愛犬が熱いものに触れてやけどを負った時、適切な応急処置🛒ができるかどうかが、傷の治り方を大きく左右します。特に冷やし方を間違えると、かえって症状を悪化させる危険があります。この記事では、犬のやけどの応急処置として正しい冷やし方、やってはいけない間違った対応、そして動物病院を受診すべき判断基準を、獣医師の見解をもとに詳しく解説します。
やけどの重症度:3段階の分類と見分け方
犬のやけどは、損傷の深さによって3段階に分類されます。アニコム損保の獣医師監修記事では、以下のように説明されています。

| 重症度 | 損傷の範囲 | 主な症状 | 治癒期間 | 痕の残り方 |
|---|---|---|---|---|
| 第一度熱傷 | 表皮のみ | 赤み、乾燥、知覚過敏 | 数日 | 残らない |
| 第二度熱傷(浅達性) | 真皮中層まで | 赤み、腫れ、水疱、強い痛み | 1-2週間 | ほぼ残らない |
| 第二度熱傷(深達性) | 真皮深層まで | 皮膚剥離、軽度ケロイド | 2-4週間 | 軽度の痕 |
| 第三度熱傷 | 皮下組織・筋肉まで | 組織壊死、白色・炭化 | 数ヶ月 | 深い瘢痕 |
重要なポイントは、わんちゃんホンポの獣医師解説にあるように、「犬のやけどは日が経つにつれて進行する」ということです。人間のように即座に水疱ができるわけではなく、受傷後1週間ほどかけて徐々に重症度が明らかになります。
そのため、「最初は大したことなさそう」と思っても、数日後に悪化することがあり、早期の獣医師診察が重要です。
冷やし方の基本:流水15-20分が基準

やけどの応急処置🛒で最も重要なのが「冷却」です。Red Crossのペット応急処置ガイドでは、以下の冷却方法が推奨されています。
正しい冷却方法
流水で冷やす - 冷たすぎない水道水(15-20℃程度)
冷却時間 - 15-20分間、継続的に冷やす
部位 - やけど部位全体を覆うように水をかける
犬の体勢 - 小型犬は抱っこして浴室へ、中大型犬は浴槽で
全身の保温 - 冷却していない部分はタオル🛒で保温
PETOKOTOの獣医師によれば、冷却の目的は「熱による組織のさらなる損傷を防ぐこと」です。やけどを負った直後も、皮膚の深部では熱が残っており、放置すると損傷が進行します。流水で15-20分間冷やすことで、この深部の熱を取り除き、損傷の拡大を防ぎます。
冷やしすぎの危険:低体温症に注意
適切な冷却は重要ですが、冷やしすぎると低体温症を引き起こす危険があります。Vets Nowの獣医師は、以下のリスクを警告しています。
低体温症のリスクが高いケース
小型犬(体温が下がりやすい)
子犬や高齢犬
やけどの範囲が広い(体表面積の10%以上)
ショック状態にある
低体温症の兆候
震えが止まらない
歯茎が青白くなる
呼吸が浅く遅くなる
意識が朦朧とする
これらの症状が見られたら、冷却を中止し、すぐに毛布🛒で包んで保温しながら動物病院へ搬送します。特に小型犬で広範囲のやけどの場合、冷却と保温のバランスが重要です。
絶対にやってはいけない5つの間違い
善意から行った処置が、かえって症状を悪化させることがあります。AKCの獣医専門家は、以下の行為を絶対に避けるよう警告しています。
1. 氷や氷水で冷やす 氷や氷水で急激に冷やすと、皮膚の血管が収縮し、血流が悪くなります。これにより組織への酸素供給が減少し、かえって損傷が悪化します。また、凍傷を引き起こす危険もあります。
2. バターや油を塗る 民間療法として「バターを塗ると良い」という誤った情報がありますが、これは絶対に避けてください。油分が熱を閉じ込め、深部への熱伝導を促進し、やけどを悪化させます。
3. 水疱を破る 水疱は、損傷した組織を保護する自然の包帯です。破ると細菌感染のリスクが高まり、治癒が遅れ、痕が残りやすくなります。
4. 軟膏や消毒液を自己判断で塗る 人間用の軟膏や消毒液は、犬にとって刺激が強すぎたり、毒性があったりします。また、獣医師の診察時に患部の状態を正確に把握できなくなります。
