「仕事に行く間、愛犬をひとりにして大丈夫かな?」——子犬を迎えた飼い主さんなら、誰もが抱える不安です。実は、犬は生まれつきひとりで留守番できるわけではありません。適切なトレーニングを通じて、少しずつ「飼い主がいなくても安心」と学んでいく必要があります。
この記事では、子犬が安心してお留守番できるようになるための段階的なトレーニング方法を詳しく解説します。焦らず、愛犬のペースに合わせて進めることで、子犬との幸せな暮らしの第一歩を踏み出しましょう。
子犬のお留守番トレーニングはいつから始める?
お留守番トレーニングを始める適切な時期は、生後3〜4ヶ月以降が目安です。ペット&ファミリー損保の解説によると、フード🛒の切り替えが完了するまで(生後3〜4ヶ月未満)は低血糖などの体調急変リスクが高いため、短時間であっても留守番は避けるべきとされています。

一方で、生後3ヶ月頃は社会化期と呼ばれ、環境への順応性が高い時期でもあります。この時期から短時間の練習を始めることで、ひとりで過ごすことに自然と慣れていきます。
月齢別・留守番できる時間の目安
子犬が留守番できる時間は、月齢や膀胱のコントロール能力によって異なります。以下の表を参考にしてください。
| 月齢 | 留守番可能時間の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 生後2〜3ヶ月 | 1〜2時間 | トイレの頻度が高い |
| 生後4〜5ヶ月 | 2〜3時間 | 少しずつ膀胱コントロールが発達 |
| 生後6ヶ月以降 | 4〜6時間 | トイレのコントロールが安定 |
| 成犬(1歳以上) | 6〜8時間 | 個体差あり |

重要なのは、これらはあくまで目安であり、愛犬の様子を見ながら調整することです。無理に長時間の留守番をさせると、ストレスや分離不安の原因になりかねません。
お留守番トレーニング5つのステップ
お留守番トレーニングは、段階を踏んで進めることが成功の秘訣です。盲導犬総合支援センターでも推奨されている方法をベースに、5つのステップをご紹介します。
ステップ1:クレート・ケージに慣れさせる
まずは、クレートやケージを「安心できる自分だけの場所」として認識させることから始めます。子犬のケージ選び:サイズと設置場所の正解も参考にしながら、適切なサイズのケージを用意しましょう。
具体的な方法:
ケージの中におやつやお気に入りのおもちゃ🛒を入れる
扉を開けたまま、自由に出入りさせる
中でおやつを食べたら、たっぷり褒める
慣れてきたら、扉を閉めて10〜15分過ごす練習をする
ポイントは、ケージを「罰」として使わないこと。閉じ込められた嫌な記憶があると、留守番中もストレスを感じてしまいます。
ステップ2:短時間の分離から始める
ケージに慣れたら、飼い主と離れる練習を始めます。Separation Buddyのトレーニングスケジュールによると、最初は30秒程度から始めるのが理想的です。
進め方:
愛犬をケージに入れ、「待っててね」と声をかける
その場を離れ、30秒待つ
静かに待てていたら、戻っておやつと褒め言葉をあげる
徐々に時間を延ばす:30秒→1分→3分→5分→10分
愛犬が不安でキュンキュン鳴いても、鳴いている間は戻らないことが重要です。静かになってから戻ることで、「静かにしていれば飼い主は戻ってくる」と学習します。
ステップ3:別室で過ごす練習
次は、飼い主の姿が見えない状態でも安心できるよう練習します。
方法:
愛犬をケージ🛒または安全な部屋に残す
別の部屋に移動し、ドアを閉める
最初は1〜2分から始め、徐々に延長
静かに待てたら、戻って褒める
この段階では、飼い主の気配は感じられる状態です。愛犬は「見えなくても、近くにいる」ことを学びます。
