愛犬の妊娠が確認されたら、出産までの約63日間、適切なケアが必要です。この期間は母犬と胎児の健康を守る大切な時期であり、飼い主の役割は非常に重要です。犬の繁殖と避妊・去勢:正しい知識と選択を理解した上で、計画的な繁殖に取り組むことが求められます。
本記事では、妊娠初期から出産直前までの時期別ケア方法、食事管理、運動の調整、動物病院🛒での検診スケジュール、そして出産準備まで、63日間の完全ガイドを提供します。妊娠したかも?犬の妊娠兆候チェックで妊娠が確認できたら、次はこの記事に沿ってケアを進めていきましょう。
犬の妊娠期間の基本
犬の出産は受精から前後に2〜3日の誤差がある場合もありますが、通常63日といわれています。この63日間を3つの時期(初期・中期・後期)に分けて、それぞれに適したケアを行うことが重要です。

妊娠期間の数え方
交配日を0日として数えるのが一般的です。複数回の交配を行った場合は、最初の交配日を基準とします。正確な出産予定日を把握するため、交配日は必ず記録しておきましょう。
犬種による差異
小型犬も大型犬も妊娠期間に大きな差はありませんが、胎児の数や体格により、お腹の大きさの変化や必要な栄養量に違いが見られます。

妊娠初期(1〜3週間:1〜21日目)
妊娠初期は外見的な変化が少なく、気づきにくい時期です。しかし、受精卵が着床し、胎児の基礎が形成される重要な時期でもあります。
この時期の母犬の状態
着床期(2〜3週目)に入ると、つわりのような症状が現れることがあります。食欲不振や軽い嘔吐が見られますが、通常は数日で治まります。
食事管理
妊娠1〜6週くらいまではお腹の赤ちゃんも小さいので、カロリー要求量はあまり増加しないので普段通りの食事を与えます。ただし、高品質で栄養バランスの良いフード🛒を選ぶことが大切です。
つわり症状がある場合は、無理に食べさせず、少量ずつ回数を分けて与えましょう。水分補給は常に可能な状態を保ちます。
運動
妊娠前と同じ適度な運動を継続します。ただし、激しい運動やドッグランでの他犬との接触は控えめにしましょう。
注意点
ワクチン接種や投薬は原則として行わない
ストレスの少ない環境を維持する
無理な姿勢をとらせない
他の犬との接触を制限する
妊娠中期(4〜6週間:22〜42日目)
妊娠中期は胎児が急速に成長する時期で、母犬の身体にも明確な変化が現れ始めます。
この時期の母犬の状態
乳腺が発達し、乳首が大きくピンク色に変化します。お腹も徐々に膨らみ始め、妊娠30日頃からは触診でも胎児を感じられるようになります。
動物病院での検診
超音波検査(エコー)
交配後22〜30日で超音波検査により妊娠確認が可能です。この時期の検査で、胎児の心拍を確認し、妊娠が順調に進んでいるかを確認できます。
食事管理
妊娠6週目頃から、徐々にカロリー摂取量を増やし始めます。高カロリー・高タンパクの妊娠犬用フード🛒への切り替えを検討しましょう。
運動
適度な運動は継続しますが、時間と強度を調整します。散歩は1回の時間を短くし、回数を増やす方法がおすすめです。
| 時期 | 食事量 | 運動量 | 主な検査 |
|---|---|---|---|
| 1〜3週 | 通常通り | 通常通り | 4〜6週 |
| 通常の1.1〜1.3倍 | やや控えめ | エコー検査(22〜30日) |
妊娠後期(7〜9週間:43〜63日目)
出産に向けて最終準備を行う重要な時期です。母犬の身体的負担も大きくなり、細心の注意が必要です。
この時期の母犬の状態
お腹が大きく膨らみ、胎動が外からも確認できるようになります。妊娠50日頃からは、明らかな胎動が見られます。
食事管理の重要性
妊娠7〜9週くらいになるとお腹の赤ちゃんの体重が増加するため、赤ちゃんの数によっても異なりますがカロリー要求量を普段の食事の1.5〜2倍ぐらいを目安に増やします。
ただし、この時期はお腹の赤ちゃんが大きくなり、お母さんの胃を圧迫して一度にたくさんの量が食べられなくなるため、一日量を少量ずつ・数回に分けて与えてください。
食事の工夫
1日3〜4回に分けて給餌
消化の良い高品質なフード🛒
水分を十分に摂取させる
カルシウムとタンパク質を適切に補給
動物病院での検診
レントゲン検査
妊娠45日以降にレントゲン検査で胎児数と骨格を確認します。胎児の正確な頭数を把握することで、出産が完了したかどうかを判断する材料になります。
妊娠55〜60日頃に再度検査を行い、胎児の大きさと母犬の産道のバランスを確認し、難産のリスクを評価します。
運動の調整
散歩は短時間で軽めに。無理な運動は避け、母犬のペースに合わせます。階段の上り下りやジャンプは禁止です。
体温測定の開始
出産1週間前(56日目頃)から、1日2〜3回の体温測定を開始します。分娩の6~18時間前になると、体温が普段の基底値から2~3℃低下するため、出産予定日の1週間程度前から 1日2‐3回体温を測るようにすることで、出産のタイミングを予測することができます。
| 妊娠日数 | 食事量 | 給餌回数 | 重要な検査・ケア |
|---|---|---|---|
| 43〜50日 | 通常の1.3〜1.5倍 | 3回 | レントゲン検査(45日以降) |
| 51〜56日 | 通常の1.5〜2倍 | 3〜4回 | 出産準備開始 |
