愛犬の被毛タイプを正しく理解していますか?犬の被毛は大きく分けて「シングルコート」「ダブルコート」「ワイヤーヘア」の3つのタイプに分類され、それぞれ構造や特徴が異なります。
被毛タイプを知ることで、適切なブラッシング方法やシャンプー🛒の頻度を選択でき、皮膚トラブルの予防にもつながります。この記事では、各被毛タイプの特徴と、それぞれに最適なケア方法を詳しく解説します。
被毛の基本構造を理解しよう
犬の被毛は、「オーバーコート(上毛・一次毛)」と「アンダーコート(下毛・二次毛)」の2種類の毛から構成されています。

オーバーコートは、太くて硬い毛で、外部刺激から体を守る役割を果たします。紫外線、雨、汚れなどから皮膚を保護し、見た目の美しさも左右する重要な毛です。
アンダーコートは、細くて柔らかい綿毛のような毛で、体温を調節する役割があります。保温性・保湿性に優れ、寒さや暑さから体を守るクッションとして機能します(参考:シングルコートとダブルコートの違い)。
これら2種類の毛の組み合わせによって、犬の被毛タイプが決まります。被毛タイプは犬種によってほぼ決まっており、それぞれに適したケア方法を選ぶことが、美しい被毛を維持する鍵となります。
シングルコート:抜け毛が少ない単層構造

シングルコートとは、オーバーコート(上毛)のみで構成された単層構造の被毛です。アンダーコートが生えていないため、見た目がすっきりしており、手触りもなめらかです。
シングルコートの特徴
抜け毛が少ない: 一年を通して少しずつ毛が生え替わるため、大量の抜け毛が発生しません
換毛期がない: 季節による大規模な毛の生え替わりがないため、掃除が楽です
寒さに弱い: 保温性の高いアンダーコートがないため、冬場は防寒対策が必要です
定期的なトリミングが必要: 毛が伸び続ける犬種が多いため、定期的なカットが欠かせません
シングルコートの代表的な犬種
プードル、マルチーズ、ヨークシャー・テリア、シーズー、パピヨン、グレーハウンド、ミニチュア・ピンシャー、イタリアン・グレーハウンドなど。
シングルコートのケアポイント
ブラッシング頻度: 長毛種は毎日、短毛種は2〜3日に1回を目安にブラッシングしましょう。毛玉やもつれを防ぐことが重要です。
シャンプー🛒頻度: 月1〜2回が基本ですが、長毛種や活発な犬は月2〜3回に増やしても構いません(参考:犬のシャンプーの頻度)。
トリミング: 伸び続ける被毛タイプが多いため、1〜2ヶ月に1回のトリミングで清潔さとスタイルを保ちましょう。
ダブルコート:換毛期がある二層構造
ダブルコートとは、オーバーコート(上毛)とアンダーコート(下毛)の2層構造で構成された被毛です。日本犬の多くや、寒い地域原産の犬種に多く見られます。
ダブルコートの特徴
大量の抜け毛: 春と秋の換毛期に、アンダーコートが大量に抜け落ちます
保温性が高い: 密集したアンダーコートにより、寒さに強い体質です
暑さに弱い: 被毛が厚いため、夏場の熱中症リスクが高まります
ダブルコートの代表的な犬種
柴犬、秋田犬、ゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバー、コーギー、ポメラニアン、シベリアン・ハスキー、ダックスフンド(ロングヘア)、チワワ(ロングヘア)など。
ダブルコートのケアポイント
ブラッシング頻度: 通常期は週2〜3回、換毛期(春・秋)は毎日のブラッシングが理想です。抜け毛を放置すると毛玉の原因になります。
シャンプー🛒頻度: 月1〜2回を基本とし、換毛期には念入りなブラッシングとシャンプーで抜け毛を除去しましょう。
