愛犬が頻繁に耳を掻いたり、頭を激しく振ったりしていませんか?もしかすると、それは外耳炎🛒のサインかもしれません。外耳炎は犬に非常に多い病気で、研究によると約7頭に1頭が一生のうちに経験するとされています。放置すると中耳炎や内耳炎に進行し、聴力に影響を及ぼすこともある深刻な病気です。
この記事では、外耳炎の原因から症状、治療法、そして自宅でできる予防法まで、獣医師監修の情報をもとに詳しく解説します。愛犬の耳の健康を守るために、ぜひ最後までお読みください。
犬の外耳炎とは?耳の構造と病気の仕組み
外耳炎とは、耳の入り口から鼓膜までの部分(外耳道)に炎症が起きる病気です。人間の耳と異なり、犬の外耳道はL字型の構造をしています。この構造により、耳の奥まで空気が通りにくく、湿気や汚れが溜まりやすい環境になっています。

外耳炎は急性と慢性に分類されます。急性外耳炎は突然発症し、適切な治療で比較的早く改善します。一方、慢性外耳炎は3ヶ月以上症状が続くもので、根本的な原因への対処が必要になります。
愛犬の健康を守る病気予防と早期発見でも解説しているように、早期発見・早期治療が愛犬の健康を守る鍵です。耳の異常に気づいたら、早めに動物病院を受診しましょう。
外耳炎の原因を徹底解説
外耳炎の原因はさまざまです。適切な治療のためには、まず原因を正確に特定することが重要です。

細菌・真菌感染(マラセチアなど)
外耳炎の最も一般的な原因は、細菌や真菌(カビ)による感染です。特にマラセチアと呼ばれる酵母様真菌は、犬の外耳炎で頻繁に見られます。
アニコム損保の解説によると、マラセチアは健康な犬の皮膚にも常在している菌ですが、皮脂を好み、湿った環境で異常繁殖します。マラセチア性外耳炎の特徴は以下の通りです:
油っぽいベタベタした耳垢
黄色〜茶褐色の分泌物
長時間履いた靴下🛒のような「すえた」臭い
細菌感染では、ブドウ球菌や緑膿菌などが原因となることが多く、抗生物質による治療が必要になります。
耳ダニ(ミミヒゼンダニ)による感染
ミミヒゼンダニは、体長わずか0.3〜0.5mmの小さなダニです。肉眼では見えませんが、耳の中に寄生して激しいかゆみを引き起こします。
FPCペット保険の情報によると、耳ダニ症の特徴的な症状は以下の通りです:
大量の黒い耳垢(コーヒーかすのような見た目)
何度掃除してもすぐに耳垢が溜まる
睡眠を妨げるほどの強いかゆみ
耳を触ると足を空中で動かす仕草
耳ダニは感染力が強く、犬同士の接触で簡単にうつります。ペットホテルやドッグランなど、多くの犬が集まる場所で感染することがあります。
アレルギーが根本原因になることも
実は、慢性外耳炎の約70%にアレルギーが関与しているという研究結果があります。また、食物アレルギーを持つ犬の65〜80%が耳の感染症を発症するとも言われています。
アレルギーが原因の場合、点耳薬だけでは根本的な解決にはなりません。アレルギーの原因を特定し、適切に管理することが重要です。詳しくはかゆがる愛犬:アレルギーの原因特定法をご覧ください。
アレルギーの主な種類:
食物アレルギー:特定の食材(牛肉、鶏肉、小麦、大豆など)への反応
環境アレルギー:花粉、ハウスダスト、カビなどへの反応
その他の原因(異物・腫瘍など)
ビルバックジャパンの解説では、以下のような原因も挙げられています:
異物:散歩中に草の種(ノギ)が耳に入る
腫瘍:耳道内のポリープや腫瘍
内分泌疾患:甲状腺機能低下症などのホルモン異常
特に異物は急性外耳炎の原因として多く、草むらでの散歩後に突然症状が現れることがあります。
これって外耳炎?見逃せない症状チェックリスト
外耳炎は早期発見が大切です。以下の症状に心当たりがないか、チェック🛒してみましょう。
初期症状:耳を掻く・頭を振る
外耳炎の初期には、以下のような行動が見られます:
後ろ足で頻繁に耳を掻く
頭を激しく左右に振る
耳を床や家具にこすりつける
首を傾けている時間が長い
これらの行動は「かゆみ」のサインです。特に夜間や安静時に増加する場合は要注意です。
