愛犬の健康を守るためには、計画的な予防医療が欠かせません。犬は人間の約4倍のスピードで年をとるため、定期的なケアを怠ると、あっという間に病気が進行してしまうことがあります。この記事では、月別の予防医療スケジュールを詳しく解説し、忘れずにケアできる年間カレンダーをお届けします。
予防医療の基本については、愛犬の健康を守る病気予防と早期発見で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
なぜ予防医療カレンダーが必要なのか
予防医療は「病気になってから治療する」のではなく、「病気になる前に防ぐ」という考え方です。アメリカ獣医師会(AVMA)によると、定期的なワクチン接種と予防ケアは、愛犬の寿命を大幅に延ばすことができます。

年間カレンダーを作成するメリットは以下の通りです:
忘れ防止:毎月のケア項目を可視化
費用の計画:年間の予防医療費を把握
獣医師との連携:適切なタイミングで受診
早期発見:定期的なチェック🛒で異変に気づく
1月〜3月(冬〜初春)の予防医療
1月:新年の健康チェック

新年は愛犬の健康状態を確認する良い機会です。特にシニア犬(7歳以上)は、年2回の健康診断が推奨されています。
**1🛒月のケア項目:**
年始の体重測定
冬の乾燥による皮膚トラブルチェック
室内での運動時間確保
暖房器具による低温やけど注意
冬場は運動不足になりがちですが、筋力維持のために室内でも遊びの時間を確保しましょう。
2月:春の予防シーズンへの準備
2月は春からの予防シーズンに向けた準備期間です。Team HOPEでは、フィラリア予防開始前の血液検査を推奨しています。
2月のケア項目:
フィラリア検査の予約
換毛期に備えたブラシの準備
寒暖差による体調管理
デンタルケアの継続
この時期は1日の気温差が7度以上になることも多く、犬は下痢をしやすくなります。食事内容や便の状態に注意しましょう。
3月:予防接種シーズン開始
3月からは予防接種シーズンが本格化します。混合ワクチンの種類について事前に獣医師と相談しておくことをお勧めします。
3月のケア項目:
混合ワクチン接種の検討
狂犬病予防接種の計画(4月開始)
ノミ・ダニ予防の開始
春の換毛期対応
アニコム損保の調査によると、混合ワクチンは子犬期に3回、その後は1〜3年ごとの追加接種が推奨されています。
4月〜6月(春〜初夏)の予防医療
4月:狂犬病予防接種月間
4月は狂犬病ワクチン接種の時期です。日本では狂犬病予防法により、生後91日以上の犬に毎年1回の接種が義務付けられています(4月1日〜6月30日)。
4月のケア項目:
狂犬病予防接種(法律で義務)
フィラリア予防薬投与開始
ノミ・ダニ予防の本格化
春の健康診断
AAHA(米国動物病院協会)のガイドラインでは、狂犬病ワクチンは初回接種の1年後に追加接種し、その後は3年ごとの接種を推奨しています(ただし日本では毎年接種が法律で義務付けられています)。
5月:フィラリア予防本格化
5月はフィラリア予防が本格的に始まる月です。蚊の活動が活発になるため、月1回の予防薬投与を忘れずに行いましょう。
5月のケア項目:
フィラリア予防薬の投与(毎月1回)
オールインワン予防薬の活用
換毛期のブラッシング🛒強化
外耳炎の予防
現在は内服薬でノミ・ダニ・フィラリアを一度に予防できるオールインワンタイプの薬があり、投薬管理が楽になります。
6月:梅雨時期の健康管理
6月は高温多湿で、皮膚トラブルや耳の感染症が増える時期です。犬のデンタルケアも継続的に行いましょう。
6月のケア項目:
湿度対策(除湿機の活用)
皮膚・被毛のチェック
耳のケア(外耳炎予防)
歯磨きの継続
ビルバックによると、3歳以上の犬の80%以上が何らかの歯周病を患っています。毎日の歯磨きが理想ですが、最低でも2〜3日に1回はデンタルケアを行いましょう。
7月〜9月(夏〜初秋)の予防医療
7月:夏の健康対策
7月は熱中症に最も注意が必要な時期です。散歩時間を早朝や夕方に変更し、十分な水分補給を心がけましょう。
7月のケア項目:
熱中症予防(散歩時間の調整)
フィラリア・ノミダニ予防継続
水分補給の徹底
エアコン管理(室温20〜25度)
散歩時はアスファルト🛒の温度に注意してください。地面が熱いと肉球を傷つける恐れがあります。手のひらで地面を5秒触って熱くなければ大丈夫です。
8月:夏バテ対策
8月は夏バテで食欲が落ちる犬が多くなります。栄養バランスを考えた食事管理が重要です。
8月のケア項目:
食欲低下時の栄養管理
冷房の風が直接当たらないよう調整
シニア犬の体調観察
水遊び後の耳のケア
