子犬を迎えたばかりの飼い主さんにとって、耳掃除は「どうやればいいの?」「どのくらいの頻度で?」と悩むケアの一つです。正しい方法を知らないまま行うと、逆に耳のトラブルを引き起こしてしまうこともあります。
この記事では、獣医師監修の情報をもとに、子犬の耳掃除の適切な頻度と正しいやり方を詳しく解説します。イヤークリーナーの使い方から、嫌がる子犬への対処法、外耳炎の予防まで、初めての方でも安心してケアできる完全ガイドです。
子犬との幸せな暮らしを送るために、正しい耳ケアの習慣を身につけましょう。
子犬の耳掃除はいつから始める?
耳掃除を始めるタイミング

子犬の耳掃除を始める時期に、厳密な決まりはありません。ただし、目安として生後3ヶ月頃から少しずつ耳に触れる練習を始めると良いでしょう。
耳掃除が必要なサインとしては、以下のような状態があります:
耳の中に汚れが見える
耳から少しニオイがする
子犬が耳をかゆがる仕草をしている
頻繁に頭を振っている
これらの様子が見られたら、耳の状態をチェックして、必要に応じて掃除を行いましょう。

まずは触ることから始めよう
いきなり耳掃除を始めるのではなく、まずは耳に触られることに慣れさせることが大切です。犬は本来、耳やしっぽ、足など体の末端を触られることに苦手意識を持ちやすい🛒傾向があります。
スキンシップで耳に触れる練習
背中や頭など、犬が喜びやすい場所をなでる
短い時間だけサッと耳の外側に触れる
徐々に触れる時間を延ばしていく
耳の縁、内側へと触れる範囲を広げる
マッサージで気持ちよさを教える
親指と中指で愛犬の両耳の付け根を背後から軽く押さえ、円を描くようにマッサージしてみましょう。耳の付け根を揉みほぐすと気持ちよく感じる犬は多く、耳を触られることへの抵抗感を減らすことができます。
子犬の耳掃除の正しい頻度
基本は月1〜2回で十分
獣医師監修の解説によると、犬の耳掃除の頻度は月に1〜2回程度で十分です。耳があまり汚れていない場合は、月に1回程度でも問題ありません。
日常的なケアとしては:
| ケアの種類 | 頻度 | 内容 |
|---|---|---|
| 耳のチェック | 週1回程度 | 汚れ・ニオイ・赤みの確認 |
| 軽い拭き取り | 汚れた時 | 見える範囲の汚れを拭く |
| しっかり掃除 | 月1〜2回 | イヤークリーナーを使用 |
VCA Animal Hospitalsも、健康な耳を持つ犬は汚れが目立った時だけ掃除すれば十分としています。
立ち耳と垂れ耳で違う頻度
犬の耳の形状によって、汚れやすさが異なります。
立ち耳の犬種(柴犬、コーギー、シェパードなど)
通気性が良く、汚れがたまりにくい
月1回程度のケアで十分
あまり汚れていなければ無理に掃除しなくてOK
垂れ耳の犬種(ダックスフンド、ビーグル、コッカースパニエルなど)
通気性が悪く、耳の中が蒸れやすい
月2回程度のケアが推奨
こまめなチェックが大切
やりすぎは逆効果!