ステップ4:実際の外出を短時間から
別室での練習に慣れたら、いよいよ実際の外出練習です。
進め方:
普段通りに準備をする(過度な声かけはしない)
静かに玄関を出て、ドアの前で30秒〜1分待つ
何事もなかったかのように戻る
問題なければ、コンビニまで往復など、少しずつ距離を延ばす
最初の外出では、愛犬の様子が気になるものです。ペットカメラがあれば、外出先から様子を確認できるので安心です。
ステップ5:留守番時間を徐々に延ばす
短時間の外出に成功したら、徐々に時間を延ばしていきます。
延長の目安:
5分成功 → 10分に挑戦
10分成功 → 20分に挑戦
20分成功 → 30分に挑戦
以降、30分ずつ延長
焦りは禁物です。愛犬が不安を示すサイン(過度な吠え、破壊行動など)が見られたら、ひとつ前のステップに戻りましょう。
トレーニング成功のための重要ポイント
お留守番トレーニングを成功させるには、いくつかの重要なポイントがあります。GREEN DOGのトレーニング解説でも強調されている内容を中心にまとめました。
吠えても戻らない理由
トレーニング中、愛犬が吠えたり鳴いたりすることがあります。ここで飼い主が戻ってしまうと、犬は「吠えれば戻ってくる」と学習してしまいます。
これは、子犬が夜泣きする理由と今夜から使える対策でも解説している原理と同じです。愛犬が静かになってから戻ることで、正しい行動を強化しましょう。
出発・帰宅時は静かに
多くの飼い主さんがやりがちなのが、出かける前の過度な声かけです。「行ってくるね、いい子にしてね、寂しくないよね?」と心配そうに話しかけると、愛犬は「何か特別なことが起きる」と感じ、不安が増してしまいます。
理想的な出発・帰宅:
出発時:静かに、さりげなく出かける
帰宅時:まず愛犬を無視し、数分後に落ち着いて挨拶する
この「何事もないこと」が、愛犬に「留守番は日常の一部」だと教えます。
外出前の運動で発散させる
留守番の予定がある日は、出発前にしっかり散歩や遊びの時間を設けましょう。適度に疲れた状態であれば、留守番中も落ち着いて過ごしやすくなります。
おすすめの外出前ルーティン:
いつもより少し長めの散歩(20〜30分)
帰宅後、軽く遊ぶ(ボール🛒遊びなど)
食事を与える
30分ほど落ち着かせてから出発
エネルギーが有り余った状態での留守番は、ストレスや問題行動の原因になります。
分離不安を予防する接し方
分離不安とは、飼い主と離れることで強い不安や恐怖を感じる状態です。ASPCA(アメリカ動物虐待防止協会)によると、分離不安は犬に見られる最も一般的な行動問題のひとつとされています。
アニコム損保の解説でも指摘されているように、分離不安は適切な予防と対処で軽減できます。
分離不安の症状チェックリスト
以下の症状が複数見られる場合、分離不安の可能性があります。
飼い主が出かけようとすると、過度に興奮または不安そうにする
留守中に過剰に吠え続ける、遠吠えをする
家具やドアを噛む、引っかくなどの破壊行動
トイレトレー🛒ニングができているのに、留守中だけ粗相する
帰宅時に異常なほど興奮する
飼い主の後を常についてまわる(シャドーイング)
軽度であればトレーニングで改善できますが、症状が重い場合は獣医師や動物行動学の専門家への相談をおすすめします。
普段からできる予防策
分離不安を予防するには、子犬の社会化期を逃さない!最適な時期と方法で解説している社会化トレーニングと合わせて、以下の点を意識しましょう。
予防のポイント:
適度な距離感を保つ:常にべったりではなく、別々に過ごす時間も作る
ひとり遊びを教える:飼い主がいなくても楽しめる時間を持たせる
複数の家族で世話をする:特定の人への依存を防ぐ
子犬期から短時間の留守番を経験させる:早めに慣らすことで予防効果
