愛犬が後ろ足🛒で耳を激しく掻いたり、頭を頻繁に振ったりしていませんか?その原因は耳ダニ(ミミヒゼンダニ)かもしれません。耳ダニは犬の耳の中に寄生する小さなダニで、強烈なかゆみを引き起こします。VCA動物病院によると、耳ダニは非常に感染力が強く、感染した動物との直接接触で簡単にうつります。放置すると二次感染や聴力への影響も懸念されるため、早期発見・早期治療が重要です。この記事では、耳ダニの症状から治療法、予防対策まで詳しく解説します。
耳ダニ(ミミヒゼンダニ)とは?寄生虫の特徴
耳ダニ症は「耳疥癬(みみかいせん)」とも呼ばれ、学名「Otodectes cynotis(オトデクテス・シノティス)」というダニが耳の中に寄生して起こる皮膚病です。このダニは0.3〜0.5mm程度と非常に小さく、肉眼では確認できません。

ミミヒゼンダニは耳垢や皮膚のフケをエサにして繁殖を繰り返します。その糞や唾液がアレルギー🛒反応を引き起こし、犬に激しいかゆみをもたらします。PetMDによると、耳ダニは猫に比べると犬では比較的少ないものの、子犬や屋外で過ごす時間の長い犬には注意が必要です。
耳ダニのライフサイクルは約3週間で、卵から成虫になるまでに5つの発育段階を経ます。成虫の寿命は約2ヶ月で、その間絶えず繁殖を続けます。このため、一度感染すると自然治癒は期待できず、適切な治療が必要となります。
耳ダニの主な症状:こんなサインに注意
耳ダニに感染すると、特徴的な症状が現れます。早期発見のために、以下のサインを見逃さないようにしましょう。

行動の変化
| 症状 | 詳細 | 重症度 |
|---|---|---|
| 激しく耳を掻く | 後ろ足で頻繁に耳を掻く | 軽度〜中等度 |
| 頭を振る | 頻繁に頭を左右に振る | 軽度〜中等度 |
| 耳を擦りつける | 床やカーペットに耳を擦りつける | 中等度 |
| 頭を傾ける | 感染した側に頭を傾ける | 中等度〜重度 |
| 落ち着きがない | かゆみによるイライラ | 軽度〜中等度 |
耳の外観の変化
コーヒーかすのような黒褐色の耳垢(最も特徴的)
耳の中の悪臭
耳の周りの脱毛や傷
耳の赤み・腫れ
耳介の内側の湿疹
重症化すると、耳の掻きすぎによる出血や耳血腫(耳に血が溜まる)、中耳・内耳への炎症波及により、斜頸(首が傾く)や神経症状を引き起こすこともあります。早めの治療が重要です。
感染経路:どこから耳ダニはやってくる?
耳ダニの感染は主に感染した動物との直接接触によって起こります。ペット&ファミリー損保の情報によると、以下のような場所や状況で感染リスクが高まります。
| 感染リスクの高い場所 | 感染経路 | 対策 |
|---|---|---|
| ペットショップ | 感染した子犬との接触 | 購入前の健康チェック |
| 保護施設 | 多頭飼育環境での接触 | 譲渡後の検査 |
| ドッグラン | 他の犬との遊び | 帰宅後の耳チェック |
| トリミングサロン | 共用器具を介した感染 | 信頼できる店舗選び |
| ペットホテル | 感染犬との同室 | 事前の健康証明 |
また、母犬から子犬への感染も多く見られます。直接触れ合わなくても、感染した動物が使っていたベッドやブラシ、キャリーバッグ🛒などに落ちたダニや卵から感染することもあります。耳ダニは耳以外の皮膚にも一時的に寄生できるため、体全体の接触でも感染します。
診断方法:獣医師による検査
耳ダニの診断は比較的簡単です。獣医師は以下の方法で診断を行います。
耳鏡検査 - 耳の中を専用の器具で観察し、ダニの動きや耳垢の状態を確認
耳垢の顕微鏡検査 - 綿棒で採取した耳垢をミネラルオイルと混ぜ、顕微鏡でダニ本体や卵を確認
耳細胞診 - より詳細な検査で細菌や酵母菌による二次感染の有無も確認
CAPC(コンパニオンアニマル寄生虫協議会)によると、顕微鏡検査でダニや卵が確認できれば確定診断となります。検査自体は痛みを伴わず、その場で結果がわかることがほとんどです。
治療法:駆虫薬による治療が中心
耳ダニの治療には、ダニを駆除する薬の投与が中心となります。ダニの卵には薬が効かないため、ライフ🛒サイクル(約3週間)に合わせて継続的な治療が必要です。
主な治療薬の比較
| 薬剤タイプ | 成分例 | 投与方法 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| スポットタイプ | セラメクチン(レボリューション) | 肩甲骨間に滴下 | 月1回、予防にも |
| スポットタイプ | モキシデクチン(アドボケート) | 肩甲骨間に滴下 | フィラリア予防も |
| 経口薬 | イソキサゾリン系(ネクスガード等) | 内服 | ノミダニ予防も兼用 |
| 耳用点耳薬 | イベルメクチン含有薬 | 耳に直接投与 | 即効性あり |
注意点: コリー系の犬種(シェルティ🛒、コリー、ボーダーコリーなど)にはイベルメクチンの使用を避け、セラメクチンなど安全な薬剤を選択することが重要です。これはMDR1遺伝子変異により薬剤に対する感受性が高いためです。
治療の流れ
耳の洗浄で耳垢を除去(薬剤の浸透を高める)
駆虫薬の投与(2〜4週間継続)
二次感染がある場合は抗生剤や抗真菌薬も併用
治療後の再検査で駆虫完了を確認
治療開始から1〜2日で症状の改善が見られますが、完全に駆虫するには最大30日程度かかることがあります。途中で症状が改善しても、獣医師の指示通り治療を継続することが重要です。
予防対策:定期的な予防薬で感染を防ぐ
耳ダニ症の予防には、定期的な駆虫薬の投与が最も効果的です。
予防のポイント
定期的な予防薬投与 - レボリューションなどのノミ・ダニ予防薬を月1回使用
耳の定期チェック - 週1回程度、耳の中の状態を確認
感染犬との接触を避ける - 耳を気にしている犬との接触は控える
環境の清潔維持 - 寝具やおもちゃ🛒の定期的な洗濯・消毒
定期的な健康診断 - 年2回程度の獣医師による耳の検査
多頭飼育の場合、1頭でも感染が確認されたら、症状がなくても全てのペットを同時に治療することが重要です。耳ダニは非常に感染力が強いため、治療しないペットがいると再感染のリスクが高まります。
人への感染リスク:一時的な症状に注意
耳ダニは人にも一時的に感染することがあります。ただし、ミミヒゼンダニは人間の皮膚では長期間生存・繁殖できないため、症状は一時的なものにとどまります。
感染した場合、かゆみを伴う赤い発疹が出ることがありますが、愛犬の治療が完了すれば人の症状も自然に治まります。感染犬の耳掃除をする際は手袋を着用し、作業後は必ず石鹸で手を洗いましょう。
まとめ:早期発見・早期治療が大切
耳ダニは適切な治療により完治する病気です。愛犬が耳を激しく掻いたり、コーヒー🛒かすのような耳垢が見られたりしたら、早めに動物病院を受診しましょう。定期的な予防薬の投与と耳のチェックで、耳ダニ感染を未然に防ぐことができます。寄生虫対策の基本については犬の寄生虫対策:予防が愛犬を守るもご参照ください。