冷房を使う場合、室温は20〜25度に保ち、冷房の風が直接犬に当たらないようにしましょう。
9月:秋の健康診断準備
9月は夏の疲れが出やすい時期です。秋の健康診断に向けて、愛犬の体調をチェックしましょう。
9月のケア項目:
夏バテの回復確認
フィラリア予防継続
秋の健康診断予約
食欲回復時の体重管理
アニコム損保によると、シニア犬(小型・中型犬7歳以上、大型犬5歳以上)は年2回の健康診断が推奨されています。
10月〜12月(秋〜冬)の予防医療
10月:秋の健康診断
10月は年2回目の健康診断に適した時期です。血液検査を含む総合的なチェックを受けましょう。
10月のケア項目:
定期健康診断(血液検査含む)
ノミ・ダニ予防の継続判断
冬毛への換毛期ケア
体重管理
ノミ・ダニ予防は通常10月までですが、ドッグランや山歩きをする犬は年間通しての予防を検討しましょう。
11月:予防シーズン終盤
11月はフィラリア予防の最終月です(地域により12月まで)。冬に向けた準備を始めましょう。
11月のケア項目:
フィラリア予防最終投与
冬の乾燥対策開始
歯石除去(スケーリング)検討
冬用ベッドの準備
年1〜2回のプロフェッショナルクリーニング(歯石除去)を検討する良い時期です。全身麻酔が必要なため、かかりつけ獣医と相談しましょう。
12月:年末の健康確認
12月は1年の締めくくりとして、愛犬の健康状態を確認し、来年の予防計画を立てましょう。
12月のケア項目:
年末の体調チェック
冬の運動不足対策
来年の予防カレンダー作成
年末年始の動物病院休診日確認
冬は室内運動で筋力を維持しましょう。暖房器具🛒による低温やけどや、こたつでの脱水症状にも注意が必要です。
月別予防医療チェックリスト表
| 月 | ワクチン | フィラリア | ノミ・ダニ | 健康診断 | その他 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1月 | シニア犬◎ | 体重測定 | 2月 | 検査予約 | 換毛期準備 |
| 3月 | 混合◎ | 開始 | 4月 | 狂犬病◎ | 開始 |
| ◎ | 春の診断 | 5月 | ◎ | ◎ | 6月 |
| ◎ | ◎ | デンタル | 7月 | ◎ | ◎ |
| 熱中症注意 | 8月 | ◎ | ◎ | 夏バテ注意 | 9月 |
| ◎ | ◎ | 予約 | 10月 | ◎ | 継続判断 |
| 秋の診断◎ | 11月 | 最終 | スケーリング | 12月 | 来年計画 |
※◎=特に重要な月、シニア犬は年2回の健康診断推奨
年齢別・ライフステージ別の注意点
子犬期(〜1歳)
子犬期は免疫システムが発達途上のため、計画的なワクチン接種が重要です。
子犬のワクチンスケジュール:
生後6〜8週:1回目の混合ワクチン
生後10〜12週:2回目の混合ワクチン
生後14〜16週:3回目の混合ワクチン + 狂犬病ワクチン
生後6ヶ月〜1歳:追加接種
フィラリア予防は生後12〜16週から開始できます。獣医師と相談して適切な時期を決めましょう。
成犬期(1〜7歳)
成犬期は年1回の健康診断と定期的な予防ケアが基本です。
成犬の予防ケア:
狂犬病ワクチン:毎年1回(法律で義務)
混合ワクチン:1〜3年ごと(抗体検査で判断可能)
フィラリア予防:5月〜11月(地域による)
ノミ・ダニ予防:4月〜10月(生活環境による)
健康診断:年1回
デンタルケア🛒:毎日〜2〜3日に1回
シニア期(7歳以上)
シニア犬は体の変化が早いため、より頻繁なケアが必要です。ピースワンコ・ジャパンによると、シニア犬は年2回以上の健康診断が推奨されています。
シニア犬の予防ケア:
健康診断:年2回(春・秋)
血液検査:年2回(腎臓・肝臓機能チェック)
心臓検査:年1回以上
関節ケア:日常的に
認知機能のチェック
大型犬は5歳からシニア期に入るため、早めの対策が必要です。
まとめ:予防医療カレンダーで愛犬の健康を守る
予防医療は「最良の治療」です。この年間スケジュールを参考に、愛犬の健康管理を計画的に行いましょう。
予防医療のポイント:
年間カレンダーを作成:冷蔵庫などに貼って忘れ防止
かかりつけ獣医との連携:定期的に相談
記録をつける:接種日や体重を記録
早期発見・早期治療:異変を感じたらすぐ受診
予防接種やフィラリア予防は、愛犬の命を守る大切なケアです。費用がかかると感じるかもしれませんが、病気になってからの治療費に比べれば、予防にかかる費用ははるかに少なくて済みます。
愛犬の健康寿命を延ばすために、今日から予防医療カレンダーを活用してください。病気の予防と早期発見について詳しくは、愛犬の健康を守る病気予防と早期発見をご覧ください。






