愛犬が7歳を迎えると、人間でいえば44〜50歳相当。体の内側では少しずつ変化が始まっています。「まだ元気だから大丈夫」と思っていても、犬は本能的に痛みや不調を隠す生き物です。定期的な健康診断で、目に見えない変化を早期に発見することが、シニア犬との幸せな暮らしを守る第一歩となります。
この記事では、シニア犬🛒の健康診断について、年に何回受けるべきか、どんな検査項目があるのか、費用の相場から準備のポイントまで、飼い主さんが知っておきたい情報を詳しく解説します。
シニア犬の健康診断はなぜ大切?
犬の1年は人間の4〜6年に相当すると言われています。つまり、1年間健康診断を受けないということは、人間が4〜6年間検診を受けないのと同じこと。アニコム損保によると、犬は人よりも早いスピードで歳をとっていくため、パートナー(愛犬)の1年は人の4〜6年に値すると考えられています。

さらに重要なのは、犬は「我慢強い生き物」だということ。野生時代の本能から、弱みを見せることを避ける傾向があります。よほど辛い状態にならない限り、痛みや不調を表面に出しません。そのため、飼い主🛒さんが異変に気づいた時には、すでに病気が進行していることも少なくありません。
Honda Dogでも、症状が表れてから治療やケア🛒を開始しても、すでに手遅れになるケースがあると指摘されています。だからこそ、定期的な健康診断で「見えない異常」を早期に発見することが、愛犬の健康寿命を延ばす鍵となるのです。
シニア犬の健康診断は年に何回受けるべき?
「うちの子はシニア?」と思ったら、まずは愛犬の年齢を確認しましょう。犬の年齢換算と老化のサインも参考にしてください。

7〜10歳:半年に1回が理想
小型・中型犬は7歳、大型犬は5歳からシニア期に入ります。この年齢になると、体に不調が出る可能性が高くなるため、日本ペット少額短期保険では半年に一度以上の健康診断を推奨しています。
若い頃は年1回で十分だった健康診断も、シニア期に入ったら頻度を上げることが大切です。7歳以降は、年に2〜3回の健康診断を受けることで、病気の早期発見につながります。
10歳以上:年3〜4回がベスト
ワンクォールの獣医師インタビューによると、犬は10歳を超えたら健康🛒診断は半年に1度、気になる🛒数値が出たらその項目だけでもこまめに検査をしていくことが推奨されています。
さらに11歳を超えたあたりからは、頻度を上げて年に3〜4回受けると安心です。高齢になるほど病気のリスクは高まりますが、早期発見できれば治療の選択肢も広がります。
健康診断のベストタイミング
毎年忘れずに健康診断を受けるコツは、タイミングを決めてしまうこと。おすすめは以下のようなタイミングです:
狂犬病予防接種の時期(春)
フィラリア予防の開始時(4〜5月)
愛犬の誕生日
飼い主さんの誕生日
特にフィラリア予防の際は血液検査を行うため、このタイミングで一緒に健康診断を受けるのが効率的です。
シニア犬の健康診断で行う検査項目
シニア犬の健康診断では、どのような検査が行われるのでしょうか。GREEN DOGによると、シニア期に入ったら、病気をしっかり探すというモードで獣医師は健康診断を行うことになります。
基本検査:視診・触診・聴診
まず行われるのが、獣医師による基本的な身体検査です。
視診:目、耳、皮膚、被毛の状態をチェック🛒
触診:リンパ節の腫れ、お腹の張り、しこりの有無を確認
聴診:心音、呼吸音を確認し、心臓や肺の異常を発見
これらの基本検査だけでも、多くの異常を発見できます。特にシニア犬🛒では、若い頃には見られなかった腫瘍やしこりが見つかることもあります。
血液検査:内臓機能とホルモンバランス
血液検査は健康診断の要となる検査です。hottoによると、肝臓や腎臓などの内臓の検査から、副腎などのホルモン検査まで、さまざまな項目があります。
主な検査項目:
肝機能(GPT/ALT、AST/GOT、ALP)
腎機能(BUN、クレアチニン)
血糖値
コレステロール・中性脂肪
電解質バランス
シニア犬では、甲状腺機能を調べるT4やFT4、炎症マーカーであるCRPなども追加してもらうとより安心です。
レントゲン検査:骨と臓器の状態
