散歩中や公園で可愛い犬に出会ったとき、つい触りたくなる気持ちはよくわかります。しかし、初対面の犬への接し方には重要なマナーがあります。正しい方法を知らないと、犬にストレスを与えたり、咬まれる事故につながることもあります。
この記事では、初対面の犬と安全に触れ合うための正しいマナーと注意点を、専門家の知見をもとに詳しく解説します。
なぜ「飼い主の許可」が最重要なのか
初対面の犬に触る前に必ず守るべきルールが、飼い主への許可取りです。「触ってもいいですか?」と一言声をかけることが、トラブルを防ぐ第一歩となります。

許可が必要な理由
犬にはそれぞれ性格や体調、トレーニング🛒状況があります。以下のようなケースでは、触られることが犬にとって大きなストレスになります:
病気療養中や体調不良のとき
トレーニング中で集中が必要なとき
怖がりや警戒心が強い性格
過去にトラウマがある犬
発情期や妊娠中のメス犬
犬の行動学の専門家によると、見知らぬ人から突然触られることは、犬にとって予測不可能な恐怖体験になり得ます。飼い主の許可を得ることで、その犬の状態を事前に確認できます。

初対面の犬への正しいアプローチ方法
飼い主の許可を得たら、次は犬への接近方法です。間違った近づき方は犬を驚かせたり怖がらせたりします。
ステップ1:ゆっくり横から接近する
犬の正面から直接近づくのは避け、斜め横から静かに近づきましょう。正面からの接近は犬にとって威圧的に映ります。
急な動きは避ける
声のトーンを低く優しく保つ
犬の目を直視しない(横目で見る程度)
ステップ2:手の甲を差し出して匂いを嗅がせる
犬に自分の存在を認識してもらうため、手の甲または握りこぶしを犬の鼻先にゆっくり差し出します。手のひらを開いて指を伸ばすと、犬が驚いて噛んで🛒しまうリスクがあります。
獣医行動学の研究では、犬は嗅覚で相手を判断するため、まず匂いを嗅がせることで安心感を与えられることが示されています。
ステップ3:犬が近づいてくるのを待つ
犬から近づいてくるのを待つことが重要です。犬が興味を示して近づいてくるなら、触っても問題ありません。逆に、離れていく・後ずさりするなら、その犬は触られたくないサインです。
安全な触り方:どこを・どう撫でるか
犬が受け入れてくれたら、次は触り方です。触る場所と方法を間違えると、突然噛まれることもあります。
最初に触るべき場所
| 推奨部位 | 理由 | 注意点 |
|---|---|---|
| 喉・胸元 | 視界に入り安心 | 優しく撫でる |
| 肩・首の横 | 犬がリラックスしやすい | 急に掴まない |
| 背中(肩甲骨周辺) | 多くの犬が好む場所 | 軽く撫でる程度 |
最初に触ってはいけない場所
頭の上:上から手が降りてくるのは威圧的
顔周り:敏感な部位で嫌がる犬が多い
足・尻尾:急に触ると反射的に噛むことも
お腹:信頼関係ができていない段階では避ける
動物行動学の専門家は、犬の頭を上から撫でる行為は「支配的な行動」と受け取られる可能性があり、初対面では避けるべきだと指摘しています。
絶対NGな行動:犬を怖がらせる接し方
初対面の犬との触れ合いで、絶対にやってはいけない行動があります。
避けるべき行動リスト
いきなり抱きつく・抱き上げる
- 犬は拘束されることを嫌います - 小型犬でも突然持ち上げるのは厳禁
大声を出す・高い声で話しかける
- 犬の聴覚は人間の4倍敏感 - 興奮させたり怖がらせたりする
目を直接見つめる
- 犬の世界では「挑発」の意味 - 視線は柔らかく、横目で見る程度に
上から覆いかぶさる
- 子供が犬にのしかかるのは特に危険 - 犬は逃げ場がないと感じて噛むことも
突然触る・後ろから触る
- 犬が気づいていない状態で触るのは危険 - 必ず犬の視界に入ってから
犬の「嫌がっているサイン」を読み取る
犬は言葉を話せませんが、ボディラン🛒ゲージで気持ちを表現します。カーミングシグナルと呼ばれるストレスサインを見逃さないことが重要です。
触るのをやめるべきサイン
| サイン | 意味 | 対処法 |
|---|---|---|
| あくびをする | ストレス・緊張 | 手を引いて距離を取る |
| 舌をペロペロ舐める | 不安・落ち着かない | 触るのを中止 |
| 目をそらす・白目を見せる | 恐怖・回避したい | すぐに離れる |
| 耳を後ろに倒す | 怖がっている | これ以上近づかない |
| 尻尾を足の間に挟む | 極度の恐怖 | 即座に距離を置く |
| 体を固くする | 緊張・警戒 | 触るのを止める |
