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犬のしつけ:信頼関係を築くトレーニング術

呼んだら来る!「おいで」のリコールトレーニング

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愛犬に「おいで」と呼んでも知らん顔…そんな経験はありませんか?リコールトレーニング(呼び戻し)は、犬のしつけの中でも最も重要なスキルの一つです。この記事では、愛犬が確実に「おいで」で戻ってくるようになるための練習方法を、基礎から応用まで詳しく解説します。

なぜリコールトレーニング(呼び戻し)が重要なのか

リコールトレーニングは、単なる「便利なしつけ」ではありません。愛犬の命を守る可能性がある、最も重要なスキルです。

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散歩中にリードが手から外れてしまったり、首輪やハーネス🛒が抜けてしまったりすることは、どんな飼い主にも起こりえます。そんな緊急時に「おいで」の一言で愛犬が戻ってくれば、道路への飛び出しや迷子を防ぐことができます。PETOKOTOのトレーナー解説によると、呼び戻しができていれば、ドッグランでの犬同士のトラブルリスクも大幅に軽減できるとされています。

また、リコールトレーニングは犬のしつけ:信頼関係を築くトレーニング術の土台となるものです。「呼んだら来る」という行動は、飼い主への信頼の証でもあります。

「おいで」で来ない…その原因は?

「うちの子は言うことを聞かない」と思う前に、なぜ来ないのかを理解することが大切です。

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過去のネガティブ経験が原因

ワンクォールの獣医師監修記事によると、犬が呼んでも来ない最大の原因は「おいで」と呼ばれて行ったら嫌なことがあった経験です。

具体的には:

  • 呼んで来たのに叱られた

  • 「おいで」の後に爪切りや歯磨きなど苦手なお手入れをされた

  • おもちゃ🛒を取り上げられた

  • 楽しい遊びを終わりにされた

こうした経験が積み重なると、犬は「呼ばれて行っても良いことがない」と学習し、呼んでも来なくなってしまいます。

コマンドの理解不足

そもそも「おいで」という言葉の意味を犬が理解していないケースも多いです。また、家族の中で「おいで」「来い」「カム」「こっち」など複数の言葉を使っていると、犬が混乱してしまいます。

東京DOGSのプロトレーナーによると、飼い主が追いかけてくることを「追いかけっこの始まり」と勘違いしている犬もいるそうです。

環境の刺激が強すぎる

屋外には犬にとって魅力的なものがたくさんあります。他の犬、人、食べ物の匂い、動く葉っぱ…これらの刺激が「飼い主のところに行く」よりも魅力的に感じられると、呼んでも来ません。

室内でできることが屋外でできないのは、練習のステップを飛ばしすぎているサインです。

リコールトレーニングの基本ステップ

成功の鍵は「簡単なところから始めて、成功体験を積み重ねる」ことです。

ステップ1:コマンドを決める

まず、呼び戻しに使う言葉を1つに決めましょう。「おいで」「来い」「カム」など、何でも構いません。大切なのは家族全員が同じ言葉を使うことです。

注意点として、犬の名前だけで呼ぶのは避けましょう。名前は注目を引くためのもので、「何をすべきか」を伝えるものではありません。「○○ちゃん、おいで!」のように、名前+コマンドの形で使いましょう。

ステップ2:室内での練習

AKC(アメリカンケネルクラブ)が推奨する基本的な練習方法をご紹介します:

  1. 準備:愛犬の大好きなおやつ🛒を用意し、静かな室内で始めます

  2. 距離を取る:2〜3歩離れたところに立ちます

  3. コマンドを出す:犬がこちらを見たら、明るい声で「おいで!」と呼びます

  4. 褒める:来てくれたら、すぐにおやつを与え、たっぷり褒めましょう

  5. 繰り返す:成功したら少しずつ距離を伸ばしていきます

この練習は褒めて伸ばす!ポジティブ強化トレーニングの基本の考え方に基づいています。

ステップ3:おやつの正しい使い方

よくある間違いが「おやつを見せて犬を釣る」ことです。これでは、おやつが見えないと来なくなってしまいます。

PEPPYの解説によると、正しい使い方は:

  • おやつは手に隠しておく

  • 普通に呼んで来てくれたら、「ご褒美」として出す

  • こちらが何も持っていなくても来るようになることが目標

また、リコールトレーニングには高価値のおやつを使いましょう。普段のドライフード🛒ではなく、チーズ、レバー、ささみなど、特別感のあるものが効果的です。

屋外でのリコールトレーニング

室内で安定してできるようになったら、いよいよ屋外での練習です。

ロングリードを活用しよう

屋外での練習には、5〜10メートルのロングリードが便利です。普通のリードでは距離が取れず、かといってノーリードは危険です。

ロングリードを使う際のポイント:

  • 静かな公園や河原から始める

  • 犬が自由に動き回っている時に「おいで」と呼ぶ

  • リードをグイッと引っ張って呼び寄せるのはNG

  • 軽くチョンと引いて注意を引き、すぐに下がりながら呼ぶ

リードの扱い方については引っ張らない散歩:リーシュウォーキングの基本も参考にしてください。

段階的に難易度を上げる

焦りは禁物です。以下の順番で少しずつ難易度を上げていきましょう:

  1. 人通りの少ない静かな場所

  2. やや人や犬がいる公園

  3. 賑やかな場所

  4. 犬が少ない時間帯のドッグラン

  5. 混雑したドッグラン

失敗しそうな場面では無理に呼ばないことも大切です。「呼んでも来なかった」という経験を重ねると、コマンドの効力が弱まってしまいます。

楽しく練習!リコールゲーム

Whole Dog Journalでは、リコールトレーニングをゲーム形式で行うことを推奨しています。楽しみながら練習することで、犬も「おいで=楽しいこと」と覚えやすくなります。

キャッチミーゲーム

  1. 愛犬の注意を引く

  2. 反対方向に走り出す

  3. 追いかけてきたら「おいで!」と声をかける

  4. 追いついてきたら立ち止まり、たっぷり褒めてご褒美

犬は追いかけることが大好きなので、このゲームは多くの犬が夢中になります。

家族で呼び合うゲーム(ホットポテト)

家族が複数いる場合に最適な練習法です:

  1. 家族全員がおやつ🛒を持って、部屋の離れた場所に立つ

  2. 一人が犬を呼ぶ

  3. 犬が来たらおやつをあげて褒める

  4. すぐに別の人が呼ぶ

  5. これを繰り返す

犬にとっては「誰のところに行っても良いことがある」という楽しいゲームになります。

かくれんぼゲーム

  1. 犬が見ていない隙に別の部屋に隠れる

  2. 「おいで!」と呼ぶ

  3. 見つけてくれたら大喜びで褒める

探す楽しさと呼び戻しを結びつけることで、より強力なリコールが身につきます。クリッカートレーニング入門で紹介している方法を組み合わせるとさらに効果的です。

緊急時のホイッスルリコール

Preventive Vetでは、通常のリコールとは別に「緊急用リコール」を教えることを推奨しています。

ホイッスル(犬笛)を使ったリコールには以下のメリットがあります:

  • 一定の音が出る:人間の声は感情によって変わりますが、ホイッスルは常に同じ音

  • 遠くまで届く:声よりも遠くまで聞こえる

  • 他の音と区別しやすい:日常生活にはない特別な音

ホイッスルリコールの教え方:

  1. 最初は室内でホイッスルを鳴らし、すぐに最高のおやつ🛒を与える

  2. これを毎日繰り返し、「ホイッスル=すごく良いことが起きる」と覚えさせる

  3. 徐々に距離を伸ばし、屋外でも練習する

重要:ホイッスルリコールは「ここぞ」という時のためのもの。日常的に使いすぎないようにしましょう。

やってはいけないNGポイント

リコールトレーニングでよくある失敗パターンを知っておきましょう。

1. 来なかったときに叱る

絶対にやってはいけないのがこれです。たとえ時間がかかっても、最終的に来てくれたなら褒めましょう。叱ると「やっぱり行かなきゃよかった」と学習してしまいます。

2. 捕まえて嫌なことをする

「おいで」で来た後に爪切りをする、お風呂に入れる、などを繰り返すと、呼び戻しが嫌いになります。嫌なことをする前は、呼び戻しを使わずに静かに近づきましょう。

3. 追いかけて捕まえようとする

来ない犬を追いかけると、犬は「追いかけっこだ!」と喜んで逃げます。これを繰り返すと、呼んでも逃げる犬になってしまいます。

4. できないのに屋外で練習する

室内でできないことは屋外では絶対にできません。基礎をしっかり固めてから屋外に出ましょう。「待て」ができれば事故が防げる!練習法と同様、段階的な練習が大切です。

5. コマンドを連呼する

「おいで、おいで、おいでおいで!」と何度も言うのはNGです。1回で来なければ、犬は「何回か言わないと本気じゃない」と学習します。1回呼んで来なければ、近づいて静かに誘導しましょう。

よくある質問(FAQ)

Q: どのくらいで覚えますか?

室内での基本的なリコールは数週間で覚えることが多いです。ただし、どんな状況でも確実に来るようになるには、数ヶ月から1年程度かかることもあります。焦らず、毎日少しずつ練習を続けましょう。

Q: 成犬からでも教えられますか?

はい、成犬からでも十分可能です。ただし、過去に「おいで」で嫌な経験をしている場合は、その言葉を避けて新しいコマンド(「カム」や「ここ」など)から始めることをおすすめします。

Q: おやつがないと来ません

最初はおやつ🛒で確実に来るようにすることが大切です。安定してきたら、おやつを毎回ではなく時々に変え、代わりに言葉での褒め言葉や撫でる、遊ぶなどの報酬を混ぜていきましょう。完全におやつをなくすのではなく、「たまにもらえるかも」という期待感を維持することがポイントです。

まとめ

リコールトレーニングは、愛犬の命を守る可能性がある最も重要なしつけです。ポイントをおさらいしましょう:

  • 成功体験を積み重ねる:簡単な状況から始めて、必ず成功させる

  • 室内から始める:屋外は室内でできてから

  • ポジティブな経験にする:来たら必ず良いことがある

  • コマンドは統一:家族全員で同じ言葉を使う

  • 楽しくゲーム形式で:犬も飼い主も楽しみながら練習

リコールトレーニングは犬のしつけ:信頼関係を築くトレーニング術の中でも特に重要な項目です。毎日少しずつ、根気強く練習を続けてください。愛犬が嬉しそうに駆け寄ってくる姿は、何物にも代えがたい喜びになるはずです。

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