愛犬が体を掻いていると「ノミがいるのかな?」と心配になりますよね。ノミによる被害は、単なるかゆみだけではありません。実は、貧血や感染症、深刻な皮膚病など、愛犬の健康を脅かす様々なリスクが潜んでいます。
この記事では、ノミが犬にもたらす健康被害について詳しく解説します。犬の寄生虫対策の中でも特に身近なノミの危険性を理解し、愛犬を守りましょう。
ノミアレルギー性皮膚炎:1匹でも危険
ノミによる健康被害で最も多いのがノミアレルギー🛒性皮膚炎です。これは、ノミの唾液に含まれるタンパク質に対してアレルギー反応を起こす皮膚病です。

発症のメカニズム
ノミが吸血する際、唾液を犬の体内に注入します。この唾液に対して過敏反応が起こると、アレルギー🛒状態が成立します。一度この状態になると、たった1匹のノミに刺されただけでも、広範囲に激しいかゆみや炎症が広がります。
ノミアレルギーの症状
| 症状の段階 | 主な症状 | 特徴 |
|---|---|---|
| 初期症状 | 突然の強いかゆみ、皮膚の赤み、フケ | 背中上部と尻尾の付け根に集中 |
| 進行期 | 脱毛、かさぶた、掻き壊し | 皮膚病で最強クラスのかゆみ |
| 慢性期 | 皮膚の肥厚、色素沈着、二次感染 | じゅくじゅくした傷やホットスポット |

発症しやすい犬の特徴
ノミアレルギー性皮膚炎は3〜5歳で発症することが多いとされています。また、アトピー性皮膚炎(日本臨床獣医学フォーラム)を持つ犬は、ノミに対してもアレルギーを起こしやすい傾向があります。
瓜実条虫症:お腹の中に寄生する虫
ノミは瓜実条虫(うりざねじょうちゅう)の中間宿主でもあります。犬がグルーミング🛒中にノミを飲み込むと、ノミの体内にいた条虫の幼虫が犬の腸内で成長します。
感染経路と症状
瓜実条虫に感染した犬は、以下のような症状を示すことがあります:
肛門周囲のかゆみ(お尻を床に擦りつける行動)
便や肛門周りに米粒のような白い片節が見られる
多数寄生の場合は下痢、食欲不振、体重減少
重症例では神経症状が現れることも
詳しくは「条虫(サナダムシ):お尻を擦りつける原因」をご覧ください。
人への感染リスク
瓜実条虫は人獣共通感染症です。犬から直接人に感染することはありませんが、ノミを誤って飲み込むことで人にも感染する可能性があります。特に小さなお子さんがいる家庭では注意が必要です。
ノミによる貧血:命に関わる深刻な問題
ノミは吸血性の寄生虫です。大量のノミに寄生されると、継続的な吸血により深刻な貧血を引き起こすことがあります。
貧血が起こる理由
1匹のノミは1日に約0.1mlの血を吸います。ノミは繁殖力が強く、環境中には犬の体上の**1🛒00倍のノミ**が存在すると言われています。大量寄生では、相当量の血液が失われます。
特に危険な犬
| リスクが高い犬 | 理由 |
|---|---|
| 子犬 | 体が小さく血液量が少ない、免疫機能が未発達 |
| 小型犬 | 体重に対する血液量が少ない |
| 高齢犬 | 基礎体力の低下、回復力の低下 |
| 持病がある犬 | 免疫力低下により重症化しやすい |
貧血の症状
歯茎や舌が白っぽくなる
元気がない、ぐったりしている
呼吸が荒い
食欲の低下
ノミによる貧血は医療緊急事態です。重症例では輸血が必要になることもあります。
バルトネラ症:あまり知られていない感染症
ノミ🛒はバルトネラ菌を媒介することがあります。人間では「猫ひっかき病」として知られていますが、犬も感染する可能性があります。
犬のバルトネラ症の症状
犬がバルトネラ菌に感染すると、以下の症状が現れることがあります:
発熱
食欲不振、嘔吐
不整脈
関節痛
神経症状(まれ)
ただし、感染した犬の多くは無症状のこともあります。免疫力が低下した犬や、他の病気を併発している場合に症状が現れやすくなります。
人にもうつる!人獣共通感染症のリスクについても併せてご確認ください。
ノミ予防薬の種類と選び方
ノミによる健康被害を防ぐには、定期的な予防が最も重要です。
予防薬のタイプ比較
| タイプ | メリット | デメリット | 代表的な製品 |
|---|---|---|---|
| 経口薬(チュアブル) | シャンプーOK、効果が安定 | 食べない子には不向き | ネクスガード、シンパリカ |
| スポットオン(滴下) | 投薬が簡単、忌避効果あり | シャンプー制限、べたつき | フロントライン、レボリューション |
| 首輪タイプ | 長期間効果持続 | 効果にムラがある | セレストラ |
詳しい選び方は「予防薬の種類と選び方」や「スポットオン薬の正しいつけ方」をご参照ください。
予防の注意点
ノミは気温13℃以上で活動するため、冬も室内では予防が必要
市販のノミ取りグッズでは完全な予防は困難
動物病院で処方される駆虫薬での予防がおすすめ
多頭飼いの場合は全頭同時に予防することが重要
家の中のノミ対策も忘れずに
犬についているノミを駆除しても、環境中のノミを放置すると再感染してしまいます。
環境からのノミ駆除
掃除機がけ:カーペット、ソファ、ベッド🛒周りを念入りに
寝具の洗濯:犬のベッドや毛布は熱湯で洗う
環境用殺虫剤:獣医師に相談の上、使用を検討
詳しくは「家の中のノミ・ダニを根絶する方法」で解説しています。
まとめ:早期発見と予防が愛犬を守る
ノミの被害は単なるかゆみだけではありません。
ノミがもたらす健康被害:
ノミアレルギー🛒性皮膚炎(激しいかゆみと皮膚炎)
瓜実条虫症(お腹の寄生虫感染)
貧血(特に子犬や小型犬は命の危険も)
バルトネラ症(全身症状を引き起こす感染症)
これらの被害から愛犬を守るためには、通年での予防と早期発見が重要です。ノミを見つけたら、すぐに獣医師に相談して適切な駆虫薬で対処しましょう。
マダニに噛まれた!病気のリスクと対処法や犬につく寄生虫の種類も併せて読んで、寄生虫対策の知識を深めてください。





