わんケアガイドわんケアガイド
犬の皮膚と被毛:トラブル解消と美しい毛並み

犬の被毛タイプ別ケア方法

犬の被毛タイプ別ケア方法の画像

愛犬の被毛タイプを正しく理解していますか?犬の被毛は大きく分けて「シングルコート」「ダブルコート」「ワイヤーヘア」の3つのタイプに分類され、それぞれ構造や特徴が異なります。

被毛タイプを知ることで、適切なブラッシング方法やシャンプー🛒の頻度を選択でき、皮膚トラブルの予防にもつながります。この記事では、各被毛タイプの特徴と、それぞれに最適なケア方法を詳しく解説します。

被毛の基本構造を理解しよう

犬の被毛は、「オーバーコート(上毛・一次毛)」と「アンダーコート(下毛・二次毛)」の2種類の毛から構成されています。

犬の被毛タイプ別ケア方法の画像4

オーバーコートは、太くて硬い毛で、外部刺激から体を守る役割を果たします。紫外線、雨、汚れなどから皮膚を保護し、見た目の美しさも左右する重要な毛です。

アンダーコートは、細くて柔らかい綿毛のような毛で、体温を調節する役割があります。保温性・保湿性に優れ、寒さや暑さから体を守るクッションとして機能します(参考:シングルコートとダブルコートの違い)。

これら2種類の毛の組み合わせによって、犬の被毛タイプが決まります。被毛タイプは犬種によってほぼ決まっており、それぞれに適したケア方法を選ぶことが、美しい被毛を維持する鍵となります。

シングルコート:抜け毛が少ない単層構造

犬の被毛タイプ別ケア方法の画像3

シングルコートとは、オーバーコート(上毛)のみで構成された単層構造の被毛です。アンダーコートが生えていないため、見た目がすっきりしており、手触りもなめらかです。

シングルコートの特徴

  • 抜け毛が少ない: 一年を通して少しずつ毛が生え替わるため、大量の抜け毛が発生しません

  • 換毛期がない: 季節による大規模な毛の生え替わりがないため、掃除が楽です

  • 寒さに弱い: 保温性の高いアンダーコートがないため、冬場は防寒対策が必要です

  • 定期的なトリミングが必要: 毛が伸び続ける犬種が多いため、定期的なカットが欠かせません

シングルコートの代表的な犬種

プードル、マルチーズ、ヨークシャー・テリア、シーズー、パピヨン、グレーハウンド、ミニチュア・ピンシャー、イタリアン・グレーハウンドなど。

シングルコートのケアポイント

ブラッシング頻度: 長毛種は毎日、短毛種は2〜3日に1回を目安にブラッシングしましょう。毛玉やもつれを防ぐことが重要です。

シャンプー🛒頻度: 月1〜2回が基本ですが、長毛種や活発な犬は月2〜3回に増やしても構いません(参考:犬のシャンプーの頻度)。

トリミング: 伸び続ける被毛タイプが多いため、1〜2ヶ月に1回のトリミングで清潔さとスタイルを保ちましょう。

ダブルコート:換毛期がある二層構造

ダブルコートとは、オーバーコート(上毛)とアンダーコート(下毛)の2層構造で構成された被毛です。日本犬の多くや、寒い地域原産の犬種に多く見られます。

ダブルコートの特徴

  • 大量の抜け毛: 春と秋の換毛期に、アンダーコートが大量に抜け落ちます

  • 保温性が高い: 密集したアンダーコートにより、寒さに強い体質です

  • 暑さに弱い: 被毛が厚いため、夏場の熱中症リスクが高まります

  • 皮膚トラブルのリスク: 通気性が悪くなりやすく、マラセチア皮膚炎膿皮症などの発症リスクがあります

ダブルコートの代表的な犬種

柴犬、秋田犬、ゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバー、コーギー、ポメラニアン、シベリアン・ハスキー、ダックスフンド(ロングヘア)、チワワ(ロングヘア)など。

