子犬を家族に迎えたら、健康管理🛒で最も重要なのがワクチン接種です。感染症から愛犬を守るためには、適切な時期に正しいワクチンを接種することが欠かせません。
この記事では、子犬のワクチン接種スケジュールを詳しく解説します。混合ワクチンの種類や狂犬病予防接種の義務、副反応への対処法まで、飼い主として知っておくべき情報を網羅しました。子犬との幸せな暮らしの第一歩として、ぜひ参考にしてください。
子犬にワクチンが必要な理由
子犬にワクチン接種が必要な理由を理解することで、適切な時期に接種を受けさせる重要性がわかります。

母犬からの移行抗体と免疫のギャップ
子犬は生まれたとき、母犬からの初乳を通じて「移行抗体」を受け取ります。この移行抗体は生後数週間、子犬を感染症から守る役割を果たします。
しかし、VCA Hospitalsの解説によると、移行抗体は生後6〜16週頃にかけて徐々に減少していきます。この時期は移行抗体が残っているためワクチンの効果が十分に発揮されにくい一方で、感染症にかかるリスクも高まる「免疫のギャップ」が生じます。
そのため、子犬には複数回に分けてワクチンを接種し、移行抗体が減少するタイミングで確実に免疫を獲得させる必要があるのです。

感染症から子犬を守る仕組み
ワクチンには、病原体を弱毒化または不活化したものが含まれています。これを体内に入れることで、実際に感染することなく免疫システムを訓練できます。
ワクチン接種後、体内では抗体が作られ、将来同じ病原体に遭遇したときに素早く対応できるようになります。特にパルボウイルスやジステンパーなどの致死率が高い感染症に対しては、ワクチンによる予防が命を守る唯一の手段といえます。
コアワクチンとノンコアワクチンの違い
犬のワクチンは大きく「コアワクチン」と「ノンコアワクチン」に分類されます。それぞれの特徴を理解して、愛犬に必要な接種を判断しましょう。
コアワクチン:全ての犬に必須の予防接種
コアワクチンは、生活環境にかかわらず全ての犬が接種すべきワクチンです。AKC(アメリカンケネルクラブ)では、以下の感染症に対するワクチンをコアワクチンとして推奨しています。
コアワクチンで予防できる感染症:
| 感染症名 | 症状 | 致死率 |
|---|---|---|
| 犬ジステンパー | 発熱、鼻水、神経症状、けいれん | 治療法なし、高い致死率 |
| 犬パルボウイルス | 激しい嘔吐・下痢、脱水、血便 | 未治療で約91%が死亡 |
| 犬アデノウイルス(肝炎) | 発熱、肝臓障害、眼の白濁 | 急性の場合は数時間で死亡も |
| 狂犬病 | 神経症状、攻撃性、麻痺 | 発症後ほぼ100%死亡 |
これらの感染症は一度かかると完治が難しく、命に関わるものばかりです。子犬の時期に確実に予防することが重要です。
ノンコアワクチン:生活環境で判断する予防接種
ノンコアワクチンは、犬の生活環境やライフスタイルに応じて接種を検討するワクチンです。アニコム損保の解説によると、以下のような感染症が対象となります。
ノンコアワクチンの対象:
犬パラインフルエンザ:呼吸器症状を引き起こす。ドッグラン🛒や犬の多い環境で感染リスクが高い
犬コロナウイルス:消化器症状を引き起こす。子犬で重症化しやすい
レプトスピラ:野生動物や汚染された水から感染する細菌性疾患。アウトドア活動が多い犬に推奨
獣医師と相談し、愛犬の生活スタイルに合った接種計画を立てましょう。
子犬のワクチン接種スケジュール
子犬のワクチン接種は、生後6週頃から始まり、16週頃までに複数回行います。ペット&ファミリー損保の解説を参考に、一般的なスケジュールを紹介します。
1回目:生後6〜8週齢
最初のワクチン接種は生後6〜8週頃に行います。多くの場合、ブリーダーやペットショップで1回目の接種を済ませてから子犬を引き渡します。