お留守番を快適にするグッズと環境づくり
トレーニングと並行して、留守番中の環境を整えることも大切です。適切なグッズを活用することで、愛犬がより快適に過ごせるようになります。
知育おもちゃ・コングの活用法
マイベストの留守番おもちゃランキングでも人気のコングは、お留守番の必須アイテムとして多くの飼い主さんから支持されています。
コングの効果的な使い方:
コングの中にウェットフード🛒やペーストを詰める
一番奥に愛犬の大好物を入れる
冷凍庫で凍らせる(長持ちする)
出発時に渡す
愛犬がコングに集中している間に出発することで、「飼い主がいなくなった」という意識が薄れます。また、「留守番=楽しいおやつタイム」という良い記憶につながります。
ペットカメラで外出先から見守る
外出先から愛犬の様子を確認できるペットカメラは、飼い主の安心材料になるだけでなく、トレーニングの進捗確認にも役立ちます。
選ぶ際のポイント:
首振り機能:部屋全体を見渡せる
暗視機能:夜間でも確認可能
双方向音声:声をかけられる
温度・湿度センサー:室温管理に便利
カメラで愛犬がリラックスして過ごしているのを確認できれば、安心して外出できるようになります。
安心できる環境の整え方
子犬に必要な睡眠時間と理想の寝床づくりでも触れていますが、安心できる環境づくりは留守番成功の重要な要素です。
環境チェックリスト:
温度管理:夏は25〜28度、冬は20〜25度が目安
危険物の除去:電気コード、小物、観葉植物などを片付ける
適度な明るさ:真っ暗にしない
BGM:テレビやラジオを小さな音でつけておく(静かすぎると不安になる犬もいる)
飼い主の匂いがするもの:使用済みのTシャツなどを置く
よくある失敗と対処法
トレーニングがうまくいかないこともあります。よくある失敗パターンと対処法を知っておきましょう。
トレーニングが進まないときは
「何週間もトレーニングしているのに、全然進まない」という場合は、以下を試してみてください。
見直しポイント:
ステップが大きすぎないか:5分が無理なら、2分に戻す
ごほうびは効果的か:もっと好きなおやつを使う
環境は整っているか:騒音や不快な温度がないか確認
体調は万全か:体調不良がストレスの原因になっていることも
それでも改善しない場合は、痛い!子犬の噛み癖を直す5つのステップで触れているように、ドッグトレーナーや獣医師に相談することも選択肢のひとつです。
留守番中の粗相対策
留守番中の粗相は、トイレトレーニングの問題と分離不安の両方が原因として考えられます。
対策:
3日で成功!子犬のトイレトレーニングを参考に、基本のトイレトレー🛒ニングを見直す
外出前に必ずトイレを済ませる
トイレスペースを広めに確保する
長時間の留守番を避ける
トイレトレーニングが完了しているのに留守番中だけ粗相する場合は、分離不安のサインかもしれません。
まとめ:焦らず愛犬のペースで
お留守番トレーニングは、一朝一夕にはいきません。しかし、段階を踏んで丁寧に進めることで、どんな犬も安心してひとりの時間を過ごせるようになります。
トレーニングのポイントおさらい:
適切な時期から始める:生後3〜4ヶ月以降が目安
5つのステップを踏む:クレート訓練→短時間分離→別室→外出→時間延長
吠えても戻らない:静かになってから褒める
出発・帰宅は静かに:特別感を出さない
環境を整える:おもちゃ、温度管理、安全対策
愛犬にとって留守番は、決してつらいものである必要はありません。「飼い主は必ず戻ってくる」という信頼関係が築ければ、お留守番も日常の一部として受け入れられるようになります。
子犬との幸せな暮らし方の基盤として、ぜひ今日からトレーニングを始めてみてください。愛犬のペースを尊重しながら、少しずつ成功体験を積み重ねていきましょう。






