子犬を迎えたばかりの飼い主さんにとって、愛犬の健康状態を把握することは最も大切な責任のひとつです。成犬に比べて抵抗力が低く、体調の変化が急激に進むことがある子犬だからこそ、毎日の健康チェックが命を守る鍵となります。この記事では、自宅で簡単にできる子犬の健康チェック10のポイントを詳しく解説します。
はじめに:なぜ毎日の健康チェックが大切なのか
子犬は成犬と比べて免疫システムが未発達で、環境の変化やストレスに敏感です。アメリカンケネルクラブ(AKC)の獣医師によると、「子犬の小さな異変を見つけるためには、日々丁寧に健康状態をチェックすることが不可欠」とされています。

みんなのブリーダーの獣医師監修記事でも、「最初はたいしたことないと思っていても、急に悪くなることがある」と警告されています。毎日の観察を習慣化することで、病気の早期発見・早期治療につながり、愛犬の命を守ることができるのです。
健康チェックは難しいものではありません。スキンシップを兼ねて、愛犬がリラックス🛒しているときに優しく触れながら行うのがコツです。それでは、具体的な10のチェックポイントを見ていきましょう。
ポイント1:食欲と飲水量をチェック
食欲は「健康のバロメーター」といっても過言ではありません。毎日の食事の様子を観察し、以下のポイントをチェックしましょう。

食欲のチェックポイント
食べる量:いつもと同じ量を完食しているか
食べ方:ガツガツ食べるか、ゆっくり食べるか、残すか
食べる速度:いつもより遅くないか、途中でやめないか
子犬は成長期のため、基本的に食欲旺盛です。食事を残したり、全く食べようとしない場合は体調不良のサインかもしれません。特に子犬は低血糖を起こしやすく、1日以上食べない場合は動物病院🛒への受診が必要です。
飲水量のチェックポイント
水を飲む量も重要な健康指標です。急に飲む量が増えた場合は糖尿病や腎臓病の可能性があり、逆に減った場合は脱水や体調不良が疑われます。
月齢に応じた適切な食事量については、月齢別・子犬の食事量と回数の目安表も参考にしてください。
ポイント2:うんちの色・形・回数を確認
うんちは体内の状態を映し出す「健康の鏡」です。ユニ・チャームの専門家情報によると、うんちの観察は愛犬の健康管理において非常に重要とされています。
健康なうんちの特徴
| 項目 | 健康な状態 |
|---|---|
| 色 | 黄土色〜茶色〜こげ茶色 |
| 形 | バナナ状でしっかりした形 |
| 硬さ | 拾い上げても形が崩れない |
| 回数 | 子犬は1日5〜6回程度 |
注意が必要なうんちの色
| 色 | 考えられる原因 |
|---|---|
| 黒色 | 胃や小腸など上部消化管からの出血 |
| 赤色・鮮血 | 大腸からの出血、ポリープの可能性 |
| 黄色・オレンジ | 肝臓、膵臓、胆嚢の問題 |
| 緑色 | 胆のうや消化器系の異常(草を食べた場合は一時的) |
| 白っぽい | 脂肪の消化不良、寄生虫の可能性 |
うんちに血液やゼリー状の粘液が混じっている場合は、腸に炎症が起きているサインです。すぐに動物病院を受診しましょう。
ポイント3:おしっこの色と回数を観察
おしっこも健康状態を知る重要な手がかりです。毎日のトイレ🛒の様子をしっかり観察しましょう。
正常なおしっこの特徴
色:透明な淡い黄色
におい:きつすぎない
回数:子犬は1日7〜10回、成犬は3〜5回
注意が必要なサイン
血尿:膀胱炎、尿路結石、腫瘍の可能性
頻尿:少量を何度もする場合は膀胱炎の疑い
濃い色:脱水の可能性
排尿時の痛み:鳴いたり、排尿姿勢を長く取る
特に子犬のメスは尿路感染症にかかりやすいため、おしっこの状態は毎日確認することが大切です。
ポイント4:目の状態をチェック
目は「心の窓」であると同時に、健康状態を映し出す重要な器官です。みんなのどうぶつ病気大百科では、目の異常について詳しく解説されています。
健康な目の特徴
澄んでいてキラキラしている
充血していない
涙や目やにが過剰でない
左右対称
目やにの見分け方
