愛犬🛒が突然、水のような下痢を繰り返すようになったら、ジアルジア症を疑う必要があります。ジアルジアは水や汚染された環境から感染する原虫で、特に子犬や免疫力の弱い犬に深刻な症状を引き起こします。CDC(アメリカ疾病予防管理センター)によると、ケネルなどの集団飼育環境では最大45%の犬が感染しているとも報告されており、非常に身近な感染症といえます。この記事では、ジアルジア症の原因から症状、治療法、そして予防対策まで詳しく解説します。
ジアルジア症とは?原虫による腸内感染
ジアルジア症は、ジアルジアと呼ばれる単細胞の原虫が犬の小腸に寄生することで発症する感染症です。この寄生虫は肉眼では見えないほど小さく、顕微鏡でしか確認できません。ジアルジアは小腸の粘膜に付着し、栄養を吸収しながら増殖していきます。

ジアルジアは小腸内で二分裂しながら増殖し、やがてシスト(嚢子)という殻に覆われた形態で便とともに排出されます。このシストが非常に厄介で、コーネル大学獣医学部の研究によると、環境中で数週間から数ヶ月生存可能であり、一般的な消毒薬にも耐性を持っています。このため一度環境が汚染されると、完全に除去🛒するのは非常に困難です。
感染経路:水たまりや汚染環境からの感染
ジアルジアの主な感染経路は経口感染です。感染した動物の便に含まれるシストが付着した食べ物や水を摂取することで感染が成立します。特に水を介した感染が多いことから「水系感染症」とも呼ばれています。
| 感染リスクの高い場所 | 理由 | 対策 |
|---|---|---|
| 水たまり・池 | シストが水中で長期生存 | 飲水させない |
| ペットショップ | 多頭飼育による接触機会 | 購入前の健康診断 |
| 保護施設 | 感染犬との接触 | 隔離期間の確認 |
| ドッグラン | 糞便を介した感染 | 便の即時処理 |
| 散歩コース | 汚染された草や土 | 拾い食い防止 |

特に注意が必要なのは、散歩中の水たまりでの飲水です。見た目がきれいな水でも、ジアルジアのシストが含まれている可能性があります。雨上がりの水たまりや公園の噴水なども感染源となり得るため、外出時は必ず清潔な飲み水を持参しましょう。
症状:悪臭を伴う水様性下痢が特徴
ジアルジア症の主な症状は消化器系に現れます。VCA動物病院によると、特徴的な症状として腐った油のような悪臭を伴う下痢が挙げられます。この独特の臭い🛒は、ジアルジアによる脂肪の消化吸収障害が原因です。
主な症状一覧
水様性または粘液性の下痢(1日数回〜数十回)
緑がかった便色
血便(重症の場合)
腹痛・腹部不快感
体重減少・発育不良
食欲不振・元気消失
脱水症状(皮膚の弾力低下)
被毛の艶の低下
成犬では無症状のまま経過することも多いですが、子犬や免疫力の低下した犬では重篤な症状を呈することがあります。小腸では栄養だけでなく水分の吸収も行われているため、下痢が続くと脱水や栄養不良を引き起こし、特に成長期の子犬では発育不良の原因にもなります。
診断方法:糞便検査とPCR検査による確定診断
ジアルジアの診断は糞便検査が基本ですが、シストは常に排出されているわけではないため、1回の検査では見逃すことがあります。そのため、獣医師は短期間に複数回の糞便検査を行うことが一般的です。検査は最低でも3日連続で行うことが推奨されています。
診断方法の比較
| 検査方法 | 精度 | 特徴 |
|---|---|---|
| 直接塗抹法 | 中程度 | 迅速だが見逃しやすい |
| 浮遊集虫法 | 高い | シストを濃縮して検出 |
| 抗原検出キット | 高い | 特異性が高い |
| PCR検査 | 最高 | 遺伝子レベルで検出 |
より確実な診断方法として、ジアルジア抗原検出キットやPCR検査があります。これらの検査はシストの排出に左右されず、より正確な診断が可能です。症状がジアルジア症を示唆している場合は、これらの精密検査を依頼することをお勧めします。
治療法:抗原虫薬による駆虫治療
ジアルジア症の治療には抗原虫薬を使用します。CAPC(コンパニオンアニマル寄生虫協議会)のガイドラインでは、以下の薬剤が推奨されています。治療の目標は下痢などの臨床症状を解消し、シストの排出を止めることです。
| 薬剤名 | 投与方法 | 期間 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| メトロニダゾール | 1日2回 | 5-7日間 | 最も一般的な選択 |
| フェンベンダゾール | 1日1回 | 3-5日間 | 欧州で承認済み |
| 併用療法 | 両剤併用 | 5日間 | 難治例に有効 |
治療は通常3〜4クール必要となることが多く、完全に駆虫できるまで根気強く続ける必要があります。1クールは5日間の投薬で、クール間には休薬期間を設けます。下痢による脱水がある場合は、点滴による水分補給🛒も並行して行われます。重度の脱水では入院治療が必要になることもあります。
治療終了後24〜48時間で再検査を行い、シストの排出が止まっていることを確認します。陰性が確認されるまで治療を継続することが重要です。
予防対策:清潔な環境と水の管理が鍵
ジアルジア症の予防には、感染源となる汚染された水や環境との接触を避けることが最も重要です。日常生活での注意点を守ることで、感染リスクを大幅に下げることができます。
日常的な予防策
散歩中の注意 - 水たまりや池の水を飲ませない、草や土を食べさせない
清潔な飲み水 - 毎日新鮮な水を与え、水容器も定期的に洗浄
定期的な検便 - 年2回以上の糞便検査で早期発見・早期治療
衛生管理 - 便の速やかな処理と手洗いの徹底
多頭飼育の注意 - 感染犬の隔離と同居犬の検査
感染が判明した場合は、犬のベッドや食器、おもちゃ🛒などを毎日洗浄・消毒することが推奨されます。熱湯消毒(60℃以上)が最も効果的です。庭や土の上のシストは消毒剤では除去できないため、直射日光による乾燥が有効です。
人への感染リスク:人獣共通感染症としての注意点
ジアルジアは人獣共通感染症(ズーノシス)の原因となる可能性があります。ただし、犬から人への直接感染リスクは比較的低いとされています。しかし、ジアルジアには複数の遺伝子型があり、一部は人にも感染可能なタイプが犬から検出されることがあります。
それでも、感染犬の便を処理した後は必ず石鹸で手を洗い、免疫力の低い方(高齢者、幼児、妊婦、免疫不全の方)は特に注意が必要です。愛犬の健康管理🛒は、家族全員の健康を守ることにもつながります。
まとめ:早期発見と予防で愛犬を守ろう
ジアルジア症は水や汚染環境から感染する原虫性の腸疾患です。特徴的な悪臭を伴う下痢が見られたら、早めに獣医師に相談しましょう。早期発見と適切な抗原虫薬による治療により完治可能ですが、何より予防が最も重要です。散歩中の水たまりでの飲水を避け、定期的な検便で愛犬の健康を守りましょう。寄生虫対策の基本については犬の寄生虫対策:予防が愛犬を守るもご参照ください。





