愛犬の被毛に毛玉を見つけて「いつの間にこんなに?」と驚いた経験はありませんか?毛玉は見た目の問題だけでなく、放置すると皮膚炎や痛みの原因になる深刻なトラブルです。
この記事では、犬の毛玉を安全に取る方法から、毛玉ができる原因、予防法まで詳しく解説します。正しいケア方法を身につけて、愛犬の健康な皮膚と美しい被毛を守りましょう。
犬の毛玉はなぜ危険?放置すると起こる問題
「少しくらいの毛玉なら大丈夫」と思っていませんか?実は毛玉を放置すると、愛犬の健康に深刻な影響を与える可能性があります。PETEMOによると、毛玉は単なる見た目の問題ではなく、様々な健康リスクを引き起こします。

皮膚炎・皮膚トラブルの原因に
毛玉ができると被毛の通気性が悪くなり、皮膚が蒸れやすくなります。蒸れた皮膚は炎症を起こしやすく、赤みやかゆみにつながります。かゆみで掻きむしると皮膚が傷つき、化膿することもあるため注意が必要です。
また、毛玉の内部にはホコリや汚れが溜まりやすく、不衛生な状態が続きます。犬の皮膚と被毛のトラブルについて詳しく知りたい方は、関連記事もご覧ください。
血行不良と痛みを引き起こす

毛玉ができると、その部分の被毛が皮膚を常に引っ張った状態になります。これにより慢性的な痛みが生じ、血流も悪くなります。
大きくなった毛玉は体を動かすたびに皮膚を引っ張るため、愛犬はかなりの痛みを感じています。最悪の場合、皮膚が裂けてしまうこともあるのです。
ノミ・ダニの温床になる
毛玉の下には湿気がこもりやすく、ノミやダニにとって理想的な生息環境となります。毛玉が皮膚に密着している部分では寄生虫を発見しにくく、感染が進行してしまうことも多いです。愛犬が激しいかゆみや皮膚の炎症に苦しむ前に、早めの対処が必要です。
毛玉ができやすい場所と原因を知ろう
毛玉を予防するためには、まず毛玉ができやすい場所と原因を理解することが大切です。
毛玉ができやすい体の部位
MOFFMEによると、毛玉ができやすい場所は犬が動いたときによく擦れる部位です。
耳の根元・裏側:頭を振ったり掻いたりする動作で摩擦が起きやすい
脇の下:歩くときに常に擦れる部分
脚の内側:前足・後ろ足ともに摩擦が多い
お腹:特に服を着ている犬は注意
お尻のまわり:排泄物が付着しやすく絡まりやすい
首周り:首輪をつけている部分
毛玉ができる4つの原因
毛玉ができる主な原因は以下の4つです。
1. ブラッシング🛒不足 最も多い原因がブラッシング不足です。表面だけブラシ🛒をかけて、根元までしっかりブラッシングできていないケースも多く見られます。特に毛量の多い犬種では、毛の根元までブラシが届いていないことがあります。
2. 摩擦 歩行時の脇の擦れ、首輪やハーネスの装着部分、服を着せている場合のお腹など、日常的な摩擦が毛玉の原因になります。
3. 水分 シャンプー🛒や雨で濡れた後にきちんと乾かさないと、水分で毛にクセが出て絡まりやすくなります。すでに毛玉がある状態で濡らすと、毛玉がさらに固くなってしまいます。
4. 換毛期 ダブルコート犬種のアンダーコートケアでも解説していますが、換毛期は抜け毛が大量に出るため、抜けた被毛同士が絡まり合い毛玉ができやすくなります。
換毛期は要注意
ダブルコートの犬は春から夏にかけてと秋から冬にかけての年2回、換毛期があります。この時期は特に入念なブラッシングが必要です。換毛期にブラッシングを怠ると、あっという間に毛玉だらけになってしまいます。
毛玉ができやすい犬種と被毛タイプ
犬種によって毛玉のできやすさは大きく異なります。みんなのブリーダーの情報を参考に、被毛タイプ別の特徴を見ていきましょう。
シングルコートの犬種(トイプードル、マルチーズなど)
シングルコートとは被毛が1層のみで構成されているタイプです。代表的な犬種には以下があります。
トイプードル
マルチーズ
ヨークシャーテリア
シーズー
パピヨン
シングルコートの犬は抜け毛が少ないメリットがありますが、毛が絡まりやすいという特徴があります。特にトイプードルはカーリーコート(巻き毛)のため、こまめなブラッシングをしないとすぐに毛玉ができてしまいます。
シングルコート犬種の被毛ケアについて詳しくは関連記事をご覧ください。
ダブルコートの犬種(ポメラニアン、柴犬など)