| 目やにの状態 | 判断 |
|---|---|
| 黒や茶褐色で少量 | 正常(代謝による) |
| クリーム色・灰色で少量 | 様子見 |
| 黄色くドロッとしている | 細菌感染の可能性 |
| 白くネバネバしている | 角膜炎・結膜炎の可能性 |
涙やけについて
子犬は目の周りの筋肉が未発達なため、涙があふれやすく「涙やけ」が起こりやすいです。成長とともに改善することが多いですが、継続する場合は流涙症などの病気が隠れている可能性もあります。シーズー、チワワ、パグなどの短頭種は特に注意が必要です。
ポイント5:耳の中を確認する
耳のトラブルは犬に多い健康問題のひとつです。特に垂れ耳の犬種や耳毛の多い犬種は、耳道内が蒸れやすく外耳炎になりやすい傾向があります。
耳のチェックポイント
におい:異臭がしないか
汚れ:黒や黄色の耳垢が多くないか
見た目:赤みや腫れがないか
行動:頭を振る、耳を掻くなどしていないか
正常な耳の状態
健康な耳はピンク色で、軽い耳垢がある程度です。強いにおいや、べたべたした黒い耳垢がある場合は、耳ダニや外耳炎の可能性があります。
耳掃除の頻度
月に1〜2回程度、柔らかい🛒ガーゼで優しく拭く程度で十分です。綿棒を奥まで入れるのは危険なので避けましょう。子犬のうちから耳を触られることに慣れさせておくと、その後のケアがスムーズになります。
ポイント6:体重の変化を記録
子犬の成長期において、体重管理は非常に重要です。定期的な体重測定で、健康的に成長しているかを確認しましょう。
体重測定のポイント
頻度:週に1回以上が理想的
タイミング:できるだけ同じ時間帯に測定
記録:成長曲線と比較できるよう記録を残す
子犬の成長目安
生後10日で出生時体重の約2倍
生後4〜5ヶ月で成犬時体重の約半分
小型犬は生後6ヶ月頃、大型犬は1〜2歳で成長が落ち着く
注意が必要な体重変化
急激な体重減少:病気や寄生虫の可能性
急激な体重増加:過食や内分泌疾患の可能性
成長曲線からの大きなずれ:獣医師に相談
愛犬が適正体重かどうか心配な方は、太りすぎ?痩せすぎ?子犬の適正体重チェックもご覧ください。
ポイント7:元気・活動量をチェック
子犬は基本的に好奇心旺盛で活発です。いつもと比べて元気がない場合は、体調不良のサインかもしれません。
元気度のチェックポイント
反応:呼びかけに反応するか
動き:いつも通り動き回っているか
遊び:おもちゃや遊びに興味を示すか
姿勢:ぐったりしていないか
注意が必要な行動
寝ている時間が極端に長い
動きたがらない、立ち上がらない
震えている
隅っこでじっとしている
ワンペディアの獣医師監修記事によると、「いつもと違う」と感じたら、それが病気の最初のサインである可能性があります。痛みを感じている場合、犬は動きたがらなくなることが多いです。
ポイント8:皮膚と被毛の状態を見る
皮膚と被毛は、体の内側の健康状態を反映しています。定期的なブラッシング🛒の際にチェックしましょう。
健康な皮膚・被毛の特徴
被毛:艶があり、しなやか
皮膚:ピンク色で、乾燥やベタつきがない
フケ:少量は正常、大量は要注意
チェックすべきポイント
赤み・湿疹:アレルギーや皮膚炎の可能性
脱毛:ストレス、栄養不足、皮膚病
かゆみ:舐める、噛む、こすりつける行動
黒いゴマのようなもの:ノミの糞の可能性
小さな虫:ノミやダニ
特に耳の後ろ、脇の下、お腹、内股などは皮膚トラブルが起きやすい部位です。重点的にチェックしましょう。
ポイント9:鼻と口腔内の確認
鼻と口は、呼吸器系や消化器系の健康状態を知る手がかりになります。
鼻のチェックポイント
湿り気:適度に湿っているのが正常
鼻水:透明で少量なら問題なし、黄色や緑は感染症の疑い
ひび割れ:乾燥しすぎていないか
よく「鼻が乾いていると病気」と言われますが、寝起きは乾いていることもあり、必ずしも病気のサインではありません。他の症状と合わせて判断しましょう。
口腔内のチェックポイント
歯茎の色:ピンク色が正常(色素沈着で黒い部分があるのは個体差)