サマーカット注意: ダブルコートの犬種は、過度なサマーカットが逆効果になることがあります。アンダーコートは断熱材の役割も果たすため、完全に短く刈り込むと紫外線や暑さから体を守れなくなります。
ワイヤーヘア:特殊なケアが必要な硬毛タイプ
ワイヤーヘア(硬毛)は、太くて硬い針金のような毛質を持つ被毛タイプです。テリア系の犬種に多く見られ、独特の手触りと外見が特徴です。
ワイヤーヘアの特徴
硬くて粗い毛質: 触るとゴワゴワした感触で、水や汚れをはじきやすい
抜け毛が少ない: 自然に抜け落ちにくいため、定期的なプラッキングが必要
アレルギーに優しい: 抜け毛が少ないため、アレルギーのある人にも飼いやすいとされています
特殊なグルーミング: 通常のブラッシングだけでなく、プラッキングやストリッピングが必要
ワイヤーヘアの代表的な犬種
ワイヤー・フォックス・テリア、エアデール・テリア、ジャック・ラッセル・テリア(ワイヤー)、ミニチュア・シュナウザー、ボーダー・テリアなど。
ワイヤーヘアのケアポイント
プラッキング: 専用のストリッピングナイフや指を使って、古い毛を根元から抜き取る技術です。2〜3ヶ月に1回、プロのトリマーに依頼するのが一般的です。
ブラッシング頻度: 週2〜3回を目安に、スリッカーブラシ🛒や硬めのピンブラシを使用します。
シャンプー頻度: 月1回程度で十分ですが、汚れやすい場合は頻度を増やしても問題ありません。
ワイヤーヘアの犬種は、プラッキングをしないと毛質が柔らかくなり、本来の質感を失ってしまいます。特にドッグショーに出場する場合は、定期的なプラッキングが必須です。
被毛タイプ別比較表
各被毛タイプの特徴を、一目で比較できる表にまとめました。
| 項目 | シングルコート | ダブルコート | ワイヤーヘア |
|---|---|---|---|
| 毛の構造 | オーバーコートのみ | オーバーコート+アンダーコート | 硬いオーバーコート |
| 抜け毛の量 | 少ない | 多い(換毛期は大量) | 少ない |
| 換毛期 | なし | 春・秋の年2回 | なし |
| ブラッシング頻度 | 毎日〜2日に1回 | 週2〜3回(換毛期は毎日) | 週2〜3回 |
| シャンプー頻度 | 月1〜3回 | 月1〜2回 | 月1回程度 |
| トリミング | 必要(1〜2ヶ月) | 不要または軽度 | プラッキング必要 |
| 寒さへの耐性 | 弱い | 強い | 中程度 |
| 暑さへの耐性 | 中〜強い | 弱い | 中程度 |
| 代表犬種 | プードル、マルチーズ | 柴犬、ゴールデン | テリア系 |
この表を参考に、愛犬の被毛タイプに合ったケアプランを立てましょう。
被毛タイプ別ブラッシングテクニック
被毛タイプによって、効果的なブラッシング方法は異なります。正しい技術を身につけることで、皮膚の健康を保ちながら、美しい被毛を維持できます。
シングルコートのブラッシング
使用ブラシ: スリッカーブラシ🛒、ピンブラシ、コーム
手順:
毛の流れに沿って優しくブラッシング
毛玉やもつれがある場合は、コームで丁寧にほぐす
耳の後ろ、脇の下、内股などの毛玉ができやすい部分を重点的にチェック
最後に仕上げ用のブラシで整える
ダブルコートのブラッシング
使用ブラシ: アンダーコート用レーキ、スリッカーブラシ🛒、ピンブラシ
手順:
アンダーコート用レーキで抜け毛を取り除く(特に換毛期)
スリッカーブラシで表面の毛を整える
ピンブラシで仕上げる
