愛犬のトリミングを自宅でできたら、サロンへの往復時間やコストを節約できるだけでなく、愛犬との絆を深める素晴らしい機会にもなります。「でも、素人には難しそう…」と思っている飼い主さんも多いのではないでしょうか。
実は、正しい道具を揃え、基本的な手順を覚えれば、初心者でも安全に自宅トリミングを始められます。この記事では、必要な道具の選び方から具体的なカット手順、失敗しないためのコツまで、犬のグルーミング:自宅でできるプロのケアの一環として詳しく解説します。
自宅トリミングを始める前に知っておくべきこと
自宅トリミングを成功させるためには、まず基本的な知識を身につけることが大切です。ブリーダーナビの専門記事でも解説されているように、トリミングには正しい順序と方法があります。

トリミングとグルーミングの違い
「トリミング」と「グルーミング」は混同されがちですが、実は異なる意味を持っています。
トリミングは、プラッキング(死毛抜き)、クリッピング(バリカン🛒による毛刈り)、カッティング(ハサミによるコートカット)といった被毛のカットを指します。
一方、グルーミングは、ブラッシング、シャンプー🛒、爪切り、耳掃除、歯磨きなど、犬の全身をケアする総合的なお手入れの総称です。

つまり、トリミングはグルーミングの一部と考えるとわかりやすいでしょう。
自宅トリミングのメリットとデメリット
自宅でトリミングを行うことには、さまざまなメリットとデメリットがあります。プロに任せるべきケアと自宅でできるケアの記事でも詳しく解説していますが、ここでは主なポイントをまとめます。
メリット:
サロン代の節約(月1回で5,000〜10,000円程度)
愛犬のストレス軽減(慣れた環境でケア)
好きなタイミングでケアできる
愛犬の体の変化に気づきやすい
デメリット:
道具の初期投資が必要
技術習得に時間がかかる
怪我のリスクがある
難しい部位のカットはプロほど仕上がらない
初めは簡単な部分から始めて、徐々にスキルを磨いていくことをおすすめします。
必須!トリミングに必要な道具一覧
自宅トリミングを始めるにあたり、まずは必要な道具を揃えましょう。ペピイの解説によると、道具は大きく分けてブラシ類、ハサミ類、バリカン、その他のアイテムに分類されます。必須グルーミングツール10選とその使い方も参考にしてください。
ブラシ類(スリッカー・ピン・獣毛・ラバー)
ブラシは愛犬の毛質に合わせて選ぶことが重要です。
スリッカーブラシ🛒 鋭い針金のピンが付いたブラシで、毛玉や死毛を取り除くために使います。ソフトとハードの2種類があり、慣れるまではソフトタイプを使うといいでしょう。ポメラニアンやハスキーなど、被毛が多く毛玉になりやすい犬種には欠かせないアイテムです。
ピンブラシ 太くて先端が丸いピンが付いており、特に長毛種のブラッシングに効果的です。死毛やホコリ、フケを取り除くほか、絡んだ毛やもつれをほぐすために使用します。
獣毛ブラシ 毛質が柔らかい犬種や、毛につやを与えるために使うブラシです。豚、猪、馬、混合型などの種類があり、愛犬の被毛に合わせて選びましょう。静電気が生じにくいので、ほこりを取り除くときに便利です。
ラバーブラシ ゴムのように柔らかいラバー製のブラシで、主に抜け毛の処理に使用します。マッサージ効果もあり、愛犬もリラックスしやすいです。
ファーミネーター アンダーコートの抜け毛をごっそり取り除いてくれる優れもので、特にダブルコートの犬種には重宝します。換毛期には特に活躍するアイテムです。
ハサミ類(カット用・梳きバサミ・ミニハサミ)
ワンペディアの獣医師監修記事でも強調されているように、ハサミ選びは安全性を最優先にしましょう。
カット用ハサミ トリミング専用の細長いハサミで、家庭用の一般的なハサミとは刃の構造が異なります。ステンレス製で錆びにくく、切れ味が長持ちするものがおすすめです。
梳きバサミ(すきバサミ) 初心者に最もおすすめのハサミです。全体的なバランスを崩さずに毛量を減らすことができ、失敗しても目立ちにくいのが特徴。特に長毛種やコートが厚い犬種のトリミングで役立ちます。
ミニハサミ 顔の周りや手足の先、肛門の周りなど細かい部分のカットに使います。先端が丸くなっているタイプを選ぶことで、万が一愛犬が動いても怪我のリスクを軽減できます。
バリカン(全身用・部分用)の選び方
ペットラインの専門家監修記事によると、バリカン選びにはいくつかのポイントがあります。
