共働きや一人暮らしで犬を飼う場合、留守番は避けられません。愛犬が安心して、ストレスなく留守番できる環境を整えることが、飼い主の大切な責任です。本記事では、快適な留守番環境をつくるための5つの重要なポイントを詳しく解説します。
犬の留守番の実態と限界時間
成犬がトイレなどを我慢できる留守番の限界は、4~6時間が目安とされています。一方で、犬が留守番できるのは、8~12時間だと言われていますが、これは最大限の時間であり、理想的とは言えません。

長時間の留守番は、犬にとって大きなストレスとなり、分離不安などの問題行動を引き起こす可能性があります。できるだけ留守番時間を短くする工夫が必要です。
| 留守番時間 | 犬への影響 | 注意点 |
|---|---|---|
| 2~4時間 | ストレス少ない | 理想的な時間 |
| 4~6時間 | やや我慢が必要 | トイレの心配あり |
| 6~8時間 | ストレス大きい | 対策が必須 |
| 8時間以上 | かなり負担 | できれば避けたい |
ポイント1:適切なケージ・サークルの設置
犬を留守番させるときは、ケージやサークルを用意し、留守中は入って待ってもらいます。慣れてくるとケージやサークル🛒を自分の部屋のように感じられるため、落ち着く場所や寝室として定着します。

ケージのサイズと配置
ケージやサークルを用意する際は、「寝床」と「トイレ」をできるだけ離して配置できる広さ(目安として幅120cm~180cm以上)を確保しましょう。
犬のサイズ別ケージの目安:
| 犬のサイズ | 推奨ケージサイズ | 理由 |
|---|---|---|
| 小型犬(~10kg) | 幅90~120cm | トイレと寝床を分離できる最低限のサイズ |
| 中型犬(10~25kg) | 幅120~150cm | 立ち上がって方向転換できる広さ |
| 大型犬(25kg~) | 幅150~180cm以上 | ゆったりと横になれる広さ |
ケージ内のレイアウト
寝床エリア:柔らかいベッドやブランケット
トイレエリア:寝床から最も遠い場所に設置
水飲み場:こぼれにくい固定式がおすすめ
おもちゃ🛒エリア:知育玩具やコング
詳しいケージ選びとトレーニング方法もご参照ください。
ポイント2:室温と湿度の管理
犬が快適に過ごせる室内環境は、温度22℃、湿度50%とされています。室温25℃、湿度60%を超えると熱中症リスクが高まるため、特に夏場は注意が必要です。
エアコンの設定温度
季節別の推奨設定:
夏場(6~9月):22~25℃
春秋(4~5月、10~11月):20~23℃
冬場(12~3月):20~22℃
調査によると、実に81%の飼い主が犬を留守番させる際にエアコンをつけっぱなしにしています。電気代が気になるかもしれませんが、愛犬の命を守るためには必須の投資です。
エアコン使用の注意点
⚠️ 重要な注意:
最近は人感センサーのあるエアコンが増えてきました。けれどセンサーは犬には反応しないため誰もいないと判断してしまうので、人感センサー機能はOFFにしておきましょう。
その他の注意点:
風が直接当たらない場所にケージを配置:冷風の直撃は体調不良の原因に
除湿モードの活用:湿度が高い日は除湿運転も効果的
複数の温度計を設置:ケージ内と室内全体の温度を把握
タイマー設定は避ける:留守番中は常時運転
夏場の追加対策
クールマット・ジェルマットの設置
凍らせたペットボトルをタオルで包んでケージ近くに
遮光カーテンで直射日光を遮る
水分補給用の水を多めに用意(2か所以上)
ポイント3:トイレ環境の整備
トイレが汚れていると、不快さからトイレ以外の場所で排泄する犬もいます。愛犬の排泄回数や量に合ったペットシーツ🛒を用意しておきましょう。
トイレの設置ポイント
枚数の確保:留守番時間が長い場合は、トイレシーツを2~3枚重ねる、または複数のトイレを設置
固定の工夫:トイレトレー🛒がずれないよう、滑り止めマットや固定テープを使用
臭い対策:消臭効果のあるペットシーツを選ぶ
留守番時間別のトイレ準備
| 留守番時間 | トイレシーツ | 推奨対応 |
|---|---|---|