これらのサインが見られたら、すぐに手を引き、犬から離れることが安全です。無理に触り続けると、犬が防衛的に噛むことがあります。
犬の気持ちを読み解くコミュニケーション方法については、犬のコミュニケーション:気持ちを読み解くで詳しく解説しています。
子供と犬の触れ合い:特に注意すべきポイント
子供が初対面の犬に触る場合、大人以上に注意が必要です。
子供特有のリスク
予測不可能な動き:急に走る・叫ぶ
力加減がわからない:強く掴んでしまう
顔を近づけやすい:噛まれると重傷に
親が教えるべきルール
必ず大人の許可を得てから触る
犬の顔に自分の顔を近づけない
優しく撫でる(叩いたり掴んだりしない)
犬が嫌がったらすぐに離れる
走って近づかない・追いかけない
動物行動学の研究によると、犬による咬傷事故の約6割は子供が被害者であり、その多くは「初対面の犬との不適切な触れ合い」が原因です。
散歩中の犬に声をかける際のマナー
公園や道端で散歩中の犬に声をかける際の具体的なマナーを紹介します。
飼い主への声かけ例
「こんにちは。可愛いワンちゃんですね。触らせていただいてもよろしいでしょうか?」
「お名前は何といいますか?撫でても大丈夫ですか?」
飼い主が断る場合の理由
飼い主が「今は遠慮してください」と断る場合、以下のような理由があります:
訓練中で他の人との触れ合いを制限している
人見知りで知らない人を怖がる
過去に嫌な経験があり警戒心が強い
体調が悪い・怪我をしている
断られても気を悪くせず、快く引き下がることがマナーです。
犬種による性格の違いと接し方
犬種によって性格傾向が異なり、初対面での反応も変わります。
フレンドリーな犬種(比較的触りやすい)
ゴールデンレトリバー:穏やか、人懐っこい
ラブラドール🛒レトリバー:友好的、社交的
ビーグル:陽気、好奇心旺盛
警戒心が強めの犬種(慎重に接する)
柴犬:独立心が強い、警戒心あり
チワワ:小さいが勇敢、怖がりも多い
シェルティ:繊細、知らない人に慎重
ただし、犬種の傾向はあくまで目安であり、個体差や育った環境によって性格は大きく異なります。必ず飼い主に確認しましょう。
他の犬との適切な付き合い方については、他の犬との上手な付き合わせ方で詳しく解説しています。
よくある質問(FAQ)
Q1: 犬が尻尾を振っていれば触っても大丈夫?
A: いいえ、尻尾を振る=嬉しいとは限りません。尻尾の振り方(高さ・速さ・振り幅)によって、興奮・緊張・警戒などさまざまな感情を表します。必ず飼い主の許可を得てから触りましょう。
Q2: 小型犬なら子供でも安全に触れる?
A: 小型犬だからといって安全とは限りません。むしろ小型犬は「自分が小さい」ことを自覚しており、防衛的になりやすい傾向があります。大型犬同様、慎重に接する必要があります。
Q3: 犬が自分から近づいてきたら許可なしで触っていい?
A: いいえ、犬が近づいてきても必ず飼い主に許可を取りましょう。犬は単に好奇心で近づいただけかもしれず、触られることを望んでいるとは限りません。
Q4: おやつを持っていれば犬と仲良くなれる?
A: 勝手におやつ🛒を与えるのは厳禁です。アレルギーがある犬、療法食が必要な犬、ダイエット中の犬もいます。必ず飼い主の許可を得てから与えましょう。
Q5: 犬が嫌がっているサインを見逃したらどうなる?
A: 犬は最初に「カーミングシグナル」で不快感を示しますが、それが無視されると唸る・歯を見せるといった警告行動に移行し、最終的には噛むことがあります。サインを見逃さないことが重要です。
Q6: 散歩中の犬に勝手に触るのはマナー違反?
A: はい、明確なマナー違反です。たとえ犬が友好的に見えても、飼い主🛒の許可なく触ることは、犬の安全管理を妨げる行為であり、トラブルの原因となります。
まとめ:互いに楽しい触れ合いのために
初対面の犬との触れ合いは、正しいマナーを守ることで、人も犬も楽しい経験になります。
覚えておくべき5つのポイント
必ず飼い主の許可を得る
ゆっくり横から近づき、手の甲を差し出す
喉や胸から撫で始め、頭上から触らない
カーミングシグナルを見逃さず、嫌がったらすぐやめる
子供には特に慎重な監督が必要
犬は人間の良きパートナーですが、言葉が通じない動物です。相手の気持ちを尊重し、安全な距離感を保つことで、素晴らしい触れ合いが実現します。
初対面での接し方を正しく学ぶことは、犬に好かれる人・嫌われる人の違いを理解する第一歩でもあります。ぜひ実践してみてください。