換毛期は、毎日20〜30分かけて念入りにブラッシング
ワイヤーヘアのブラッシング
使用ブラシ: 硬めのピンブラシ、スリッカーブラシ
手順:
硬めのピンブラシで毛の流れに沿ってブラッシング
もつれた部分はスリッカーブラシで丁寧にほぐす
定期的にプロによるプラッキングを実施
ブラッシングは、被毛を整えるだけでなく、皮膚の血行を促進し、ターンオーバーを正常に保つ効果もあります。
被毛タイプ別シャンプーガイド
シャンプーの頻度と方法も、被毛タイプによって調整が必要です(参考:獣医師が解説する犬のシャンプー頻度)。
シャンプー前の準備
すべての被毛タイプに共通して、シャンプー前には必ずブラッシングを行いましょう。抜け毛やもつれを取り除いておくことで、シャンプーの効果が高まります。
シングルコートのシャンプー
頻度: 月1〜3回(長毛種や活発な犬は頻度を増やす)
シャンプー選び: 保湿成分配合の犬用シャンプー🛒を選びましょう
注意点: 乾燥しやすいため、シャンプー後はコンディショナーや保湿スプレーの使用がおすすめ
ダブルコートのシャンプー
頻度: 月1〜2回(換毛期は念入りに)
シャンプー選び: 洗浄力のある犬用シャンプーで、アンダーコートまでしっかり洗浄
注意点: すすぎ残しがあると脂漏症の原因になるため、十分にすすぎましょう。乾燥時にも、ドライヤーで根元までしっかり乾かすことが重要です
ワイヤーヘアのシャンプー
頻度: 月1回程度
シャンプー選び: ワイヤーヘア用のシャンプーまたは、洗浄力の適度な犬用シャンプー
注意点: 過度な洗浄は毛質を柔らかくする可能性があるため、頻度は控えめに
シャンプー後は、必ずドライヤーでしっかりと乾かしましょう。生乾きの状態は、細菌や酵母菌の繁殖を招き、皮膚炎のリスクを高めます。
よくある間違いと注意点
被毛ケアでよくある間違いを知り、愛犬の健康を守りましょう。
1. ダブルコートの過度なサマーカット 「暑そうだから」と毛を短く刈り込みすぎると、紫外線による皮膚ダメージや、逆に体温調節がうまくできなくなることがあります。適度に間引く程度に留めましょう。
2. 人間用シャンプーの使用 人間の皮膚はpH4.5〜6.0の弱酸性ですが、犬の皮膚はpH7.5の弱アルカリ性です。人間用シャンプー🛒は犬の皮膚バリアを破壊し、皮膚トラブルを引き起こします。
3. ブラッシングの力加減 強くブラッシングしすぎると、皮膚を傷つけ、アトピー性皮膚炎などの悪化要因になります。優しく、毛の流れに沿って行いましょう。
4. 換毛期のブラッシング不足 ダブルコートの犬は、換毛期にブラッシングを怠ると、抜け毛が絡まって皮膚の通気性が悪化します。これがマラセチア皮膚炎などの原因になることも。
5. ワイヤーヘアのバリカン使用 ワイヤーヘアをバリカンでカットすると、毛質が柔らかくなり、本来の硬い質感が失われます。プラッキングで適切にケアしましょう。
まとめ
犬の被毛は、シングルコート、ダブルコート、ワイヤーヘアの3タイプに大別され、それぞれ構造や特徴が異なります。
シングルコート: 抜け毛が少なく、定期的なトリミングが必要
ダブルコート: 換毛期に大量の抜け毛があり、念入りなブラッシングが重要
ワイヤーヘア: 特殊なプラッキング技術でケアが必要
愛犬の被毛タイプを正しく理解し、適切なブラッシングとシャンプーを行うことで、美しい被毛と健康な皮膚を維持できます。被毛の状態は、愛犬の健康状態を映す鏡でもあります。日々のケアを通じて、些細な変化も見逃さず、必要に応じて獣医師に相談しましょう。