| 2~4時間 | 通常サイズ1枚 | 出かける前にトイレを済ませる |
| 4~6時間 | 大判サイズまたは2枚重ね | 水を多めに用意 |
| 6~8時間 | 2か所設置を検討 | 吸収力の高いシーツ使用 |
| 8時間以上 | 複数箇所に設置必須 | ペットシッター依頼も検討 |
ポイント4:分離不安への対策
飼い主と離れることで不安を覚え、破壊や吠えなどの困った行動が認められることを分離不安といいます。分離不安の犬が留守番中に示す特徴的な行動として、「鳴き声」「粗相」「破壊行動」が最も多く見られます。
分離不安の予防トレーニング
まずは部屋の中に犬を1頭だけにして、ドアを閉め、始めは数十秒などの短時間から始めて、犬が鳴き始める前にドアを開けて顔を見せるようにし、徐々に時間を伸ばしていきます。
段階的トレーニング手順:
ステップ1:同じ部屋内で飼い主が離れる(30秒~1分)
ステップ2:ドアを閉めて別室へ(1~3分)
ステップ3:玄関を出て短時間外出(5~10分)
ステップ4:実際の外出時間(15分→30分→1時間と徐々に延長)
重要なポイント:
「ドアから出て1分間待つ」と画一的に時間で人間の行動を決めるのではなく、犬がリラックスしていることをトレーニングの指標にすることで犬は怖い思いをしないで済みます。
出発時・帰宅時の対応
出発時:
大げさに声をかけない
「行ってきます」などの決まった言葉は使わない
申し訳ない表情・素振りをしないでさっと外に出る
帰宅時:
上着を脱ぐ、荷物を置くなど、先に自分のことを済ませる
犬が静かになってから優しく声をかける
留守番を楽しくする工夫
知育玩具🛒の活用:コングにおやつを詰める、パズルトイで時間をつぶす
お気に入りのおもちゃ:留守番専用の特別なおもちゃを用意
飼い主の匂いがついたもの:着古したTシャツなどを置く
音楽・テレビ:静かすぎる環境よりも、軽く音がある方が落ち着く犬も
騒音対策については吠え声と足音の対策も合わせてご覧ください。
ポイント5:安全対策と緊急時の備え
留守番中の事故を防ぐため、安全対策を徹底しましょう。
室内の安全チェックリスト
✅ 電気コード・配線
噛むと感電の危険があるため、カバーをつけるか手の届かない場所に
✅ 誤飲の危険があるもの
小物、薬品、観葉植物、ゴミ箱などを片付ける
✅ 窓・ベランダ
脱走防止のため、必ず施錠する
窓から転落しないよう、ケージは窓から離れた場所に
✅ キッチン・浴室
入れないようドアを閉める
調理器具や洗剤など危険なものは収納
✅ 家具の配置
倒れやすいものは固定する
高い場所からの飛び降りを防ぐ
詳しい室内の安全対策もご参照ください。
緊急時の連絡体制
ペットシッターの登録:急な残業や体調不良に備える
近隣の信頼できる人:鍵を預けられる人を確保
動物病院の連絡先:緊急時の連絡先を見える場所に
見守りカメラ🛒:スマホで様子を確認できるペットカメラの導入
ペットカメラ・見守りシステムの活用
最近は、留守番中の犬の様子をスマホで確認できる見守りカメラが普及しています。
主な機能:
リアルタイム映像の確認
双方向の音声通話
自動給餌機能
温度・湿度の監視
動体検知・通知機能
異常があればすぐに気づけるため、安心して外出できます。
留守番時間を短くする工夫
理想は、できるだけ留守番時間を短くすることです。
実践できる工夫
在宅勤務・時差出勤の活用:週1~2日でも在宅日があれば犬のストレス軽減
昼休みに帰宅:職場が近い場合は、昼休みに様子を見に行く
ペットシッター・散歩代行:昼間に訪問してもらい、散歩やトイレ掃除を依頼
ドッグデイケア:週に数日、日中預けられる施設を利用
家族・友人の協力:交代で様子を見に行く
働き方の見直し
犬を飼うということは、生活スタイルを見直すきっかけにもなります。長時間労働が常態化している場合は、愛犬のためにも働き方を見直すことを検討しましょう。
総合的な住環境については犬と暮らす家づくり:安全で快適な住環境の親記事もご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 犬を留守番させる際、ケージに入れるべきですか?それとも放し飼いですか?
