早めに動物病院を受診してください:
嘔吐を繰り返す
何日も嘔吐が続く
元気や食欲がない
水を飲んでも吐く
吐いたものに血が混じっている
愛犬の健康管理については、愛犬の健康を守る病気予防と早期発見も参考にしてください。
大型犬は要注意!胃捻転を防ぐ食事管理
アニコム損保によると、胃捻転(胃拡張・胃捻転症候群:GDV)は、早めに処置をしなければ高確率で命を落としてしまう恐ろしい疾患です。特に大型犬や胸の深い犬種は注意が必要です。
胃捻転とは
胃捻転は、何らかの原因で胃の内容物が発酵してガスが充満し、胃がねじれてしまう病気です。周囲の臓器や血管も巻き込まれ、血液循環が妨げられるため、緊急手術が必要な深刻な状態です。
リスクの高い犬種
胸が深く幅の狭い体型の犬種は、胃がねじれやすい傾向があります:
グレート・デーン(生涯で21〜24%の発症リスク)
ジャーマン・シェパード
スタンダード・プードル
ボルゾイ
セント・バーナード
ゴールデン・レトリーバー
ラブラドール・レトリーバー
胃捻転を予防する食事管理
食事回数・量の調整:
1日の食事を2回以上に分ける
一度に大量に与えない
早食いを防止する
フードの選び方:
粒が小さすぎるフード(5mm以下)は避ける
大粒のフード(30mm以上)を選ぶと早食い防止に効果的
発酵しやすい食材や高脂肪食は避ける
早食い防止には専用の食器が効果的です。詳しくはガツガツ早食いを防ぐ食器と食べさせ方をご覧ください。
食後の管理:
食後すぐの運動は避ける
理想は食後3時間以上空けてから運動
食後は興奮させない
大量の水を一気に飲ませない
フードボウル🛒の位置: 大型犬では、フードボウルを高くすると胃捻転のリスクがむしろ増加するという報告があります。床の高さで食事を与えることが推奨されています。
胃捻転の危険な症状
以下の症状が見られたら、すぐに動物病院を受診してください:
吐こうとするが何も出てこない
呼吸が荒い(ハァハァする)
お腹が膨らんでいる
落ち着きがない
よだれが多い
お腹を痛がる
緊急時の対応については、犬の緊急事態:応急処置と命を守る知識も確認しておくことをおすすめします。
【一覧表】年齢別・犬種サイズ別の食事スケジュール
年齢別の食事回数早見表
| ライフステージ | 食事回数 | 間隔 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 子犬(〜4ヶ月) | 1日4回 | 4〜5時間 | 低血糖に注意 |
| 子犬(4〜6ヶ月) | 1日3回 | 6〜8時間 | 徐々に減らす |
| 子犬(6ヶ月〜1歳) | 1日2回 | 10〜12時間 | 成犬への移行期 |
| 成犬(1〜7歳) | 1日2回 | 12時間 | 基本パターン |
| シニア犬(7歳〜) | 1日2〜4回 | 6〜12時間 | 消化機能に配慮 |
犬種サイズ別の注意点
| サイズ | 特徴 | 食事管理のポイント |
|---|---|---|
| 小型犬 | 低血糖になりやすい | 空腹時間を長くしない |
| 中型犬 | バランスが取りやすい | 基本の1日2回で良い |
| 大型犬 | 胃捻転リスクあり | 分食・早食い防止 |
| 超大型犬 | 胃捻転リスク高い | 1日3回以上推奨 |
具体的なスケジュール例
共働き家庭(成犬・1日2回):
朝:出勤前の7:00にフード🛒
夜:帰宅後の19:00にフード
在宅ワーク家庭(成犬・1日3回):
朝:8:00
昼:14:00
夜:20:00
子犬(4ヶ月未満・1日4回):
朝:7:00
昼:12:00
夕方:17:00
夜:22:00
よくある質問(FAQ)
Q: 仕事で昼間は家にいないけど大丈夫?
A: 成犬であれば、朝と夜の1日2回で問題ありません。12時間程度の間隔であれば、健康な成犬は問題なく過ごせます。心配な場合は自動給餌機を活用するか、昼休みに帰宅できる場合は軽食を与えるのも良いでしょう。
Q: おやつは食事回数に含める?
A: おやつ🛒は食事回数には含めませんが、1日のカロリー計算には含める必要があります。おやつのカロリーは1日の摂取カロリーの10%以内に抑えることが推奨されています。健康的なおやつの選び方はご褒美おやつの選び方:健康的で美味しいものを参考にしてください。
Q: ご飯を残すときは回数を減らすべき?
A: 一概には言えません。まずは残す原因を考えてみましょう。1回の量が多すぎる場合は、量を減らして回数を維持するのがおすすめです。食欲自体が落ちている場合は、体調不良の可能性もあるため、獣医師に相談してください。
Q: 散歩前と後、どちらに食事?
A: 食後の散歩は胃捻転のリスクを高めるため、「散歩後に食事」が基本です。特に大型犬は、食後最低でも1時間、理想的には3時間以上空けてから運動させましょう。
Q: 夜中にお腹が空いて起きるときは?
A: 夜中に空腹で起きる場合は、以下の対策を試してみてください:
夕食の時間を少し遅くする
寝る前に少量のフードやおやつを与える
消化がゆっくりな食事内容に変える
それでも改善しない場合は、他の原因(不安、トイレなど)も考えられるため、様子を見て獣医師に相談しましょう。
まとめ:愛犬に合った食事スケジュールを見つけよう
犬の食事時間と回数について、この記事のポイントをまとめます:
基本は1日2回:朝と夜、12時間間隔が理想的
年齢で調整:子犬は4回、シニア犬は3〜4回に分けることも
時間を固定:体内リズムが安定し、健康管理がしやすくなる
空腹嘔吐の予防:空腹時間が長くなりすぎないように調整
大型犬の胃捻転予防:分食、早食い防止、食後の運動を避ける
愛犬の食事管理に正解は一つではありません。年齢、体質、生活スタイルに合わせて、最適なスケジュールを見つけてあげてください。食事や健康面で気になることがあれば、かかりつけの獣医師に相談することをおすすめします。
愛犬の食事と栄養についてさらに詳しく知りたい方は、犬の食事と栄養:正しいフード選びの科学もぜひご覧ください。






