「うちの子犬、ちょっと太りすぎかな?」「もしかして痩せすぎ?」——子犬を迎えたばかりの飼い主さんなら、一度は抱く不安ではないでしょうか。
子犬の体重管理は、将来の健康を左右する重要なポイントです。しかし、犬種や個体によって適正体重は大きく異なるため、単純に体重計🛒の数字だけで判断することはできません。そこで活用したいのが、獣医師も使用するBCS(ボディコンディションスコア)という評価方法です。
この記事では、子犬の適正体重をチェックする具体的な方法から、太りすぎ・痩せすぎのサインと対処法まで、信頼できる獣医師監修の情報をもとに詳しく解説します。愛犬の健康管理にぜひ役立ててください。
なぜ子犬の体重管理が重要なのか
子犬期の体重管理を軽視すると、成犬になってからも深刻な健康問題を引き起こす可能性があります。子犬との幸せな暮らしを送るためにも、この時期の体重管理がなぜ重要なのかを理解しておきましょう。

子犬期の肥満は成犬後も続きやすい
子犬期に肥満になると、脂肪細胞の数が増加し、その体質が成犬になっても継続する傾向があります。一度増えた脂肪細胞は減らすことが難しく、生涯にわたって太りやすい体質になってしまうのです。
痩せすぎは成長障害のリスク
逆に、痩せすぎも問題です。成長期に必要な栄養が不足すると、骨格や筋肉の発達に悪影響を及ぼします。特に大型犬では、成長期の栄養不足が関節疾患の原因になることもあります。

寿命への影響
Association for Pet Obesity Preventionの調査によると、アメリカの犬の約56%が太りすぎまたは肥満であり、肥満は犬の寿命を最大2年も縮める可能性があることが分かっています。子犬期から適正体重を維持することが、愛犬との長い時間を過ごすための第一歩なのです。
BCS(ボディコンディションスコア)とは
BCS(Body Condition Score:ボディコンディションスコア)とは、犬の体型を数値で評価するシステムです。WSAVA(世界小動物獣医師会)が推奨する世界標準の評価方法で、獣医師も日常的に使用しています。
体重よりBCSが信頼できる理由
「適正体重は何kgですか?」という質問に、明確な答えを出すのは実は難しいのです。その理由は以下の通りです。
犬種ごとに骨格・筋肉量が異なる
チワワとラブラドールでは、同じ「成犬」でも体重は数十倍も違います。さらに同じ犬種でも、個体によって骨格の大きさや筋肉のつき方は異なります。
犬にはBMIが作れない
人間のBMI(体格指数)のような指標は、犬には適用できません。ペトコトの獣医師による解説によると、犬種ごとに体型が大きく異なるため、統一的な計算式を作ることが不可能なのです。だからこそ、視診と触診を組み合わせ🛒たBCSが重要になります。
5段階評価の見方
BCSは一般的に5段階で評価されます(より詳細な9段階評価もあります)。
| BCS | 状態 | 特徴 |
|---|---|---|
| 1 | 痩せすぎ | 肋骨・背骨・腰骨が目視で確認でき、脂肪がほとんどない |
| 2 | やや痩せ | 肋骨が容易に触れ、脂肪の覆いが最小限 |
| 3 | 理想体型 | 肋骨は触れるが見えない、上から見てウエストがある |
| 4 | やや肥満 | 肋骨が触りにくい、ウエストがあまり目立たない |
| 5 | 肥満 | 厚い脂肪に覆われ肋骨が触れない、腹部が垂れ下がる |
ペットラインの解説によると、BCS3が理想的な体型であり、体脂肪率15〜25%程度の状態を指します。BCS3以外に該当する場合は、食事量や運動量の調整が必要です。
自宅でできる子犬の体型チェック方法
BCSの評価は、自宅でも簡単に行うことができます。VCA Animal Hospitalsが推奨するチェックポイントを参考に、3つの方法を紹介します。
肋骨チェック(触診)
最も重要なチェック🛒ポイントが肋骨の触診です。
チェック方法:
子犬の胸の横に手を当てる
軽い圧力で肋骨を触る
骨の感触を確認する
判定基準:
理想:手の甲の骨(指の付け根から手首の間)を触ったときと同じ感触
痩せすぎ:げんこつの関節のように、骨がゴツゴツと感じられる
太りすぎ:手のひらのように、骨がほとんど感じられない
長毛種の場合は見た目だけでは判断が難しいため、必ず触って確認しましょう。
ウエストラインチェック(上から見る)
子犬を上から見下ろして、体のラインを確認します。
チェック🛒方法:
子犬を立たせた状態で、真上から見る
肋骨の後ろから腰にかけてのラインを確認
判定基準:
理想:肋骨から腰にかけて緩やかなくびれがある(砂時計型)
痩せすぎ:くびれが極端で、腰骨が突出している
太りすぎ:くびれがなく、寸胴体型になっている
アブドミナルタック(横から見る)
子犬を横から見て、腹部のラインを確認します。
チェック方法:
子犬を立たせた状態で、真横から見る
胸から腹部にかけてのラインを確認
判定基準:
理想:胸から腹部にかけて、緩やかに吊り上がっている
痩せすぎ:腹部が極端に吊り上がり、お腹がへこんでいる