ダブルコートのケアポイント

ブラッシング頻度: 通常期は週2〜3回、換毛期(春・秋)は毎日のブラッシングが理想です。抜け毛を放置すると毛玉の原因になります。

シャンプー🛒頻度: 月1〜2回を基本とし、換毛期には念入りなブラッシングとシャンプーで抜け毛を除去しましょう。

サマーカット注意: ダブルコートの犬種は、過度なサマーカットが逆効果になることがあります。アンダーコートは断熱材の役割も果たすため、完全に短く刈り込むと紫外線や暑さから体を守れなくなります。

ワイヤーヘア:特殊なケアが必要な硬毛タイプ

ワイヤーヘア(硬毛)は、太くて硬い針金のような毛質を持つ被毛タイプです。テリア系の犬種に多く見られ、独特の手触りと外見が特徴です。

ワイヤーヘアの特徴

  • 硬くて粗い毛質: 触るとゴワゴワした感触で、水や汚れをはじきやすい

  • 抜け毛が少ない: 自然に抜け落ちにくいため、定期的なプラッキングが必要

  • アレルギーに優しい: 抜け毛が少ないため、アレルギーのある人にも飼いやすいとされています

  • 特殊なグルーミング: 通常のブラッシングだけでなく、プラッキングやストリッピングが必要

ワイヤーヘアの代表的な犬種

ワイヤー・フォックス・テリア、エアデール・テリア、ジャック・ラッセル・テリア(ワイヤー)、ミニチュア・シュナウザー、ボーダー・テリアなど。

ワイヤーヘアのケアポイント

プラッキング: 専用のストリッピングナイフや指を使って、古い毛を根元から抜き取る技術です。2〜3ヶ月に1回、プロのトリマーに依頼するのが一般的です。

ブラッシング頻度: 週2〜3回を目安に、スリッカーブラシ🛒や硬めのピンブラシを使用します。

シャンプー頻度: 月1回程度で十分ですが、汚れやすい場合は頻度を増やしても問題ありません。

ワイヤーヘアの犬種は、プラッキングをしないと毛質が柔らかくなり、本来の質感を失ってしまいます。特にドッグショーに出場する場合は、定期的なプラッキングが必須です。

被毛タイプ別比較表

各被毛タイプの特徴を、一目で比較できる表にまとめました。

項目シングルコートダブルコートワイヤーヘア
毛の構造オーバーコートのみオーバーコート+アンダーコート硬いオーバーコート
抜け毛の量少ない多い(換毛期は大量)少ない
換毛期なし春・秋の年2回なし
ブラッシング頻度毎日〜2日に1回週2〜3回(換毛期は毎日)週2〜3回
シャンプー頻度月1〜3回月1〜2回月1回程度
トリミング必要(1〜2ヶ月)不要または軽度プラッキング必要
寒さへの耐性弱い強い中程度
暑さへの耐性中〜強い弱い中程度
代表犬種プードル、マルチーズ柴犬、ゴールデンテリア系

この表を参考に、愛犬の被毛タイプに合ったケアプランを立てましょう。

被毛タイプ別ブラッシングテクニック

被毛タイプによって、効果的なブラッシング方法は異なります。正しい技術を身につけることで、皮膚の健康を保ちながら、美しい被毛を維持できます。

シングルコートのブラッシング

使用ブラシ: スリッカーブラシ🛒、ピンブラシ、コーム

手順:

  1. 毛の流れに沿って優しくブラッシング

  2. 毛玉やもつれがある場合は、コームで丁寧にほぐす

  3. 耳の後ろ、脇の下、内股などの毛玉ができやすい部分を重点的にチェック

  4. 最後に仕上げ用のブラシで整える

ダブルコートのブラッシング

使用ブラシ: アンダーコート用レーキ、スリッカーブラシ🛒、ピンブラシ

手順:

  1. アンダーコート用レーキで抜け毛を取り除く(特に換毛期)

  2. スリッカーブラシで表面の毛を整える

  3. ピンブラシで仕上げる

  4. 換毛期は、毎日20〜30分かけて念入りにブラッシング

ワイヤーヘアのブラッシング

使用ブラシ: 硬めのピンブラシ、スリッカーブラシ

手順:

