「うちの犬種は歯のトラブルに注意が必要?」犬種によって歯科疾患のリスクは大きく異なります。この記事では、サイズ別・犬種別の歯のトラブル傾向と、それぞれに最適な予防法を科学的根拠に基づいて詳しく解説します。
なぜ犬種で歯のトラブルが異なるのか
サイズと歯の関係

全ての犬は犬種に関わらず、永久歯が42本生えます。しかし、アニコムによると、小型犬は大型犬より歯周病になりやすく、その理由は小さな顎に同じ歯数で歯が密集しているためです。
対照的に、大型犬は歯の間に隙間があり、食物が挟まりにくく清掃もしやすいという特徴があります。
リスクの数値データ
Bark.coの研究によると、小型犬種は中型・大型犬の3倍歯周病リスクが高いことが判明しています。

さらに、体重10kg未満の犬は30-40kgの犬と比較して3.07倍のリスクがあります。この大きな差は、予防の重要性を物語っています。
サイズ別のトラブル傾向
小型犬(10kg未満)
主なトラブル:
歯周病(80%が3歳以上で発症)
乳歯遺残
叢生(歯の重なり)
歯の密集によるプラーク蓄積
顎骨折(歯周病の進行により)
高リスク犬種:
傾向の理由: 小さな顎に42本の歯が密集して生えるため、歯と歯の間に隙間がほとんどありません。これにより:
食べ物が挟まりやすい
プラークが蓄積しやすい
歯ブラシが届きにくい
唾液が十分に届かない
中型犬(10〜25kg)
主なトラブル:
軽度〜中程度の歯周病
歯石の蓄積
一部の歯の早期喪失
代表犬種:
ビーグル
シェルティ
コーギー
柴犬
傾向の理由: 小型犬ほどではありませんが、歯の密集度は個体差があります。特に口の小さめの個体はリスクが高くなります。
大型犬(25kg以上)
主なトラブル:
歯の破損
過度な磨耗
歯根の露出
代表犬種:
ゴールデンレトリバー
ラブラドールレトリバー
ジャーマンシェパード
傾向の理由: 歯の間に十分な隙間があり、歯周病リスクは低めです。ただし、硬いものを噛む力が強いため、歯の破損リスクがあります。
顔の形状別トラブル傾向
短頭種(ブラキセファリック)
Animal Dental Australiaによると、短頭種は若い年齢で歯周病を発症し、ダメージが急速に進行する傾向があります。
該当犬種:
パグ
フレンチブルドッグ
ボストンテリア
シーズー
ペキニーズ
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル🛒
特有の問題:
| 問題 | 原因 | 影響 |
|---|---|---|
| 歯の密集 | 短縮した頭蓋骨に通常の歯数 | プラーク蓄積 |
| 不正咬合 | 顎のサイズ不均衡 | 歯の摩耗・損傷 |
| 呼吸困難 | 扁平な顔 | 口呼吸→口腔乾燥 |
| 歯茎の炎症 | 唾液の循環不良 | 早期歯周病 |
パグは歯茎と歯周病で最も影響を受けやすく、他の短頭種よりも顕著に症状が現れます。
長頭種(ドリコセファリック)
該当犬種:
グレーハウンド
サルーキ
ボルゾイ
特有の問題: 細長い顎のため、ミニチュアダックスフンドやイタリアングレーハウンドのような小型の長頭種は特に歯周病にかかりやすくなります。
中頭種(メソセファリック)
該当犬種:
ゴールデンレトリバー
ビーグル
特徴: 比較的バランスの取れた顔の形状のため、極端な歯科問題は少なめです。ただし、個体差や日常のケア次第でリスクは変動します。
特定犬種の詳細
チワワ
Home Trimmerによると、チワワは歯が密集しているため特に歯周病にかかりやすく、統計によれば3歳以上の犬の約80%が何らかの歯周病を患っているとされます。
主な問題:
乳歯遺残:永久歯が生えても乳歯が残る
叢生:歯が重なって生える
欠歯・埋伏歯:歯が足りない、または埋まったまま
予防のポイント:
生後6ヶ月で乳歯が残っていないか確認
子犬期から歯磨き習慣を確立
年2回以上の歯科検診
トイプードル
主な問題:
乳歯遺残(最も一般的)
