「愛犬の歯磨きをしたいのに、嫌がって全然させてくれない…」そんな悩みを抱えている飼い主さんは少なくありません。実は、犬が歯磨きを嫌がるのはごく自然なことで、適切なアプローチと根気強いトレーニングで、ほとんどの犬は歯磨きに慣れることができます。本記事では、獣医師やドッグトレーナーが推奨する7つの実践的なコツをご紹介します。犬の歯の健康を守るために、今日から始められる方法を見ていきましょう。
コツ1:段階的なアプローチで焦らない
歯磨きトレーニングで最も重要なのは、焦らずに段階を踏むことです。いきなり歯ブラシ🛒を口の中に入れようとすると、犬は驚いて警戒心を持ってしまいます。

トレーニングの5段階ステップ
| 段階 | 内容 | 目安期間 |
|---|---|---|
| 1 | 口周りを触る練習 | 3~7日 |
| 2 | 唇をめくって歯を見る | 3~7日 |
| 3 | 指で歯や歯茎を触る | 5~10日 |
| 4 | ガーゼや歯磨きシートで拭く | 7~14日 |
| 5 | 歯ブラシでブラッシング | 継続 |
各段階で愛犬が十分に慣れてから次に進むことが大切です。1段階に1週間かかっても問題ありません。子犬の歯磨き習慣は早期から始めると効果的ですが、成犬でも同じプロセスで慣れさせることができます。
参考:犬の歯磨きの慣らし方。6ステップのトレーニング|ライオンペット

コツ2:ご褒美と褒め言葉でポジティブな体験に
犬のトレーニングの基本は正の強化(ポジティブ強化)です。歯磨きに関連する行動をとったら、すぐにご褒美を与えましょう。
効果的なご褒美のタイミング
口周りを触らせてくれたとき
唇をめくらせてくれたとき
歯ブラシを見せて嫌がらなかったとき
1本でも歯を磨けたとき
歯磨きが終わったとき
ご褒美は小さなおやつでも、大好きな遊びでも構いません。重要なのは「歯磨き=良いことが起こる」という関連付けを作ることです。また、高い声で「いい子だね!」「すごいね!」と褒めることも効果的です。
犬用の美味しい味付きの歯磨き粉🛒を使うのも良い方法です。詳しくは犬用歯磨き粉の選び方をご覧ください。
コツ3:リラックスした環境とタイミングを選ぶ
歯磨きをする環境とタイミングも成功の鍵を握ります。
最適なタイミング
散歩や遊びの後:適度に疲れてリラックスしているとき
食後すぐは避ける:消化中は落ち着かないことが多い
眠る前の落ち着いた時間:1日の終わりのリラックス🛒タイム
環境の整え方
静かで落ち着ける場所を選ぶ
他のペットや子供が邪魔をしない空間
床に座って犬を膝の上や横に座らせる
小型犬は飼い主の膝に抱いて安心させる
犬のコミュニケーションを理解し、愛犬がリラックスしているサインを見逃さないようにしましょう。耳が後ろに倒れていたり、体が硬直していたりしたら、まだ準備ができていないサインです。
コツ4:短時間から始めて徐々に延ばす
最初から完璧を目指さないことが重要です。
時間の目安
| 期間 | 目標時間 | 内容 |
|---|---|---|
| 初日 | 5秒 | 触るだけでOK |
| 1週間後 | 10~15秒 | 数本の歯を軽く |
| 2週間後 | 20~30秒 | 片側の歯を磨く |
| 1ヶ月後 | 1~2分 | 全体を丁寧に |
「今日は前歯だけ」「今日は右側だけ」というように、少しずつ範囲を広げていきましょう。全ての歯を磨けなくても、少しでも磨けたら大成功と考えてください。
犬の歯垢は3~5日で歯石に変化するため、理想は毎日ですが、最初は週に2~3回からスタートして習慣化を優先しましょう。歯石がついてしまった場合の対処法も知っておくと安心です。
参考:犬の歯磨きの仕方と嫌がる時の対処法|ドッグデンタルマイスター協会
コツ5:適切な道具を選ぶ
使用する道具によって、犬の受け入れやすさは大きく変わります。
段階別おすすめ道具
| 道具 | メリット | デメリット | 適したタイミング |
|---|---|---|---|
| 指サック型ブラシ | 飼い主の感覚で磨ける、慣れやすい | 大型犬には力不足 | 初期段階 |
| 歯磨きシート | 簡単、抵抗が少ない | 歯垢除去力は弱め | 初期~中期 |
| 柔らかい歯ブラシ | 効果的、歯間も磨ける | 慣れるまで時間がかかる | 中期~後期 |
| 電動歯ブラシ | 効率的 | 音や振動を嫌がる犬も | 十分に慣れてから |