歯茎を押した後の反応:白くなっても2秒以内にピンクに戻れば正常
口臭:きつい口臭は歯周病や内臓疾患の可能性
歯:欠け、変色、歯石がないか
子犬の乳歯は生後3〜7ヶ月で永久歯に生え変わります。この時期は歯茎が敏感になることがありますが、正常な成長過程です。
ポイント10:呼吸と体温をチェック
VCA Animal Hospitalsによると、呼吸数と体温は犬の健康状態を知る重要なバイタルサインです。
正常な呼吸
安静時の呼吸数:1分間に18〜34回
呼吸の様子:穏やかでスムーズ
異常なサイン:ゼーゼー、ヒューヒューという音、過度のパンティング
正常な体温
正常範囲:37.8℃〜39.2℃(100°F〜102.5°F)
危険な体温:40℃以上または37℃以下
体温測定は直腸で行うのが最も正確ですが、慣れていないと難しいため、動物病院で教えてもらうことをおすすめします。耳で測る体温計🛒もありますが、正確性は直腸測定に劣ります。
すぐに病院へ!危険な症状リスト
以下の症状が見られた場合は、様子を見ずにすぐに動物病院を受診してください。
緊急性の高い症状
| 症状 | 考えられる原因 |
|---|---|
| 24時間以上食べない | 低血糖、感染症、異物摂取 |
| 繰り返す嘔吐・下痢 | 感染症、中毒、腸閉塞 |
| 血便・血尿 | 消化管出血、膀胱炎 |
| ぐったりして動かない | 低血糖、脱水、重篤な感染症 |
| 呼吸困難 | 心臓病、肺炎、アレルギー |
| けいれん | 低血糖、てんかん、中毒 |
| 意識がもうろうとしている | 低血糖、中毒、脳疾患 |
| お腹が急に膨らんだ | 胃拡張・胃捻転(緊急) |
犬との暮らし大百科でも、特に子犬や老犬は体力がないため、早めの受診が重要と強調されています。
子犬の低血糖に注意
子犬は体が小さく、エネルギーの蓄えが少ないため低血糖を起こしやすいです。ぐったりする、震える、ふらつくなどの症状が見られたら、すぐに砂糖水を舐めさせ、動物病院に連絡してください。
毎日の健康チェックを習慣にするコツ
健康チェックを負担に感じず、毎日続けるためのコツをご紹介します。
スキンシップを兼ねて行う
健康チェックは、愛犬とのスキンシップの時間と考えましょう。リラックスしているときに優しく体を触りながら、自然にチェックできます。
決まったタイミングを作る
朝:起きたときの様子、おしっこ・うんちの確認
食事時:食欲のチェック
夕方:散歩前後の元気度
夜:ブラッシング🛒しながら全身チェック
記録をつける
スマートフォンのメモアプリやノートに、気づいたことを簡単に記録しておくと、獣医師に相談するときに役立ちます。体重の推移もグラフ化すると変化がわかりやすいです。
定期的な獣医師との連携
毎日のセルフチェックに加え、子犬のうちは月に1回程度の健康診断を受けることをおすすめします。プロの目で見てもらうことで、飼い主が見落としがちな異常を発見できます。
健康チェックを含め、子犬との生活全般について知りたい方は、子犬との幸せな暮らし方もぜひご覧ください。
まとめ
子犬の健康を守るために、毎日チェックすべき10のポイントをおさらいしましょう。
食欲と飲水量 - 健康のバロメーター
うんちの色・形・回数 - 消化器系の状態がわかる
おしっこの色と回数 - 泌尿器系の健康指標
目の状態 - 目やに、涙やけ、充血をチェック
耳の中 - におい、汚れ、赤みを確認
体重の変化 - 成長曲線に沿っているか
元気・活動量 - いつもと違う様子がないか
皮膚と被毛 - 艶、かゆみ、ノミ・ダニ
鼻と口腔内 - 鼻の湿り気、歯茎の色
呼吸と体温 - バイタルサインの確認
子犬は言葉で体調不良を伝えることができません。だからこそ、飼い主である私たちが毎日の観察を通じて、愛犬の「いつも」を知り、「いつもと違う」に気づくことが大切です。
毎日の健康チェックを習慣にすることで、病気の早期発見・早期治療につながり、愛犬との幸せな時間を長く過ごすことができます。今日から、スキンシップを兼ねた健康チェックを始めてみませんか?