レントゲン検査では、外部からは見ることができない臓器や骨の状態を確認します。愛犬の健康を守る病気予防と早期発見でも解説していますが、レントゲンでは以下のような病気を発見できます:
肺炎、気管支炎
心臓病(心臓の拡大)
椎間板ヘルニア🛒
関節疾患
骨折、脱臼
消化管内の異物
健康診断では通常、胸部と腹部の2箇所を撮影します。
エコー検査(超音波検査):心臓と内臓の動き
エコー検査は、レントゲン検査では発見しにくい疾患や腫瘍を見つけるために重要です。特に心臓は動いている様子をリアルタイムでチェック🛒できるので、心臓の状態を調べるのに最適です。
エコー検査で確認できる臓器:
心臓(動きと大きさ)
肝臓、胆嚢(胆泥・胆石の有無)
腎臓(結石の有無)
脾臓
膀胱
子宮(未避妊の場合)
VetzPetzによると、エコー検査では「何も問題がない子」は意外といないとのこと。例えば脾臓が大きくなりはじめていたり、腎臓に結石があったりと、様々な初期変化が見つかることがあります。
尿検査・糞便検査
尿検査では腎機能や糖尿病、尿路感染症などを調べます。糞便検査では寄生虫の有無や消化器系の状態を確認します。
これらの検査は飼い主さんが自宅で採取して持参することが多いです。採取後は速やかに病院へ持っていき、時間が経つ場合は冷蔵庫で保管しましょう。
追加オプション:甲状腺検査・血圧測定
シニア犬🛒には、基本検査に加えて以下のオプション検査もおすすめです:
甲状腺検査:高齢犬に多い甲状腺機能低下症の発見に
血圧測定:心臓や腎臓の負担となる高血圧症のチェック
眼圧測定:緑内障や白内障の早期発見に
血液検査の結果の見方:知っておきたい数値
血液検査の結果を受け取っても、数値の意味がわからないという飼い主さんも多いでしょう。ここでは、シニア犬の飼い主さんが知っておきたい基本的な数値について解説します。
肝臓の数値(GPT/ALT、AST/GOT)
GPT(ALT)は肝臓に多く含まれる酵素で、肝臓の細胞が障害を受けたり壊された時に上昇します。
正常値の目安:60U/L以下
**1🛒00U/L超え**:軽度の肝障害の可能性
1000U/L超え:重大なトラブルの可能性
ただし、正常値を少し超えた程度で即座に異常というわけではありません。経過観察や追加検査で総合的に判断します。
腎臓の数値(BUN、クレアチニン)
BUN(血液尿素窒素)とクレアチニン(CRE)は、腎機能を評価する重要な指標です。
BUN上昇:腎不全、脱水、尿道閉塞の可能性
クレアチニン上昇:腎機能の75%が失われた可能性
特にクレアチニンは腎機能がかなり低下しないと数値が上昇しないため、正常範囲でも油断は禁物です。
血糖値と甲状腺ホルモン
血糖値(GLU)上昇:糖尿病、慢性膵炎の可能性
甲状腺ホルモン(T4)低下:甲状腺機能低下症の可能性
シニア犬🛒では、これらの数値に異常が出やすくなります。定期的にチェックすることで、病気の早期発見につながります。
大切なポイント:血液検査は複数の項目を総合的に見て判断するものです。1つの数値だけで一喜一憂せず、獣医師としっかり相談しましょう。
健康診断の費用相場
シニア犬の健康診断には、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。動物病院によって料金は異なりますが、おおよその目安を紹介します。
基本コース(1〜1.5万円)
基本的な健康診断パックの内容:
視診・触診・聴診
血液検査(基本項目)
尿検査・糞便検査
日本獣医師会の調査によると、健康診断(1日ドック)の料金の中央値は約14,000円で🛒、7,500円〜30,000円に大半が入っています。
シニア向けコース(2〜3万円)
基本コースに以下を追加:
血液検査(詳細項目)
レントゲン検査(胸部・腹部)
心電図
シニア犬には、このレベルの検査がおすすめです。内臓の状態をより詳しく把握できます。
総合ドッグドック(3〜5万円)
最も詳細な検査コース:
全ての基本検査
エコー検査(心臓・腹部)
甲状腺検査
血圧測定
眼科検査
費用を抑えるコツ:血液検査だけでも5,000円🛒前後で受けられる場合があります。半数以上の病気が血液検査で発見されているため、予算に限りがある場合は血液検査を優先しましょう。