安全面を考えると、留守番中はケージやサークル🛒内で過ごさせることをおすすめします。放し飼いの場合、誤飲・感電・転落などの事故リスクが高まります。ただし、十分なしつけができていて、室内が完全に安全な状態であれば、放し飼いでも問題ありません。まずはケージでの留守番に慣れさせることから始めましょう。
Q2. 夏場、エアコンをつけっぱなしにすると電気代が心配です
確かに電気代は気になりますが、愛犬の熱中症リスクと比較すると、必要な出費です。最新のエアコンは省エネ性能が高いため、つけっぱなしの方が頻繁にオンオフするよりも電気代が安くなることもあります。月額で1,000~3,000円程度の増加を目安に考え、愛犬の命を守る投資と捉えましょう。扇風機やサーキュレーターを併用すると、より効率的に冷やせます。
Q3. 留守番中に吠え続けて、近隣から苦情が来ました
分離不安の可能性が高いため、まずは段階的な留守番トレーニングをやり直しましょう。数十秒から始めて、徐々に時間を延ばしていきます。また、出発時に大げさに声をかけない、帰宅時にすぐかまわないなど、出入りを「特別なこと」にしない工夫も重要です。改善しない場合は、ドッグトレーナーや獣医師に相談し、場合によっては抗不安薬の処方も検討します。
Q4. 仕事が忙しく、毎日10時間以上留守番させています。犬に申し訳ないです
10時間以上の留守番は犬にとってかなりの負担です。可能であれば、ペットシッターや散歩代行サービスを利用し、昼間に1度訪問してもらうことをおすすめします。また、ドッグデイケアに預ける、在宅勤務を増やす、時差出勤で昼休みに帰宅するなど、留守番時間を短くする工夫を検討しましょう。犬の幸せを優先する生活スタイルの見直しも大切です。
Q5. 子犬の留守番はいつから始められますか?
子犬の留守番は、生後3~4か月頃から、ごく短時間(5~10分)のトレーニングを始めるのが一般的です。ただし、ワクチン接種が完了し、基本的なトイレトレー🛒ニングができている必要があります。最初は本当に短時間から始め、徐々に時間を延ばしていきます。生後6か月頃までは、できれば4時間以上の留守番は避けたいところです。
まとめ:快適な留守番環境の5つのポイント
愛犬が安心して留守番できる環境をつくるには、以下の5つが重要です:
適切なケージ・サークルの設置:寝床とトイレを分離できる広さ(120cm以上)
室温と湿度の管理:温度22℃、湿度50%を維持、エアコンはつけっぱなし
トイレ環境の整備:体に合ったサイズ、留守番時間に応じた枚数の確保
分離不安への対策:段階的トレーニング、出入りを淡々と行う
安全対策と緊急時の備え:誤飲・感電の防止、見守りカメラの設置
快適な留守番環境を整えることは、愛犬の心身の健康を守るだけでなく、飼い主自身が安心して外出できることにもつながります。できることから一つずつ実践していきましょう。





