日本は地震、台風、水害など、さまざまな自然災害のリスクがある国です。愛犬を守るためには、日頃からの備えが欠かせません。犬と暮らす安全な住環境の一環として、防災対策は飼い主の重要な責任です。
本記事では、環境省のペット災害対策ガイドラインをもとに、犬のための避難グッズと備蓄品の準備方法を徹底解説します。
なぜペットの防災対策が必要なのか
ペットの防災対策は、飼い主の責任として明確に位置づけられています。避難所でのペット用品は基本的に用意されていないため、自分で準備しておく必要があります。

災害時のリスク:
避難所がペット不可の場合がある
ペット用の支援物資が届くまで時間がかかる
パニックになった犬の脱走
衛生環境の悪化
他の避難者とのトラブル
事前に備えておくことで、これらのリスクを大幅に軽減できます。
備蓄の基本:最低5日分、できれば7日分以上

災害時の備蓄は、最低でも5日分、できれば7日分以上の準備が推奨されています。大規模災害では支援が届くまでに時間がかかるため、余裕を持った備蓄が重要です。
ローリングストック法
備蓄品は「ローリングストック法」で管理します。これは、普段から少し多めにストックし、使ったら買い足すという方法です。
メリット:
賞味期限切れを防げる
いつも新鮮な食品を備蓄できる
災害時も普段と同じ食事を与えられ、犬のストレスが減る
必須の避難グッズリスト
最優先で準備すべきもの
犬の防災グッズとして、以下は必ず準備しましょう。
1. フードと水
最低5日分、できれば7日分以上
水は体重4~5kgあたり1日200ml程度
軽量な容器(折りたたみ式の食器)
いつも食べているフード(療法食の場合は特に重要)
2. キャリーバッグ・ケージ
小型犬:キャリーバッグまたはクレート
中型犬以上:折りたたみ式ケージまたはカート
避難所での居場所確保に必須
3. 首輪・リード・ハーネス
予備も含めて2セット
迷子札に飼い主の連絡先を記載
伸縮リードは不可(避難所では短いリードが原則)
4. トイレ用品
ペットシーツ(最低30~50枚)
新聞紙(代用品として)
ビニール袋(排泄物処理用)
ウェットティッシュ
5. 薬と医療記録
常用薬(最低7日分)
療法食の処方箋コピー
ワクチン接種証明書
持病やアレルギーの記録
あると安心なグッズ
健康・衛生用品
ガーゼ、包帯、消毒液
ノミ・ダニ予防薬
ブラシ
タオル(数枚)
犬用の靴またはバンテージ(ガラス片から肉球を守る)
その他
お気に入りのおもちゃ(ストレス軽減)
毛布やブランケット
ビニール袋(多めに)
ガムテープ(ケージ補修など多用途)
写真(迷子になった時の捜索用)
飼い主の連絡先を書いた迷子札
情報管理も重要な備え
マイクロチップと鑑札
災害時は犬が驚いて脱走するリスクが高まります。首輪が外れても身元がわかるよう、マイクロチップの装着を検討しましょう。
マイクロチップ:体内埋め込み型の個体識別装置
鑑札:自治体登録の証明
迷子札:首輪につける連絡先タグ
複数の身元確認手段を組み合わせることで、発見率が大幅に向上します。
写真と記録の準備
ペットの防災準備として、以下の情報をまとめておきましょう。
犬の全身写真(正面・側面・後ろから)
特徴的なマーキングのアップ写真
飼い主と一緒に写った写真
ワクチン接種証明書のコピー
かかりつけ動物病院の連絡先
持病や投薬内容の記録
スマートフォンに保存し、さらにクラウドにバックアップしておくと安心です。
避難グッズの保管方法
すぐに持ち出せる場所に
避難グッズは、すぐに持ち出せる場所に保管します。
おすすめの保管場所:
玄関の近く
リビングの見える場所
車のトランク
NGな場所:
物置の奥
2階の押し入れ(地震で階段が崩れると取りに行けない)
別の建物(倉庫など)
防災リュックにまとめる
避難グッズの準備は、専用のリュックやバッグにまとめておくと便利です。
ポイント:
両手が空くリュック型が理想
犬を抱えても持てる重さに調整
中身のリストをリュックに貼っておく
定期的に中身をチェック(賞味期限など)
避難訓練と日頃のしつけ
キャリーに慣れさせる
災害時、キャリーやケージに入ることを嫌がる犬は避難が困難になります。日頃からキャリーに慣れさせておきましょう。
練習方法:
キャリーを部屋に置いて自由に出入りさせる
中でおやつを与える
短時間扉を閉める練習
キャリーに入れて短い外出をする
他の犬や人に慣れさせる
避難所では多くの人や犬と一緒に過ごします。社会化トレーニングは防災対策の一環でもあります。
散歩で他の犬に会う機会を作る
人混みに慣れさせる
吠え癖や噛み癖を直す
「待て」「おいで」などの基本コマンドを練習
避難所での生活に備えて
避難所のペット受け入れ状況を確認
お住まいの地域の避難所が、ペット同行避難を受け入れているか事前に確認しましょう。
確認事項:
ペット同行避難が可能か
屋内か屋外か
ケージ持参が必須か
受け入れ頭数の制限
自治体のホームページや防災担当課で確認できます。
車中泊の準備も
避難所がペット不可の場合、車中泊を選択する飼い主もいます。
車中泊の注意点:
在宅避難の選択肢
自宅が安全なら在宅避難を
建物が無事で、ライフラインが確保できるなら、在宅避難の方が犬にとってストレスが少ない場合もあります。
在宅避難の条件:
建物に倒壊の危険がない
火災の危険がない
十分な備蓄がある
近隣に二次災害のリスクがない
在宅避難のための備蓄
在宅避難を選択する場合、より長期間の備蓄が必要です。
水(人間とペット分で最低3日、できれば1週間分)
食料(同上)
カセットコンロとガスボンベ
懐中電灯、ランタン
簡易トイレ
衛生用品
定期的な見直しを忘れずに
年2回のチェックが理想
防災グッズは、年に2回(春と秋)チェックする習慣をつけましょう。
チェック項目:
フードの賞味期限
薬の使用期限
水の交換
犬のサイズ変化(ハーネスやキャリーのサイズ)
連絡先の更新
電池の確認
ライフステージに合わせた更新
子犬から成犬、シニア犬へと成長するにつれて、必要な備品も変わります。
子犬:成長に合わせてキャリーサイズを変更
成犬:体重増加に応じて食料と水の量を調整
シニア犬:薬や療法食の追加、介護用品の準備
地域コミュニティとの連携
ペット防災訓練への参加
自治体やペット関連団体が実施する防災訓練に参加することで、実践的な知識が身につきます。
避難経路の確認
避難所の実際の様子を知る
他の飼い主との情報交換
専門家のアドバイスを受ける
近隣住民との協力体制
災害時、近所で助け合える関係を作っておくことも大切です。
ペットを飼っている家庭同士で連絡先を交換
お互いの避難計画を共有
留守中にペットを預け合う約束
まとめ
犬の防災対策は、「備えあれば憂いなし」の典型です。災害はいつ起こるかわかりません。今日から準備を始めることで、愛犬の命を守ることができます。
最重要ポイント:
最低5日分、できれば7日分以上の食料と水を備蓄
キャリーやケージに日頃から慣れさせる
マイクロチップや迷子札で身元確認できるようにする
避難所の受け入れ状況を事前に確認
定期的に備蓄品を見直す
愛犬との安全で快適な暮らしのために、防災対策を日常の一部にしていきましょう。大切な家族を守るのは、飼い主であるあなたです。