全身用バリカン 背中やお腹周りなど、広い面をカットするのに向いています。刃幅が広く、一度に多くの毛をカットできます。3〜10mmの刃が付いており、体をある程度短くしたい場合は8mmくらいがベストです。
部分用(ミニ)バリカン 足の裏や耳の周りなど、細かい部分を整える際に使用します。0.5〜1mmの刃で、小回りがきくのが特徴です。
選び方のポイント:
マイベストの比較記事でも紹介されていますが、初心者向けバリカンの選び方として以下を参考にしてください:
ペット専用を選ぶ:人間と犬では毛質も皮膚の厚さも異なります。犬用バリカン🛒は刃の作りがまったく違い、怪我のリスクを避けるためにも必須です
重量150〜230g、長さ16.0〜17.0cmが扱いやすい目安
静音タイプを選ぶと、愛犬が音で怖がりにくい
コードレスタイプは取り回しが楽でおすすめ
その他必要なアイテム
トリミングを安全かつ快適に行うために、以下のアイテムも準備しましょう。
| アイテム | 用途 |
|---|---|
| コーム(くし) | 細かい部分のブラッシングや仕上げ |
| 滑り止めマット | 愛犬が滑らないようにする |
| 止血剤(クイックストップ) | 万が一出血した場合の応急処置 |
| おやつ | ご褒美でトリミングを良い体験に |
| タオル | シャンプー後の乾燥、カット後の毛の除去 |
| 作業台(トリミングテーブル) | 腰への負担軽減、安定した作業 |
初心者向け!トリミングの基本手順
PSニュースの記事でも紹介されているように、トリミングには正しい順序があります。ここでは初心者でも実践しやすい基本手順を解説します。
ステップ1:事前準備とブラッシング
トリミングをキレイに仕上げるためには、まずコートの調子を整えることが重要です。
1. ブラッシングで毛玉を除去 毛玉がある状態でバリカンを使うと、刃に毛が引っかかり、愛犬に痛い思いをさせてしまいます。スリッカーブラシ🛒で丁寧に毛玉をほぐしましょう。
2. 必要に応じてシャンプー 汚れがひどい場合は、先にシャンプーをしてください。ただし、カットは毛が完全に乾いてから行います。濡れた状態でのカットは、仕上がりにムラができる原因になります。
3. ブラッシングの順番 背中→お腹→足→顔の順番で整えていきます。力を入れすぎず、優しく毛並みに沿ってブラシをかけましょう。
ステップ2:足裏の毛をカット
初心者にとって、いきなり全身をトリミングするのはハードルが高いでしょう。まずは肉球と肉球の間にある「足裏の毛」からトリミングすることをおすすめします。
足裏の毛が伸びていると、フローリングで滑ったり、汚れがつきやすくなったりします。肉球ケア:ひび割れを防ぐクリームと方法と合わせて定期的にケアしましょう。
やり方:
愛犬の足を優しく持ち上げる
ミニバリカン🛒で肉球からはみ出している毛をカット
肉球の間に刃が入りすぎないよう注意
4本の足すべてを同様にカット
ステップ3:お尻周りを整える
衛生面で重要なのがお尻周りのケアです。肛門周辺の毛が長いと、排泄物が付着しやすくなります。
やり方:
尻尾を持ち上げて肛門周辺を確認
ミニバリカンまたはミニハサミで、肛門から1〜2cm程度の毛を短くカット
刃を皮膚に垂直に当てないよう注意
ステップ4:体全体をカット
初心者は触られても嫌がらない背中から始めるのがコツです。
カットの順番:
背中:毛並みに沿ってバリカンを動かす
お腹:皮膚が薄いので特に慎重に
足:関節部分は皮膚がたるみやすいので注意
バリカンの使い方:
毛並みに沿って動かす
ゆっくり、一定の速度で
刃の長さは8mmがおすすめ(短すぎると皮膚を傷つけるリスク)
同じ場所を何度も往復しない
ステップ5:顔周りの仕上げ
顔周りは最も難しい部分です。愛犬が顔を触られるのを嫌がる場合や、自信がない場合は無理をせず、この部分だけプロに任せることも選択肢です。
やり方:
目の周りの毛は、丸刃のミニハサミで慎重にカット
口周りの毛は、食べ物で汚れやすいので整える
耳の周りは梳きバサミで自然に仕上げる
重要:ハサミは刃先が皮膚に向かないようにカットしてください。愛犬が動いてしまう場合は、無理をせずプロにお任せしましょう。
安全にトリミングするためのコツと注意点
トリミング中の怪我を防ぎ、愛犬にとっても良い体験にするためのコツを紹介します。
怪我を防ぐための5つのポイント
皮膚の薄い部分を把握する
お腹周りや関節の辺り、脇の下は皮膚が薄いため、バリカン🛒の使用には特に注意が必要です。
