子犬を迎えたばかりの飼い主さんにとって、「どのくらいの量を、1日何回与えればいいの?」という疑問は尽きないものです。成長期の子犬には適切な栄養が欠かせませんが、与えすぎても少なすぎても健康に影響を及ぼします。
この記事では、月齢ごとの食事回数と量の目安を詳しく解説します。子犬との幸せな暮らし方を実現するために、正しい食事管理の知識を身につけましょう。
子犬の月齢別・食事回数の目安
子犬の食事回数は月齢によって大きく変わります。これは消化器官の発達度合いや、エネルギー消費量の変化に関係しています。ペット&ファミリー損保の獣医師監修記事によると、以下のような回数が推奨されています。

| 月齢 | 食事回数 | ポイント |
|---|---|---|
| 離乳〜2ヶ月 | 1日4〜5回 | 消化器官が未発達、少量頻回で |
| 3〜5ヶ月 | 1日3〜4回 | 乳歯が生え揃う時期 |
| 6ヶ月〜1歳 | 1日2〜3回 | 徐々に成犬の回数へ移行 |
| 1歳以降 | 1日2回 | 成犬として安定 |
生後〜2ヶ月:1日4〜5回の食事
生後2ヶ月までの子犬は、消化器官がまだ十分に発達していません。一度に多くの食事を消化することが難しいため、1日の必要量を4〜5回に分けて与えます。
この時期は特に注意が必要で、空腹時間が長くなると低血糖を起こすリスクがあります。6〜8時間以上の空腹は避け、夜中に1回追加で与えることも検討しましょう。

生後3ヶ月までの子犬の成長カレンダーも参考に、この時期の子犬の変化を把握しておくと安心です。
生後3〜5ヶ月:1日3〜4回の食事
生後3ヶ月を過ぎると乳歯が生え揃い、消化機能も向上してきます。食事回数は1日3〜4回に減らすことができます。
ただし、チワワやトイプードル🛒などの超小型犬は、この時期でも1日4回程度の食事を維持したほうが良い場合があります。体が小さいほど体表からの熱放散が大きく、体温維持に多くのエネルギーを消費するためです。
生後6ヶ月〜1歳:1日2〜3回の食事
生後6ヶ月を過ぎると、徐々に成犬に近づいていきます。食事回数は1日2〜3回が目安となり、最終的には1日2回(朝・夕)に落ち着かせていきます。
食事回数の変更は急に行わず、1週間から10日かけて徐々に切り替えていくことが大切です。急な変更は消化器官に負担をかけ、下痢や嘔吐の原因になることがあります。
子犬の食事量の計算方法
「パッケージ🛒に書いてある量を与えればいいのでは?」と思う方も多いでしょう。確かにそれも一つの目安ですが、より正確に愛犬に必要な量を把握するには、エネルギー計算の方法を知っておくと便利です。
ペトコトの獣医師執筆記事では、RERとDERを用いた計算方法が詳しく解説されています。
RER(安静時エネルギー要求量)とは
RER(Rest Energy Requirement)は、動物が常温環境で安静にしているときに必要な1日のエネルギー量です。計算式は以下の通りです。
RER = 体重(kg)の0.75乗 × 70
電卓での計算方法: 「体重 × 体重 × 体重 = √ √ × 70 =」
| 体重ごとのRER目安: | 体重 |
|---|---|
| RER | 1kg |
| 70kcal | 2kg |
| 118kcal | 3kg |
| 160kcal | 4kg |
| 198kcal | 5kg |
| 234kcal | 6kg |
| 268kcal | 8kg |
| 333kcal | 10kg |
| 394kcal |
DER(1日エネルギー要求量)の計算
DER(Daily Energy Requirement)は、子犬の活動量や成長段階を考慮した1日の必要エネルギー量です。RERに活動係数を掛けて算出します。
DER = RER × 活動係数
| 子犬の活動係数: | 月齢 |
|---|---|
| 活動係数 | 離乳期〜3ヶ月 |
| 3.0 | 4〜9ヶ月 |
| 2.5 | 10ヶ月〜1歳 |
| 2.0 |
例えば、生後3ヶ月で体重3kgの子犬の場合:
RER = 160kcal
DER = 160 × 3.0 = 480kcal/日
ドッグフード量への換算方法
DERが分かったら、実際に与えるドッグフードの量に換算します。
1日の給餌量(g) = DER ÷ フード100gあたりのカロリー × 100
例:DER 480kcal、フード350kcal/100gの場合
480 ÷ 350 × 100 = 約137g/日
これを食事回数で割れば、1回あたりの量が分かります。1日3回なら約45g/回です。
【月齢別】子犬の食事量目安表
計算が面倒という方のために、体重と月齢別の目安量を表にまとめました。Purinaの給餌ガイドも参考にしています。
