愛犬が階段🛒を嫌がるようになった、立ち上がりに時間がかかる、歩く速度が遅くなった…。こうした変化を「年だから仕方ない」と見過ごしていませんか?実は、高齢犬の約40%が変形性関節症を発症しているという報告があります。関節の痛みは愛犬のQOL(生活の質)を大きく左右する問題です。
この記事では、シニア犬の関節トラブルの原因から、効果的なサプリメントの選び方、自宅でできるマッサージやリハビリまで、シニア犬との暮らしをより快適にするための関節ケアを詳しく解説します。
高齢犬の関節トラブル:なぜシニア犬は関節が痛くなるのか
変形性関節症とは?高齢犬の約40%が発症

変形性関節症(Osteoarthritis)は、関節の軟骨が徐々に摩耗し、骨と骨がぶつかり合うことで痛みや炎症を引き起こす進行性の疾患です。人間と同様に、犬も加齢とともにこの病気を発症するリスクが高まります。
驚くべきことに、犬の約20%が何らかの関節疾患を抱えているという研究報告があり、特に高齢犬🛒では約40%という高い有病率が報告されています。さらに問題なのは、関節に問題があると診断された犬の飼い主さんのうち、50%が愛犬の関節炎に気づいていなかったというデータです。
犬は本能的に痛みを隠す動物です。特に慢性的な痛みは行動の変化として現れにくく、「歳を取ったから動きが鈍くなった」と勘違いしてしまいがちです。愛犬の老化のサインを正しく理解し、早期発見につなげることが大切です。
関節炎のメカニズム:軟骨の摩耗と痛み

健康な関節では、骨と骨の間にある軟骨がクッション🛒の役割を果たし、スムーズな動きを可能にしています。しかし、加齢や過度の負荷によって軟骨が摩耗すると、以下のような問題が起こります:
軟骨の減少:クッション機能が低下し、骨同士が接触
炎症の発生:関節周囲に痛みと腫れが生じる
骨棘(こつきょく)の形成:骨の端に突起ができ、さらに動きを制限
関節液の変質:潤滑油の役割を果たす関節液の質が低下
この悪循環が進行すると、愛犬は慢性的な痛みを抱えることになります。完治させることはできませんが、適切なケアで進行を遅らせ、痛みを軽減することは可能です。
犬種による関節トラブルの違い(大型犬 vs 小型犬)
関節トラブルは犬種によって発症しやすい部位が異なります:
大型犬(ラブラドール🛒、ゴールデン・レトリバーなど):
股関節形成不全
肘関節形成不全
肩関節の問題
小型犬(チワワ、トイ・プードルなど):
膝蓋骨脱臼(パテラ)
膝関節の問題
体重が重い大型犬は関節への負担が大きく、遺伝的に股関節や肘のトラブルを抱えやすい傾向があります。一方、小型犬は膝の問題が多く見られます。愛犬の犬種特性を理解し、適切な予防策を講じることが重要です。
見逃さないで!愛犬の関節痛サイン7つのチェックポイント
愛犬の痛みのサインを見逃さないためには、日常の行動をよく観察することが大切です。以下の7つのチェックポイントを参考にしてください。
1. 動き始めのぎこちなさ
寝起きや長時間座っていた後に、動き始めがぎこちない場合は要注意です。関節炎の特徴として、「休んでいると症状が悪化し、動き始めると少し良くなる」というパターンがあります。
2. 階段や段差を嫌がる
以前は平気だった階段🛒の上り下りや、ソファへの飛び乗りを避けるようになったら、関節に痛みがある可能性があります。
3. 立ち上がりに時間がかかる
伏せの状態から立ち上がるのに、以前より時間がかかるようになった場合、後ろ足🛒や腰の関節に問題があるかもしれません。
4. 歩く速度が遅くなった
散歩のペースが明らかに遅くなった、途中で座り込むようになった場合は、関節の痛みで長距離を歩くのがつらくなっている可能性があります。
5. 足を引きずる・かばう
特定の足を引きずったり、地面につけないようにかばって歩く様子が見られたら、その足の関節に問題があります。
6. 触ると嫌がる部位がある
いつもは触られるのが好きな愛犬が、特定の関節部分を触ると嫌がったり、唸ったりする場合は痛みのサインです。
7. 元気・食欲の低下
痛みが強い場合や発熱を伴う場合は、全体的に元気がなくなり、食欲も低下することがあります。
これらのサインが1つでも当てはまる場合は、できるだけ早く動物病院🛒を受診しましょう。「老化のせい」で片付けず、適切なケアを始めることが愛犬のためになります。
関節ケアサプリメントの選び方:成分と効果を理解する
関節サプリメントの効果については、獣医師の間でも注目されています。動物病院でもコンドロイチンやオメガ3脂肪酸入りのサプリメントを処方することがあり、「よく動くようになりました」という飼い主さんからの感想も多いようです。