ダブルコートは保温性のあるアンダーコート(下毛)と、外部から体を守るオーバーコート(上毛)の2層構造です。代表的な犬種には以下があります。
ポメラニアン
柴犬
ゴールデンレトリバー
コーギー
シベリアンハスキー
ダブルコートの犬種は換毛期に大量の抜け毛が出るため、この時期に毛玉ができやすくなります。特にポメラニアンは分厚いアンダーコートと豊かなオーバーコートを持つため、毎日のブラッシングが欠かせません。
ロングコートとカーリーコートの注意点
ロングコートの犬(マルチーズ、ヨークシャーテリア、シーズーなど)は毛が長い分、絡まりやすくなります。また、ビション・フリーゼやプードルなどのカーリーコートは、巻き毛が互いに絡まって毛玉を形成しやすい特徴があります。
これらの犬種を飼っている方は、特に日常的なブラッシングを心がけましょう。
【準備編】毛玉取りに必要な道具
毛玉を安全に取り除くためには、適切な道具を揃えることが大切です。いぬのきもちWEB MAGAZINEでも推奨されている基本的な道具を紹介します。
スリッカーブラシの選び方
スリッカーブラシ🛒は鋭い針金のピンが付いたブラシで、毛玉や死毛を取り除くために使います。選び方のポイントは以下の通りです。
サイズ:愛犬の体に合った大きさを選ぶ
硬さ:ソフトとハードの2種類があり、慣れるまではソフトタイプがおすすめ
ピンの密度:被毛の量に合わせて選ぶ
初心者の方はソフトタイプから始めて、愛犬の被毛の状態に合わせて使い分けていきましょう。
コームの使い方
コーム🛒(くし)は毛玉をほぐしたり、ブラッシング後の仕上げに使います。細かい作業に向いており、毛玉の先端から少しずつほぐすときに活躍します。
選び方のポイントは、小さすぎないサイズを選ぶこと。コームの先端数本を使って毛玉をトントンとほぐしていく使い方をします。
必須グルーミングツール10選では、その他の便利な道具も紹介しています。
毛玉取りローション・スプレーの活用
できるだけ愛犬の負担を減らしたい場合は、毛玉取り用ローションやブラッシングスプレー🛒の活用がおすすめです。
ブラッシングスプレーを使用すると、トリートメント効果により被毛同士の摩擦が減り、ブラシが通りやすくなります。また、もつれや毛玉の防止効果も期待できます。
【実践編】安全な毛玉の取り方ステップ
準備が整ったら、実際に毛玉を取っていきましょう。わんちゃんホンポとDOGPADのトリマー直伝の方法を参考に、安全な手順を解説します。
まずは犬をリラックスさせる
毛玉取りを始める前に、まず愛犬をリラックスさせることが大切です。
おやつを用意する
毛玉のない場所から優しくブラッシングを始める
褒めながら徐々に毛玉のある部分に移動する
いきなり毛玉を引っ張ると痛みで嫌がるようになってしまうため、焦らずゆっくり進めましょう。
皮膚を保護しながら毛先からほぐす
毛玉を取る際の最大のポイントは、皮膚を保護することです。
基本の手順:
毛玉の根元を指でしっかり押さえる(皮膚が引っ張られないようにする)
反対の手でコームやブラシを持つ
毛玉の毛先から少しずつほぐす
決して根元から無理に引っ張らない
人差し指と中指で毛玉の根元をキュッと締めるように押さえると、愛犬に痛みを与えずに作業できます。
スリッカーブラシとコームの使い分け
スリッカーブラシの使い方:
全身のブラッシングに使用
毛並みの方向に沿って優しくブラシをかける
毛玉部分はいろんな方向に動かしてブラシをかける
皮膚に直接当てないよう注意
コームの使い方:
スリッカーブラシで取れない細かい毛玉に使用
コームの先端数本を使ってトントンとほぐす
仕上げの確認にも使用
毛質別ブラッシングの正しい道具と頻度も参考にしてください。
頑固な毛玉への対処法
スリッカーブラシやコームでも取れない頑固な毛玉には、以下の方法を試してみてください。
薄めたリンス🛒を使う方法:
毛玉に薄めた犬用リンスを含ませる
「さけるチーズ」の要領で指で毛玉を割く
ある程度ほぐれたらスリッカーブラシで仕上げる
すき鋏(セニングシザー)を使う方法: 通常のブラッシングでは取れない毛玉には、すき鋏で毛玉を小さく分割してからほぐす方法もあります。ただし、これは毛玉と地肌に隙間がある場合のみ有効で、繊細な技術が必要です。
毛玉を取るときの注意点・やってはいけないこと