太りすぎ:腹部が垂れ下がっている、または胸と同じ高さ
パグやブルドッグなど、もともと胴が太い犬種は判定が難しいため、肋骨チェックを重視しましょう。
犬種・サイズ別の成長と体重目安
子犬は生まれてから成犬になるまでに、驚くほどの成長を遂げます。petanの解説によると、犬のサイズによって成長期間と体重増加の倍率は大きく異なります。
小型犬(チワワ、トイプードルなど)
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 成長期間 | 生後8〜10ヶ月 |
| 出生時からの体重増加 | 約20倍 |
| 成犬体重 | 1〜10kg未満 |
小型犬は成長が早く、生後6〜8ヶ月でほぼ成犬の体重に達します。特に生後4〜6ヶ月頃に体重増加のピークを迎えるため、この時期の食事管理が重要です。
生後3ヶ月までの子犬の成長については、別の記事で詳しく解説しています。
中型犬(柴犬、コーギーなど)
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 成長期間 | 生後10〜12ヶ月 |
| 出生時からの体重増加 | 約50倍 |
| 成犬体重 | 10〜25kg |
中型犬は生後9ヶ月頃から成長が緩やかになります。小型犬より成長期間が長いため、パピー用フードから成犬用フード🛒への切り替え時期に注意が必要です。
大型犬(ラブラドール、ゴールデンなど)
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 成長期間 | 生後15〜18ヶ月 |
| 出生時からの体重増加 | 約70倍 |
| 成犬体重 | 25kg以上 |
ヒルズペットの解説によると、大型犬は生後10ヶ月頃でほぼ成犬と同じ大きさになりますが、体が完全に成熟するには15〜18ヶ月かかります。超大型犬(セントバーナードなど)は2年以上成長を続けることもあります。
成長期が長い大型犬は、急激な体重増加が関節に負担をかけるため、特に慎重な体重管理が必要です。
太りすぎ・痩せすぎのサインと対処法
BCSでの評価結果が理想から外れている場合、どのように対処すればよいのでしょうか。
太りすぎのサイン
以下の症状が見られたら、太りすぎの可能性があります。
肋骨を触っても骨が感じられない
上から見てウエストのくびれがない
横から見て腹部が垂れ下がっている
動きが鈍くなった、息切れしやすい
暑がりになった
痩せすぎのサイン
以下の症状が見られたら、痩せすぎの可能性があります。
肋骨や背骨が目視できる
後ろ足の筋肉が薄く、細い印象
毛艶が悪い、パサついている
元気がない、疲れやすい
体温調節がうまくできない(寒がる)
フードと運動での調整方法
BCS3を目指すための基本的な調整方法を紹介します。
太りすぎの場合:
現在の給餌量から10〜15%減らすことから始める
おやつは1日の摂取カロリーの10%以内に抑える
散歩の時間や回数を徐々に増やす
2週間ごとにBCSを再評価し、必要に応じて調整
痩せすぎの場合:
現在の給餌量から10〜15%増やす
食事回数を1回増やす(1日2回→3回など)
高カロリーの子犬用フード🛒に切り替える
激しい運動は控えめにする
月齢別の食事量と回数の目安も参考にしてください。また、初めての散歩を始める際は、運動量を適切に調整することが大切です。
獣医師に相談すべきタイミング
自宅での体重管理で改善が見られない場合は、早めに獣医師に相談しましょう。以下のような症状がある場合は、何らかの疾患が隠れている可能性があります。
すぐに受診すべきケース:
食欲があるのに痩せ続ける
食事量を減らしても太り続ける
1週間で体重が5%以上増減した
嘔吐や下痢を伴う体重変化
元気や食欲の低下を伴う
定期的に確認してもらうべきこと:
ワクチン接種の際にBCSチェックを依頼
成長期は毎月の体重測定
去勢・避妊手術後は代謝が変化するため特に注意
獣医師は専門的な知識と経験から、愛犬に最適なアドバイスを提供してくれます。「こんなことで受診していいのかな」と遠慮せず、気になることがあれば相談しましょう。
まとめ:子犬の適正体重チェックのポイント
子犬の適正体重を管理するために、以下のポイントを押さえておきましょう。
体重より体型(BCS)を重視する
- 犬種や個体差があるため、体重だけでは判断できない - BCS3(理想体型)を目指す
定期的にチェックする
- 肋骨チェック、ウエストライン、アブドミナルタックの3点確認 - 成長期は週1回、成犬は月1回程度
問題があれば早めに対処する
- フード🛒と運動で10〜15%の調整から始める - 改善しない場合は獣医師に相談
子犬期の体重管理が生涯の健康を左右する
- 肥満は寿命を縮める可能性がある - 痩せすぎは成長障害のリスク
愛犬の健康は、日々の観察と適切なケアから始まります。BCSを活用して、子犬の理想的な体型を維持し、長く幸せな時間を過ごしましょう。