5. 保冷剤を直接当てる 保冷剤は氷よりもさらに温度が低く、凍傷のリスクが高まります。どうしても使用する場合は、必ずタオルで2-3重に包んでから使用します。
低温やけどへの対処:見た目より深刻
冬場に注意が必要なのが、低温やけどです。つだ動物病院の獣医師によれば、低温やけどは普通のやけどよりも深刻なことがあります。
低温やけどの特徴
44-50℃程度の温度で長時間接触して発生
皮膚表面は軽度でも、深部が重度に損傷
痛みが少ないため気づきにくい
治癒に時間がかかる
低温やけどの原因
ホットカーペット🛒に長時間寝る
湯たんぽに密着して寝る
カイロを体に貼り付ける
電気毛布の長時間使用
低温やけどの応急処置も、通常のやけどと同じく15-20℃の流水で10-15分冷却します。その後、清潔なガーゼやタオルで保護し、必ず動物病院を受診しましょう。
動物病院を受診すべき判断基準
すべてのやけどが緊急受診を要するわけではありませんが、以下の場合は必ず獣医師の診察を受けましょう。
緊急受診が必要なケース
重症度による判断
- 第二度以上(水疱がある、皮膚が剥けている) - やけどの範囲が10円玉より大きい - 第三度(白色や黒く炭化)
部位による判断
- 目の周り - 口の中 - 生殖器周辺 - 肉球(歩行に支障)
症状による判断
- 強い痛みで鳴き続ける - 食欲がない、水を飲まない - ぐったりしている - 嘔吐や下痢
原因による判断
- 化学薬品によるやけど - 電気によるやけど - 広範囲のやけど
子犬のへやの獣医師監修記事では、「迷ったら受診」という原則が強調されています。特に子犬や高齢犬は、軽度に見えても重症化しやすいため、早めの受診が推奨されます。
動物病院での治療:重症度別の対応
動物病院🛒では、やけどの重症度に応じて、以下のような治療が行われます。
第一度熱傷の治療
洗浄と消毒
抗生物質軟膏の塗布
鎮痛剤の処方
自宅でのケア指導
第二度熱傷の治療
洗浄とデブリード🛒マン(壊死組織の除去)
湿潤療法(特殊なドレッシング材)
抗生物質の投与(感染予防)
鎮痛剤
定期的な包帯交換
第三度熱傷の治療
集中的な洗浄とデブリードマン
点滴療法(脱水・ショック対策)
強力な抗生物質
場合によっては皮膚移植手術
入院治療
まりも動物病院の獣医師によれば、第三度熱傷で最も恐ろしいのは感染症です。広範囲のやけどで皮膚のバリア機能が失われると、細菌が血液中に侵入し、敗血症を引き起こす可能性があります。
やけど予防:日常生活で気をつけること
やけど事故の多くは、適切な環境管理で防ぐことができます。
室内環境の整備
調理中は犬をキッチンに入れない
熱い飲み物をテーブルの端に置かない
アイロンやヘアアイロンは使用後すぐに片付ける
ストーブにガードを設置
ホットカーペット🛒は低温設定にする
夏場の注意
真昼のアスファルトは避ける(60℃超になることも)
車内に残さない
日向のコンクリートに長時間座らせない
冬場の注意
湯たんぽやカイロは直接触れないようカバーをかける
電気毛布は短時間のみ使用
ホットカーペットで寝かせる時は毛布を敷く
散歩時の確認
アスファルトを手の甲で5秒触り、熱ければ散歩中止
金属製のマンホールや側溝の蓋も高温になる
犬用の靴下やブーツの着用も検討
高リスクシーンの認識
夏場の車のボンネットに乗せない
花火やバーベキューでの火傷
冬場のストーブやこたつ
これらの予防策を日常的に実践することで、やけど事故のリスクを大幅に減らすことができます。
愛犬がやけどを負ったら、まず冷たすぎない流水で15-20分間冷やすことが重要です。氷や氷水は血管収縮で逆効果、バターや軟膏も厳禁です。第二度以上のやけど(水疱や皮膚脱落)、敏感な部位のやけど、広範囲のやけどは必ず動物病院を受診しましょう。犬のやけどは時間とともに進行するため、軽度に見えても数日後に悪化する可能性があります。日頃から予防を心がけ、万が一の時には正しい応急処置で愛犬を守りましょう。