毛玉取りで愛犬を傷つけないために、以下の注意点を必ず守りましょう。PetMDでも警告されている重要なポイントです。
濡れた状態でブラッシングしない
絶対にやってはいけないのが、濡れた状態での毛玉取りです。
水を含んだ毛玉はフェルトのように固く締まり、さらに取りにくくなります。シャンプー前には必ず毛玉を取り除いておきましょう。「シャンプーしてから毛玉を取ろう」と考えるのは逆効果です。
ハサミで切るときは細心の注意を
毛玉をハサミで切り取る方法は、非常に危険です。毛玉と皮膚の境界がわかりにくく、皮膚を切ってしまう事故が多発しています。
もしハサミを使う場合は:
必ず先端が丸い安全ハサミを使用する
毛玉と皮膚の間に指を入れて保護する
少しずつ切り、一度に大きく切らない
皮膚と平行にハサミを入れる
基本的には、ハサミではなくバリカンの使用が推奨されています。
無理にほぐそうとしない
どうしても取れない毛玉を無理にほぐそうとすると、以下の問題が起きます。
皮膚が炎症を起こす
愛犬に痛みを与えてブラッシング嫌いになる
飼い主も愛犬も疲弊する
頑固な毛玉は無理せず、プロのトリマーに任せましょう。
毛玉を予防する日常ケア
毛玉は「できてから取る」より「できないように予防する」ことが大切です。日常的なケアで毛玉を防ぎましょう。
毎日のブラッシング習慣
毛玉予防の基本は毎日のブラッシングです。
長毛種・巻き毛種:毎日のブラッシングが理想
短毛種:週2~3回程度
換毛期:どの犬種も毎日のブラッシングを
表面だけでなく、毛をかき分けて根元からしっかりブラシをかけることがポイントです。
犬のグルーミング:自宅でできるプロのケアで詳しいテクニックを紹介しています。
月1回のトリミング
毎日のブラッシングに加えて、月1回程度のトリミング🛒も効果的です。プロのトリマーに被毛の状態をチェックしてもらい、必要に応じてカットすることで毛玉を予防できます。
シャンプー後は完全に乾かす
犬のシャンプーは月何回?正しい洗い方でも解説していますが、シャンプー後の乾燥は非常に重要です。
外側の毛が乾いたように見えても、内側の毛は濡れたままということがよくあります。そのままにしておくと毛玉になりやすく、湿った皮膚が炎症を起こすこともあります。
ドライヤー🛒を使って、根元までしっかり乾かしましょう。
服を着せる場合の注意
犬に服を着せる場合、脇やお腹部分に摩擦が起きて毛玉ができやすくなります。
長時間の着用は避ける
脱がせた後は必ずブラッシングする
素材は摩擦の少ないものを選ぶ
プロに任せるべきタイミング
すべての毛玉を自分で処理しようとする必要はありません。以下のような場合は、プロのトリマーや獣医師に相談しましょう。
自分で取れない大きな毛玉
直径2~3cm以上の大きな毛玉や、複数箇所にできた毛玉は、自宅でのケアが難しいです。無理に取ろうとすると愛犬に痛みを与え、ブラッシング嫌いになってしまう可能性があります。
フェルト状に固まった毛玉
毛玉が進行して「ペルティング」と呼ばれるフェルト状態になると、ブラシでほぐすことは不可能です。この場合はバリカンで刈り取るしかありませんが、皮膚を傷つけないよう専門家に任せることをおすすめします。
皮膚に炎症がある場合
毛玉の下の皮膚が赤くなっている、かゆそうにしている、出血がある場合は、まず獣医師に相談してください。炎症がある状態でブラッシングすると、症状を悪化させる恐れがあります。
プロに任せるべきケアと自宅でできるケアも参考にしてください。
まとめ:愛犬の毛玉ケアで健康な皮膚と美しい被毛を
犬の毛玉は見た目だけでなく、皮膚炎や痛みなど健康上の問題を引き起こす深刻なトラブルです。
毛玉ケアのポイント:
毛玉は放置すると皮膚炎、血行不良、寄生虫感染の原因に
毛玉取りは皮膚を保護しながら毛先から少しずつほぐす
スリッカーブラシとコームを使い分ける
濡れた状態でのブラッシングは厳禁
毎日のブラッシングと月1回のトリミングで予防
頑固な毛玉はプロに任せる
愛犬の被毛タイプに合わせた適切なケアを続けることで、毛玉のない健康な皮膚と美しい被毛を維持できます。
犬の皮膚と被毛のトラブル解消についてさらに詳しく知りたい方は、ぜひ関連記事もご覧ください。毎日の小さなケアの積み重ねが、愛犬の健康と幸せにつながります。