なお、この数値は350kcal/100gのフード🛒を想定した目安です。お使いのフードのカロリーが異なる場合は調整が必要です。
小型犬(成犬時10kg以下)の給餌量
| 月齢 | 体重1kg | 体重2kg | 体重3kg | 体重5kg |
|---|---|---|---|---|
| 2ヶ月 | 60g | 100g | 135g | 200g |
| 4ヶ月 | 50g | 85g | 115g | 165g |
| 6ヶ月 | 45g | 75g | 100g | 145g |
| 8ヶ月 | 40g | 65g | 90g | 130g |
小型犬は成長が早く、生後8ヶ月頃には体重がほぼ安定します。子犬のへやの成長曲線データによると、小型犬は出生時体重の約20倍まで成長します。
中型犬(成犬時10〜25kg)の給餌量
| 月齢 | 体重5kg | 体重10kg | 体重15kg |
|---|---|---|---|
| 2ヶ月 | 200g | 340g | 450g |
| 4ヶ月 | 165g | 280g | 375g |
| 6ヶ月 | 145g | 245g | 330g |
| 9ヶ月 | 125g | 215g | 290g |
大型犬(成犬時25kg以上)の給餌量
| 月齢 | 体重10kg | 体重20kg | 体重30kg |
|---|---|---|---|
| 2ヶ月 | 340g | 570g | 770g |
| 4ヶ月 | 280g | 475g | 640g |
| 6ヶ月 | 245g | 415g | 560g |
| 9ヶ月 | 215g | 360g | 490g |
| 12ヶ月 | 185g | 315g | 425g |
大型犬は成長期が長く、体重が安定するのは生後12ヶ月以降です。成長期間中は出生時体重の約70倍にまで増加するため、栄養管理がより重要になります。
太りすぎ?痩せすぎ?子犬の適正体重チェックで、愛犬の体型を定期的に確認することをおすすめします。
ふやかしフードの正しい与え方
生後間もない子犬には、ドライフードをそのまま与えることはできません。ふやかして与える方法と、いつ頃ドライフードに切り替えるかを解説します。
nademoの獣医師監修記事でも詳しく解説されていますが、基本的なポイントを押さえておきましょう。
ふやかすのは生後3〜4ヶ月まで
ドライフード🛒をふやかして与えるのは、一般的に生後3〜4ヶ月頃までです。この時期に乳歯が生え揃い、硬いものを噛む力がついてきます。
ふやかしが必要な理由:
消化器官が未発達で、硬いフードを消化しにくい
乳歯が生え揃う前は硬いものを噛めない
水分補給にもなる
ふやかし方のポイント(温度・時間)
正しいふやかし方を覚えておきましょう。
適切な温度 ぬるま湯(30〜40度、人肌程度)を使用します。熱湯は栄養素を壊す可能性があるため避けてください。
ふやかし時間 15〜30分程度が目安です。フードがひたひたになる量のぬるま湯を注ぎ、ラップをかけて蒸らします。
重要なポイント
ふやかしに使った水分は捨てずに一緒に与える(栄養素が溶け出ているため)
作り置きはせず、食べきる分だけ作る
残したら廃棄する(細菌が繁殖しやすい)
ドライフードへの切り替え方
ふやかしフードからドライフードへの移行は、1週間〜10日かけて徐々に行います。
切り替えステップ
1〜3日目:ふやかし時間を短くする(水分量はそのまま)
4〜6日目:水分量を少しずつ減らす
7〜10日目:ほぼドライの状態に
その後:完全にドライフードへ
便の状態をチェックしながら進めてください。便が柔らかくなったら、切り替えのペースを緩めましょう。
離乳食から固形フードへ:子犬の食事切り替え術でより詳しい方法を解説しています。
小型犬の子犬に注意したい低血糖症
チワワやトイプードルなどの超小型犬・小型犬の子犬は、特に低血糖症に注意が必要です。アニコム損保のどうぶつ病気大百科によると、生後3ヶ月程度までの子犬に多く見られる症状です。
低血糖症の原因と症状
低血糖症は、血液中のブドウ糖(血糖)が著しく低下し、体が正常に機能できなくなる状態です。一般的に血糖値60mg/dl以下で発症します。
主な原因
長時間の空腹
寒さによるエネルギー消費
寄生虫やウイルス感染
肝機能の未発達
症状
元気がない、ぐったりする
ふらつき、よろめき
震え、痙攣
体が冷たい
下痢、嘔吐
重症化すると命に関わるため、早期発見が重要です。
予防のための食事管理
低血糖症は適切な食事管理で予防できます。
食事回数の確保
6〜8時間以上の空腹を避ける
超小型犬は生後4ヶ月頃まで1日4回以上の食事を
夜間も長時間空けないよう配慮
環境管理
室温を適切に保つ(寒さはエネルギー消費を増加させる)
ストレスの少ない環境を整える
過度な運動を避ける
栄養価の高いフード🛒選び
パピー用の高カロリーフードを選ぶ