耳掃除は「やればやるほど良い」というものではありません。頻繁にやりすぎると、逆に耳のトラブルを引き起こす原因になります。
やりすぎによるリスク:
常在菌バランスの崩れ:耳の皮膚を守っている常在菌が減少し、悪玉菌が繁殖しやすくなる
皮膚の損傷:デリケートな耳の皮膚を傷つけてしまう
外耳炎のリスク増加:炎症を起こしやすくなる
「夜寝る前」や「お散歩のあと」などタイミングを決めて、週1回程度の汚れチェックを習慣化するのがおすすめです。
準備するもの:イヤークリーナーとコットン
イヤークリーナーの選び方
犬の耳掃除には、専用のイヤークリーナー🛒(耳洗浄液)を使用します。ビルバックジャパンによると、選ぶ際のポイントは以下の通りです:
選び方のポイント
低刺激性のものを選ぶ
アルコールフリーが望ましい
乾きやすい成分を含むものが良い
菌の繁殖を防ぐ成分入りがベター
アルコールなど刺激の強い成分が含まれていると、犬が嫌がったり皮膚を傷めたりする原因になります。
コットン(ガーゼ)の準備
耳掃除に使う素材は、やわらかいコットンやガーゼが最適です。
清潔なものを使用する
数枚用意しておく(左右で変える)
市販のコットンパッドでOK
絶対使わないもの:綿棒
犬の耳掃除に綿棒は絶対に使わないでください。これはCornell Universityをはじめ、多くの獣医師が警告しています。
綿棒がNGな理由:
耳垢を奥に押し込んでしまう
耳の中を傷つけるリスクが高い
外耳炎の原因になる
鼓膜を傷つける危険性
人間は綿棒を使いますが、犬の耳道は人間よりも長くL字型をしているため、綿棒では安全に掃除できません。
自宅でできる耳掃除のやり方【ステップ解説】
獣医師監修のガイドをもとに、自宅でできる安全な耳掃除の手順を解説します。子犬の初お風呂と同様に、焦らずゆっくり進めることが成功のコツです。
ステップ1:耳の状態をチェック
まずは耳の状態を確認します。以下の項目をチェックしましょう:
汚れ:茶色や黒っぽい耳垢がついていないか
ニオイ:異常な臭いがしないか
赤み・腫れ:炎症を起こしていないか
分泌物:膿のような液体が出ていないか
異常がある場合は自宅での掃除を控え、動物病院を受診してください。
ステップ2:イヤークリーナーを人肌に温める
冷たいイヤークリーナー🛒をいきなり耳に入れると、犬が驚いて嫌がる原因になります。
温め方
手のひらでボトルを包んで温める
人肌程度(36〜37℃)になればOK
熱すぎないか確認してから使用
この一手間で、犬の受け入れが格段に良くなります。
ステップ3:見える範囲をやさしく拭く
基本の耳掃除は、耳介(外耳の見える部分)を拭くだけで十分です。
拭き方のコツ
イヤークリーナーをコットンにしみ込ませる
耳介の外側から内側へ向かってやさしく拭く
こすらず、なでるように汚れを取る
耳のヒダの隙間も丁寧に
左右で別々のコットンを使用する
犬の耳には自浄作用があり、奥の汚れは自然と手前に押し出されてきます。無理に奥まで掃除する必要はありません。
ステップ4:液体を注入する方法(汚れがひどい場合)
耳の奥まで汚れている場合は、イヤークリーナーを直接注入する方法があります。ただし、この方法は耳が健康な状態であることが前提です。外耳炎や鼓膜に傷がある場合は絶対に行わないでください。
注入の手順
耳の穴にイヤークリーナーを数滴〜少量入れる
耳の付け根(耳の穴の下あたり)を指でやさしくマッサージ
「クチュクチュ」と音がするように30秒ほど揉む
手を離すと犬がブルブル頭を振るので、そのままにする
飛び出してきた汚れをコットンで拭き取る
この方法は獣医師の指導を受けてから行うことをおすすめします。
ステップ5:たくさん褒めてごほうび
耳掃除が終わったら、愛犬をたくさん褒めてあげましょう。
「よくできたね!」と声をかける
お気に入りのおもちゃ🛒で遊ぶ
ごほうびのおやつをあげる
「耳掃除=良いことがある」というポジティブな経験にすることで、次回からの耳掃除がスムーズになります。
子犬が耳掃除を嫌がる時の対処法
嫌がる理由を理解しよう
子犬が耳掃除を嫌がるのには理由があります。
よくある理由
耳は敏感な部位:触られること自体に慣れていない
過去のトラウマ:無理に押さえつけられた経験
冷たい液体への驚き:急に冷たいものを入れられた
道具への恐怖:イヤークリーナーのボトルを見ただけで逃げる
子犬の噛み癖対処法と同様に、嫌がる行動には必ず原因があります。焦らず、原因を理解した上で対処していきましょう。
触ることから段階的に慣れさせる
耳掃除を嫌がる子犬には、段階的なアプローチが効果的です。
慣れさせるステップ
| ステップ | 内容 | 目標 |
|---|---|---|
| 1 | 背中・頭をなでる | 触られることに慣れる |
| 2 | 耳の外側に触れる | 耳への接触に慣れる |
| 3 | 耳の内側をなでる | より深い接触に慣れる |
| 4 | コットンで軽く拭く | 拭かれることに慣れる |
| 5 | イヤークリーナー使用 | 本格的な耳掃除 |
各ステップを数日〜1週間かけてゆっくり進めましょう。
ごほうび作戦で克服
ポジティブな関連付けを作ることが、嫌がりを克服する近道です。
実践方法
耳を触らせてくれたら → おやつ
拭かせてくれたら → おやつ
全部終わったら → 特別なごほうび
「耳掃除は楽しいこと」と思わせることで、嫌がらなくなる犬も多いです。ただし、できた時にだけごほうびを与えることがポイントです。
プロに任せる選択肢も
それでも嫌がって危険を感じる場合は、無理をせずプロに任せましょう。
動物病院:耳の健康チェックも同時にできる
トリミングサロン:グルーミング🛒の一環として依頼
無理やり行うとケガにつながる恐れがあり、愛犬との信頼関係が崩れてしまう可能性もあります。プロの力を借りながら、徐々に自宅での耳掃除に移行していくのがおすすめです。
外耳炎を予防する耳ケア習慣
外耳炎ってどんな病気?
