「犬も虫歯になるの?」という疑問を持つ飼い主さんは多いのではないでしょうか。実は、犬の歯のトラブルは人間とは少し異なります。この記事では、犬がかかりやすい歯の病気の種類と、それぞれの対処法について詳しく解説します。
犬は虫歯になりにくい?その理由
意外かもしれませんが、犬が虫歯になることはほとんどありません。犬の歯科疾患のうち、虫歯が占める割合は10%未満と言われています。

なぜ犬は虫歯になりにくいのか
犬が虫歯になりにくい理由は、口腔内環境の違いにあります:
| 比較項目 | 犬 | 人間 |
|---|---|---|
| 唾液のpH | アルカリ性 | 中性〜弱酸性 |
| 歯の形状 | 鋭利(肉食向け) | 平らな面が多い |
| 食事内容 | 糖分が少ない | 糖分を多く摂取 |
| 虫歯菌の繁殖 | しにくい | しやすい |
虫歯菌は酸性環境で活発になるため、アルカリ性の唾液を持つ犬の口内では繁殖しにくいのです。

犬も虫歯になることはある
ただし、犬が全く虫歯にならないわけではありません。甘いものを頻繁に与えていたり、歯のケアを怠ったりすると、奥歯(臼歯)の噛み合わせ面に虫歯ができることがあります。
虫歯の進行度は5段階に分けられ、初期(ステージ1〜2)であればエナメル質を削って詰め物🛒で対応できますが、重度になると根管治療や抜歯が必要になります。
犬で最も多い歯のトラブル:歯周病
犬の歯科疾患で圧倒的に多いのは歯周病です。3歳以上の犬の約80%が歯周病またはその予備軍と言われています。
歯周病とは
歯周病は、歯垢(プラーク)内の細菌が原因で歯茎や歯を支える組織に炎症が起こる病気です。人間では歯垢が歯石になるまで2〜3週間かかりますが、犬はわずか3日で歯石化してしまいます。
歯周病の進行と症状
| 進行段階 | 症状 | 対処法 |
|---|---|---|
| 軽度(歯肉炎) | 歯茎が赤い、軽い口臭 | 歯磨きで改善可能 |
| 中度 | 歯茎の腫れ・出血、強い口臭 | 歯石除去が必要 |
| 重度(歯周炎) | 歯のぐらつき、膿、顎骨の吸収 | 抜歯が必要な場合も |
口臭がひどい場合の原因と改善方法も参考にしてください。
歯周病を放置するとどうなる?
歯周病を放置すると、以下のような深刻な問題を引き起こす可能性があります:
歯が抜け落ちる
顎の骨が溶ける(特に小型犬は骨折リスクも)
目の下に穴が開く(瘻管形成)
心臓病・腎臓病などの全身疾患
歯石がついてしまった場合の除去方法についても確認しておきましょう。
注意すべき歯のトラブル:破折(歯が折れる)
歯の破折は、犬で2番目に多い歯科疾患です。破折の90%以上は、硬いものを噛んだことが原因です。
破折の原因となるもの
以下のものは破折の原因になりやすいので注意が必要です:
蹄(ヒヅメ)
鹿の角・牛の骨
アキレス腱
ヒマラヤチーズ
硬いナイロン製おもちゃ🛒
氷
犬のエナメル質は人間の約10分の1の薄さしかなく、思った以上に簡単に欠けたり折れたりします。
折れやすい歯
特に破折しやすいのは以下の歯です:
犬歯(前の大きな牙)
上顎第4前臼歯(上の奥歯)
下顎第1後臼歯(下の奥歯)
破折の種類と危険性
破折には大きく2種類あります:
| 種類 | 状態 | 緊急性 |
|---|---|---|
| 単純破折 | エナメル質・象牙質のみの損傷 | 経過観察可能な場合も |
| 複雑破折(露髄) | 歯髄(神経・血管)が露出 | 早急な治療が必要 |
歯髄が露出すると、細菌が侵入して歯髄炎を起こします。さらに進行すると歯根膿瘍となり、顔が腫れたり、目の下に穴が開いて膿が出たりすることもあります。
歯が折れたときの対処法
歯が折れたら、できるだけ早く動物病院🛒を受診してください。特に歯髄が露出している場合は、24時間以内の受診が理想です。早期であれば歯を残せる可能性が高まります。
治療法は主に2つ:
根管治療(歯を残す治療):歯髄を除去し、詰め物と被せ物で修復
抜歯:歯全体を除去
3歳以上の犬で、折れてから24時間以内であれば根管治療で歯を残せる可能性があります。抜歯が必要なケースと術後ケアについても知っておくと安心です。
その他の歯のトラブル
乳歯遺残
子犬の乳歯が抜けずに永久歯と並んで残ってしまう状態です。歯並びが悪くなり、歯垢が溜まりやすくなります。乳歯が抜けない問題と対処法を参考にしてください。
口内炎・歯肉炎
免疫力の低下やアレルギー🛒などが原因で、口の中に炎症が起こることがあります。食欲低下や口を気にする仕草が見られます。
口腔腫瘍
高齢犬では、口の中に腫瘍ができることがあります。良性・悪性どちらの可能性もあるため、しこりを見つけたらすぐに受診しましょう。
歯のトラブルを予防する方法
毎日の歯磨き
歯周病予防には、毎日のデンタルケアが最も効果的です。嫌がる犬でも成功する歯磨きのコツを参考に、少しずつ慣れさせましょう。
硬いものを与えない
破折を防ぐため、文房具のハサミで切れないほど硬いものは与えないようにしましょう。デンタルガムの選び方やデンタルトイの選び方を参考に、安全なものを選んでください。
定期的な歯科検診
自宅でできる歯の健康チェックに加え、定期的に動物病院🛒で口腔内をチェックしてもらいましょう。小型犬は年1〜2回、大型犬は年1回の検診が推奨されています。
参考情報
この記事は以下の信頼できる情報源を参考に作成しています:
Dental Disease in Dogs - VCA Animal Hospitals
犬の歯の破折 - KINS WITH動物病院
Cavities in Dogs - PetMD
犬も虫歯になる?歯のトラブルと予防法 - かしわだい動物病院
まとめ:犬の歯を守るために
犬の歯のトラブルについて、重要なポイントをまとめます:
犬は虫歯になりにくいが、歯周病は非常に多い(3歳以上の約80%)
歯周病を放置すると全身疾患につながる
破折は硬いものを噛むことが主な原因
歯が折れたら24時間以内に動物病院へ
毎日のデンタルケア🛒と定期検診が予防の基本
愛犬の歯の健康を守るために、歯茎の色をチェックしたり、デンタルケア製品を比較して最適なケア方法を見つけましょう。気になる症状があれば、早めに動物病院を受診することが大切です。





