わんケアガイドわんケアガイド
犬の歯の健康:デンタルケアで寿命が延びる

犬の歯石除去:方法とタイミング

犬の歯石除去:方法とタイミングの画像

愛犬の歯に茶色や黄色の汚れがついているのに気づいたことはありませんか?それは歯石かもしれません。歯石は放置すると歯周病や全身疾患の原因となり、愛犬の健康寿命に大きく影響します。この記事では、歯石がついてしまった場合の除去方法と、適切なタイミングについて詳しく解説します。

犬の歯石とは?形成されるメカニズム

歯石とは、歯垢(プラーク)が唾液中のカルシウム🛒やマグネシウムなどのミネラルと結合して石灰化したものです。驚くべきことに、犬は人間と比べて歯石が形成されるスピードが非常に速いという特徴があります。

犬の歯石除去:方法とタイミングの画像3

人間の場合、歯垢が歯石になるまで約20日間かかりますが、犬ではわずか2〜3日で歯石化してしまいます。これは犬の唾液がアルカリ性であることが関係しています。一度歯石になってしまうと、家庭での歯磨きでは除去できません。

歯石の形成過程は以下の通りです:

  1. 食事後6〜8時間で歯の表面に歯垢が付着

  2. 歯垢が唾液中のミネラルと結合

  3. 2〜3日で石灰化が進行

  4. 硬い歯石として歯に固着

犬の歯の構造や人間との違いを理解することで、なぜ犬が歯石になりやすいかがよくわかります。

犬の歯石除去:方法とタイミングの画像2

歯石を放置するとどうなる?深刻なリスク

「少しの歯石くらい大丈夫」と思っていませんか?実は、3歳以上の犬の約8割が歯周病または予備軍と言われています。歯石を放置すると、以下のような深刻な問題を引き起こす可能性があります。

歯周病の進行

歯石は細菌の温床となり、歯肉炎から歯周炎へと進行します。歯茎が赤く腫れ、出血や口臭がひどくなります。さらに進行すると、歯を支える骨が溶けて歯が抜け落ちることもあります。

顎の骨折リスク

特に小型犬では、歯周病の炎症が歯の根元まで及ぶと、周辺の骨が溶けてしまいます。下あごの骨が薄くなると、硬いものを噛んだ際に骨折する危険性があります。

全身疾患への影響

歯周病菌が血流に乗って全身に広がると、心臓病(僧帽弁閉鎖不全症)、腎不全、関節炎などの原因となります。研究によると、年1回の歯石除去🛒を受けた犬は死亡リスクが18.3%低下することが明らかになっています。

放置期間起こりうる問題治療の難易度
1ヶ月歯肉の軽い炎症低(歯磨きで改善可能)
3〜6ヶ月歯肉炎・口臭悪化中(専門的クリーニング推奨)
1年以上歯周病・骨吸収高(抜歯が必要な場合も)
数年放置全身疾患リスク増大非常に高い

口臭がひどい場合の原因と改善方法も併せてご確認ください。

歯石除去の方法:動物病院での処置

歯石が付着してしまった場合、動物病院🛒での専門的な歯石除去(スケーリング)が必要です。自宅で無理に取ろうとすると、歯や歯茎を傷つける恐れがあります。

全身麻酔下でのスケーリング

獣医師による歯石除去は、全身麻酔をかけて行われます。全身麻酔でのデンタルクリーニングについて不安を感じる飼い主さんも多いですが、安全に歯の裏側や歯周ポケットの奥まで徹底的にきれいにするためには麻酔が必要です。

処置の流れは以下の通りです:

  1. 術前検査:血液検査やレントゲンで全身状態を確認

  2. 全身麻酔:安全に処置を行うため

  3. 超音波スケーリング:歯石を振動で除去

  4. ハンドスケーリング:細かい部分の歯石を除去

  5. 歯周ポケット清掃:歯茎の内側の汚れを除去

  6. ポリッシング:歯の表面を研磨して滑らかに

  7. 覚醒・経過観察:麻酔から覚めるまで管理

無麻酔での歯石除去について

最近では無麻酔での歯石除去🛒サービスも見かけますが、日本小動物歯科研究会や多くの獣医師は推奨していません。無麻酔の場合、以下のリスクがあります:

  • 歯や歯茎を傷つける可能性

  • 歯周ポケット内の歯石が除去できない

  • 犬に強いストレスを与える

  • かえって歯周病菌を広げてしまう恐れ

見た目はきれいになっても、本当に除去すべき歯肉の下の歯石は取れないことが多いのです。

歯石除去のタイミングと頻度

「いつ歯石除去を受けるべき?」という質問をよく受けます。アメリカ動物病院福祉協会のガイドラインでは、以下が推奨されています。

初回の歯石除去

  • 小型犬・猫:1歳時

  • 大型犬:2歳時

これ以降は、年1回の定期的な歯石除去が推奨されています。

犬種やサイズによる違い

犬のタイプ推奨頻度理由
小型犬年1〜2回歯が密集しており歯石がつきやすい
大型犬年1回比較的歯石がつきにくい
シニア犬(8歳以上)年1〜2回免疫力低下により歯周病が進行しやすい
短頭種(パグ、フレブルなど)年1〜2回歯並びの問題で歯石がつきやすい

犬種別の歯のトラブル傾向と予防法も参考にしてください。

すぐに受診すべきサイン

以下の症状がある場合は、定期検診を待たずに早めに動物病院を受診しましょう:

  • 口臭が強い

  • 歯茎が赤く腫れている

  • 歯茎から出血がある

  • 食事を嫌がる、食べにくそう

  • 顔を触られるのを嫌がる

  • よだれが多い、血が混じる

受診すべきサインについて詳しくはこちらをご覧ください。

歯石除去の費用相場

気になる費用ですが、犬の歯石除去は約30,000〜50,000円が一般的な相場です。この費用には全身麻酔代が含まれています。

ただし、以下の要因で費用は変動します:

  • 犬の体重(麻酔量に影響)

  • 歯石の程度

  • 歯周病の進行度

  • 抜歯が必要な場合(追加費用)

  • 動物病院の地域・設備

抜歯が必要なケースと術後ケアについても事前に確認しておくと安心です。

ペット保険の適用について

歯石除去🛒は予防処置とみなされることが多く、ペット保険の対象外となるケースがほとんどです。しかし、歯周病の治療として行う場合は保険が適用されることもあります。加入している保険会社に事前に確認することをおすすめします。

歯石を予防するための日常ケア

一度歯石除去を行っても、ケアを怠ればまた歯石は蓄積していきます。毎日3分の簡単デンタルケアルーティンを習慣にすることで、歯石の付着を大幅に抑えることができます。

毎日の歯磨きが基本

歯石になる前の歯垢の段階で除去することが最も効果的です。嫌がる犬でも成功する歯磨きのコツを参考に、毎日の歯磨きを習慣にしましょう。

歯磨きが難しい場合の代替策

どうしても歯磨きを嫌がる場合は、代替のデンタルケア方法もあります:

デンタルケア製品の徹底比較で、それぞれの効果を確認できます。

食事での予防

歯に良いフードやおやつを選ぶことも予防に役立ちます。デンタルケア用のフードは、噛むときに歯垢を落とす工夫がされています。

参考情報

この記事は以下の信頼できる情報源を参考に作成しています:

まとめ:歯石は早期対応が重要

犬の歯石は放置すると深刻な健康問題につながります。以下のポイントを押さえておきましょう:

  • 犬は2〜3日で歯石が形成されるため、人間より注意が必要

  • 歯石がついたら動物病院での専門的な除去が必要

  • 年1回の定期的なスケーリングが推奨されている

  • 費用は約30,000〜50,000円が目安

  • 毎日のデンタルケア🛒で歯石の付着を予防

自宅でできる歯の健康チェック方法を定期的に行い、歯茎の色や口臭の変化に注意しましょう。早期発見・早期対応が、愛犬の健康寿命を延ばす鍵となります。

気になる症状がある場合は、かかりつけの獣医師に相談することをおすすめします。

関連記事