老犬の食事管理と併せて、サプリメント🛒による栄養補給を検討してみましょう。
グルコサミン:軟骨生成をサポート
グルコサミンは、軟骨を構成する重要な成分です。体内で軟骨の新陳代謝と形成を促進し、関節の動きを滑らかにする働きがあります。
期待される効果:
軟骨の再生をサポート
関節の痛みを和らげる
動きを滑らかにする
キュティア老犬クリニックによると、グルコサミンは体内で合成される成分ですが、加齢とともに合成力が低下するため、サプリメントでの補給が効果的とされています。
注意点: グルコサミンの原材料にエビやカニなどの甲殻類を使用している製品があります。甲殻アレルギーのある犬には注意が必要です。
コンドロイチン:軟骨の弾力性を維持
コンドロイチンは、グルコサミン🛒が体内で代謝されて作られる成分で、軟骨や目の角膜、皮膚などに存在します。
期待される効果:
軟骨に水分を与え、弾力性を高める
軟骨の破壊を防ぐ
関節への衝撃を和らげる
コンドロイチンは、コラーゲンを常に新鮮に保つために必要な成分です。
オメガ3脂肪酸(EPA・DHA):炎症を抑える
EPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)は、体内で作ることのできない必須脂肪酸です。
期待される効果:
関節の炎症を抑える
痛みを和らげる
皮膚や被毛の健康維持
青魚やモエギイガイから抽出されたオメガ3脂肪酸は、関節だけでなく心血管や脳の健康にも良い影響を与えるとされています。
その他の有効成分(MSM、プロテオグリカン等)
MSM(メチルスルフォニルメタン):抗炎症作用があり、関節の柔軟性をサポート
プロテオグリカン:軟骨の構成成分で、保水性に優れる
ヒアルロン酸:関節液の主成分で、潤滑性を高める
コエンザイムQ10:抗酸化作用があり、細胞のエネルギー産生をサポート
成分の相互作用:一緒に摂ると効果アップ
グルコサミン、コンドロイチン、MSMなどの成分は相互作用があり、単独で摂るよりも複数の成分が配合されているサプリメント🛒の方がより効果的とされています。
研究では、グルコサミンとコンドロイチン配合サプリメントを与えた犬において、投与後70日までに痛みと運動能力の改善が見られたと報告されています。
おすすめの関節サプリメントタイプと選び方
犬の関節ケアサプリのおすすめ人気ランキングや獣医師監修のサプリメント特集を参考に、愛犬に合ったタイプを選びましょう。
パウダータイプ:吸収率が高い
粉状になっているため、フードに混ぜやすく、栄養が吸収されやすいのが特徴です。
メリット:
吸収率が高い
フードに混ぜやすい
量の調整がしやすい
デメリット:
粉っぽさを嫌がる犬もいる
保存に注意が必要
粒・タブレットタイプ:与えやすい
おやつ感覚で与えられる粒状のサプリメント🛒です。
メリット:
与えやすい
持ち運びに便利
保存しやすい
デメリット:
粒を嫌がる犬もいる
大きさによっては砕く必要あり
液体タイプ:食欲がない時にも
液体状で吸収率が高く、食欲が落ちている時にも与えやすいタイプです。
メリット:
吸収率が最も高い
食欲がない時にも与えやすい
水やフードに混ぜられる
デメリット:
開封後の保存に注意
価格が高めの傾向
おやつタイプ:ご褒美感覚で
ジャーキーやクッキーなど、おやつの形状をしたサプリメント🛒です。
メリット:
喜んで食べてくれる
ご褒美として使える
続けやすい
デメリット:
カロリーに注意が必要
成分含有量が少ない場合も
愛犬に合ったタイプを選ぶポイント
愛犬の好みを優先する(続けられなければ意味がない)
成分含有量をチェックする
添加物が少ないものを選ぶ
アレルギー🛒に注意する
獣医師に相談してから始める
サプリメントは薬ではないため、効果が出るまでに1ヶ月程度かかることがあります。焦らず気長に続けることが大切です。
自宅でできる関節ケア:マッサージとリハビリ
サプリメントと併せて、自宅でのマッサージやリハビリも効果的です。キュティア老犬クリニックのリハビリ情報を参考に、愛犬に合ったケアを取り入れましょう。
マッサージの効果と適切なタイミング
マッサージ🛒は関節炎を直接治すものではありませんが、以下のような補助的効果が期待できます:
凝り固まった筋肉をほぐす
血行を良くして痛みを軽減
リンパの流れを改善
愛犬とのスキンシップで絆を深める
効果的なタイミング:
散歩の前:関節周りの筋肉がほぐれ、運動しやすくなる
ふれあいの時間:リラックスした状態で行える
マッサージ時間は2〜3分程度で十分です。毎日少しずつ続けることが大切です。
基本のマッサージテクニック5つ
シニア犬の運動について理解した上で、以下のテクニックを試してみましょう。