最初は柔らかい子供用の歯ブラシでも構いません。詳しい比較は犬用歯ブラシ比較で解説しています。
歯磨き粉🛒は必須ではありませんが、犬が好む味(チキン、ビーフ、ピーナッツバターなど)のものを使うと、歯磨きが楽しみになります。人間用の歯磨き粉は絶対に使わないでください。含まれるキシリトールやフッ素は犬にとって有害です。
コツ6:正しい磨き方を身につける
慣れてきたら、効果的な磨き方を実践しましょう。
基本的な磨き方
犬歯から始める:大きくて磨きやすい犬歯(牙)から開始
45度の角度:歯ブラシを歯と歯茎の境目に45度の角度で当てる
円を描くように:小さく円を描くように優しく磨く
外側を重点的に:犬は舌で歯の内側を自然に清掃するため、外側を重点的に
磨く優先順位
特に歯垢がたまりやすい場所を優先して磨きましょう:
奥歯の外側(上顎の臼歯):最も歯石がつきやすい
犬歯
前歯
内側(できれば)
口の中を触られるのを極端に嫌がる場合は、歯磨きを絶対拒否する犬への代替ケアも検討しましょう。
参考:Successful Toothbrushing Training|VCA Animal Hospitals
コツ7:絶対に無理強いしない
これは最も重要なルールです。
無理強いが引き起こす問題
歯磨きに対する恐怖心が強まる
飼い主への信頼関係が損なわれる
噛みつき行動につながる可能性
以降のトレーニング🛒がさらに困難に
抵抗のサインを見逃さない
愛犬が以下のサインを見せたら、すぐに中断しましょう:
唸る、歯を見せる
体を硬直させる
顔を背ける、逃げようとする
白目をむく(ホエールアイ)
パンティング(ハアハアと荒い呼吸)
あくびや舌なめずり(ストレスサイン)
抵抗する場合は、一歩前の段階に戻り、もう一度ゆっくり慣れさせましょう。犬の行動問題として捉え、原因を理解することも大切です。
どうしても歯磨きができない場合は、デンタルガムや歯磨きおもちゃ🛒などの代替ケアも有効です。詳しくはデンタルガムは効果ある?をご覧ください。
よくある質問
Q1: 何歳から歯磨きを始めるべきですか?
子犬の場合は、乳歯が生えそろう生後3~4ヶ月頃から慣れさせ始めるのが理想的です。成犬でも遅すぎることはなく、今日から始められます。ただし、歯茎の色が異常だったり、口臭がひどい場合は、先に獣医師の診察を受けましょう。
Q2: どのくらいの頻度で磨けばいいですか?
理想は毎日ですが、週に3~4回でも効果があります。重要なのは継続することです。完璧を求めすぎて挫折するより、少しずつでも続けることが大切です。
Q3: 老犬でも歯磨きトレーニングはできますか?
はい、可能です。ただし、シニア犬の場合は関節炎や認知症の影響で難しい姿勢が取れないこともあるため、より短時間で無理のない範囲で行いましょう。また、歯周病が進行している可能性があるため、獣医師に相談してから始めることをおすすめします。
Q4: 嫌がってどうしても磨けない場合は?
完全に拒否する場合は、代替手段を検討しましょう。歯磨きシート、デンタルガム、口腔スプレー、歯磨き効果のあるおもちゃ🛒など、様々な選択肢があります。また、定期的に動物病院で全身麻酔での歯石除去を受けることも選択肢の一つです。
まとめ:成功のカギは忍耐と愛情
嫌がる犬の歯磨きを成功させる7つのコツをおさらいしましょう:
段階的なアプローチで焦らない - 口周りを触ることから始め、徐々にステップアップ
ご褒美と褒め言葉でポジティブな体験に - 正の強化で「歯磨き=楽しい」と関連付け
リラックスした環境とタイミングを選ぶ - 散歩後や就寝前の落ち着いた時間に
短時間から始めて徐々に延ばす - 最初は5秒でOK、完璧を求めない
適切な道具を選ぶ - 段階に応じて指サック、シート、歯ブラシ🛒と進める
正しい磨き方を身につける - 45度の角度で奥歯の外側を重点的に
絶対に無理強いしない - 抵抗のサインを見逃さず、一歩前に戻る勇気を
歯磨きトレーニングは、愛犬との信頼関係を深める大切な時間でもあります。焦らず、愛情を持って、楽しみながら取り組んでみてください。継続することで、愛犬の歯の健康を守り、結果的に寿命を延ばすことにつながります。
毎日3分の簡単デンタルケアルーティンを確立することで、愛犬の健康的な生活をサポートしましょう。何か異常を感じたら、すぐに受診すべきサインを確認し、早めに動物病院を受診してください。