おやつも栄養価を考慮して選ぶ
万が一の応急処置
低血糖症の症状が現れたら、以下の応急処置を行いながら動物病院へ連絡しましょう。
砂糖水の与え方
小さじ1杯の砂糖を少量のぬるま湯に溶かす
スポイトや指で少量ずつ口に含ませる
舐めさせる程度でOK
注意点
意識がない、痙攣中の場合は口から与えない
無理に飲ませると誤嚥の危険
応急処置後は必ず動物病院を受診
月齢に合った子犬用フードの選び方
子犬には「パピー用」「子犬用」と表示されたフードを選びましょう。AKC(アメリカンケネルクラブ)の給餌ガイドでも、成長期に適したフード選びの重要性が強調されています。
パピー用フードの特徴
パピー用フードは、成犬用と比べて以下の特徴があります。
高タンパク:筋肉や臓器の発達に必要
高脂質:エネルギー源として重要
カルシウム・リン:骨の成長に必要
DHA:脳の発達をサポート
小粒設計:子犬の小さな口でも食べやすい
高タンパク・高脂質の重要性
AAFCO(米国飼料検査官協会)の基準では、子犬用フード🛒には以下の栄養素が必要とされています。
| 栄養素 | 子犬用基準 | 成犬用基準 |
|---|---|---|
| タンパク質 | 22.5%以上 | 18%以上 |
| 脂質 | 8.5%以上 | 5.5%以上 |
成長期の子犬は、成犬よりも多くのタンパク質と脂質を必要とします。質の良い動物性タンパク質(チキン、ビーフ、サーモンなど)を主原料としたフードがおすすめです。
ただし、大型犬の子犬は脂質が多すぎると肥満のリスクがあり、骨や関節に負担がかかります。大型犬用パピーフードを選ぶか、脂質12%前後を目安にしましょう。
成犬用フードへの切り替え時期
成犬用フードへの切り替えは、体の成長がほぼ完了したタイミングで行います。
| 犬のサイズ | 切り替え時期 |
|---|---|
| 超小型犬・小型犬 | 生後9〜10ヶ月頃 |
| 中型犬 | 生後12ヶ月頃 |
| 大型犬 | 生後12〜18ヶ月頃 |
| 超大型犬 | 生後18〜24ヶ月頃 |
切り替えは1〜2週間かけて徐々に行い、新しいフードの割合を少しずつ増やしていきます。
子犬のおやつ選び:安全で効果的なものは?や犬の食事と栄養:正しいフード選びの科学も参考にしてください。
食事量・回数の調整が必要なサイン
目安表通りに与えていても、個体差によって適量は異なります。愛犬の状態を観察し、必要に応じて量を調整することが大切です。
太りすぎ・痩せすぎのチェック方法
BCS(ボディコンディションスコア)を活用して、愛犬の体型をチェックしましょう。
適正体型の目安(BCS 3/5)
上から見て腰にくびれがある
横から見て腹部が引き締まっている
肋骨が薄い脂肪に覆われ、触ると感じられる
太りすぎのサイン
くびれが分かりにくい
肋骨が触りにくい
腹部がたるんでいる
→ 食事量を5〜10%減らす
痩せすぎのサイン
肋骨が目で見える
腰のくびれが極端
背骨が浮き出ている
→ 食事量を5〜10%増やす
便の状態で分かる消化の具合
便は消化状態を知る重要なバロメーターです。
| 便の状態 | 意味 | 対応 |
|---|---|---|
| 適度な硬さ、形がある | 適切 | 現状維持 |
| 柔らかい、形が崩れる | 消化不良/量が多い | 量を減らす |
| 硬すぎる、コロコロ | 水分不足/量が少ない | 量を増やす・水分補給 |
| 下痢が続く | 病気の可能性 | 動物病院へ |
食べ残しや食いつきの悪さへの対応
食べ残しが多い場合
1回の量を減らし、回数を増やす
フード🛒の温度を変えてみる(人肌程度に温める)
別のフードを試す
食いつきが悪い場合
運動量を増やして食欲を促進
おやつの与えすぎを見直す
体調不良の可能性もあるので様子を観察
毎日チェック!子犬の健康状態10のポイントも参考に、日々の変化を見逃さないようにしましょう。
まとめ:子犬の健やかな成長のために
子犬の食事量と回数は、月齢や体重によって大きく異なります。この記事のポイントをまとめます。
食事回数の目安
生後〜2ヶ月:1日4〜5回
生後3〜5ヶ月:1日3〜4回
生後6ヶ月〜1歳:1日2〜3回
食事量の計算
RER × 活動係数 = DER(1日必要カロリー)
DER ÷ フードカロリー × 100 = 1日の給餌量
重要なポイント
超小型犬は低血糖に注意し、こまめな食事を
ふやかしフードは生後3〜4ヶ月まで
パピー用フードで必要な栄養を確保
体型と便の状態を見ながら量を調整
目安はあくまで参考値です。同じ月齢でも犬種や個体によって必要量は異なります。愛犬をよく観察し、不安なことがあれば獣医師に相談しましょう。
子犬との幸せな暮らし方は、適切な食事管理から始まります。成長期にしっかりと栄養を摂り、健康な体の基礎を作ってあげてください。