  1. 硬めのピンブラシで毛の流れに沿ってブラッシング

  2. もつれた部分はスリッカーブラシで丁寧にほぐす

  3. 定期的にプロによるプラッキングを実施

ブラッシングは、被毛を整えるだけでなく、皮膚の血行を促進し、ターンオーバーを正常に保つ効果もあります。

被毛タイプ別シャンプーガイド

シャンプーの頻度と方法も、被毛タイプによって調整が必要です(参考:獣医師が解説する犬のシャンプー頻度)。

シャンプー前の準備

すべての被毛タイプに共通して、シャンプー前には必ずブラッシングを行いましょう。抜け毛やもつれを取り除いておくことで、シャンプーの効果が高まります。

シングルコートのシャンプー

  • 頻度: 月1〜3回(長毛種や活発な犬は頻度を増やす)

  • シャンプー選び: 保湿成分配合の犬用シャンプー🛒を選びましょう

  • 注意点: 乾燥しやすいため、シャンプー後はコンディショナーや保湿スプレーの使用がおすすめ

ダブルコートのシャンプー

  • 頻度: 月1〜2回(換毛期は念入りに)

  • シャンプー選び: 洗浄力のある犬用シャンプーで、アンダーコートまでしっかり洗浄

  • 注意点: すすぎ残しがあると脂漏症の原因になるため、十分にすすぎましょう。乾燥時にも、ドライヤーで根元までしっかり乾かすことが重要です

ワイヤーヘアのシャンプー

  • 頻度: 月1回程度

  • シャンプー選び: ワイヤーヘア用のシャンプーまたは、洗浄力の適度な犬用シャンプー

  • 注意点: 過度な洗浄は毛質を柔らかくする可能性があるため、頻度は控えめに

シャンプー後は、必ずドライヤーでしっかりと乾かしましょう。生乾きの状態は、細菌や酵母菌の繁殖を招き、皮膚炎のリスクを高めます。

よくある間違いと注意点

被毛ケアでよくある間違いを知り、愛犬の健康を守りましょう。

1. ダブルコートの過度なサマーカット 「暑そうだから」と毛を短く刈り込みすぎると、紫外線による皮膚ダメージや、逆に体温調節がうまくできなくなることがあります。適度に間引く程度に留めましょう。

2. 人間用シャンプーの使用 人間の皮膚はpH4.5〜6.0の弱酸性ですが、犬の皮膚はpH7.5の弱アルカリ性です。人間用シャンプー🛒は犬の皮膚バリアを破壊し、皮膚トラブルを引き起こします。

3. ブラッシングの力加減 強くブラッシングしすぎると、皮膚を傷つけ、アトピー性皮膚炎などの悪化要因になります。優しく、毛の流れに沿って行いましょう。

4. 換毛期のブラッシング不足 ダブルコートの犬は、換毛期にブラッシングを怠ると、抜け毛が絡まって皮膚の通気性が悪化します。これがマラセチア皮膚炎などの原因になることも。

5. ワイヤーヘアのバリカン使用 ワイヤーヘアをバリカンでカットすると、毛質が柔らかくなり、本来の硬い質感が失われます。プラッキングで適切にケアしましょう。

まとめ

犬の被毛は、シングルコート、ダブルコート、ワイヤーヘアの3タイプに大別され、それぞれ構造や特徴が異なります。

  • シングルコート: 抜け毛が少なく、定期的なトリミングが必要

  • ダブルコート: 換毛期に大量の抜け毛があり、念入りなブラッシングが重要

  • ワイヤーヘア: 特殊なプラッキング技術でケアが必要

愛犬の被毛タイプを正しく理解し、適切なブラッシングとシャンプーを行うことで、美しい被毛と健康な皮膚を維持できます。被毛の状態は、愛犬の健康状態を映す鏡でもあります。日々のケアを通じて、些細な変化も見逃さず、必要に応じて獣医師に相談しましょう。

関連記事