歯並びの悪さによるプラーク蓄積
早期の歯周病発症
予防のポイント:
ヨークシャーテリア
主な問題:
極めて小さな歯
歯茎の後退が早い
若齢での歯の喪失
予防のポイント:
超柔らかブラシで優しくケア
硬すぎるデンタルトイは避ける
3歳から年3〜4回の検診
パグ
主な問題:
全犬種中最も歯周病リスクが高い
歯の重なりが極端
口呼吸による口腔乾燥
予防のポイント:
毎日の念入りな歯磨き
口腔スプレーで唾液を補助
月1回の獣医による口腔チェック
ミニチュアダックスフンド
主な問題:
細長い顎による歯の密集
顎骨折のリスク(歯周病進行時)
奥歯へのアクセス困難
予防のポイント:
犬種別予防戦略
小型犬向け予防法
毎日のケア:
歯磨き(必須):
- 頻度:1日2回(最低1回) - 時間:1〜2分 - 重点部位:奥歯の外側
デンタルガム:
- 小型犬用サイズ - VOHC認証製品 - 柔らかめの噛み心地
歯磨きシート:
- 歯ブラシ🛒を嫌がる場合 - 外出先での簡易ケア
定期検診:
1〜3歳:年1〜2回
3〜7歳:年2〜3回
7歳以上:年3〜4回
中型犬向け予防法
毎日のケア:
歯磨き:
- 頻度:1日1回 - 時間:2〜3分 - 全体をバランスよく
デンタルトイ:
- 適度な硬さ - ロープトイも有効
定期検診:
年1〜2回
大型犬向け予防法
毎日のケア:
歯磨き:
- 頻度:週3〜4回でも可 - 時間:3〜5分 - 大きめの歯ブラシで効率的に
硬めのデンタルトイ:
- 噛む力に対応できる耐久性 - ただし、岩や石など硬すぎるものは避ける
定期検診:
年1回
短頭種向け予防法
特別な配慮:
毎日の念入りなケア(必須)
口腔スプレー:
- 唾液を補助 - 抗菌作用で細菌抑制
頻繁な検診:
- 3〜6ヶ月ごと - 早期発見が鍵
科学的根拠に基づく予防の効果
歯科処置と寿命の関係
2019年の米国研究で約237万頭(チワワからグレートデーンまで)を対象に調査した結果、年1回の歯科処置で死亡率が18%減少することが判明しました。これは体のサイズや性別に関わらず共通しています。
歯磨きの頻度と効果
アニコムによると:
理想:毎食後
最低ライン:3日に1回
6歳以下:予防が最重要、複数のケア方法の組み合わせ推奨
よくある質問
Q: 小型犬と大型犬、どちらが歯磨きしやすいですか? A: 大型犬の方が口が大きく、歯ブラシ🛒が届きやすいため一般的には楽です。ただし、小型犬でも子犬期から習慣化すれば問題ありません。
Q: 短頭種の口臭が特に強いのはなぜ? A: 口呼吸による口腔乾燥と、歯の密集によるプラーク蓄積が主な原因です。唾液の自浄作用が低下しているため、より頻繁なケアが必要です。
Q: 乳歯遺残はどのタイミングで治療すべき? A: 生後6〜7ヶ月で永久歯が生え揃う時期に、まだ乳歯が残っていれば抜歯を検討します。早めに獣医師に相談しましょう。
Q: うちの犬種は歯周病リスクが高いと言われましたが、今から始めても遅いですか? A: いいえ、遅くありません。今からでも進行を遅らせ、QOLを改善できます。
Q: 犬種による歯ブラシの選び方は? A: 小型犬は小さめヘッド、大型犬は大きめヘッドが基本ですが、最も重要なのは犬が嫌がらないことです。
まとめ
犬種によって歯のトラブル傾向は大きく異なります。小型犬や短頭種は特にリスクが高く、より積極的な予防ケアが必要です。
重要ポイント:
✅ 小型犬は中・大型犬の3倍歯周病リスクが高い
✅ 短頭種は若齢で発症し急速に進行
✅ 体重10kg未満の犬は30-40kgの犬の3.07倍のリスク
✅ 年1回の歯科処置で死亡率18%減少
✅ チワワ・トイプードル・ヨーキーは特に注意
✅ パグは全犬種中最も歯周病リスクが高い
✅ 犬種に合わせたケア方法の選択が重要
あなたの愛犬の犬種特性を理解し、適切な予防ケアを行うことで、健康寿命を延ばすことができます。特にリスクの高い犬種を飼っている場合は、今日から積極的なデンタルケア🛒を始めましょう。






