愛犬が頻繁にお腹を壊したり、食後に吐いてしまったりすることはありませんか?胃腸が弱い犬にとって、毎日の食事選びは健康維持の要です。この記事では、消化に良い食べ物の特徴や具体的な食材、そして胃腸に負担をかけない調理法について詳しく解説します。愛犬の腸内環境を整え、健やかな毎日をサポートするための知識を身につけましょう。
胃腸が弱い犬の特徴と見分け方
胃腸が弱い犬には、いくつかの特徴的な症状が見られます。愛犬の体調変化に早く気づくことで、適切な対処ができるようになります。

消化不良の主な症状
犬の消化不良には以下のような症状が現れます:
嘔吐:食後数時間経ってから未消化の食べ物を吐く場合、消化不良が疑われます。ドッグフード🛒の形がそのまま残っている場合は特に注意が必要です
下痢・軟便:食後すぐに下痢をする場合は消化不良の可能性があります。半透明のゼリー状の便や、白っぽい便(脂質が消化されていない)も要注意のサインです
便秘や排便回数の変化:普段と便の状態が異なる場合も、胃腸の調子が悪いサインかもしれません
食欲不振:お腹の調子が悪いと、食事を嫌がることがあります
胃腸が弱くなる原因

犬の胃腸が弱くなる原因はさまざまです:
食事の問題:脂質の多い食べ物、合わないフード、食べ過ぎなど
ストレス:環境の変化、運動不足、分離不安など
加齢:シニア犬は消化機能が低下しやすくなります
体質:生まれつき胃腸が敏感な犬もいます
獣医師に相談すべきタイミング
以下の症状がある場合は、すぐに獣医師に相談しましょう:
下痢や嘔吐が1〜2日以上続く
便に血や粘液が混じっている
脱水症状(皮膚の弾力低下、歯茎の乾燥)がある
元気がなく、ぐったりしている
特に子犬やシニア犬は体力が落ちやすいため、早めの対処が重要です。愛犬の健康管理については、愛犬の健康を守る病気予防と早期発見も参考にしてください。
消化に良いたんぱく質食材
犬にとってタンパク質は最も重要な栄養素の一つです。胃腸が弱い犬には、消化しやすい良質なタンパク源を選ぶことが大切です。アメリカンケネルクラブ(AKC)によると、胃腸が敏感な犬には低脂肪で消化しやすいタンパク質が推奨されています。
鶏むね肉・ささみ
鶏むね肉とささみ🛒は、胃腸が弱い犬にとって理想的なタンパク源です。
なぜおすすめなのか:
低脂肪で消化に負担がかかりにくい
高タンパクで栄養価が高い
アレルギーのリスクが比較的低い
入手しやすく価格も手頃
調理のコツ:
皮と脂肪部分を完全に取り除く
茹でて火を通す(焼くより油を使わない茹でがおすすめ)
細かく裂くかミンチ状にして与える
茹で汁は捨てずに一緒に与えると水分補給にもなる
白身魚(タラ、鯛など)
白身魚は低脂肪・高タンパクで、胃腸に優しい食材です。
おすすめの白身魚:
タラ(鱈)
鯛
カレイ
ヒラメ
与える際の注意点:
骨は必ず完全に取り除く(喉に刺さる危険があります)
加熱調理する(生食は寄生虫のリスクあり)
塩鮭など塩分の多い加工品は避ける
小さくほぐして与える
卵・カッテージチーズ
卵とカッテージチーズも消化しやすいタンパク源として知られています。
卵について:
加熱して与える(生卵の白身にはアビジンという酵素があり、ビオチンの吸収を阻害する可能性があります)
スクランブルエッグやゆで卵がおすすめ
油は使わず調理する
カッテージチーズについて:
乳製品の中では比較的消化しやすい
少量から始めて様子を見る
乳糖不耐症の犬には注意が必要
消化を助ける野菜と炭水化物
タンパク質だけでなく、野菜や炭水化物も胃腸の健康に重要な役割を果たします。GREEN DOGによると、食物繊維は腸内環境を整えるために欠かせない栄養素です。
さつまいも・かぼちゃ
さつまいもとかぼちゃは、犬に人気があり消化にも良い食材です。
栄養面のメリット:
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がバランス良く含まれている
水溶性食物繊維は善玉菌の餌となり、腸内環境を整える
不溶性食物繊維は腸の動きを活発にする
ビタミンA、ビタミンC、カリウムなども豊富
調理のポイント:
生のままでは固く消化しにくいので、必ず加熱する
皮をむいて柔らかく蒸すか茹でる
マッシュ状にすると消化しやすい
人間用に味付けしたものは与えない
にんじん
にんじんは胃腸の働きを助ける野菜の代表格です。
栄養価:
β-カロテン(ビタミンA)が豊富
食物繊維が腸の健康をサポート
抗酸化作用がある
調理と与え方:
生のにんじんは犬にとって消化しにくい
