避妊・去勢手術後の適切なケアは、愛犬の回復を早め、合併症を防ぐために非常に重要です。この記事では、手術当日から完全回復までの具体的なケア方法と注意点を詳しく解説します。
手術当日のケア
手術から帰宅した愛犬は、麻酔の影響でふらついたり、ぼんやりしていることがあります。この時期の適切なケアが、スムーズな回復の鍵となります。

静かな環境を用意する
帰宅後は、静かで落ち着いた場所で休ませましょう。他のペットや小さな子供がいる場合は、別の部屋で休ませることをおすすめします。興奮や急な動きは傷口に負担をかけるため、できるだけ穏やかな環境を整えてください。
ケージやサークル🛒を使用して、安静を保つのも効果的です。愛犬が安心して休める、適度に暗く静かなスペースを確保しましょう。
食事と水分摂取

手術当日の夕食は、いつもよりも控えめに与えます。麻酔の影響で胃腸の動きが鈍くなっているため、通常量を食べると嘔吐や下痢の原因となる可能性があります。
水は少量ずつ与え、一度に大量に飲ませないよう注意してください。翌日からは通常通りの量に戻しても問題ありませんが、愛犬の様子を見ながら調整しましょう。
エリザベスカラーの使用
エリザベスカラー(エリカラ)は、犬が傷口を舐めたり噛んだりするのを防ぐための重要なアイテムです。多くの飼い主が「かわいそう」と感じますが、傷口の感染や縫合部の裂開を防ぐために必要不可欠です。
装着期間
小型犬で7〜10日間、中・大型犬で10〜14日間の装着が基本です。抜糸が終わるまでは確実に装着を続けましょう。
抜糸直後は傷口のまわりが気になったり、痒くなったりすることがあるため、エリザベスカラーは様子を見ながら1〜2日かけて外すようにします。急に外すと、愛犬が傷口を舐めて炎症を起こす可能性があります。
エリカラ装着時の注意点
食事や水を飲む際に邪魔にならないよう、器の高さを調整する
ドアや家具にぶつからないよう、動線に配慮する
寝る際にカラーが当たって眠れない場合は、クッション🛒などで工夫する
定期的にカラーの内側を清潔に保つ
エリザベスカラーの代わりに、術後服(手術用ウェア)を使用する選択肢もあります。愛犬の性格や体格に合わせて、最適な方法を選びましょう。
傷口の観察とケア
術後の傷口管理は、感染症を防ぎ、順調な治癒を促すために極めて重要です。
毎日のチェックポイント
1日2回、朝晩に傷口を観察してください。チェック🛒する項目は以下の通りです:
赤みや腫れ:軽度の赤みは正常ですが、日を追うごとに悪化する場合は要注意
分泌物:透明な液体は正常範囲内ですが、膿のような黄色や緑色の分泌物は感染のサイン
出血:少量のにじみ程度は許容範囲ですが、継続的な出血は問題です
悪臭:傷口から異臭がする場合は感染の可能性があります
縫合糸の状態:糸が緩んだり、一部が外れたりしていないか確認
異常のサインと対処法
以下の症状が見られた場合は、すぐに動物病院に連絡してください:
傷口が大きく腫れている、または腫れが悪化している
傷口から膿が出ている
傷口が開いている(縫合部が裂けている)
発熱(体温が39.5℃以上)
元気がなく、ぐったりしている
食欲がまったくない状態が24時間以上続く
安静期間と運動制限
術後の適切な安静は、傷口の治癒を促進し、合併症を防ぐために不可欠です。
手術後1週間の過ごし方
術後1週間は激しい運動を控え、安静に過ごすことが大切です。具体的には:
室内での過ごし方:ジャンプや階段の上り下りは禁止。サークル🛒やケージでの安静が理想的
散歩:最初の2〜3日は散歩を控えるか、排泄のみの短時間にする
遊び:他の犬との遊びや、激しいおもちゃ遊びは避ける
散歩の再開
散歩の再開は手術後1週間が目安です。ただし、以下の点に注意してください:
走らせない、引っ張らせない
リードは短めに持ち、ゆっくり歩く
ドッグランなど興奮しやすい場所は避ける
他の犬との接触は最小限にする
抜糸が終わり、傷口が完全に塞がるまでは、通常の運動レベルに戻さないようにしましょう。
抜糸のタイミングと抜糸後のケア
抜糸の時期
傷口の経過が良ければ、1週間〜10日程度で抜糸ができます。動物病院で指定された日に必ず来院しましょう。
一部の動物病院では、溶ける糸(吸収糸)を使用し、抜糸が不要なケースもあります。この場合でも、術後1〜2週間後に傷口の状態を確認するための診察は必要です。
抜糸後の注意点
抜糸後も、すぐに通常の生活に戻すのは避けましょう。抜糸直後は傷口が気になったり、痒みを感じたりすることがあります。