この時期はまだ母犬からの移行抗体が残っているため、ワクチンの効果が十分に発揮されない可能性があります。そのため、1回目の接種だけでは免疫が確立されません。
1回目の接種内容(一般的な例):
5種または6種混合ワクチン(ジステンパー、パルボ、アデノ、パラインフルエンザ等)
2回目:生後10〜12週齢
2回目の接種は、1回目から3〜4週間後の生後10〜12週頃に行います。この時期になると移行抗体が減少し始め、ワクチンによる免疫獲得が期待できるようになります。
子犬を迎えたばかりの飼い主さんは、この2回目の接種から動物病院🛒に連れていくことが多いでしょう。かかりつけ医を決める良い機会でもあります。
3回目:生後14〜16週齢
3回目の接種は生後14〜16週頃に行います。SBIペット保険の解説によると、この時期には移行抗体がほぼなくなり、ワクチンによる免疫が確実に獲得できます。
また、狂犬病ワクチンもこの時期に初めて接種することが一般的です。
生後3ヶ月までの子犬の成長カレンダーと合わせて、ワクチン接種のスケジュールを管理すると便利です。
成犬になってからの追加接種
子犬期のワクチン接種が完了した後も、定期的な追加接種(ブースター接種)が必要です。
追加接種のスケジュール:
最終接種から1年後に追加接種
その後は1〜3年ごとに追加接種(ワクチンの種類や獣医師の判断による)
成犬になると免疫が安定するため、接種間隔は長くなる傾向があります。ただし、狂犬病ワクチンは年1回の接種が法律で義務づけられています。
狂犬病予防接種:法律で義務づけられた予防接種
日本では狂犬病予防法により、犬への狂犬病ワクチン接種が義務づけられています。飼い主として法律を正しく理解しておきましょう。
狂犬病予防法の規定
大阪健康安全基盤研究所によると、狂犬病予防法では以下のことが定められています。
飼い主の義務:
犬の登録:生後91日以上の犬を取得したら30日以内に市町村に届け出
狂犬病予防注射:毎年1回の接種(4月1日〜6月30日の期間)
鑑札・注射済票の装着:犬に着けておく義務
狂犬病は発症するとほぼ100%死亡する恐ろしい病気です。日本では1957年以降、国内での発生はありませんが、これはワクチン接種が徹底されているおかげです。
接種時期と届け出の手続き
子犬の場合、狂犬病ワクチンは生後91日以上になってから接種します。混合ワクチンの3回目接種と同時期に行うことが多いです。
届け出の流れ:
動物病院で狂犬病予防注射を接種
獣医師から「狂犬病予防注射済証」を受け取る
市町村の窓口で犬の登録と注射済票の交付を受ける
鑑札と注射済票を犬の首輪🛒などに装着
集合注射会場での接種も可能ですが、子犬の場合は動物病院での接種をおすすめします。
違反した場合の罰則
狂犬病予防法に違反した場合、20万円以下の罰金が科せられます。
罰則の対象となる行為:
犬の登録をしていない
狂犬病予防注射を受けさせていない
鑑札・注射済票を犬に装着していない
2019年には国内で174件の検挙があったと報告されています。愛犬と社会の安全のため、必ず法律を守りましょう。
混合ワクチンの種類と選び方
混合ワクチンには5種、6種、7種、8種などの種類があります。愛犬の生活環境に合った種類を選ぶことが大切です。
5種・6種混合ワクチン:室内飼いの犬向け
5種混合ワクチンは、コアワクチンの成分を中心に構成された基本的なワクチンです。
5種混合ワクチンの内容:
犬ジステンパー
犬パルボウイルス
犬アデノウイルス1型(伝染性肝炎)
犬アデノウイルス2型
犬パラインフルエンザ
6種混合ワクチンには、上記に加えて犬コロナウイルスが含まれます。
5種・6種が向いている犬:
主に室内で生活している
散歩は近所の舗装された道路が中心