| 57〜63日 | 通常の1.5〜2倍 | 3〜4回 | 体温測定(1日2〜3回) |
出産準備(出産2週間前から)
出産予定日の2週間前から、本格的な準備を始めます。
産箱の準備
産箱とは出産する際に使う巣のような存在で、犬は産箱があることで安心して出産できます。産箱は大きめの段ボールを利用すると簡単に準備ができます。
産箱の作り方
母犬が横たわれる大きさの段ボール🛒箱を用意
一辺を低く切り取り、出入り口を作る
底に防水シートを敷く
その上に清潔なタオルや毛布を敷く
壁の内側に緩衝材を貼る(子犬が挟まれないように)
産箱の設置場所
静かで薄暗い場所
温度管理がしやすい室内
人の出入りが少ない場所
母犬がリラックスできる環境
出産予定日の1~2週間前から出産エリアと産箱に馴染ませましょう。
必要な出産用品
詳細な準備リスト
必須アイテム:
電子体温計(直腸温測定用)
デジタル体重計(1g単位で測定可能)
清潔なタオル(10〜15枚程度)
消毒済みのハサミ
糸(へその緒結紮用)
ペットヒーターまたは湯たんぽ
温度計・湿度計
あると便利:
子犬用ミルク🛒(緊急時用)
哺乳瓶
ビニール袋(汚物処理用)
ヘッドライト(夜間出産時用)
動物病院の緊急連絡先
環境の整備
生後4日間の子犬が過ごす環境は、29.5~32°Cに保つ必要があります。水を張ったボウルや加湿器を使用して、スペースの湿度を65~70%に保ち、保温電球や赤外線電球で温めてください。
温度・湿度管理
| 時期 | 温度 | 湿度 |
|---|---|---|
| 出産直後〜4日 | 29.5〜32℃ | 65〜70% |
| 5〜14日 | 26〜29℃ | 60〜70% |
| 15日以降 | 23〜26℃ | 50〜60% |
動物病院との連携
妊娠期間中は、定期的に動物病院と連絡を取り、適切な指導を受けることが重要です。
検診スケジュール
| 時期 | 検査内容 | 目的 |
|---|---|---|
| 22〜30日 | 超音波検査 | 妊娠確認、心拍確認 |
| 45日前後 | レントゲン検査 | 胎児数確認、骨格発達確認 |
| 55〜60日 | 超音波・レントゲン | 最終確認、難産リスク評価 |
| 出産予定日 | 待機 | 緊急時対応準備 |
緊急時の連絡体制
出産予定日の1週間前から、以下の情報を整理しておきましょう:
かかりつけ動物病院の電話番号
夜間・休日対応可能な動物病院
緊急時の移動手段
出産記録用のメモとペン
出産直前の兆候
出産が近づくと、母犬に以下のような変化が現れます。
体温の低下
通常38〜39℃の体温が、37℃以下に低下します。この現象は出産6〜18時間前に見られ、最も確実な出産の兆候です。
行動の変化
落ち着きがなくなる
産箱を掘る、整える(営巣行動)
飼い主にべったりする、または一人になりたがる
食欲が低下する
頻繁に水を飲む
身体的変化
乳汁の分泌開始
陰部からの透明な分泌物
震えや浅い呼吸
これらの兆候が見られたら、出産に立ち会う:分娩の流れと緊急時対応を参考に、出産の準備を整えましょう。
よくある質問(FAQ)
妊娠中のシャンプーは可能ですか?
妊娠中期までは通常通りシャンプー🛒が可能ですが、お腹を圧迫しないよう注意が必要です。妊娠後期(7週以降)は、必要最小限にとどめ、出産予定日の2週間前以降は避けましょう。
他の犬や猫との同居は問題ありませんか?
妊娠初期〜中期は基本的に問題ありませんが、妊娠後期以降はストレスを避けるため、できるだけ静かな環境を用意しましょう。特に出産前後は隔離が推奨されます。
妊娠中の投薬が必要になった場合は?
獣医師に必ず妊娠中であることを伝え、胎児への影響が少ない薬剤を選んでもらいましょう。自己判断での投薬は絶対に避けてください。
予定日を過ぎても出産しない場合は?
妊娠65日を過ぎても出産の兆候がない場合は、すぐに動物病院🛒に連絡してください。過期妊娠は母犬と子犬の命に関わる危険があります。
初産の場合、特に注意すべきことは?
初産は難産のリスクが高いため、必ず事前に動物病院で骨盤のサイズと胎児の大きさを確認してもらいましょう。また、出産時は経験豊富な人に立ち会ってもらうことを推奨します。
まとめ:計画的なケアで安全な出産を
犬の妊娠期間63日間を通じて、適切なケアを行うことで、母犬と子犬の健康を守ることができます。重要なポイントをまとめます:
時期別の食事管理 - 前期は通常通り、後期は1.5〜2倍に増量し、回数を分ける
適度な運動の継続 - 妊娠前と同様の運動を継続するが、激しい動きは避ける
定期的な動物病院での検診 - 22〜30日でエコー、45日以降でレントゲン検査
出産2週間前から準備開始 - 産箱、必要物品、環境整備を完了させる
体温測定で出産タイミングを把握 - 出産1週間前から1日2〜3回測定
緊急時の連絡体制を整備 - 24時間対応可能な動物病院の確保
犬の繁殖と避妊・去勢:正しい知識と選択を理解した上で、計画的な繁殖を行い、万全の準備で出産に臨むことが、飼い主の責任です。
妊娠・出産は犬の生涯における大きなイベントであり、飼い主にとっても貴重な経験となります。適切な知識を持ち、動物病院と連携しながら、愛犬の安全な出産をサポートしましょう。出産後は生まれたての子犬と母犬のケアへと続きます。