軽撫法(けいぶほう)
- 毛並みに沿ってゆっくり手のひらを滑らせる - リラックス🛒効果が高い
軽擦法(けいさつほう)
- やや力を入れて、お尻から足先に向かって撫でる - 足の甲や指の間も念入りに
圧迫法(あっぱくほう)
- 足を優しくギュッと握り、ゆっくり圧を解く - 血流促進効果
摩擦法(まさつほう)
- 太ももの裏や骨盤上の筋肉を円を描くように刺激 - 深部の筋肉をほぐす
振動法(しんどうほう)
- 後ろ足の先を握って左右にゆらす - ※関節が弱い犬は控えめに
重点的にケアしたい部位(肩・太もも・腰・足先)
シニア犬が特に凝りやすい部位は以下の4つです:
肩周り:前足を支える筋肉が集中
太もも:後ろ足の動きを支える
腰:全身の動きの要
足先:血流が滞りやすい
これらの部位を中心に、愛犬の反応を見ながら優しくマッサージしましょう。
簡単リハビリ運動:クッション歩行・障害物またぎ
自宅でできる簡単なリハビリ運動を紹介します:
クッション🛒歩行:
柔らかいクッションやマットの上を歩かせる
不安定な場所でバランスを取ることで体幹が鍛えられる
障害物またぎ:
ラップの芯や低い棒を床に置く
ゆっくりまたがせることで、足を上げる動きを促す
筋力維持に効果的
注意点:
無理をさせない
痛みがある時は控える
獣医師の許可を得てから行う
シニア犬の足腰を強くする日常のケア
散歩の工夫:短時間×複数回が効果的
1回60分の散歩よりも、30分×2回に分けた方が効率よく筋肉がつき、足腰の衰え予防になります。
効果的な散歩のコツ:
途中で木の根っこをまたがせる
ゆっくり坂道を登らせる
砂浜や芝生など、クッション🛒性のある地面を選ぶ
愛犬のペースに合わせる
足腰が弱くなっても、散歩は続けることが大切です。歩けなくても、バギーで外出して気分転換させてあげましょう。
室内でできる筋力トレーニング
片足上げ運動:立ったまま片足を優しく持ち上げ、バランスを取らせる
おやつ探し:部屋の中におやつを隠して歩き回らせる
ゆっくり座らせる・立たせる:スクワットのような動き
体重管理の重要性
シニア犬の体重管理は関節ケアの基本です。体重が増えると関節への負担が大きくなり、痛みが悪化します。
適正体重を維持する
おやつの与えすぎに注意
運動量が減った分、食事量を調整
滑りにくい環境づくり
老犬に優しいバリアフリーな住環境を整えることで、関節への負担を減らせます。
フローリングには滑り止めマットを敷く
階段にはスロープを設置
段差をなくす工夫
歩行補助グッズの活用
老犬介護に便利なグッズを活用しましょう。
腰を支えるハーネス:体重の一部をサポートし、歩行を楽に
靴・靴下:滑り止め効果で転倒防止
歩行補助カート:後ろ足が弱くなった犬に
動物病院での治療オプション
サプリメントや自宅ケアで改善が見られない場合、または痛みが強い場合は、動物病院での治療が必要です。定期的な健康診断で早期発見することが大切です。
消炎鎮痛剤による痛みの管理
非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAIDs)は、関節の炎症を抑え、痛みを軽減する効果があります。長期使用には胃腸や腎臓への影響に注意が必要なため、獣医師の指示に従って使用します。
注射治療(リブレラなど)
近年登場した新しい治療薬として、リブレラ(ベディネベトマブ)があります。月1回の注射で痛みを抑える効果があり、従来の消炎鎮痛剤とは異なるメカニズムで作用します。
レーザー療法
低出力レーザーを関節部に照射することで、炎症を抑え、痛みを軽減する治療法です。副作用が少なく、高齢犬にも適しています。
獣医師に相談すべきタイミング
以下の場合は、すぐに動物病院🛒を受診しましょう:
突然の激しい痛み
足を全くつけなくなった
発熱を伴う
食欲が著しく低下
サプリメントや自宅ケアで改善が見られない
まとめ:愛犬の関節ケアは早めのスタートがカギ
シニア犬の関節トラブルは、早期発見・早期ケアが何より大切です。「老化だから仕方ない」と諦めず、できることから始めましょう。
今日からできる関節ケア:
愛犬の行動を観察し、痛みのサインをチェック
適切なサプリメントを選んで継続
毎日のマッサージ🛒で血行促進
体重管理と住環境の改善
定期的な健康診断で状態を確認
愛犬の生活の質(QOL)を向上させるために、関節ケアは欠かせません。獣医師と相談しながら、愛犬に合ったケアプランを見つけてください。
関節の痛みは完全に治すことは難しくても、適切なケアで進行を遅らせ、痛みを軽減することは可能です。愛犬が最後まで自分の足で歩ける喜びを、一緒に守っていきましょう。