刃先の向きに注意
ハサミを使う際は、必ず刃先が皮膚から離れる方向を向くようにしましょう。
愛犬をしっかり固定
一人で難しい場合は、家族に手伝ってもらい、優しく愛犬を支えてもらいましょう。
短時間で区切る
長時間のトリミングは愛犬のストレスになります。15〜20分を目安に休憩を入れましょう。
道具のメンテナンス
刃が錆びたり、切れ味が落ちたりすると怪我のリスクが高まります。定期的に刃を研いだり、オイルを塗ったりしてメンテナンスしましょう。
愛犬がバリカンを嫌がる時の対処法
バリカン🛒の音や振動を嫌がる愛犬は少なくありません。グルーミング嫌いを克服させる方法でも詳しく解説していますが、段階的な慣らし方が効果的です。
脱感作トレーニング:
まずはバリカンを見せるだけ→おやつ
電源を入れずに体に触れさせる→おやつ
電源を入れた状態で近くに置く→おやつ
電源を入れた状態で体に触れる→おやつ
実際に少しだけカット→おやつ
各ステップで愛犬がリラックスできるようになってから次に進みましょう。焦りは禁物です。
バリカン負けを防ぐ方法
「バリカン負け」とは、バリカンの刃が皮膚に触れて皮膚が荒れてしまうことを指します。特に以下の部分は注意が必要です:
お腹
足の裏
肛門周辺
脇の下
予防策:
刃を皮膚に強く押し当てない
短すぎる刃(1mm以下)は避ける
刃が熱くなったら休憩する
カット後は保湿剤でケア
犬種別のトリミングポイント
犬種によって被毛の特性が異なるため、トリミングのアプローチも変わります。
トイプードルなどシングルコート犬種
シングルコートの犬種は毛が伸び続けるため、定期的なカットが必須です。シングルコート犬種の被毛ケアのポイントも参考にしてください。
代表的な犬種:
トイプードル
ヨークシャーテリア
マルチーズ🛒
シーズー
ポイント:
月1回程度のトリミングが目安
毛玉ができやすいので毎日のブラッシングが重要
カットスタイルのバリエーションが豊富
ポメラニアンなどダブルコート犬種
ダブルコートの犬種は、基本的にトリミング不要です。ある程度の長さまで伸びると成長が止まり、自然に抜け落ちます。ダブルコート犬種のアンダーコートケアでケア方法を確認しましょう。
代表的な犬種:
ポメラニアン
柴犬
ハスキー
ゴールデンレトリーバー
注意点:
短くカットしすぎると「ポメハゲ」などの脱毛症状が出ることも
毛質が変わってしまうリスクがある
足裏やお尻周りの衛生カットのみがおすすめ
犬種別・人気カットスタイル集も参考にして、愛犬に合ったスタイルを見つけてください。
よくある失敗と対処法
ホームトリマーの失敗談記事にもあるように、初心者がやりがちな失敗とその対処法を紹介します。
切りすぎてしまった場合
特に目元や耳の周りなど細かい部分をカットする際、思ったより短くなってしまうことがあります。
対処法:
慌てない(毛は必ず生えてきます)
左右のバランスを整える程度に留める
次回からは少しずつカットすることを心がける
予防策:
最初は控えめにカット
梳きバサミを使うと失敗が目立ちにくい
理想より長めに仕上げる意識で
出血してしまった場合
トリミング中に愛犬が突然動いて、皮膚を切ってしまうことがあります。
対処法:
まず落ち着く
清潔なガーゼで傷口を押さえて圧迫止血
止血剤(クイックストップ)があれば使用
出血が止まらない、傷が深い場合は動物病院へ
予防策:
愛犬をしっかり固定する
刃先の向きに常に注意
愛犬が落ち着いている時にトリミング
まとめ:自宅トリミングを楽しもう
自宅トリミングは、正しい道具と知識があれば初心者でも始められます。この記事で紹介した内容をおさらいしましょう。
必須道具:
ブラシ🛒類(スリッカー、ピン、獣毛など)
ハサミ類(梳きバサミがおすすめ)
バリカン(全身用・部分用)
その他(コーム、止血剤、滑り止めマットなど)
基本手順:
ブラッシングで準備
足裏→お尻周り→体→顔の順番でカット
難しい部分は無理せずプロへ
成功のコツ:
最初は簡単な部分から始める
短時間で区切って休憩を入れる
愛犬のペースに合わせる
失敗を恐れず継続して練習
自宅トリミングは、愛犬との大切なスキンシップの時間でもあります。焦らず、楽しみながら少しずつスキルを磨いていきましょう。難しい部分や不安がある場合は、犬のグルーミング:自宅でできるプロのケアを参考にしながら、プロのトリマーさんにも相談してみてください。
愛犬との幸せなグルーミングライフを応援しています!