健康診断前の準備と注意点
健康診断を受ける前に、いくつかの準備が必要です。老犬のストレスを減らす環境と接し方も参考にしながら、愛犬に負担をかけない工夫をしましょう。
絶食は8〜12時間が基本
血液検査や超音波検査では、お腹の中に食べ物がない状態で検査を行う必要があります。
絶食時間:最低8時間、できれば12時間
水は飲んでOK:基本的な健康診断なら水分補給は可能
おやつ🛒も禁止:ちゅ〜るなどのおやつも与えないこと
もし愛犬が絶食すると空腹時嘔吐が出てしまう場合は、事前に獣医師に相談してください。
尿・便の採取方法
尿検査や糞便検査では、飼い主さんが自宅で採取して持参することが多いです。
採取のポイント:
当日の朝に採取するのがベスト
時間が経つと細菌が増殖して結果が変わる可能性
持っていく直前まで冷蔵庫で保存
保冷剤と一緒に持参
ストレスを軽減する工夫
犬は初めて訪れる施設や医療機器に緊張します。シニア犬は特にストレスを感じやすいため、以下の工夫をしましょう:
お気に入りのブランケットやおもちゃ🛒を持参
絶食中はスキンシップの時間を増やす
待ち時間が少ない時間帯を予約する
可能であれば、かかりつけの病院で受ける
シニア犬に多い病気と早期発見のポイント
健康診断で発見できる、シニア犬に多い病気について知っておきましょう。
心臓病(僧帽弁閉鎖不全症)
小型犬のシニア期に最も多い心臓病です。心臓の弁がうまく閉じなくなり、血液が逆流します。
早期発見のサイン:
咳が出る(特に興奮時や夜間)
疲れやすくなった
呼吸が荒い
エコー検査と聴診で発見できます。早期に発見できれば、薬でコントロールしながら長く元気に過ごせます。
がん(悪性腫瘍)
高齢犬🛒では、がんのリスクが高まります。定期的な触診やエコー検査で、腫瘍の早期発見が可能です。
老犬の痛みサインと緩和でも解説していますが、痛みを我慢している場合もあるため、飼い主さんの観察も重要です。
腎臓病・肝臓病
シニア犬では、腎臓や肝臓の機能が徐々に低下していきます。血液検査で早期に発見し、食事療法や薬で進行を遅らせることができます。
注意が必要なサイン:
水を飲む量が増えた
おしっこの量や回数が変わった
食欲の低下
体重減少
関節疾患
シニア犬の関節ケアとサプリでも詳しく解説していますが、関節の痛みはシニア犬に非常に多い問題です。
レントゲン検査で関節の状態を確認し、適切なケアを始めることで、愛犬のQOL(生活の質)を維持できます。
自宅でできる日常の健康チェック
健康診断の間にも、飼い主さんができる観察ポイントがあります。シニア犬の生活の質向上と合わせて、日々のチェック🛒を習慣にしましょう。
毎日チェック🛒したいポイント:
| チェック項目 | 正常 | 要注意 |
|---|---|---|
| 食欲 | いつも通り完食 | 残す、食べない |
| 飲水量 | 普段と同じ | 急に増えた/減った |
| 排尿・排便 | 規則正しい | 回数や量の変化 |
| 歩き方 | スムーズ | ふらつき、足を引きずる |
| 体重 | 安定 | 急な増減 |
| 呼吸 | 静か | 荒い、咳が出る |
異常に気づいたら、次の健康診断を待たずに動物病院を受診しましょう。
まとめ:定期健診で愛犬の健康寿命を延ばそう
シニア犬の健康診断について、重要なポイントをまとめます:
頻度:7歳以上は半年に1回、10歳以上は年3〜4回が理想
検査項目:血液検査、レントゲン、エコーで内臓の状態をチェック🛒
費用:基本コース1〜1.5万円、シニア向け2〜3万円が目安
準備:8〜12時間の絶食、尿・便の採取
愛犬は言葉で不調を伝えることができません。だからこそ、定期的な健康診断で「見えない異常」を早期に発見することが大切です。
今日からできる第一歩は、次の健康診断の予約を入れること。狂犬病予防や愛犬の誕生日など、忘れにくいタイミングを決めて、毎年の習慣にしましょう。
シニア犬との暮らしは、飼い主さんの愛情と適切なケアで、もっと幸せなものになります。愛犬との大切な時間を、1日でも長く健康に過ごすために、定期的な健康診断を心がけてください。