進行した症状:臭い・耳垢の変化
犬との暮らし大百科によると、外耳炎が進行すると以下の症状が現れます:
| 症状 | 詳細 |
|---|---|
| 異臭 | 発酵臭、すえた臭い、腐敗臭など |
| 耳垢の増加 | 正常時より明らかに多い |
| 耳垢の色の変化 | 黒色、茶色、黄色、緑色など |
| 分泌物 | ベタベタ、ドロドロした液体 |
特に臭いの変化は、飼い主さんが最も気づきやすいサインです。普段と違う臭いがしたら、すぐに耳の中を確認しましょう。
重度の症状:腫れ・痛み・聴力低下
放置された外耳炎は、さらに深刻な症状を引き起こします:
耳の周囲の赤み・腫れ:炎症が広がっている証拠
痛み:耳を触ろうとすると嫌がる、噛もうとする
耳血腫:激しく頭を振ることで耳の血管が破れ、耳が風船のように膨らむ
聴力の低下:呼んでも反応しない
これらの症状が見られる場合は、緊急性が高いです。すぐに動物病院を受診してください。定期的な健康診断で早期発見することが大切です。
かかりやすい犬種と環境要因
すべての犬が外耳炎になる可能性がありますが、特にかかりやすい犬種や条件があります。
かかりやすい犬種
垂れ耳の犬種は、耳道の通気性が悪く、湿気がこもりやすいため外耳炎になりやすい傾向があります:
コッカー・スパニエル
ゴールデン・レトリバー
ラブラドール・レトリバー
ダックスフンド
バセット・ハウンド
ビーグル
耳道に毛が密生する犬種も要注意です:
プードル(トイ、ミニチュア、スタンダード)
シュナウザー
ビション・フリーゼ
シーズー
マルチーズ
愛犬がこれらの犬種に該当する場合は、定期的な耳のケアを心がけましょう。犬種図鑑で、お使いの犬種の特性を確認することもおすすめです。
環境要因
犬種以外にも、以下の環境要因が外耳炎のリスクを高めます:
高温多湿の季節:梅雨〜夏にかけて発症が増加
水泳・シャンプー🛒後:耳に水が残ると細菌が繁殖
アレルギー体質:皮膚のバリア機能が低下している
動物病院での診断方法
「外耳炎かも?」と思ったら、自己判断せずに動物病院で正確な診断を受けましょう。
耳鏡検査と視診
獣医師はまず、耳鏡(オトスコープ)という器具を使って耳の中を観察します。この検査では以下のことを確認します:
外耳道の状態(赤み、腫れ、狭窄)
分泌物や耳垢の量・性状
異物の有無
鼓膜の状態(破れていないか)
鼓膜が破れている場合は、使用できる薬剤が制限されるため、必ず確認が必要です。
耳垢の顕微鏡検査・培養検査
Merck Veterinary Manualによると、正確な診断には耳垢の検査が欠かせません:
細胞診(サイトロジー):耳垢を顕微鏡で観察し、細菌・真菌・耳ダニの有無を確認
培養検査:原因菌を特定し、効果的な抗生物質を選択
感受性試験:どの薬が効くかを調べる
これらの検査により、「何が原因で、どの薬が効くか」が明確になります。
CT/MRIが必要なケース
以下の場合は、より詳細な画像検査が推奨されます:
治療しても改善しない慢性外耳炎
中耳炎・内耳炎が疑われる場合
神経症状(ふらつき、斜頸、眼振)がある場合
血液検査の結果の見方と合わせて、全身状態を評価することも重要です。
外耳炎の治療法
外耳炎の治療は、原因と重症度によって異なります。獣医師の指示に従い、最後まで治療を続けることが大切です。
耳洗浄と点耳薬による治療
軽度〜中等度の外耳炎では、以下の治療が基本となります:
1. 専門的な耳洗浄 動物病院で行う耳洗浄は、家庭での耳掃除とは異なります。専用の洗浄液を使い、耳道の奥まで丁寧に汚れを取り除きます。
2. 点耳薬 原因に応じた点耳薬を処方されます:
抗菌薬:細菌感染に対して
抗真菌薬:マラセチアなどの真菌に対して
ステロイド:炎症とかゆみを抑える
VCA Animal Hospitalsによると、治療期間は通常2〜3週間です。症状が改善しても、獣医師の指示があるまで治療を続けてください。
内服薬が必要なケース
以下の場合は、点耳薬に加えて内服薬が処方されることがあります:
重度の感染で局所治療だけでは不十分
中耳炎に進行している
アレルギー🛒が原因で全身的な治療が必要
痛みが強く、耳に触れない
耳ダニの駆虫治療
耳ダニ(ミミヒゼンダニ)が原因の場合は、駆虫薬による治療を行います:
セラメクチン(レボリューション):肩甲骨の間に滴下するスポット薬
イベルメクチン:注射または内服
モキシデクチン:予防薬としても使用
注意:コリー系の犬種(シェルティ🛒、ボーダーコリーなど)にはイベルメクチンが使用できない場合があります。必ず獣医師に犬種を伝えてください。
駆虫薬は卵には効果がないため、約1ヶ月間は治療を継続する必要があります。自己判断で中断しないでください。
手術が検討される重症例
慢性化して耳道が狭くなった場合や、内科治療で改善しない場合は、手術が検討されます。
FPCペット保険の情報によると、全耳道切除術(TECA)は90〜95%の成功率で、慢性的な痛みや不快感から解放されます。ただし、聴力は失われるため、最終手段として位置づけられています。
合併症に注意!中耳炎・内耳炎への進行
外耳炎を放置すると、炎症が奥に広がり、より深刻な病気に進行することがあります。
中耳炎への進行
慢性外耳炎の約50%が中耳炎を併発すると言われています。中耳炎になると、以下の症状が現れることがあります:
痛みの増加
発熱
食欲低下
元気がなくなる
内耳炎と神経症状
さらに進行して内耳炎になると、神経症状が現れます:
斜頸(しゃけい):首が傾いたまま戻らない
眼振(がんしん):眼球が左右に揺れる
ふらつき・回転運動:まっすぐ歩けない
嘔吐:平衡感覚の乱れによる
これらの症状は緊急性が高いです。犬の緊急事態:応急処置と命を守る知識を参考に、すぐに動物病院を受診してください。
自宅でできる耳のケアと予防法
外耳炎は予防が大切です。日頃から適切なケアを行い、愛犬の耳を健康に保ちましょう。
正しい耳掃除の方法
耳掃除の頻度
健康な犬:月に1〜2回程度
外耳炎になりやすい犬種:週1回程度(獣医師と相談)
正しい手順
専用のイヤークリーナーを耳に数滴垂らす
耳の付け根を優しくマッサージして洗浄液を馴染ませる
犬が頭を振って汚れを出すのを待つ
コットンで見える範囲の汚れを優しく拭き取る
やってはいけないこと
綿棒を耳の奥に入れる(汚れを押し込んでしまう)
強くこする(耳道を傷つける)
毎日掃除する(正常な分泌物まで取り除いてしまう)
シャンプー・水遊び後の注意
水が耳に入ると、細菌や真菌が繁殖しやすくなります。以下の点に注意しましょう:
シャンプー🛒前にコットンで耳を軽く塞ぐ
入浴後は耳の中を乾いた布で優しく拭く
水遊びが好きな犬は、遊んだ後に必ず耳をチェック
定期的な健康診断の重要性
年間スケジュール表:予防医療カレンダーでも紹介しているように、定期的な健康診断は外耳炎の早期発見に役立ちます。
自宅チェック:週に1回、耳の臭いや汚れを確認
動物病院:月に1回程度、耳の検診を受ける(特に外耳炎になりやすい犬種)
年次健診:年に1〜2回の総合健康診断
早期に発見すれば、簡単な治療で済むことがほとんどです。
まとめ:愛犬の耳を守るためにできること
外耳炎は犬に非常に多い病気ですが、適切なケアと早期治療で予防・改善が可能です。
この記事のポイント
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 早期発見 | 耳を掻く、頭を振る、臭いがするなどの初期症状を見逃さない |
| 原因の特定 | 細菌、真菌、耳ダニ、アレルギーなど、原因に応じた治療が必要 |
| 正しい治療 | 獣医師の指示に従い、最後まで治療を続ける |
| 予防ケア | 適切な耳掃除、シャンプー後のケア、定期検診 |
愛犬の耳に異常を感じたら、自己判断せずに動物病院を受診しましょう。早期治療が、愛犬の健康と快適な生活を守ります。
愛犬の健康を守る病気予防と早期発見も併せてお読みいただき、愛犬との幸せな毎日をお過ごしください。






