愛犬がお気に入りのおもちゃ🛒を咥えたまま離さない、取ろうとすると唸る──このような行動に悩んでいる飼い主さんは少なくありません。この行動は「リソースガーディング(資源保護)」や「所有欲」と呼ばれる犬の本能的な行動で、適切に対処しないと噛みつきなどの問題行動に発展する可能性があります。犬とのくらしによると、犬がおもちゃを離さない理由を理解し、正しいトレーニング方法を実践することが重要です。本記事では、犬がおもちゃに執着する心理から、効果的な対処法、やってはいけないNG行動まで詳しく解説します。
犬がおもちゃを離さない理由
まずは、なぜ犬がおもちゃを離したがらないのか、その心理を理解しましょう。

返ってこないという不安
犬が持っているおもちゃを取り上げて返さない経験を繰り返すと、犬は「渡したら返ってこない」と学習します。この不安から、おもちゃを頑なに離さなくなります。特に、以前におもちゃを没収された経験がある犬は、強い執着を示します。
遊びの継続を望んでいる
わんちゃんホンポによると、犬がおもちゃを持ってくるけど離さないのは、「一緒に遊びたい」というサインであることが多いです。引っ張りっこなどの遊びを期待しており、おもちゃ🛒を渡すことで遊びが終わると思っている可能性があります。

本能的な所有欲と資源保護
Purinaによると、リソースガーディング(資源保護)は、犬が特定のアイテムや人に対して所有欲を持ち、保護しようとする自然な行動です。野生では、食べ物や価値のあるものを守ることが生存に直結していたため、この本能が残っています。
ストレスや不安の表れ
おもちゃへの過度な執着は、ストレスや不安の表れである場合もあります。環境の変化や十分な運動不足、孤独感などがストレスとなり、おもちゃに固執する行動として現れることがあります。
リソースガーディングの兆候とサイン
愛犬がリソースガーディングを示しているかどうか、以下のサインに注意しましょう。
身体的なサイン
体の硬直:おもちゃの上で体を硬くする
白目を見せる(ホエールアイ):目の白い部分が見える
固い視線:おもちゃやあなたを見つめる
唇を上げる:歯を見せる準備をする
音声的なサイン
低い唸り声:警告のサイン
歯をむき出しにする:攻撃の準備段階
吠える:威嚇や警告
行動的なサイン
おもちゃ🛒の上に体を覆いかぶせる
おもちゃを咥えて隠れる
近づくと逃げる、または攻撃的になる
他の犬や人が近づくと唸る
いぬぷらすでは、唸る行為は警告サインであり、放置すると噛みつき行動に発展する可能性があると指摘されています。
効果的な対処法とトレーニング方法
リソースガーディングは適切なトレーニングで改善できます。以下の方法を段階的に実践しましょう。
「ちょうだい」コマンドの教え方
ペトコト(PETOKOTO)で詳しく解説されている「ちょうだい」コマンドは、基本的なトレーニングです。
ステップ1:準備
犬が少しお腹を空かせている時間帯を選ぶ
高価値のおやつを用意する(鶏肉、チーズなど)
低価値のおもちゃから始める
ステップ2:基本トレーニング
犬におもちゃを与えて遊ばせます
おやつを見せながら「ちょうだい」と言います
犬がおもちゃを離したら、すぐにおやつを与えます
おやつを食べている間におもちゃ🛒を拾います
重要:すぐにおもちゃを返します
ステップ3:繰り返しと強化
最初は5〜10回程度繰り返します
成功したら大げさに褒めます
毎日短時間(5分程度)練習します
トレードアップ法
Preventive Vetで推奨されているトレードアップ法は、非常に効果的な方法です。
原理: 犬に「手放すことで、もっと良いものが得られる」と学習させます。
実践方法:
低価値のアイテムから始めます(古いおもちゃなど)
高価値のおやつを見せます
「トレード」または「ちょうだい」と言います
犬がアイテムを離したら、すぐにおやつを与えます
アイテムを返すか、別の楽しい遊びを始めます
価値の段階:
レベル1:興味の薄いおもちゃ
レベル2:普通のおもちゃ
レベル3:お気に入りのおもちゃ
レベル4:食べ物が入った知育玩具
脱感作トレーニング
犬の不安を軽減するための脱感作トレーニングも効果的です。
ステップ1:距離を保つ
おもちゃから離れた位置に立ちます
犬が警戒サインを示さない距離を見つけます
その距離でおやつを与えます
ステップ2:徐々に近づく
数日かけて少しずつ近づきます
各段階で犬がリラックスしていることを確認
警戒サインが出たら、前の段階に戻ります
ステップ3:手を伸ばす
十分に近づけるようになったら、手を伸ばす練習
最初は空中で手を動かすだけ
徐々におもちゃ🛒に触れる練習へ
ポジティブな関連付け
人が近づくことを良いことだと学習させます。
おもちゃで遊んでいる犬に近づきます
近づいたら美味しいおやつを投げ与えます(取り上げない)
これを繰り返すことで、「人が近づく=良いことが起こる」と学習します