エリザベスカラーは1〜2日かけて徐々に外す
シャンプーは抜糸後2〜3日待ってから
激しい運動は抜糸後3〜4日経ってから
シャンプーと清潔管理
シャンプー再開のタイミング
シャンプーは抜糸後2〜3日経ってからが安全です。手術前の準備で手術の1週間前にシャンプーを済ませているため、合計で2〜3週間シャンプーできないことになります。
術後の清潔管理
シャンプーができない期間は、以下の方法で清潔を保ちましょう:
濡れタオルで体を拭く(傷口は避ける)
ドライシャンプー🛒を使用する(傷口周辺は避ける)
雨の日の散歩は控える
泥や汚れが付いた場合は、傷口以外を優しく拭く
術後の食事管理と体重コントロール
避妊・去勢手術後は、ホルモンバランスの変化により太りやすくなります。適切な食事管理が長期的な健康維持に重要です。
術後の食事量調整
術後1ヶ月かけて、徐々にカロリーを手術前の70%程度に減らしていきます。急激な食事量の変更はストレスになるため、少しずつ調整することが大切です。
体重管理のポイント
週1回の体重測定:定期的に体重をチェックし、増加傾向がないか確認
避妊・去勢後用フード🛒の使用:カロリーが抑えられた専用フードに切り替える
おやつの見直し:おやつのカロリーも計算に入れ、与えすぎに注意
適度な運動:回復後は定期的な運動で適正体重を維持
術後スケジュール表
| 時期 | 主なケア内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 手術当日 | 静かな環境で安静、食事は控えめ | 麻酔の影響でふらつく可能性あり |
| 術後1-3日 | エリカラ装着、傷口チェック2回/日 | 散歩は排泄のみ、激しい運動禁止 |
| 術後4-7日 | 安静継続、短時間の散歩開始 | 走らせない、引っ張らせない |
| 術後7-10日 | 抜糸、傷口の最終確認 | 抜糸後も2-3日は注意 |
| 術後10-14日 | エリカラ除去、シャンプー再開 | 徐々に通常生活に戻す |
| 術後1ヶ月〜 | 食事量調整完了、体重管理開始 | 定期的な体重測定 |
性別による術後ケアの違い
| 項目 | 去勢手術(オス) | 避妊手術(メス) |
|---|---|---|
| 入院期間 | 日帰りが多い | 一泊入院が一般的 |
| 傷の大きさ | 小さい(陰嚢部) | 大きい(腹部) |
| 安静期間 | 7-10日 | 10-14日 |
| エリカラ期間 | 7-10日 | 10-14日 |
| 抜糸時期 | 7日後 | 10日後 |
| 回復の早さ | 比較的早い | やや時間がかかる |
よくある術後のトラブルと対処法
食欲不振
術後1〜2日の食欲低下は正常です。3日以上続く場合は動物病院に相談しましょう。食欲を刺激するために、フードを温めたり、好物を少量混ぜたりする工夫も効果的です。
元気がない
麻酔の影響で術後1〜2日は元気がないことがあります。しかし、3日以上ぐったりしている場合や、動こうとしない場合は、痛みや合併症の可能性があるため、すぐに受診してください。
排泄のトラブル
術後は排便が1〜2日遅れることがあります。3日以上排便がない場合は便秘の可能性があるため、獣医師に相談しましょう。排尿については、術後24時間以内に必ず確認してください。
傷口を気にする
適度に気にするのは正常ですが、執拗に舐めたり噛んだりする場合は、エリザベスカラーがしっかり装着されているか確認しましょう。
まとめ:愛犬の回復をサポートしよう
避妊・去勢手術後の適切なケアは、愛犬の健康な回復と長期的な健康維持🛒に直結します。以下のポイントを押さえましょう:
エリザベスカラーは確実に装着:抜糸まで外さない
傷口を毎日チェック:異常があればすぐに病院へ
安静期間を守る:最低でも1週間は激しい運動を避ける
食事管理を開始:術後は太りやすくなることを認識する
獣医師の指示に従う:疑問があれば遠慮なく相談
避妊手術のメリット・デメリットや去勢手術のメリット・デメリットを理解した上で手術を決断したのですから、術後も責任を持ってケアしましょう。また、適切な手術時期に手術を受けることで、回復も早くなる傾向があります。
愛犬の回復は個体差があります。不安なことがあれば、些細なことでも動物病院に相談して、安心して回復期を過ごせるようサポートしてあげてください。