しっかり柔らかく茹でる
ペースト状やみじん切りにして与える
少量から始めて様子を見る
白米・おかゆ
白米は消化の良いエネルギー源として、体調不良時の回復食に適しています。
活用シーン:
下痢や嘔吐後の回復期
食欲がないときの栄養補給
胃腸を休ませたいとき
おかゆの作り方:
白米を通常の2〜3倍の水で炊く
とろとろになるまで煮込む
人肌程度に冷ましてから与える
茹でた鶏ささみ🛒を細かくほぐして混ぜると栄養バランスが良くなる
玄米や雑穀米は栄養豊富ですが、消化しにくいため胃腸が弱い犬には白米がおすすめです。犬が食べても安全な野菜について詳しくは、犬が食べても安全な果物と野菜リストをご覧ください。
消化しやすい調理法5つのポイント
食材選びと同じくらい重要なのが調理法です。ココグルメによると、適切な調理法で食材を準備することで、消化吸収を大幅に改善できます。
1. 食材を細かく刻む・ミンチにする
犬は本来、食べ物をあまり噛まずに飲み込む動物です。そのため、食材は最初から細かくしておくことが消化を助けます。
具体的な方法:
肉類:細かく裂くか、フード🛒プロセッサーでミンチ状にする
野菜:みじん切りにするか、ペースト状にする
小型犬の場合:5mm以下のカットを目安に
超小型犬:ミキサーで完全にペースト状にするのがおすすめ
2. 野菜は必ず加熱調理する
野菜は生のままだと繊維質が硬く、犬の胃腸には負担がかかります。
加熱のメリット:
繊維が柔らかくなり消化しやすくなる
栄養素が吸収されやすくなる
食中毒のリスクを減らせる
おすすめの加熱方法:
茹でる(最もシンプルで消化に良い)
蒸す(栄養素が流出しにくい)
煮込む(スープごと与えられる)
3. スープ状にして水分も摂取
食材を煮込んでスープ状にすると、以下のメリットがあります:
野菜や肉の栄養素を余すところなく摂取できる
水分補給も同時にできる
食欲がないときでも食べやすい
消化器官への負担が少ない
4. 脂質を最小限に抑える
脂質の多い食べ物は消化に時間がかかり、胃腸への負担が大きくなります。
脂質を減らすコツ:
鶏肉は皮を取り除く
肉の脂身部分はカットする
揚げ物は絶対に与えない
炒める際も油は使わない
5. 人間用の味付けはしない
犬は汗をかかないため、人間ほど塩分を必要としません。味付けをすると塩分過多になりやすいです。
注意点:
塩、醤油、味噌などの調味料は使わない
人間用に調理した残り物は与えない
玉ねぎやにんにくは犬にとって有毒なので絶対に入れない
手作りごはんについて詳しくは、愛情たっぷり手作りごはんのレシピと注意点もご覧ください。
腸内環境を整える食材と成分
胃腸の健康は、腸内細菌のバランスに大きく影響されます。湘南ルアナ動物病院によると、プロバイオティクスやプレバイオティクスを取り入れることで、犬の腸内環境を改善できます。
プロバイオティクス(納豆・ヨーグルト)
プロバイオティクスとは、腸内の善玉菌(乳酸菌やビフィズス菌など)のことです。
プロバイオティクスの働き:
腸内pHを下げて悪玉菌の増殖を抑える
消化酵素の働きをサポートする
免疫機能を向上させる
炎症を緩和する
おすすめの食材:
納豆
納豆菌は胃酸に強く、腸まで届きやすい
ナットウキナーゼという酵素が消化をサポート
ひきわり納豆が最も消化に良い
付属のタレや辛子は使わない
ヨーグルト
無糖のプレーンヨーグルトを選ぶ
乳酸菌が腸内環境を整える
少量から始めて様子を見る
乳糖不耐症の犬には注意
継続摂取の重要性: プロバイオティクスは摂取しても腸内に定着せず、便として排出されます。そのため、継続的に摂取することが重要です。腸内環境が安定するまでには1〜2ヶ月かかると言われています。
プレバイオティクス(食物繊維・オリゴ糖)
プレバイオティクスは、善玉菌の餌となる食物成分です。
代表的なプレバイオティクス:
イヌリン
フラクトオリゴ糖(FOS)
ガラクトオリゴ糖
含まれる食材:
さつまいも
かぼちゃ
バナナ
りんご
キャベツ
プレバイオティクスを含む食事を与えられた犬は、便の中にビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌が多く存在することが研究で示されています。
消化酵素
消化酵素は、食べ物を分解して栄養素の吸収を助ける働きがあります。
ドライフード🛒で不足する理由: 消化酵素は50度以上の熱で失活(機能を失う)してしまいます。ドライフードは製造過程で高温処理されるため、酵素が不足しがちです。
消化酵素を補う方法:
酵素サプリメントを活用する
生の果物(りんご、バナナなど)を少量与える
発酵食品(納豆など)を取り入れる
胃腸が弱い犬におすすめの市販フード選び
手作りごはんだけでなく、市販のドッグフードを選ぶ際にも胃腸への配慮が必要です。PetMDでは、消化器に問題がある犬向けのフード選びのポイントが解説されています。
フード選びの5つのポイント
1. 消化吸収の良いタンパク質が主原料
鶏肉、七面鳥、ラム肉、白身魚などが主原料のものを選ぶ
副産物やミートミールより、明確な肉類が記載されているものが良い
2. 限定原材料(LID)フード🛒のメリット
原材料の種類が少ないため、アレルギーや不耐症のリスクが低い
問題の原因を特定しやすい
シンプルな成分で消化しやすい
3. プロバイオティクス・プレバイオティクス配合
腸内環境をサポートする成分が含まれているか確認
「乳酸菌配合」「オリゴ糖配合」などの表記をチェック
4. 人工添加物を避ける
着色料、香料、保存料は消化器官に負担をかける可能性がある
BHA、BHT、エトキシキンなどの人工保存料は避ける
自然由来の保存料(ビタミンE、ローズマリーエキスなど)を使用しているものを選ぶ
5. フード切り替えは1〜2週間かけて徐々に
新しいフードを急に与えると、腸内環境が対応できず下痢になることがある
最初は現在のフードに10%程度混ぜることから始める
毎日少しずつ新しいフードの割合を増やしていく
食物アレルギーがある場合は、食物アレルギーの犬に選ぶべきフードも参考にしてください。また、フード選びの基本については犬の食事と栄養:正しいフード選びの科学で詳しく解説しています。
消化不良を防ぐ食事の与え方
どんなに消化に良い食材を選んでも、与え方が適切でなければ消化不良を起こす可能性があります。
1回の食事量を適切に調整
食べ過ぎは消化不良の最も一般的な原因の一つです。
適正量の目安:
犬の体重、年齢、活動量に応じて計算する
フードのパッケージに記載された給与量を参考に
体重の増減を定期的にチェック
詳しい計算方法については、うちの子は食べ過ぎ?適切な食事量の計算法をご覧ください。
食事回数を増やして胃腸への負担を軽減
1日の食事量は同じでも、回数を分けることで1回あたりの胃腸への負担を減らせます。
おすすめの食事回数:
成犬:1日2〜3回
子犬:1日3〜4回
胃腸が特に弱い犬:1日3〜4回の少量分割
早食い防止の工夫
ガツガツと早食いをすると、空気を飲み込んでお腹が張ったり、消化不良を起こしたりします。
早食い防止の方法:
早食い防止用の食器(スローフィーダー)を使う
食事を何回かに分けて与える
知育玩具🛒にフードを入れて与える
早食い対策については、ガツガツ早食いを防ぐ食器と食べさせ方で詳しく解説しています。
食後30分は安静に
食後すぐの激しい運動は消化に悪影響を与えます。
食後の過ごし方:
食後30分程度は安静に過ごさせる
激しい遊びや散歩は避ける
特に大型犬は胃捻転のリスクがあるため注意
新しい食材は少量から試す
初めての食材を与えるときは、アレルギーや不耐症の可能性を考慮して慎重に進めましょう。
段階的な導入方法:
最初は小さじ1杯程度から始める
2〜3日様子を見て問題がなければ少しずつ増やす
下痢や嘔吐、皮膚のかゆみなどの症状が出たら中止する
一度に複数の新しい食材を試さない
まとめ:愛犬の胃腸に優しい食生活のために
胃腸が弱い犬のケアは、日々の食事選びと調理法から始まります。この記事でご紹介した内容をまとめると:
消化に良い食材の選び方
タンパク質:鶏ささみ、白身魚、卵など低脂肪のものを選ぶ
野菜・炭水化物:さつまいも、かぼちゃ、にんじん、白米など
発酵食品:納豆、ヨーグルトで腸内環境をサポート
調理法のポイント
食材は細かく刻むかミンチ状にする
野菜は必ず加熱調理する
脂質を最小限に抑える
味付けはしない
腸内環境を整える継続的なケア
プロバイオティクスとプレバイオティクスを取り入れる
1〜2ヶ月継続して腸内環境を安定させる
消化酵素の補給も検討する
食事の与え方
適切な量を守る
食事回数を分けて胃腸への負担を軽減
早食いを防止する
食後は安静に過ごさせる
愛犬の胃腸の状態が改善しない場合や、症状が重い場合は、必ず獣医師に相談してください。適切な診断と治療を受けることが大切です。
毎日の食事を見直すことで、愛犬の胃腸の健康を守り、元気で幸せな毎日をサポートしましょう。犬の食事と栄養について総合的に学びたい方は、犬の食事と栄養:正しいフード選びの科学もぜひご覧ください。