絶対にやってはいけないNG行動
リソースガーディングを悪化させる行動を避けることも重要です。
無理やり取り上げる
フレンチブルドッグライフでは、無理やり取り上げることは絶対NGとされています。信頼関係を壊し、攻撃性を強化してしまいます。
罰を与える
唸ったり警戒サインを示したからといって罰を与えると、犬は警告サインを出さずにいきなり噛みつくようになる可能性があります。警告サインは犬のコミュニケーションとして重要です。
おもちゃを没収し続ける
「取り上げる→返さない」を繰り返すと、犬の不安と執着がますます強まります。
大声で叱る
大声は犬のストレスと不安を増大させ、問題を悪化させます。
追いかける
おもちゃを持って逃げる犬を追いかけると、犬は「取られる」と認識し、さらに強く守ろうとします。
環境管理と予防策
トレーニング🛒と並行して、環境を整えることも重要です。
おもちゃのローテーション
おもちゃのローテーションを行うことで、特定のおもちゃへの過度な執着を防げます。
問題のあるおもちゃの一時撤去
特定のおもちゃに対して強い執着を示す場合、トレーニング期間中は一時的に撤去することを検討します。
十分な運動と刺激
運動不足やストレスがリソースガーディングを悪化させることがあります。適切な遊び時間を確保しましょう。
安心できる環境づくり
犬が安心して過ごせる環境を提供することで、所有欲や不安が軽減されます。
多頭飼いでの特別な配慮
複数の犬を飼っている場合、リソースガーディングはより複雑になります。
個別に遊ばせる
おもちゃで遊ぶ時は、犬を別々の部屋に分けて個別に遊ばせることで、競争心を減らせます。
十分な数のおもちゃ
各犬が十分におもちゃにアクセスできるよう、余裕を持った数を用意します。
食事や価値の高いおもちゃは別々に
食事や特に価値の高いおもちゃは、必ず別々の場所で与えましょう。
平等な扱い
えこひいきは犬同士の競争心を煽ります。すべての犬を平等に扱いましょう。
年齢別の対処法
犬の年齢によって、アプローチ方法を調整する必要があります。
子犬の場合(生後2ヶ月〜1歳)
| 特徴 | 対処法 | ポイント |
|---|---|---|
| 学習能力が高い | 早期からトレーニング開始 | 習慣化しやすい |
| 歯の生え替わり | 噛む行動が自然 | 適切な噛むおもちゃを提供 |
| 社会化期 | 他の犬との交流 | 共有することを学ぶ |
成犬の場合(1歳〜7歳)
既に習慣化している可能性があるため、根気強いトレーニングが必要です。プロのトレーナーの助けを借りることも検討しましょう。
シニア犬の場合(7歳以上)
認知機能の低下や身体の不調が影響している可能性があります。獣医師に相談し、健康面もチェックしましょう。
専門家に相談すべきケース
以下のような場合は、専門家の助けが必要です。
噛みつく・攻撃する
実際に噛みついたり、激しく攻撃する場合は、すぐにプロのドッグトレーナーや行動専門家に相談しましょう。
複数の対象に執着する
おもちゃだけでなく、食べ物、場所、人など、複数のものに対してリソースガーディングを示す場合。
家庭内でのトレーニングが効果なし
数週間トレーニングを続けても改善が見られない場合。
子供や他のペットへのリスク
小さな子供や他のペットがいる家庭で、安全上のリスクがある場合。
成功のための重要ポイント
リソースガーディングの改善には、以下のポイントが重要です。
忍耐強く取り組む
行動の変化には時間がかかります。数週間から数ヶ月かかることを理解し、焦らず取り組みましょう。
一貫性を保つ
家族全員が同じ方法でトレーニングを行うことが重要です。
小さな成功を認める
わずかな改善も認めて褒めることで、犬のモチベーションが維持されます。
信頼関係を最優先
トレーニングの目的は、犬との信頼関係を築くことです。強制や罰は避け、常にポジティブな方法を選びましょう。
まとめ:愛犬との信頼関係を築きながら問題を解決
犬がおもちゃを離さない、執着する行動は、適切な理解とトレーニングで改善できます。無理やり取り上げるのではなく、犬の気持ちに寄り添いながら、「手放すことは良いこと」だと教えていくことが大切です。
重要なポイント:
理由を理解する:返ってこない不安、遊びたい、本能的な所有欲
「ちょうだい」コマンドを教える
トレードアップ法で高価値のおやつ🛒と交換
必ずおもちゃを返して信頼を築く
絶対NG:無理やり取り上げる、罰を与える
警戒サインを見逃さない:唸る、体の硬直、白目
専門家に相談:深刻な場合は躊躇しない
これらの方法を実践することで、愛犬との信頼関係を深めながら、問題行動を改善できます。手作りおもちゃで遊ぶ際も、同様の配慮が必要です。
焦らず、一歩ずつ進めていきましょう。愛犬との楽しい遊び時間を取り戻すために、今日から実践してみてください。