野生動物との接触がほとんどない
費用の目安は5,000円〜7,000円程度です。
7種・8種混合ワクチン:アウトドア派の犬向け
7種・8種混合ワクチンには、5種・6種の内容に加えてレプトスピラ菌に対する成分が含まれています。
レプトスピラ感染症とは:
ネズミなどの野生動物が保菌
汚染された水や土壌から感染
人にも感染する人獣共通感染症
西日本や沖縄で発生例が多い
7種・8種が向いている犬:
キャンプや登山などアウトドア活動をする
田んぼや川の近くを散歩する
ドッグランを頻繁に利用する
費用の目安は6,000円〜9,000円程度です。
愛犬に合ったワクチンの選び方
ワクチン選びで迷ったら、以下のポイントを獣医師に相談しましょう。
相談すべきポイント:
住んでいる地域の感染症発生状況
普段の散歩コースや活動範囲
ドッグランやペットホテルの利用頻度
愛犬の犬種(ミニチュアダックスフンドなど副反応が出やすい犬種もある)
特にミニチュアダックスフンドは、レプトスピラを含む7種以上のワクチンで副反応が出やすいと報告されています。犬種による注意点も獣医師に確認してください。
ワクチン接種前後の注意点
ワクチン接種の効果を最大限に引き出し、副反応のリスクを減らすために、接種前後の過ごし方に注意しましょう。
接種前に確認すべきこと
ワクチン接種前には、以下の点を確認してください。
接種前のチェックリスト:
体温は正常か(平熱は38〜39℃)
食欲はあるか
下痢や嘔吐はないか
元気に動き回っているか
前回のワクチンで副反応はなかったか
体調が悪いときは無理に接種せず、獣医師に相談して延期を検討しましょう。
接種後の過ごし方
ワクチン接種後は、愛犬の様子を注意深く観察することが大切です。
接種後の注意点:
接種後30分は病院で様子を見る(重篤な副反応は30分以内に出やすい)
当日は激しい運動を避ける
シャンプー🛒は2〜3日後まで控える
接種部位を強くこすらない
いつもより静かに過ごさせる
ペット&ファミリー損保の解説によると、副反応は接種後24時間以内、特に3〜4時間以内に出やすいとされています。午前中に接種して、何かあればすぐに病院に行ける状態にしておくと安心です。
散歩デビューはいつから?
子犬の散歩デビューは、ワクチン接種のスケジュールと密接に関係しています。
散歩デビューの目安:
安全を重視するなら:3回目のワクチン接種後2週間以降
社会化を重視するなら:2回目のワクチン接種後(抱っこ散歩から開始)
感染症のリスクと社会化の重要性のバランスを考えて、獣医師と相談しながら決めましょう。詳しくは初めての散歩デビュー:いつから?どこから?をご覧ください。
ワクチンの副反応と対処法
ワクチン接種後に副反応が出ることがあります。症状の程度を見極めて、適切に対処しましょう。
軽度の副反応:様子を見て良いケース
軽度の副反応は比較的よく見られ、通常は1〜2日で自然に回復します。
軽度の副反応の症状:
接種部位の軽い腫れや痛み
元気がない、ぐったりしている
食欲の低下
微熱
これらの症状が見られても、悪化しなければ安静にして様子を見ましょう。ただし、症状が24時間以上続く場合は獣医師に相談してください。
重度の副反応:すぐに病院へ行くべきケース
以下の症状が見られた場合は、すぐに動物病院を受診してください。
緊急性の高い症状:
顔(特に目や口の周り)の腫れ
全身のじんましん、激しいかゆみ
繰り返す嘔吐や下痢
呼吸困難、ゼーゼーという呼吸音
ぐったりして動かない
これらの症状はアレルギー🛒反応の可能性があり、放置すると命に関わることがあります。
アナフィラキシーショックへの対応
アナフィラキシーショックは、ワクチン接種後に起こりうる最も重篤な副反応です。
アナフィラキシーの特徴:
接種後30分以内に発症することが多い
急激な血圧低下、虚脱状態
呼吸困難、チアノーゼ(歯茎が青白くなる)
意識がもうろうとする
アナフィラキシーが疑われる場合は、一刻も早く獣医師の処置が必要です。アドレナリン投与や点滴など、緊急治療が行われます。
副反応が出やすい犬種: 日本では小型犬種、特にミニチュアダックスフンドで副反応の発生率が高いと報告されています。過去に副反応が出たことがある場合は、事前に獣医師に伝え、予防措置を相談しましょう。
ワクチン接種の費用と動物病院の選び方
ワクチン接種にかかる費用と、信頼できる動物病院の選び方について解説します。
混合ワクチンの費用相場
ワクチン接種の費用は、動物病院や地域によって異なります。
ワクチン費用の目安:
| ワクチンの種類 | 費用相場 |
|---|---|
| 5種混合ワクチン | 5,000円〜7,000円 |
| 6種混合ワクチン | 5,500円〜7,500円 |
| 7種混合ワクチン | 6,000円〜8,000円 |
| 8種混合ワクチン | 6,500円〜9,000円 |
| 狂犬病ワクチン | 2,500円〜3,500円 |
| 狂犬病登録料(初回のみ) | 3,000円程度 |
初年度は3回の混合ワクチンと狂犬病ワクチンで、合計2万円〜3万円程度かかることを想定しておきましょう。
信頼できるかかりつけ医を見つけるポイント
子犬のワクチン接種をきっかけに、長く付き合えるかかりつけ医を見つけましょう。
動物病院選びのポイント:
自宅から通いやすい距離にある
獣医師が丁寧に説明してくれる
質問しやすい雰囲気がある
緊急時の対応体制が整っている
ワクチン接種後の様子見時間を設けている
複数の病院を比較検討し、愛犬と相性の良い病院を見つけてください。
よくある質問
子犬のワクチン接種について、飼い主さんからよく寄せられる質問に回答します。
ワクチンを打ち忘れたらどうすればいい?
ワクチン接種の間隔が空いてしまった場合は、できるだけ早く獣医師に相談しましょう。
対処法:
1〜2週間程度の遅れ:予定通り接種を継続
1ヶ月以上の遅れ:獣医師と相談し、接種スケジュールを再検討
成犬で1年以上空いた場合:複数回の接種が必要になることも
間隔が空くと免疫が不十分になる可能性があるため、スケジュール通りの接種を心がけましょう。
他の犬と接触させるのはいつから?
他の犬との接触は、ワクチン接種の完了と社会化期のバランスを考えて判断します。
接触開始の目安:
ワクチン接種が完了した犬のみ:2回目接種後から可能
不特定多数の犬が集まる場所:3回目接種後2週間以降
子犬の社会化期を逃さない!最適な時期と方法も参考に、感染リスクを抑えながら社会化を進めましょう。
抗体検査でワクチンの効果を確認できる?
抗体検査(ワクチン抗体価検査)で、体内の抗体量を測定できます。
抗体検査の活用:
ワクチンの効果が十分かどうかを確認
追加接種の必要性を判断
アレルギー🛒体質の犬で、不要な接種を避ける
ただし、狂犬病ワクチンは抗体検査の結果にかかわらず、法律で毎年の接種が義務づけられています。
まとめ:愛犬の健康を守るワクチンスケジュール
子犬のワクチン接種は、愛犬の健康を守るための最も基本的な予防措置です。
ワクチン接種のポイント:
生後8週頃から16週頃にかけて3回の混合ワクチン接種
狂犬病ワクチンは生後91日以上で接種、以降毎年1回義務
生活環境に合わせて5種〜8種の混合ワクチンを選択
副反応に注意し、異常があればすぐに病院へ
ワクチン接種のスケジュールを守り、愛犬を感染症から守りましょう。子犬期のワクチン接種が完了すれば、安心して散歩やドッグランを楽しめるようになります。
かかりつけの獣医師と相談しながら、愛犬に最適な予防計画を立ててください。