外耳炎は、獣医師監修の解説によると、耳介から鼓膜までの外耳の皮膚に炎症が起こる病気です。動物病院にかかる病気の中でも最も多いものの一つで、どの犬種・年齢でも起こりえます。
外耳炎の主な症状
耳をかゆがる、後足で引っかく
頻繁に頭を振る
耳から悪臭がする
耳垢が増える
耳が赤く腫れている
耳を触ると怒る・痛がる
主な原因
細菌・真菌の繁殖
耳ダニなどの寄生虫
アトピーやアレルギー
耳の中の蒸れ
外耳炎になりやすい犬種
以下の犬種は外耳炎のリスクが高いため、特に注意が必要です。
垂れ耳の犬種
コッカースパニエル
レトリバー
ダックスフンド
ビーグル
耳道に毛が密生する犬種
テリア種
プードル
シーズー
アレルギー体質の犬 犬アトピー性皮膚炎の犬の83%で外耳炎を併発していたというデータがあります。また、食物アレルギーの犬の80%は外耳炎を併発しているとも言われています。
日常の耳チェック習慣
外耳炎を予防するには、日頃からの観察が大切です。
週1回の耳チェックポイント
[ ] 耳垢の量は正常か
[ ] 耳垢の色はいつも通りか(茶色が正常)
[ ] 異常なニオイはないか
[ ] 赤みや腫れはないか
[ ] 犬が耳を気にしていないか
異常を早期発見することで、軽度のうちに治療を始められます。
こんな時は動物病院へ!受診すべきサイン
すぐに受診すべき症状
以下の症状が見られたら、自宅でのケアは控えて動物病院を受診しましょう。
要受診のサイン
耳が臭い(悪臭がする)
耳が赤く腫れている
耳垢が異常に多い、または色がおかしい
頻繁に頭を振る
耳を触ると怒る、痛がる
首を傾けている
膿のような分泌物が出ている
これらは外耳炎やその他の耳の病気のサインです。放置すると症状が悪化し、手術が必要になるケースもあります。
定期健診のすすめ
自宅での耳掃除だけでなく、月1回程度の動物病院での耳チェックもおすすめです。
定期健診のメリット:
プロによる耳の健康チェック
自分では気づかない異常の発見
正しい耳掃除方法の指導
愛犬に合ったケア方法のアドバイス
特に外耳炎を繰り返す犬や、アレルギー🛒体質の犬は、かかりつけ医と連携してケアしていくことが大切です。
まとめ:子犬の耳掃除を成功させるポイント
今日から始める耳ケア習慣
子犬の耳掃除で大切なポイントをおさらいしましょう。
頻度のまとめ
耳のチェック:週1回
軽い拭き取り:汚れた時
しっかり掃除:月1〜2回
やり方のまとめ
コットンとイヤークリーナーを使用
綿棒は絶対に使わない
見える範囲をやさしく拭く
奥まで無理に掃除しない
嫌がる時は
段階的に慣れさせる
ごほうびを活用
無理をせずプロに相談
正しい耳ケア習慣を身につけることで、外耳炎などのトラブルを予防し、愛犬の健康を守ることができます。
子犬との幸せな暮らしのために、今日から耳チェックを始めてみませんか?週1回の簡単なチェックから、愛犬の耳の健康を守っていきましょう。






